JPH0747598B2 - 品質の改良されたフィチン酸水溶液 - Google Patents
品質の改良されたフィチン酸水溶液Info
- Publication number
- JPH0747598B2 JPH0747598B2 JP24751186A JP24751186A JPH0747598B2 JP H0747598 B2 JPH0747598 B2 JP H0747598B2 JP 24751186 A JP24751186 A JP 24751186A JP 24751186 A JP24751186 A JP 24751186A JP H0747598 B2 JPH0747598 B2 JP H0747598B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phytic acid
- aqueous solution
- cyclodextrin
- acid aqueous
- improved quality
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は品質の改良されたフィチン酸水溶液に関し、詳
しくは着色性および酸味の改良されたフィチン酸水溶液
に関する。
しくは着色性および酸味の改良されたフィチン酸水溶液
に関する。
フィチン酸は植物体、特に種子中に多く含まれるイノシ
トールのヘキサリン酸エステルであり、キレート形成能
をもち水中の金属イオンを封鎖しうるため水産缶詰のス
トラバイト防止剤、食品の褐変や褪色防止剤として使用
することができる。
トールのヘキサリン酸エステルであり、キレート形成能
をもち水中の金属イオンを封鎖しうるため水産缶詰のス
トラバイト防止剤、食品の褐変や褪色防止剤として使用
することができる。
しかしながらフィチン酸は次のような大きな欠点を有す
るため、フィチン酸の食品分野への使用は限定されてい
る。すなわち、フィチン酸そのものが経時的にどんどん
褐変し、非常に取り扱いにくいことおよび強い刺激性の
ある酸味を呈し、食品の味を損なうことである。
るため、フィチン酸の食品分野への使用は限定されてい
る。すなわち、フィチン酸そのものが経時的にどんどん
褐変し、非常に取り扱いにくいことおよび強い刺激性の
ある酸味を呈し、食品の味を損なうことである。
本発明者等は、フィチン酸のキレート形成能を低下させ
ることなく、フィチン酸そのものの褐変を抑制し、酸味
を低減できれば食品分野で広く使用することができる点
に着眼し、種々の物質について広くスクリーニングを行
なった結果、サイクロデキストリンを添加することでこ
の目的を達成できることを見出し本発明に到達した。
ることなく、フィチン酸そのものの褐変を抑制し、酸味
を低減できれば食品分野で広く使用することができる点
に着眼し、種々の物質について広くスクリーニングを行
なった結果、サイクロデキストリンを添加することでこ
の目的を達成できることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明、サイクロデキストリンを含有する品質
の改良されたフィチン酸水溶液である。
の改良されたフィチン酸水溶液である。
サイクロデキストリンとは、グルコースがα−1,4グル
コンド結合で環状に結合したオリゴ糖をいい、バチルス
・マルセランス(Bacillus marcerans)の分泌するサイ
クロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(Cyclod
extrin glucanotransferase、サイクロデキストリン合
成酵素)、または他の数種の微生物の分泌するサイクロ
デキストリン合成酵素をデンプンに作用させて製造され
る。サイクロデキストリンにはグリコース分子が6,7,8
個の3種類のものがあり、それぞれα、β、γ−サイク
ロデキストリンと呼ばれている。本発明のサイクロデキ
ストリンとは、このα、β、γ−サイクロデキストリン
あるいはこれらの混合物を指す。
コンド結合で環状に結合したオリゴ糖をいい、バチルス
・マルセランス(Bacillus marcerans)の分泌するサイ
クロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(Cyclod
extrin glucanotransferase、サイクロデキストリン合
成酵素)、または他の数種の微生物の分泌するサイクロ
デキストリン合成酵素をデンプンに作用させて製造され
る。サイクロデキストリンにはグリコース分子が6,7,8
個の3種類のものがあり、それぞれα、β、γ−サイク
ロデキストリンと呼ばれている。本発明のサイクロデキ
ストリンとは、このα、β、γ−サイクロデキストリン
あるいはこれらの混合物を指す。
フィチン酸は、イノシトールのヘキサリン酸エステルを
いい、Ca、Mg複塩として植物体中、特に種子中に多量に
含まれる化合物である。主として米ヌカから希酸又はア
ルカリ溶液で抽出され、Ca等の金属塩にして沈澱精製後
イオン交換等の処理を経て製造されている。純度50%品
が一般に水溶液の形で市販されており、本発明のフィチ
ン酸としてこれらの市販品を使用することができる。
いい、Ca、Mg複塩として植物体中、特に種子中に多量に
含まれる化合物である。主として米ヌカから希酸又はア
ルカリ溶液で抽出され、Ca等の金属塩にして沈澱精製後
イオン交換等の処理を経て製造されている。純度50%品
が一般に水溶液の形で市販されており、本発明のフィチ
ン酸としてこれらの市販品を使用することができる。
本発明におけるサイクロデキストリンの添加量は、フィ
チン酸に対し0.5重量%以上であれば本発明の目的を達
しうるが、1〜100重量%であることが好ましい。
チン酸に対し0.5重量%以上であれば本発明の目的を達
しうるが、1〜100重量%であることが好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1.フィチン酸の褐変防止試験 フィチン酸の褐変防止試験 活性炭で脱色した50%フィチン酸液にβ−サイクロデキ
ストリンをそれぞれ1%、3%、5%、10%を添加し、
完全に溶解させた後に50℃オーブンにて褐変防止試験を
行った。
ストリンをそれぞれ1%、3%、5%、10%を添加し、
完全に溶解させた後に50℃オーブンにて褐変防止試験を
行った。
着色度の測定は吸光度計を用いて、420nmの波長におけ
る透過率(%)を測定した。
る透過率(%)を測定した。
比較のため、β−サイクロデキストリンの代わりに、DE
35デキストリン〔分解率35%、日本食品化工(株)〕を
同量添加したフィチン酸水溶液についても同様にして透
過率(%)を測定した。結果を第1表に示す。
35デキストリン〔分解率35%、日本食品化工(株)〕を
同量添加したフィチン酸水溶液についても同様にして透
過率(%)を測定した。結果を第1表に示す。
実施例2.フィチン酸の酸味低減試験 市販の50%フィチン酸溶液(築野食品工業製)を用いフ
ィチン酸の2500PPm濃度水溶液を調製し、これにサイク
ロデキストリン濃度が第2表に示す各濃度になるよう
に、サイクロデキストリンCH-30(日本食品化工(株)
製、α、β、γ−あわせて30%のサイクロデキストリン
を含む製品)を添加して得られた各水溶液について、官
能試験により10名のパネラーを用い5段階の評価を行な
った。
ィチン酸の2500PPm濃度水溶液を調製し、これにサイク
ロデキストリン濃度が第2表に示す各濃度になるよう
に、サイクロデキストリンCH-30(日本食品化工(株)
製、α、β、γ−あわせて30%のサイクロデキストリン
を含む製品)を添加して得られた各水溶液について、官
能試験により10名のパネラーを用い5段階の評価を行な
った。
結果を第2表に示す。総合評価は10名のパネラーの合計
点数で表わしてある。
点数で表わしてある。
実施例3 食品分野への使用試験 活性炭で脱色した50%フィチン酸溶液(築野食品工業
製)980gにβ−サイクロデキストリン(日本食品化工
(株)製)20gを添加してフィチン酸製剤Aを調製し、
室温に6ヶ月保存したものを総重量の0.05%,0.10%,0.
50%になる量添加して白菜の一夜漬を作り、これを小袋
詰めにして変色防止試験および官能試験を行った。
製)980gにβ−サイクロデキストリン(日本食品化工
(株)製)20gを添加してフィチン酸製剤Aを調製し、
室温に6ヶ月保存したものを総重量の0.05%,0.10%,0.
50%になる量添加して白菜の一夜漬を作り、これを小袋
詰めにして変色防止試験および官能試験を行った。
比較のためフィチン酸無添加および50%フィチン酸溶液
を添加した系についても同様にして各試験を行った。同
時に、β−サイクロデキストリンの代わりに、DE35デキ
ストリン〔日本食品化工(株)〕を添加したフィチン酸
製剤Bについても同様に各試験を行った。
を添加した系についても同様にして各試験を行った。同
時に、β−サイクロデキストリンの代わりに、DE35デキ
ストリン〔日本食品化工(株)〕を添加したフィチン酸
製剤Bについても同様に各試験を行った。
結果を第3表に示す。官能試験の評価は実施例2と同じ
基準による5段階評価である。
基準による5段階評価である。
本発明のフィチン酸水溶液製剤(A)を使用したもの
は、変色防止効果はフィチン酸と同等の効果を有し、官
能試験においては酸味が少なく良好な結果が得られてい
る。
は、変色防止効果はフィチン酸と同等の効果を有し、官
能試験においては酸味が少なく良好な結果が得られてい
る。
なお、本発明例で使用したフィチン酸製剤AおよびBは
第4表のような品質を有するものであった。
第4表のような品質を有するものであった。
Claims (2)
- 【請求項1】サイクロデキストリンを含有する品質の改
良されたフィチン酸水溶液。 - 【請求項2】サイクロデキストリンがフィチン酸に対
し、0.5〜100重量%である請求項1記載の品質の改良さ
れたフィチン酸水溶液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24751186A JPH0747598B2 (ja) | 1986-10-20 | 1986-10-20 | 品質の改良されたフィチン酸水溶液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24751186A JPH0747598B2 (ja) | 1986-10-20 | 1986-10-20 | 品質の改良されたフィチン酸水溶液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63104991A JPS63104991A (ja) | 1988-05-10 |
JPH0747598B2 true JPH0747598B2 (ja) | 1995-05-24 |
Family
ID=17164567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24751186A Expired - Lifetime JPH0747598B2 (ja) | 1986-10-20 | 1986-10-20 | 品質の改良されたフィチン酸水溶液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0747598B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02124894A (ja) * | 1988-11-01 | 1990-05-14 | Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd | フィチン酸安定化組成物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5798292A (en) * | 1980-12-09 | 1982-06-18 | Jiyaade:Kk | Powdery phytic acid and its preparation |
JPS63165390A (ja) * | 1987-11-21 | 1988-07-08 | Jiyaade:Kk | 粉末フィチン酸の製造法 |
-
1986
- 1986-10-20 JP JP24751186A patent/JPH0747598B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63104991A (ja) | 1988-05-10 |
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