JPH074738A - 循環式風呂釜制御装置 - Google Patents

循環式風呂釜制御装置

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JPH074738A
JPH074738A JP16856993A JP16856993A JPH074738A JP H074738 A JPH074738 A JP H074738A JP 16856993 A JP16856993 A JP 16856993A JP 16856993 A JP16856993 A JP 16856993A JP H074738 A JPH074738 A JP H074738A
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敏宏 小林
Akihito Kito
昭仁 鬼頭
Yoshikatsu Tsuji
佳克 辻
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼器内で水の部分沸騰が発生することのな
い循環式風呂釜制御装置を提供すること。 【構成】 循環式風呂釜制御装置は、浴槽24と、浴槽
内の水を強制的に循環させるポンプ15と、強制循環管
路上にあってガスを燃焼させることにより管路内を循環
する水を加熱する熱交換器50とを有する循環式風呂釜
を制御するものであって、ガス燃焼室31に供給される
ガス量を可変するガス量可変手段19と、管路内の水温
を計測する水温検出器と、加熱されて浴槽24に戻る水
温を所定温度以下に維持するようにガス量可変手段19
の開度を制御する水温制御手段48、35とを有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴槽内の水を強制的に
循環させて、循環させた水を加熱する強制循環式風呂釜
に関し、さらに詳細には、その循環式風呂釜を制御する
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、浴槽に入れた水をポンプによ
り強制的に循環させ、循環管路途中に設けた熱交換器を
燃焼加熱することにより、浴槽内の水を所定の温度まで
上昇させる強制循環式風呂釜が使用されている。ガス燃
焼により、管路内の水を加熱する熱交換器の一例を図3
に断面図で示す。ポンプにより循環される水Fは、ガス
燃焼室31の上部に設けられた熱交換器50に送られそ
こで4回往復して浴槽に戻される。すなわち、水Fは、
熱交換器50の右端部から下部パイプ41aに入り、熱
交換器50の左端部まで行って下部パイプ41bにより
右端部に戻る。そして、下部パイプ41cにより、左端
部に行き中部パイプ42aにより右端部に戻る。順次繰
り返して、水Fは、上部パイプ43cより外部に出て浴
槽に戻される。
【0003】通常の強制循環式風呂釜において、水Fの
循環流量は5〜8リットル/min、浴槽の水量は18
0〜200リットル、ガスの燃焼量は約12000kc
al/hourである。水の循環流量が8リットル/m
inの場合、熱交換器50に入る時と出る時とで水温が
摂氏で約19度上昇する(以下摂氏を省略する)。こう
して、強制循環加熱により浴槽水温は次第に上昇してい
く。浴槽内の水温は、循環管路の入口からガス燃焼室3
1までの間に設けられたサーミスタにより検出される。
そして、サーミスタが所定の温度を検出すると自動的に
強制循環及びガス燃焼を停止することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
循環式風呂釜及びその制御装置には、以下の問題があっ
た。すなわち、浴槽内の水温によっては熱交換器におい
て管路内での水Fの部分沸騰が発生する場合があったの
である。例えば、浴槽内の水Fの温度が10度程度の時
に循環式風呂釜を始動させる場合を考える。熱交換器に
流入する水Fの水温は約10度であるが、循環水量が5
リットル/minの場合、熱交換器から流出する水Fの
水温は約30度上昇して約40度となる。そして浴槽内
の水Fの温度が40度程度まで上昇すると、熱交換器に
流入する水Fの水温が約40度となり、熱交換器から流
出する水Fの水温は約70度とかなりの高温になる。
【0005】ところがこのとき、熱交換器の銅パイプ内
における水Fの水温は均一ではない。ポンプにより循環
される水Fは銅パイプ内壁に接する外周側から加熱を受
けるためである。このため銅パイプ内における水Fの水
温には相当の不均一があり、前記した流出水温は一種の
平均水温である。そして、平均水温が65度近くある場
合、銅パイプの熱交換器出口付近におけるパイプ内壁近
傍での水温は100度に達することがある。このとき部
分沸騰が発生する。部分沸騰が発生すると、騒音となり
好ましくない。また、このような水温不均一が解消され
ないまま高温の湯が浴槽にまで流入することがあり、浴
槽には人が入るものであるから好ましくない。
【0006】本発明は、浴槽内の水温が上昇しても熱交
換器において部分沸騰が発生することがなく、耐久性の
低下や異音の発生あるいは浴槽への高温の湯の流入を防
いだ循環式風呂釜制御装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の循環式風呂釜制御装置は、浴槽内の水を強制的
に循環させる強制循環装置と、強制循環装置の管路途中
に設けられる熱交換器と、熱交換器を加熱するガス燃焼
器とを有する循環式風呂釜を制御する循環式風呂釜制御
装置であって、前記ガス燃焼器に供給されるガスの流量
を可変するガス流量可変手段と、管路内の水温を計測す
る水温計測器と、前記水温計測器の計測水温に応じて管
路内で水の部分沸騰が発生しないようにガス流量可変手
段を介してガス流量を減少させることにより前記加熱さ
れて浴槽に戻る水温を所定の温度以下に維持する水温制
御手段とを有するものである。
【0008】また、本発明の循環式風呂釜制御装置は、
前記のものであって、前記水温計測器は、加熱されて浴
槽に戻る水温を計測する出口水温計測器であり、前記水
温制御手段は、前記出口水温計測器の計測水温が管路内
で部分沸騰が発生しうる水温であるか否かを判別する部
分沸騰判別手段を有し、その部分沸騰判別手段により前
記出口水温計測器の計測水温が部分沸騰の発生しうる水
温であると判別された場合に前記ガス流量可変手段を介
してガス流量を減少させることにより加熱されて浴槽に
戻る水温を所定の温度以下に維持するものである。
【0009】または、本発明の循環式風呂釜制御装置
は、管路内の流量を算出する循環流量検知手段を有し、
前記水温計測器は、浴槽からガス燃焼器に流入する水温
を計測する入口水温計測器であり、前記水温制御手段
は、前記入口水温計測器の計測水温および循環流量検知
手段が算出した流量に応じて管路内で部分沸騰が発生し
ない最大のガス流量を算出するガス量算出手段を有し、
前記ガス燃焼器に供給されるガス流量が前記ガス量算出
手段により算出されたガス流量以下となるように前記ガ
ス流量可変手段を介してガス流量を可変することにより
加熱されて浴槽に戻る水温を所定の温度以下に維持する
ものである。
【0010】
【作用】このような構成を有する本発明の循環式風呂釜
制御装置の循環式風呂釜は、浴槽内の水を、熱交換器に
通過させて循環加熱する。また、ガス流量可変手段は、
ガス燃焼器に供給されるガス流量を可変する。ここで、
出口水温計測器が、加熱されて浴槽に戻る水温を計測す
る。そして、部分沸騰判別手段は、出口水温計測器が計
測する水温が水の部分沸騰が発生しうる温度であるか否
かを判別する。そして、部分沸騰が発生しうる温度であ
ると判別された場合には、水温制御手段がガス流量可変
手段を介してガス流量を減少させる。これによりガス燃
焼器における発熱量を減少させ、出口水温を所定の温度
以下に維持する。
【0011】または、入口水温計測器が、浴槽からガス
燃焼器に流入する水温を計測する。そして、ガス量算出
手段は、循環流量検知手段が算出した流量および入口水
温計測器が計測する水温から、水の部分沸騰が発生しな
い最大のガス流量を算出する。そして、水温制御手段が
ガス流量可変手段を介して熱交換器に供給されるガス流
量を算出された最大ガス流量以下となるように可変す
る。これにより熱交換器における発熱量を減少させ、出
口水温を所定の温度以下に維持する。これにより、浴槽
の水温が上昇している場合でも出口水温が過度に上昇す
るのを防止し所定温度以下に維持することができるた
め、銅パイプ内における部分沸騰の発生がなく、耐久性
の低下や異音の発生あるいは浴槽への高温の湯の流入が
ない。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例である循
環式風呂釜制御装置を図面を参照して説明する。図1に
循環式風呂釜の全体構成を示す。浴槽24には、水Fが
一定量蓄えられている。浴槽24の内壁の下側に水Fを
流入、流出させるための出入り口45が形成されてい
る。出入り口45の中央部には、戻り管27が接続して
いる。戻り管27は、水を循環させるためのポンプ15
に接続している。ポンプ15には、ポンプ駆動回路32
が接続している。戻り管27のポンプ上流位置には浴槽
内の水温を計測するための浴槽水温サーミスタ26が取
り付けられている。
【0013】戻り管27は、ガス燃焼室31の上部に設
けられた熱交換器50に導入されている。ポンプ15と
ガス燃焼室31の途中の管路上に循環水の水流の有無を
検出するための流水センサ33が取り付けられている。
熱交換器50に設けられた銅パイプ28は、図3に示す
ように従来と同じく、熱交換器50の端部から端部まで
を4回往復して構成されている。すなわち、銅パイプ2
8は、下部パイプ41a、41b、41c、中部パイプ
42a、42b、上部パイプ43a、43b、43cに
より熱交換器50内を4回往復している。銅パイプ28
の外壁には、集熱用の銅製フィン21が形成されてい
る。
【0014】本実施例の循環式風呂釜においては、水F
の流量は5リットル/min、浴槽の水量は180〜200リット
ル、ガス流量が標準であるときの発熱量は約12000k
cal/hour である。このとき、熱交換器50に入る時と
出る時とで水温が約30度上昇する。熱交換器50を出
た銅パイプ28は、浴槽に循環水を戻すための往き管2
5に接続している。往き管25のガス燃焼室31を出た
付近に、熱交換器50で熱交換されることにより温度上
昇した水温を計測するための、出湯温サーミスタ14が
取り付けられている。往き管25は、出入り口45の戻
り管27の外周部に接続している。
【0015】次に、燃焼ガスであるプロパンガスGの流
路を説明する。ガスパイプ29は図示しないプロパンガ
スタンクに接続している。ガスパイプ29には、ガスの
元栓である元電磁弁13が付設されている。ガスパイプ
29は、ガス燃焼室31内に導入されている。元電磁弁
13とガス燃焼室31との間には、ガス流量の調整を行
うガス調整弁19が付設されている。
【0016】ガス燃焼室31の下側位置においてガスパ
イプ29の先端部には、ガスGを噴き出すノズル18が
形成されている。ノズル18の噴き出し方向にバーナ1
7が固設されている。バーナ17の上部近傍には、ガス
Gに着火する火花を発生させるための電極16が付設さ
れている。ガス燃焼室31の右下側に送風ダクト30が
付設されている。送風ダクト30には、燃焼空気を供給
するためのファン12が付設されている。ファン12に
は、ファンモータ駆動回路11が接続している。また、
ガス燃焼室31の右上側には、燃焼排ガスを排出するた
めの排気トップ23が形成されている。
【0017】次に、図2に本実施例の循環式風呂釜制御
装置の構成をブロック図で示す。制御装置の主要部であ
るコントローラ35は、演算処理を行うCPU36、制
御プログラムを記憶するROM37、データ等を一時的
に記憶するRAM38より構成されている。ROM37
には、ガス流量を制御するためのガス量可変プログラム
48が記憶されている。コントローラ35には、入力と
して流水センサ33、浴槽水温サーミスタ26、及び出
湯温サーミスタ14が接続している。また、出力とし
て、ポンプ15を制御するためのポンプ駆動回路32、
ファン12を制御するためのファンモータ駆動回路1
1、ガス調整弁19を駆動するガス調整回路20、及び
元電磁弁13が接続している。
【0018】次に、上記構成を有する循環式風呂釜制御
装置の作用を説明する。浴槽に水Fを適当な深さまで入
れる。次に、コントローラ35のスイッチをオンして、
ガス燃焼を開始する。すなわち、コントローラ35が元
電磁弁13を開き、ガス調整回路20を介してガス調整
弁19を標準開度にし、一定量のプロパンガスGをノズ
ル18からバーナ17に噴出する。同時に電極16に電
圧がかけられ、火花が発生することによりプロパンガス
Gが着火される。また、ファンモータ駆動回路11がフ
ァン12を駆動して燃焼空気をガス燃焼室に送風する。
また、コントローラ35の指令を受けてポンプ駆動回路
32が、ポンプ15を一定の回転数mで駆動し、一定の
流量の水Fを熱交換器50内の銅パイプ28に循環させ
る。万一、ポンプ駆動回路32またはポンプ15に故障
が発生して水Fの循環が停止すると、流水センサ33が
これを検知してコントローラ35に伝え、安全のため元
電磁弁13を閉じ燃焼を停止させる。
【0019】プロパンガスGの燃焼直後の燃焼排ガス温
度は、約1300度であり、これが熱交換器50内の銅
パイプ28の外壁と接触する。これにより、燃焼排ガス
から水Fへの熱交換が銅パイプ28を介して行われる。
このときの水Fの温度上昇幅(以下、「出入温度差」と
いう)は、循環流量が一定であれば、バーナ17におけ
る発熱量により異なり、バーナ17での発熱量はガス調
整弁19により調整されるガス流量により異なる。一般
的な循環流量であれば、ガス流量が標準のときの出入温
度差は、約30度である。燃焼の初期の場合、浴槽24
に蓄えられた水Fの温度は10度程度であり、始めに戻
り管27に流れる水Fの温度も同じである。そしてバー
ナ17には、標準流量のガスが供給される。
【0020】従ってこのとき、銅パイプ28の下部パイ
プ41aに流入する水Fの温度(以下、「入口温度T
i」という)は10度である。かくして、往き管25に
流入する水Fの温度(以下、「出口温度To」という)
は10度から約30度上昇して約40度となる。
【0021】本発明の主要部であるコントローラ35
は、フィードバックされる出湯温サーミスタの検出値に
より、出口温度Toが60度以上にならないように、ガ
ス流量を制御している。この温度が60度を超えると、
銅パイプ28内の最高水温が100度に達し、部分沸騰
が起こるからである。その制御方法について、図4に示
すフローチャートを用いて説明する。コントローラ35
のRAM38にガス燃焼室から出た水Fの出口温度を設
定する(S1)。この出口温度設定値Tcは、銅パイプ
28内の最高水温が100度を超えないように決定され
る。
【0022】本実施例の循環式風呂釜においては、この
出口温度設定値Tcを65度とすることにより銅パイプ
28内の最高水温が100度に達しないように維持で
き、部分沸騰の発生を抑えられることが実験により確認
されている。そして、出口設定温度Tc=65度はRO
M37に記憶されている。循環式風呂釜が始動される
と、コントローラ35は、出湯温サーミスタ14により
出口温度Toを検出する(S2)。ここで例として、水
温が10度の状態から循環式風呂釜により風呂を沸かす
場合を考える。始めガス流量は標準流量Nであるので、
出口温度Toは入口温度より30度上昇して40度とな
る。ここで、出口温度To=40度であり、設定温度T
c=65度より低いので(S3、No)、コントローラ
35はガス量可変プログラム48により、ガス調整回路
20を介してガス調整弁19の開度を増してガスの流量
を増やす(S5)。
【0023】図7は、ガス調整弁19の開度が標準であ
るときにおいて、縦軸に循環流量(リットル/min)
を取り、横軸に循環入水温度(度)を取ったグラフであ
り、グラフ中に表される曲線は循環出水温度曲線であ
る。従って、循環流量が既知であれば、循環入水温度に
より循環出水温度が定まることになる。
【0024】ガス調整弁19の開度が開かれると、バー
ナ17へのガス供給量が増やされることにより発生熱量
が増加して出入温度差が増加し、出口温度Toは上昇す
る。そして、循環加熱により浴槽24内の水温が上昇す
ることによって戻り管27に流れる水Fの温度がさらに
上昇するので、このことも出口温度Toを上昇させる。
【0025】出口温度Toが設定温度Tc(65度)以
上になると(S3、Yes)、ガス調整弁19の開度を
減ずる(S4)。かくして、出口温度Toが設定温度T
c(65度)を超えることが防がれる。これにより、浴
槽24内の水温が上昇してきても出口温度Toが60度
を超えることが防がれ、部分沸騰の発生を防ぐことがで
きる。こうして、ガス燃焼室31の耐久性低下や異音発
生あるいは浴槽24への高温の湯の流入を防止すること
ができる。
【0026】本実施例では、出口温度Toが設定温度T
cに維持されるように流量制御しているが、ステップ5
の処理を省いて、出口温度Toが設定温度Tc以下にな
るように制御しても良い。また、出口温度Toが所定の
範囲(例えば40度以上60度以下)になるように上下
限値を設定しても良い。この場合、最高温度は銅パイプ
28内の最高水温が100度に達することのないように
設定することは当然である。また、最低温度を定める場
合は銅パイプ28の外壁温度が、ガス燃焼室31内の露
点温度を下回らないように設定するのがよい。設定温度
にかかる下限値を設けることにより、ガス燃焼室31内
における結露による銅パイプ28の腐食を防止できると
いう利点がある。
【0027】ここで、本実施例ではバーナ17へのガス
供給量を調整するために、ガス流量を連続的に可変でき
るガス調整弁19を使用したが、これに代えてガスパイ
プ29にバイパス管を設けることとしてもよい。その場
合図5に示すように、ガスパイプ29の元電磁弁13と
ガス燃焼室31との間にバイパス管29aを設け、バイ
パス管29aにバイパス弁19aを付設する。バイパス
弁19aの開閉によりガス流量を変更することができ
る。ここにおいて、バイパス管29aだけでなくガスパ
イプ29にも開閉弁を設けることとしてもよく、またガ
スパイプ29とバイパス管29aとの分岐点に三方弁を
設けることとしてもよい。これらの場合、前記実施例の
場合と比較して、ガス流量制御の精度は粗くなるが、ガ
ス調整弁19が不要となる分コストを低減できる利点が
ある。
【0028】次に、第二の実施例の循環式風呂釜制御装
置を説明する。第二の実施例は、第一の実施例の循環式
風呂釜制御装置と同様に図1及び図2に示す基本構成を
有する。以下、第一の実施例と異なる点について説明す
る。第二の実施例では、流水センサ33は管路における
水流の有無のみならず循環流量値を検知する流量検知機
能をも備えている(以下流量センサ33と呼ぶ)。第二
の実施例の場合、浴槽水温サーミスタ26の検知水温
(入口温度Ti)に応じて、銅パイプ28内で水の部分
沸騰が発生しない最大のガス供給量(以下、「設定ガス
量Ip」という)をコントローラ35が算出し、その設
定ガス量Ipを超えないように、ガス調整回路20を介
してガス調整弁19の開度を調整する。
【0029】ここで設定ガス量Ip(kcal/hour )は、 Ip = Q×(Tc−Ti)×60×100/η (1) により算出できることが実験より確認されている。
(1)式において、Qは循環水の流量(リットル/min)、η
は熱交換器50における熱交換効率(%)である。この
実施例の場合、出口設定温度Tcは第1実施例の場合と
同様65度であり、ηは75%である。(1)式により
算出される設定ガス量Ipより大きい流量のガスがガス
燃焼室31に供給されると、出口温度Toが65度を超
え、このとき銅パイプ28内の最高水温が100度に達
し部分沸騰が発生する。入口温度Tiが上昇すると設定
ガス量Ipは小さくなる関係にある。(1)式により算
出される入口温度Tiごとの設定ガス量Ipは、コント
ローラ35のROM37のガス量可変プログラム48に
テーブルとして記憶されており、流水センサ33が検知
する流量値により適宜修正される。
【0030】この実施例の風呂釜制御装置における制御
方法を図6のフローチャートに示す。循環式風呂釜が始
動されると、コントローラ35は、入口温度Tiを浴槽
水温サーミスタ26により検出する(S11)と共に、
流量センサ33により循環流量を検出する(S12)。
そして、検出された入口温度Tiおよび循環流量に基づ
いて、設定ガス量Ipを算出する(S13)。
【0031】ここで例として、循環流量が5リットル/
min、浴槽水温が10度の状態から風呂を沸かす場合
を考える。このとき入口水温Tiは10度であるので、
(1)式より設定ガス量Ipは22000kcal/hour と
計算される。風呂釜始動時のガス流量は標準流量(例え
ば12000kcal/hour )とされるため、設定ガス量>
現在ガス量となる(S14、No)。尚、このときの出
口温度Toは約40度であり、出口設定温度Tc(65
度)より低いため部分沸騰は発生していない。従って、
コントローラ35はガス量可変プログラム48により、
ガス調整回路20を介してガス調整弁19の開度を増
し、ガス流量を増やす(S15)。
【0032】燃焼を続けると、浴槽24の水温が上昇し
てこれに伴い入口温度Tiも上昇するので、常時ステッ
プ1及びステップ2の処理により設定ガス量Ipは変更
され小さくなる。そして、設定ガス量≦現在ガス量とな
る(S14、Yes)と、ガス調整弁19の開度は減ら
される(S16)。これによりガス燃焼室31における
発熱量が減らされ、出口温度Toのそれ以上の上昇が防
止される。尚、このときの出口温度Toは65度に近づ
いている。例えば、循環流量が5リットル/minで、
図7に示す特性を有するガス量時では、入口温度が35
度の時に出口温度が65度となり、ガス量が減らされ
る。こうして、出口温度Toが設定温度Tcを超えるこ
とが防がれ、銅パイプ28の最高水温が100度に達し
ないように維持され、部分沸騰の発生が防止される。こ
れにより、熱交換器50の耐久性低下や異音発生あるい
は浴槽24への高温の湯の流入を防止することができ
る。尚、ステップ15の処理は省いてもかまわない。
【0033】この第二の実施例においても前記第一の実
施例と同様、ガス調整弁19を設ける代わりに図5に示
すようなバイパス管29a及びバイパス弁19aからな
る系を設けることとしてもよい。また、流量検知手段と
しては、流水センサ33とは別個の流量計を取り付けて
もよい。また、流量自体を直接計測する代わりに入口温
度Tiと出口温度Toとの温度差およびガス量(発熱
量)から管路の流量を算出することとしてもよい。以
上、いくつかの実施例について本発明を説明したが、本
発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が可能であ
ることは容易に推察できるものである。
【0034】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の循環式風呂釜制御装置は、ガス燃焼器に供給され
るガス流量を可変するガス流量可変手段と、管路内の水
温を計測する水温計測器と、水温計測器の計測水温に応
じて管路内で水の部分沸騰が発生しないようにガス流量
可変手段を介してガス流量を減少させることにより前記
加熱されて浴槽に戻る水温を所定の温度以下に維持する
水温制御手段とを有しているので、浴槽の水温が上昇し
てきた場合等でも出口温度を所定温度以下に維持するこ
とができるため、熱交換器において部分沸騰が発生する
ことがなく、異音の発生や浴槽への高温の湯の流入を防
ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である循環式風呂釜制御装置の
構成を示す図面である。
【図2】循環式風呂釜制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図3】燃焼器の構成を示す断面図である。
【図4】循環式風呂釜制御装置の作用を示すフローチャ
ートである。
【図5】本実施例の変形例である循環式風呂釜制御装置
におけるガス供給量調整部分の構成を示す図面である。
【図6】第二の実施例の循環式風呂釜制御装置の作用を
示すフローチャートである。
【図7】循環流量−循環入水温度の関係グラフである。
【符号の説明】
14 出湯温サーミスタ 15 ポンプ 19 ガス調整弁 20 ガス調整回路 24 浴槽 26 浴槽水温サーミスタ 28 銅パイプ 31 ガス燃焼室 32 ポンプ駆動回路 35 コントローラ 48 ガス量可変プログラム 50 熱交換器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明の主要部であるコントローラ35
は、フィードバックされる出湯温サーミスタ14の検出
値により、出口温度Toが65度以上にならないよう
に、ガス流量を制御している。この温度が65度を超え
ると、銅パイプ28内の最高水温が100度に達し、部
分沸騰が起こるからである。その制御方法について、図
4に示すフローチャートを用いて説明する。コントロー
ラ35のRAM38にガス燃焼室から出た水Fの出口温
度を設定する(S1)。この出口温度設定値Tcは、銅
パイプ28内の最高水温が100度を超えないように決
定される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴槽内の水を強制的に循環させる強制循
    環装置と、強制循環装置の管路途中に設けられる熱交換
    器と、熱交換器を加熱するガス燃焼器とを有する循環式
    風呂釜を制御する循環式風呂釜制御装置において、 前記ガス燃焼器に供給されるガスの流量を可変するガス
    流量可変手段と、 管路内の水温を計測する水温計測器と、 前記水温計測器の計測水温に応じて管路内で水の部分沸
    騰が発生しないようにガス流量可変手段を介してガス流
    量を減少させることにより前記加熱されて浴槽に戻る水
    温を所定の温度以下に維持する水温制御手段とを有する
    循環式風呂釜制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するものにおいて、 前記水温計測器は、加熱されて浴槽に戻る水温を計測す
    る出口水温計測器であり、 前記水温制御手段は、前記出口水温計測器の計測水温が
    管路内で部分沸騰が発生しうる水温であるか否かを判別
    する部分沸騰判別手段を有し、その部分沸騰判別手段に
    より前記出口水温計測器の計測水温が部分沸騰の発生し
    うる水温であると判別された場合に前記ガス流量可変手
    段を介してガス流量を減少させることにより加熱されて
    浴槽に戻る水温を所定の温度以下に維持するものである
    循環式風呂釜制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載するものにおいて、 管路内の流量を算出する循環流量検知手段を有し、 前記水温計測器は、浴槽からガス燃焼器に流入する水温
    を計測する入口水温計測器であり、 前記水温制御手段は、前記入口水温計測器の計測水温お
    よび前記循環流量検地手段が算出した流量に応じて管路
    内で部分沸騰が発生しない最大のガス流量を算出するガ
    ス量算出手段を有し、前記ガス燃焼器に供給されるガス
    流量が前記ガス量算出手段により算出されたガス流量以
    下となるように前記ガス流量可変手段を介してガス流量
    を可変することにより加熱されて浴槽に戻る水温を所定
    の温度以下に維持するものである循環式風呂釜制御装
    置。
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