JPH0713546B2 - 給湯器の推定入水温度検知装置および温度制御装置 - Google Patents

給湯器の推定入水温度検知装置および温度制御装置

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JPH0713546B2
JPH0713546B2 JP1036655A JP3665589A JPH0713546B2 JP H0713546 B2 JPH0713546 B2 JP H0713546B2 JP 1036655 A JP1036655 A JP 1036655A JP 3665589 A JP3665589 A JP 3665589A JP H0713546 B2 JPH0713546 B2 JP H0713546B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、水温を検知するための温度センサとして、熱
交換器から流出する湯水の温度を検知する流出温度セン
サのみを備え、熱交換器を流入する水の温度を検知する
入水温センサを設けない給湯器の温度制御装置に関し、
特にフィードフォワード制御を行うために、流出温度セ
ンサの検知温度に基づいて熱交換器への入水温度を推定
する給湯器の温度制御装置において効果的である。
[従来の技術] 給湯器の構造を簡単にして製造工程を簡略化するととも
に、に、製造コストを低減するために、熱交換器への入
水温度を検知する温度センサを省略し、かつ安定した出
湯特性を得るためにフィードフォワードの温度制御機能
を有する温度制御装置としては、特開昭63−153361号公
報に記載された発明がある。
この発明では、熱交換器から流出する湯水の温度を検知
する出湯温度センサに検知される温度を、給水路に設け
られた流量センサが給湯を検知したときに記憶手段に記
憶し、このとき記憶された温度を入水温度としてフィー
ドフォワード制御を行っている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、一般に、給湯を一旦停止した後に再び給湯を行
う再給湯の場合には、熱交換器内に停滞した水は余熱に
よって加熱されるため、熱交換器から流出して出湯温度
センサによって検知される湯水の温度は、熱交換器へ流
入する入水温度とは大きく異なる。
従って、上記の発明によると、再給湯の開始時には、余
熱によって加熱された湯水の流出温度が、フィードフォ
ワード制御のための入水温度としてそのまま記憶されて
しまうため、実際の入水温度とは大きく異なる温度に基
づいてフィードフォワード制御がおこなわれてしまい、
適切な加熱量が得られないという問題がある。
本発明は、入水温度センサを省略して給湯器の構造を簡
略化してコストダウンを図るとともに、再給湯の場合に
も安定した温度制御ができるフィードフォワード制御機
能を有する給湯器の温度制御装置を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の請求項1記載の給湯器の入水温度検知装置は、
熱交換器の流出部に設けられた温度センサと、前記熱交
換器への通水を検知する通水検知手段と、前記熱交換器
への推定入水温度を記憶する温度記憶手段を有し、前記
通水検知手段により前記熱交換器への通水が検知された
とき前記温度センサの検知温度を前記温度記憶手段に記
憶されている記憶温度と比較し、前記検知温度が前記記
憶温度より低い場合に前記検知温度を新たな推定入水温
度として前記温度記憶手段に記憶し、前記検知温度が前
記記憶温度より高い場合には、前記記憶温度と前記検知
温度との温度差の一部を前記記憶温度に加算した温度を
新たな入水温度として前記温度記憶手段に記憶する推定
入水温度算出手段とを具備することを技術的手段とす
る。
請求項2記載の給湯器の温度制御装置は、熱交換器の流
出部に設けられた温度センサと、前記熱交換器を通過す
る水の流量を検出する流量検出手段と、前記熱交換器へ
の通水を検知する通水検知手段と、前記熱交換器への入
水温度を記憶する温度記憶手段を有し、前記通水検知手
段により前記熱交換器への通水が検知されたとき前記温
度センサの検知温度を前記温度記憶手段に記憶されてい
る記憶温度と比較し、前記検知温度が前記記憶温度より
低い場合に前記検知温度を新たな入水温度として前記温
度記憶手段に記憶し、前記検知温度が前記記憶温度より
高い場合には、前記記憶温度と前記検知温度との温度差
の一部を前記記憶温度に加算した温度を新たな推定入水
温度として前記温度記憶手段に記憶する推定入水温度算
出手段と、目標温度、前記流量検出手段に検出される前
記流量および前記温度温度記憶手段に記憶された前記推
定入水温度に基づいて前記熱交換器を加熱する加熱手段
の加熱量を制御するフィードフォワード制御手段とを具
備することを技術的手段とする。
〔作用〕
本発明では、入水温度を記憶する温度記憶手段を有する
入水温度算出手段があり、熱交換器への通水が検知され
ると、熱交換器の流出部に設けられた温度センサの検知
温度を、入水温度として記憶されている記憶温度と比較
する。
比較の結果、記憶温度より検知温度が低い場合には、検
知温度がそのまま新たな入水温度として記憶され、記憶
温度より検知温度が高い場合には、記憶温度と検知温度
との温度差の一部を記憶温度に加算した温度を新たな入
水温度として温度記憶手段に記憶される。
一般に、給湯初期に熱交換器の流出部で検知される温度
は、それまで給湯器が使用されていない場合であれば、
熱交換器へ供給される水の温度(入水温度)と見なすこ
とができるが、給湯器の再使用においては、熱交換器で
加熱された水の温度である場合がある。
また、上水道等により給湯器へ供給される水の温度は、
外気温に応じて異なる。
このため、例えば、前回の使用において入水温度と見な
された温度に対して、今回の使用において熱交換器の流
出部で検知される温度が高い場合には、実際の入水温度
が高く変化してきた場合と、給湯器の再使用のために、
すでに熱交換器で加熱された水の温度が検知されたため
に、検知温度が高くなった場合とが考えられる。
従って、検知温度が高くなった場合には、必ずしも、入
水温度が高くなった場合とは限らないが、実際に入水温
度が上昇したこともありうるため、入水温度が上昇した
ことを想定して、検知温度とそれまでの記憶温度との温
度差の一部を加算して、新たな入水温度とすることによ
り、それまで記憶されていた入水温度より高い温度にす
ることができるため、実際の入水温度が上昇したことに
対応させることができる。
一方、検知温度がそれまでの入水温度に対して低い場合
には、給湯器の再使用において、すでに熱交換器で加熱
された水の温度が検知された場合は考えられず、実際の
入水温度が正しく検知された場合、あるいは、入水温度
が実際に低下した場合と見なすことができる。
従って、この場合には、検知温度をそのまま新たな入水
温度とすることで、実際に低下した入水温度として、あ
るいは、前回の使用において、例えば、実際には、給湯
器の再使用のために検知温度が高くなったにも拘らず、
検知温度とそれまでの入水温度との温度差の一部が記憶
温度に加算されて、誤った入水温度が算出されてしまっ
た場合に対して、速やかに、入水温度を修正させること
ができる。
このように、本発明では、通水検知されたときの温度セ
ンサの検知温度を、記憶されている入水温度と直ちに比
較し、通水検知した後に検知温度の安定を待つ必要がな
いため、新たな入水温度を速やかに算出することができ
る。
なお、給湯器は、繰り返し使用されるものであり、温度
記憶手段に記憶された入水温度は、次回の使用時に必ず
新たな入水温度に代えられるため、温度記憶手段に最初
に記憶される入水温度は、任意に設定されたものでも十
分に本発明の作用が得られる。
また、請求項2記載の給湯器の温度制御装置では、フィ
ードフォワード制御手段が、目標温度、流量とともに加
熱手段の加熱量を制御するために用いる入水温度は、上
記のとおり算出されて、温度記憶手段に記憶された最新
の入水温度であるため、より実際の入水温度に近い情報
に基づいて加熱量が制御される。
従って、特に、入水温度が低い場合において、低い入水
温度に基づいて加熱量の制御を行うため、出湯温度の立
ち上がりを非常に良くすることができる。
〔発明の効果〕
本発明では、通水が検知されたときの温度センサの検知
温度が、温度記憶手段の記憶温度と比較されることによ
って、新たな入水温度が決まり、新たな入水温度として
直ちに記憶される。
従って、温度センサの検知温度の安定までの待ち時間が
不要であるため、給湯器の温度制御において、検知温度
の安定まで待つ場合にくらべ、出湯温度の立ち上がりが
優れる。特に、検知温度が低くなった場合には、速やか
に低い温度に対応して入水温度が算出されるため、低温
時の出湯温度の立ち上がりがよい。
また、給湯器の再使用において、加熱された湯の温度が
温度センサで検知された場合には、記憶された入水温度
と検知温度との温度差の一部のみが加算されて新たな入
水温度が決まるため、新たな入水温度が実際以上に高く
決まることがない。さらに、実際の入水温度が変化して
高くなった場合でも、給湯器は、繰り返し使用されるも
のであり、給湯器の使用周期に対して、実際の入水温度
の変化は小さいため、記憶された入水温度に対する検知
温度との温度差の一部が、給湯器が使用される都度記憶
された入水温度に新たに加算されることによって、十分
に実際の入水温度の変化に対応させることができ、必要
以上に弱く制御されることがない。
その結果、温度記憶手段に記憶された入水温度に基づい
て加熱手段の制御を行うフィードフォワード制御手段に
よる制御量が、通水検知に応じて速やかに決まる。
[実施例] 次に本発明の給湯器の温度制御装置を図面に示す実施例
に基づいて説明する。
第2図に示すガス燃焼式給湯器1の燃焼器ケース10内に
は、複数のバーナを配してなるバーナ群11が設けられて
いる。燃焼器ケース10の下方には、バーナ群11へ燃焼用
空気を供給するための送風機12が設けられている。燃焼
器ケース10内のバーナ群11の上方には水管式の熱交換器
13が設けられ、内部を通過する水はバーナ群11による燃
焼熱により加熱される。燃焼器ケース10内のバーナ群11
の近傍には、バーナ群11を点火するスパーカ14と、バー
ナ群11の着火を検知するフレームロッド15とが備えられ
ている。また、燃焼器ケース10の上方には、燃焼排ガス
を外部へ排出するための排気口2が設けられている。
バーナ群11の下方には、燃料ガスを供給するためのノズ
ル管16が備えられ、ノズル管16にはバーナ群11の各バー
ナにそれぞれ対応して燃料ガスを噴出する複数の燃料噴
出口16aが設けられている。
ノズル管16へ燃料ガスを導く燃料管20には、通電時に燃
料ガスを通過させる2つの電磁弁21、22、通電電流に応
じて供給圧力を制御することによって燃料ガスの供給量
を調節するガバナ比例弁23が上流側より順にそれぞれ設
けられている。
図示しない水供給源から熱交換器13へ水を導く水供給管
17には、給湯水量を調節するための電動水量制御装置1
8、熱交換器13を通過する水量を検出する流量センサ19
が上流側から順に備えられ、また熱交換器13から流出す
る温水を図示しない給湯口へ導く給湯管17aには、熱交
換器13から流出する湯水の出湯温度Toutを検知する出湯
温サーミスタ25が備えられている。
制御装置30は、マイクロコンピュータを中心とする制御
回路を有し、所定のシーケンスで燃焼の開始および停止
を行うとともに、第3図に示す機能構成によって、出湯
水の温度制御を行う。
制御装置30において、目標温度Tsetに基づいて温度制御
を行うための温調制御部31は、フィードフォワード制御
部(FF制御部)32のフィードバック制御部(FB制御部)
33との各機能部を有しており、出湯温サーミスタ25の検
知温度Tに基づいたフィードバック制御のみでなく、フ
ィードフオワード制御も行う。
ここでは、温度センサとしてのサーミスタが水供給管17
に設けられていないために、フィードフォワード制御の
ための入水温度Tinを直接検知することができないが、
熱交換器13への入水温度Tinは、熱交換器13によって水
が加熱されなていない場合であれば、給湯管17aに備え
られた出湯温サーミスタ25の検知温度Tと同じであるた
め、この検知温度Tをそのまま入水温度Tinとして推定
できる。しかし、実際には、再給湯等によって検知温度
Tが実際の入水温度Tinと異なる場合がある。
従って、ここでは、フィードフォワード制御のための入
水温度T inとしては、検知温度Tをそのまま入水温度Ti
nとしないで、出湯温サーミスタ25の検知温度Tに基づ
いて、この検知温度Tやその変化状態に基づいて、次の
とおり推定されて、演算される。
そのための機能部として、出湯温変動検出部34、入水温
演算部35、メモリ36とを備えている。
出湯温変動検出部34は、流量センサ19によって給湯の開
始が検知されたときに、出湯温サーミスタ25に検知され
る検知温度Tが変化しているか否かを検出するための機
能部である。
前述のとおり、出湯温度Toutが変化する場合は、再給湯
であることが考えられる。従って、出湯温度Toutの変化
に伴う検知温度Tの温度変化があるか否かを検出し、温
度変化がある場合には、入水温演算部35において、出湯
温サーミスタ25の検知温度Tによる入水温度Tinの推定
を行わないようにする。
入水温演算部35は、出湯温変動検出部34で検知温度Tの
温度変化が検出されなかった場合に、出湯温サーミスタ
25の検知温度Tに基づいて入水温度Tinを推定するとも
に、推定した入水温度Tinをすでにメモリ36に記憶され
ている記憶温度Tmenに代えて記憶させて、記憶内容を更
新する。
入水温演算部35では、出湯温サーミスタ25の検知温度T
と、すでにメモリ36に記憶されている記憶温度Tmemとを
比較し、その比較結果に応じて、次のとおり新たにメモ
リ36に記憶するため入水温度Tinを演算する。
検知温度T≦記憶温度Tmemの場合、すなわち、検知温度
Tが記憶温度Tmenより低い場合には、検知温度Tを新た
な入水温度Tinと見なして、その検知温度Tをメモリ36
に記憶する。
逆に、検知温度T>記憶温度Tmenの場合、すなわち、検
知温度Tが記憶温度Tmamより高い場合には、記憶温度Tm
emに検知温度Tの温度情報の一部を取り入れて新たな入
水温度Tinを推定し、それを記憶温度Tmemとする。
ここでは、新たな記憶温度Tmemは、 Tin=(a×Tmem+b×T)/(a+b) … によって、記憶温度Tmemの温度情報の一部と検知温度T
の温度情報の一部とから新たな入水温度Tinが演算され
る。
最適な一例として、重み付けとしてa=9、b=1とす
ると、Tmem=20℃、T=25℃の場合、 Tin=(a×Tmem+b×T)/(a+b)=20.5℃とな
り、20.5℃が新たなTmemとなる。
すなわち、時間t[n]において、検知温度T[n]、
推定される入水温度Tin[n]、記憶温度Tmem[n]の
場合、 Tin[n]=Tmem[n−1]+c・{T[n]−Tmem
〔n〕}/d となる。すなわち、時間t[n]における検知温度Tと
記憶Tmemとの温度差の一部が、時間t[n−1]におけ
る記憶温度Tmemに加算されて、時間t[n]において新
たな入水温度Tinが求められることになる。
新たに求められた入水温取Tinは、メモリ36に記憶され
る。
式を変形して加算される項を右辺第2項とした一般式
が Tin〔n〕=Tmem〔n−1〕+c・{T〔n〕−Tmem
〔n〕}/d であり、 Tin=Tmem+c・{T−Tmem}/dであるため、c=b、
d=a+bとなる。
温調制御部31は、ここでは、出湯温サーミスタ25の検知
温度Tが目標温度Tsetより低い所定温度Ta(例えばTa=
Tset−2)に上昇するまでは、FF制御部32によるフィー
ドフォワード制御として、目標温度Tset、水量W、入水
温度Tinとして記憶された記憶温度Tmemに基づいて加熱
量Qを決定して、出湯温サーミスタ25の検知温度Tが所
定温度Taに上昇してからは、FB制御部33によるフィード
バック制御として、目標温度Tset、検知温度T、水量W
に基づいて、加熱量Qを決定する。
駆動部37は、温調制御部31の加熱量Qに基づいて、送風
機12およびガバナ比例弁23を駆動制御する。ここでは、
温調制御部31による加熱量Qに基づいた電圧を送風機12
に印加して駆動し、検出される送風機12を回転数に基づ
いてカバナ比例弁23への電流値を通電制御する。
さらに、制御装置30では、給水量が加熱能力を越えない
ようにするために、出湯温サーミスタ25の検知温度に基
づいて電動式水量制御装置18の開度を調節して、通過流
量を制限する。
なお、使用者によって目標温度Tsetを任意に設定するこ
とができるコントローラ40は、給湯器の仕様に応じて設
置され、コントローラ40が設けられた場合には、使用者
の操作に応じて目標温度Tsetが設定され、コントローラ
40が設置されない場合には、一定の温度(例えば60℃)
が目標温度Tsetとされる。
次に、以上の構成からなる本実施例のガス燃焼式給湯器
1における温度制御について、入水温度Tinの推定を中
心に、第1図に基づいて説明する。
使用者が給湯管17aの下流に設けられた図示しない給湯
柱を開くと、水供給管17内を水が通過して熱変換器13内
へ流入する。このとき、流量センサ19によって流入水量
に応じたパルスが発生し、ガス燃焼式給湯器1の作動水
量以上の水量Wが検知され、給湯が検知されると(ステ
ップ1においてYES)、所定のシーケンスで点火制御が
行われ、燃焼が開始される。また、出湯温サーミスタ25
の検知温度Tの変動がないか否かが検出される(ステッ
プ2)。
出湯温サーミスタ25の検出温度Tに変動がない場合には
(ステップ2においてYES)、検知温度Tがメモリ36に
記憶されている記憶温度Tmemと比較される(ステップ
3)。
検知温度Tが記憶温度Tmem以下の場合には(ステップ3
においてYES)、検知温度Tを入水温度Tinと推定して
(ステップ4)、その検知温度Tをメモリ36に記憶し
て、記憶温度Tmemを更新する(ステップ5)。
逆に、検知温度Tが記憶温度Tmemより高い場合には(ス
テップ3においてNO)、 Tin=(a×Tmem+b×T)/(a+b) … によって、記憶温度Tmemに検知温度Tの温度情報の一部
を取り入れて新たな入水温度Tinを推定し(ステップ
6)、それを新たな入水温度Tinとしてメモリ36の記憶
温度Tmemを更新する(ステップ5)。
フレームロッド15によってバーナ群11の着火が検知され
ると、ステップ4、5においてそれぞれ推定され、更新
されたメモリ36の記憶温度Tmemを入水温度Tinとするフ
ィードフォワード制御が行われる。
出湯温サーミスタ25の検知温度Tに変動がある場合には
(ステップ2においてNO)、入水温度Tinの推定は行わ
れず、入水温度Tinの推定動作は終了する。
従って、温調制御部31では、フレームロッド15によって
バーナ群11の着火が検知されると、すでにメモリ36に記
憶されている記憶温度Tmemに基づいて、記憶温度Tmemを
入水温度Tinとするフィードフォワード制御が行われ
る。
温調制御部31による温調制御では、出湯温サーミスタ25
の検知温度Tが所定温度Taに到達するまでは、コントロ
ーラ40による目標温度Tset、メモリ36の記憶温度Tmem、
流量センサ19による水量Wに基づいて加熱量Qが決定さ
れるフィードフォワード制御が行われ、加熱の結果、検
知温度Tが所定温度Taに到達した後は、目標温度Tset、
検知温度Tに基づいて加熱量Qが決定されるフィードバ
ック制御が行われる。
給湯栓を閉めて給湯を停止すると、燃焼が停止する。
停止後の短時間後に、再び給湯を行うと、燃焼が再び開
始される。
この再給湯直後には、熱交換器13内の水は、燃焼による
バーナ群11および燃焼器ケース10等の余熱によって加熱
されているため、出湯温サーミスタ25の検知温度Tは実
際に熱交換器13へ流入する水の温度と比べて高くなって
おり、また同時に変動するため、検知温度Tが変動する
場合(ステップ2においてNO)に相当するが、このとき
は、前回、入水温度Tinとして推定され記憶されたメモ
リ36の記憶温度Tmemに基づいて加熱量の決定が行われ、
出湯温サーミスタ25からの誤った情報によって加熱量が
決定されないため、実際の水の温度に応じた適切な加熱
量を決定することができる。
また、給湯器へ供給される水の温度は、季節の移り変わ
りに伴って徐々に変化するが、本発明では、給湯器が日
常繰り返し使用される実情を鑑みて、夏から冬に向かっ
て水温が低下してする場合には、検知温度Tをそのまま
入水温度Tinとするようにしており、逆に冬から夏に向
かう場合には、再給湯との混同がないようにするため
に、検知温度Tの温度情報の一部のみを加算するように
しているため、入水温度を確実にかつ季節の変化に応じ
て徐々に更新できる。従って、フィードフォワード制御
を行ううえで、常に適正な入水温度情報が提供される。
従って、優れた温度制御を行うことができる。
本実施例では、フィードフォワード制御とフィードバッ
ク制御とともに行う制御装置を示したが、フィードフォ
ワード制御のみを行う制御装置でも同様に制御すること
ができる。
本実施例では、水量を検出する流量センサを設けたが、
流量センサを設けないで水流スイッチによって給湯開始
を検知して、水量は加熱量等から算出するものでもよ
い。
本実施例ではガスを燃料とするバーナを用いたが、石油
等の他の燃料によるものでもよい。また、熱源にバーナ
に限定されず、電気加熱等の他の加熱手段による給湯器
でもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例のガス給湯器の制御装置における入水
温度の演算過程を説明するための流れ図、第2図は本実
施例のガス燃焼式給湯器の概略を示す概略構成図、第3
図は本実施例を示すガス燃焼式給湯器の制御装置の入水
温度推定動作に係る機能構成を示す機能ブロック図であ
る。 図中、19……流量センサ(流量検出手段、通水検知手
段)、25……出湯温サーミスタ(温度センサ)、30……
制御装置(入水温度検知装置、温度制御装置)、32……
フィードフォワード制御部(フィードフォワード制御手
段)、35……入水温演算部(入水温度算出手段)、36…
…メモリ(温度記憶手段)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱交換器の流出部に設けられた温度センサ
    と、 前記熱交換器への通水を検知する通水検知手段と、 前記熱交換器への推定入水温度を記憶する温度記憶手段
    を有し、前記通水検知手段により前記熱交換器への通水
    が検知されたとき前記温度センサの検知温度を前記温度
    記憶手段に記憶されている記憶温度と比較し、前記検知
    温度が前記記憶温度より低い場合に前記検知温度を新た
    な推定入水温度として前記温度記憶手段に記憶し、前記
    検知温度が前記記憶温度より高い場合には、前記記憶温
    度と前記検知温度との温度差の一部を前記記憶温度に加
    算した温度を新たな入水温度として前記温度記憶手段に
    記憶する入水温度算出手段と、 を具備したことを特徴とする給湯器の推定入水温度検知
    装置。
  2. 【請求項2】熱交換器の流出部に設けられた温度センサ
    と、 前記熱交換器を通過する水の流量を検出する流量検出手
    段と、 前記熱交換器への通水を検知する通水検知手段と、 前記熱交換器への入水温度を記憶する温度記憶手段を有
    し、前記通水検知手段により前記熱交換器への通水が検
    知されたとき前記温度センサの検知温度を前記温度記憶
    手段に記憶されている記憶温度と比較し、前記検知温度
    が前記記憶温度より低い場合に前記検知温度を新たな入
    水温度として前記温度記憶手段に記憶し、前記検知温度
    が前記記憶温度より高い場合には、前記記憶温度と前記
    検知温度との温度差の一部を前記記憶温度に加算した温
    度を新たな推定入水温度として前記温度記憶手段に記憶
    する推定入水温度算出手段と、 目標温度、前記流量検出手段に検出される前記流量およ
    び前記温度記憶手段に記憶された前記推定入水温度に基
    づいて前記熱交換器を加熱する加熱手段の加熱量を制御
    するフィードフォワード制御手段と を具備したことを特徴とする給湯器の温度制御装置。
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