JPH0747140Y2 - タレットパンチプレス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は打ち抜き時の騒音を低減させたタレットパン
チプレスに関する。

〔従来の技術〕

従来板材などの打ち抜きに供するタレットパンチプレス
は、回転自在な上タレットと下タレットを有していて、
上タレットに設けられたパンチを打撃子により打撃する
ことにより、このパンチと下タレットに設けられたダイ
の間でワークを打ち抜くようになってる。

また上下タレットの半径方向に離間して複数のパンチ及
びダイを設け、これらパンチを半径方向に移動自在に設
けられた打撃子により選択的に打撃することにより、打
撃されたパンチとこのパンチに対応するダイの間でワー
クを打ち抜くようにしたタレットパンチも公知である。
例えば特公昭52−27393号公報など。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし上記従来のタレットパンチプレスはラムの下面に
打撃子の移動機構を設けているため、ラムとともに上下
動する部品点数が多くなって構造が複雑であると共に、
各部分間のガタによって打ち抜き時大きな騒音を発生し
たり、部品の寿命が早期に低下するなどの不具合があっ
た。

この考案は上記不具合を改善する目的でなされたもの
で、ラムとともに打撃子のみが上下動する構成としたタ
レットパンチプレスを提供して、構成の簡素化及び騒音
の低減を図ろうとするものである。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

この考案は上記目的を達成するために、上下タレットに
半径方向に離間して複数のパンチ及びダイを設け、かつ
これらパンチを水平方向に移動自在に設けられた打撃子
により選択的に打撃することによりパンチとダイの間で
ワークを打ち抜くようにしたタレットパンチプレスにお
いて、上記打撃子を作動シリンダにより水平方向に移動
自在なガイドホルダに上下摺動自在に設けると共に、上
記打撃子を付勢手段によりラムの下面に圧接したことに
より、ラムとともに上下移動する部品を打撃子のみとし
て構造の簡素化を図ると共に、部品間の隙間やガタをな
くして、打ち抜き時発生する騒音の低減を図ったタレッ
トパンチプレスを提供するものである。

〔実施例〕

この考案の一実施例を図面を参照して詳述する。

図において１はタレットパンチプレスの本体で、上部に
図示しないクランク機構により上下駆動されるラム２を
有しており、該ラム２はホルダ３により上下動が案内さ
れている。

４は打撃子移動機構で、ホルダ３の下部に取付けられた
支持部材５にブラケット６を介して作動シリンダ７が水
平に取付けられている。

上記作動シリンダ７はエアシリンダにより構成されてい
て、ピストン杆7aの先端に自在継手８を介してガイドホ
ルダ９が接続されている。

上記ガイドホルダ９は支持部材５の下部に互いに対向す
るように取付けられた一対のガイドレール10間に支承さ
れて、上記作動シリンダ７によりガイドレール10に沿っ
て水平方向へ移動自在となっていると共に、ガイドレー
ル10はガイドホルダ９との摩擦を低減するため、摺動面
にカーボン10aを埋め込んだオイルレスメタルが使用さ
れている。

一方上記ガイドホルダ９にはブッシュ12を介して打撃子
13が上下摺動自在に支承されている。

上記打撃子13はラム２の下方に位置していて、上記ガイ
ドホルダ９とともに作動シリンダ７により水平方向へ移
動自在となっていると共に、打撃子13の上部にはシャー
プレート14を介して上面板15が取付けられている。

上記シャープレート14は打撃子13の頭部13aとほぼ同じ
径のノッチ14aが形成されていて、打撃子13に過負荷が
加った場合このノッチ14aより破断することにより打撃
子13を保護するようになっている。

また上記上面板15の両端部は打撃子14の両側に設けられ
たガイドポスト16の上端に固着されている。

各ガイドポスト16の下端側はガイドホルダ９内に形成さ
れたシリンダ9a内に上下摺動自在に嵌挿されていて、シ
リンダ9a内に供給されたエアにより上面がラム２の下面
に圧接されるよう上面板15を上方へ付勢している。

一方図中17は上タレットで、同心円上に複数のパンチ18
が等間隔に配設されていると共に、パンチ18の一部は半
径方向に複数個配置されていて、上記打撃子13を移動す
ることにより選択的に打撃できるようになっていると共
に、上記上タレット17の下側には図示しない下タレット
が設けられていて、この下タレットには上記パンチ18と
同配置でダイ（図示せず）が設けられている。

次に作用を説明すると、上タレット17の半径方向に離間
して設けられた複数のパンチ18を打撃して打ち抜きを行
う場合、作動シリンダ９のロッド側またはボトム側にエ
アを供給してピストン杆7aをストロークエンドまで移動
させ、この状態でラム２を下降させてラム２の下面に圧
接されている打撃子13を下降させ、パンチ18を打撃す
る。

これによって上タレット17のパンチ18が下降してこのパ
ンチ18と下タレットに設けられたダイの間でワークの打
ち抜きが行われる。

打ち抜き後ラム２が上昇すると、エアなどの付勢手段で
上方へ付勢された打撃子13も上昇して打ち抜きを完了す
る。

また別のパンチ18で打ち抜く場合は、作動シリンダ７に
よりガイドレール10に沿ってガイドホルダ９を移動させ
ると、ガイドホルダ９に支承された打撃子13も移動し、
このとき打撃子13の上部に取付けられた上面板15とラム
２の下面が摺動し、ラム２と上面板15間は密着状態に維
持される。

以下ラム２の下降に伴い上記と同様な作用でワークの打
ち抜きが行われるようになる。

〔考案の効果〕

この考案は以上詳述したように、打撃子のみがラムとと
もに上下動する構成としたため、従来のものに比べて機
構が簡単になるため、安価に提供できると共に、軽量化
が図れるため、高速打ち抜きにも容易に対応することが
できる。

また打撃子が付勢手段によりラム下面に圧接されている
ため、打ち抜き時部品間の隙間やガタによる騒音が大幅
に低減できると共に、部品の寿命向上も図れるようにな
る。

しかも打撃子と上面板の間にシャープレートを設けるよ
うにすれば、打撃子に過負荷が作用してもシャープレー
トが破断されるため、過負荷より打撃子を保護すること
もできるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は平面図、第
２図は第１図II−II線に沿う断面図、第３図は第２図II
I−III線に沿う断面図である。 ２はラム、７は作動シリンダ、９はガイドホルダ、13は
打撃子、14はシャープレート、15は上面板、17は上タレ
ット、18はパンチ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下タレット17に半径方向に離間して複数
   のパンチ18及びダイを設け、かつこれらパンチ18を水平
   方向に移動自在に設けられた打撃子13により選択的に打
   撃することによりパンチ18とダイの間でワークを打ち抜
   くようにしたタレットパンチプレスにおいて、上記打撃
   子を作動シリンダ７により水平方向に移動自在なガイド
   ホルダ９に上下摺動自在に設けると共に、上記打撃子13
   を付勢手段によりラム２の下面に圧接してなるタレット
   パンチプレス。
2. 【請求項２】打撃子13の上部にシャープレート14を介し
   て上面板15を取付けると共に、この上面板15を付勢手段
   により上方へ付勢するようにしてなる請求項１記載のタ
   レットパンチプレス。