JPH0747113A - 治療剤 - Google Patents
治療剤Info
- Publication number
- JPH0747113A JPH0747113A JP5196173A JP19617393A JPH0747113A JP H0747113 A JPH0747113 A JP H0747113A JP 5196173 A JP5196173 A JP 5196173A JP 19617393 A JP19617393 A JP 19617393A JP H0747113 A JPH0747113 A JP H0747113A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chitin
- squid
- sponge
- chitosan
- therapeutic agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 肉芽形成と同時に生体組織や皮膚の再生が見
られる治療剤の提供を目的とする。 【構成】 スポンジ状キチンとキトサンとからなる治療
剤。
られる治療剤の提供を目的とする。 【構成】 スポンジ状キチンとキトサンとからなる治療
剤。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、スポンジ状キチンとキ
トサンとからなる治療剤に関するものである。
トサンとからなる治療剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】甲殻類、昆虫類の組織支持体、軟体動物
に属するイカの軟甲として自然界に広く分布するキチ
ン、接合菌類の細胞壁に含まれるキトサン、あるいはキ
チンの脱アセチル化によって得られるキトサン等は、医
薬品あるいは化粧品、食品等への添加剤として使用され
ることが知られている。
に属するイカの軟甲として自然界に広く分布するキチ
ン、接合菌類の細胞壁に含まれるキトサン、あるいはキ
チンの脱アセチル化によって得られるキトサン等は、医
薬品あるいは化粧品、食品等への添加剤として使用され
ることが知られている。
【０００３】例えば、スポンジ状キチン成形体が、熱
傷、採皮創などの皮膚欠損傷を保護するための創傷被覆
保護材、あるいは抜歯窩充填材等の医療材料として使用
することが知られており、粒状キトサンが創傷治療剤と
して創傷表面に使用された例が報告されている。
傷、採皮創などの皮膚欠損傷を保護するための創傷被覆
保護材、あるいは抜歯窩充填材等の医療材料として使用
することが知られており、粒状キトサンが創傷治療剤と
して創傷表面に使用された例が報告されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スポンジ状キ
チン成形体を熱傷、採皮創などの皮膚欠損傷を保護する
ための創傷被覆保護材、抜歯窩充填材等の医療材料とし
て使用した場合は、化膿の進行及び化膿の再発にたいす
る抑制あるいは阻止効果に乏しいことが、観察されてい
る。
チン成形体を熱傷、採皮創などの皮膚欠損傷を保護する
ための創傷被覆保護材、抜歯窩充填材等の医療材料とし
て使用した場合は、化膿の進行及び化膿の再発にたいす
る抑制あるいは阻止効果に乏しいことが、観察されてい
る。
【０００５】本発明は、熱傷、採皮創などの皮膚欠損傷
を保護するための創傷被覆保護材、抜歯窩充填材等の医
療材料として使用した場合、あるいは、皮膚欠損、膿
瘍、挫創等の創傷に使用した場合に、化膿の再発にたい
する抑制あるいは阻止効果を有し、そのため良好な肉芽
形成と同時に皮膚の再生が見られる治療剤の提供を目的
とする。
を保護するための創傷被覆保護材、抜歯窩充填材等の医
療材料として使用した場合、あるいは、皮膚欠損、膿
瘍、挫創等の創傷に使用した場合に、化膿の再発にたい
する抑制あるいは阻止効果を有し、そのため良好な肉芽
形成と同時に皮膚の再生が見られる治療剤の提供を目的
とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はスポ
ンジ状キチンとキトサンとからなる治療剤およびスポン
ジ状キチンと粒状キトサンとからなる治療剤を、その骨
子とするものである。
ンジ状キチンとキトサンとからなる治療剤およびスポン
ジ状キチンと粒状キトサンとからなる治療剤を、その骨
子とするものである。
【０００７】スポンジ状キチンの製造法としては、イカ
キチンを水に分散させ、次いで該分散液を乾燥すること
により製造する方法を挙げることができる。
キチンを水に分散させ、次いで該分散液を乾燥すること
により製造する方法を挙げることができる。
【０００８】本発明のイカキチンとしては、スルメイ
カ、アカイカ、ドスイカ、ヤリイカ、ホタルイカ、マイ
カ、モンゴウイカ等のツツイカ目に属するイカおよびコ
ウイカ目に属するイカ等を挙げることができる。
カ、アカイカ、ドスイカ、ヤリイカ、ホタルイカ、マイ
カ、モンゴウイカ等のツツイカ目に属するイカおよびコ
ウイカ目に属するイカ等を挙げることができる。
【０００９】分散液の乾燥方法としては、一般的な常温
乾燥、凍結乾燥等の方法を挙げることができる。
乾燥、凍結乾燥等の方法を挙げることができる。
【００１０】この様にして製造された本発明に使用する
スポンジ状キチンは、乾燥状態で比重が２５０ｍｇ／ｃ
ｍ3、空隙率［成形前（水分散キチン）の見かけ比重／
成形後の見かけ比重］が約５以上となる。
スポンジ状キチンは、乾燥状態で比重が２５０ｍｇ／ｃ
ｍ3、空隙率［成形前（水分散キチン）の見かけ比重／
成形後の見かけ比重］が約５以上となる。
【００１１】キトサンとしては、キチンを脱アセチル化
することにより製造されるものが工業的に容易に入手す
ることができる。
することにより製造されるものが工業的に容易に入手す
ることができる。
【００１２】脱アセチル化の割合としては、６０〜９９
％程度の範囲を挙げることができる。
％程度の範囲を挙げることができる。
【００１３】本発明のスポンジ状キチンとキトサンとか
らなる治療剤の製造方法としては、上記の様にして製造
したスポンジ状キチンに、キトサンを塗布する方法を挙
げることができる。
らなる治療剤の製造方法としては、上記の様にして製造
したスポンジ状キチンに、キトサンを塗布する方法を挙
げることができる。
【００１４】キトサンとしては、フィラメント状、綿
状、粒子状等何れの形状のものも使用可能であるが、粒
子状のものがスポンジ状キチンに馴染みよく塗布するこ
とができる。
状、粒子状等何れの形状のものも使用可能であるが、粒
子状のものがスポンジ状キチンに馴染みよく塗布するこ
とができる。
【００１５】粒子状のキトサンとしては、キトサンを乾
式粉砕器、湿式粉砕器等により粉砕することにより、例
えば長さ約２ｍｍ以下の形状のもの、好ましくは０．２
ｍｍ以下の形状のもの、さらに好ましくは生体内の食細
胞に認識されるような大きさ、例えば０．０２ｍｍ以下
の形状のものを挙げることができる。
式粉砕器、湿式粉砕器等により粉砕することにより、例
えば長さ約２ｍｍ以下の形状のもの、好ましくは０．２
ｍｍ以下の形状のもの、さらに好ましくは生体内の食細
胞に認識されるような大きさ、例えば０．０２ｍｍ以下
の形状のものを挙げることができる。
【００１６】本発明のスポンジ状キチンとキトサンとか
らなる治療剤の製造法としては、スポンジ状キチンに粒
子状のキトサンを塗布する方法を挙げることができる。
らなる治療剤の製造法としては、スポンジ状キチンに粒
子状のキトサンを塗布する方法を挙げることができる。
【００１７】例えば、粒子状のキトサンを適当な溶媒、
例えば水に懸濁させ、これを適当な方法によりスポンジ
状キチンに塗布する方法を採用すればよい。
例えば水に懸濁させ、これを適当な方法によりスポンジ
状キチンに塗布する方法を採用すればよい。
【００１８】スポンジ状のキチンとキトサンとの割合
は、スポンジ状キチン１００ｍｇに対しキトサンを５０
ｍｇ以下の有意量、好ましくは１０ｍｇ以下の有意量、
更に好ましくは１ｍｇ以下の有意量等の範囲を挙げるこ
とができる。
は、スポンジ状キチン１００ｍｇに対しキトサンを５０
ｍｇ以下の有意量、好ましくは１０ｍｇ以下の有意量、
更に好ましくは１ｍｇ以下の有意量等の範囲を挙げるこ
とができる。
【００１９】本発明の治療剤は、熱傷、採皮創などの皮
膚欠損傷を保護するための創傷被覆保護材、抜歯窩充填
材、あるいは、皮膚欠損、膿瘍、挫創等の創傷被覆材と
して使用することができる。
膚欠損傷を保護するための創傷被覆保護材、抜歯窩充填
材、あるいは、皮膚欠損、膿瘍、挫創等の創傷被覆材と
して使用することができる。
【００２０】さらに、本発明の治療剤は、各種手術後の
死腔充填材として使用することができる。
死腔充填材として使用することができる。
【００２１】本発明の治療剤は、急性毒性を認めない。
【００２２】
【作用】本発明の治療剤の作用効果に付いては、今の所
明確に解明されてはいないが、キトサンの肉芽形成作
用、急速な分解作用等とキチンの充填効果、温和な分解
作用等が相乗的に作用することにより、皮膚欠損、膿
瘍、挫創等の創傷被覆材として、また各種手術後の死腔
充填材として使用した場合の化膿の再発にたいする抑制
あるいは阻止効果を発揮し、そのため良好な肉芽形成と
同時に生体組織や皮膚の再生が見られる等の作用効果を
示すものと考えられる。
明確に解明されてはいないが、キトサンの肉芽形成作
用、急速な分解作用等とキチンの充填効果、温和な分解
作用等が相乗的に作用することにより、皮膚欠損、膿
瘍、挫創等の創傷被覆材として、また各種手術後の死腔
充填材として使用した場合の化膿の再発にたいする抑制
あるいは阻止効果を発揮し、そのため良好な肉芽形成と
同時に生体組織や皮膚の再生が見られる等の作用効果を
示すものと考えられる。
【００２３】
【実施例】次ぎに、実施例および比較例により本発明を
説明するが、本発明はかかる実施例および比較例に限定
されるものではない。
説明するが、本発明はかかる実施例および比較例に限定
されるものではない。
【００２４】実施例１ スルメイカの軟甲１ｋｇをフェザーミル（５ｍｍスクリ
ーン通過）により粉砕し、粉砕物を１規定の水酸化ナト
リウム水溶液（３０００ｍｌ）に投入し、９０℃で１時
間保持し、水洗後、０．１規定の塩酸水溶液に１時間浸
漬した。次いで水洗後１規定の水酸化ナトリウム水溶液
（９０℃）中に１時間保持し、水洗した後、オーブン
（５０℃）で５時間乾燥し、イカキチン１００ｇを得
た。
ーン通過）により粉砕し、粉砕物を１規定の水酸化ナト
リウム水溶液（３０００ｍｌ）に投入し、９０℃で１時
間保持し、水洗後、０．１規定の塩酸水溶液に１時間浸
漬した。次いで水洗後１規定の水酸化ナトリウム水溶液
（９０℃）中に１時間保持し、水洗した後、オーブン
（５０℃）で５時間乾燥し、イカキチン１００ｇを得
た。
【００２５】上記により得られたイカキチン１０ｇを１
リッターの水に投入し、ブレンダー（オスター社製造）
にて２０分攪拌した。更にウルトラターラックスにより
１０分間攪拌し、ゲル状水分散液を得た。この溶液を−
４０℃で凍結し、冷凍乾燥し、比重８ｍｇ／ｃｍ3、空
隙率５２．８のスポンジ状キチン（２５ｃｍ2、４０
枚）を得た。
リッターの水に投入し、ブレンダー（オスター社製造）
にて２０分攪拌した。更にウルトラターラックスにより
１０分間攪拌し、ゲル状水分散液を得た。この溶液を−
４０℃で凍結し、冷凍乾燥し、比重８ｍｇ／ｃｍ3、空
隙率５２．８のスポンジ状キチン（２５ｃｍ2、４０
枚）を得た。
【００２６】上記により得られたスポンジ状キチン（２
００ｍｇ）１枚に、粒径０．００３ｍｍのキトサン水懸
濁液（０．１ｍｇ／ｍｌ）の１ｍｌを散布し、本発明の
治療剤を製造した。
００ｍｇ）１枚に、粒径０．００３ｍｍのキトサン水懸
濁液（０．１ｍｇ／ｍｌ）の１ｍｌを散布し、本発明の
治療剤を製造した。
【００２７】上記により製造した本発明の治療剤を使用
し、表１に示す犬および猫の各疾患の治療を行った。
し、表１に示す犬および猫の各疾患の治療を行った。
【００２８】
【表１】
【００２９】感染の存在する体表の外傷に、本発明の治
療剤を、傷の大きさに合わせて創内に圧定した。何れの
疾患にも良好な肉芽増生と同時に皮膚の再生がみられ、
化膿を再生することなく２週間以内に完治した。
療剤を、傷の大きさに合わせて創内に圧定した。何れの
疾患にも良好な肉芽増生と同時に皮膚の再生がみられ、
化膿を再生することなく２週間以内に完治した。
【００３０】比較例１ 比較のために同様の膿瘍を持つ犬について切開および排
膿した後、イソジン液で洗浄し、スポンジ状キチンを充
填したところ３日後に化膿が再発し、スポンジ状キチン
を除去した。
膿した後、イソジン液で洗浄し、スポンジ状キチンを充
填したところ３日後に化膿が再発し、スポンジ状キチン
を除去した。
【００３１】比較例２ 比較のために同様の皮膚欠損を有する猫について、綿状
のキトサンにより処置したところ、肉芽の形成を見た
が、皮膚の増生は２週間後にもみられなかった。
のキトサンにより処置したところ、肉芽の形成を見た
が、皮膚の増生は２週間後にもみられなかった。
Claims (2)
- 【請求項１】 スポンジ状キチンとキトサンとからなる
治療剤。 - 【請求項２】 キトサンが粒状である請求項１記載の治
療剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5196173A JPH0747113A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5196173A JPH0747113A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 治療剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0747113A true JPH0747113A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=16353417
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5196173A Pending JPH0747113A (ja) | 1993-08-06 | 1993-08-06 | 治療剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0747113A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0753313A1 (en) * | 1995-06-26 | 1997-01-15 | Hokkaido Government | Skin substitute using marine organisms |
| WO2003094893A1 (en) * | 2002-05-08 | 2003-11-20 | Hee-Young Lee | Process for preparing an injection type solid chitosan powder |
| WO2011023531A2 (de) | 2009-08-28 | 2011-03-03 | Technische Universität Dresden | Zwei- oder dreidimensionales gereinigtes chitingerüst von hornschwämmen, verfahren zu seiner herstellung und verwendung |
-
1993
- 1993-08-06 JP JP5196173A patent/JPH0747113A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0753313A1 (en) * | 1995-06-26 | 1997-01-15 | Hokkaido Government | Skin substitute using marine organisms |
| WO2003094893A1 (en) * | 2002-05-08 | 2003-11-20 | Hee-Young Lee | Process for preparing an injection type solid chitosan powder |
| WO2011023531A2 (de) | 2009-08-28 | 2011-03-03 | Technische Universität Dresden | Zwei- oder dreidimensionales gereinigtes chitingerüst von hornschwämmen, verfahren zu seiner herstellung und verwendung |
| DE102009028980A1 (de) | 2009-08-28 | 2011-03-03 | Technische Universität Dresden | Zwei- oder dreidimensionales gereinigtes Chitingerüst von Hornschwämmen, Verfahren zu seiner Herstellung und Verwendung |
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