JPH0747037Y2 - スピーカの振動板

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【考案の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野この考案はスピーカの振動板に関する。

（ロ）従来技術・考案が解決しようとする問題点従来より、スピーカの振動板の補強繊維としては、例え
ば、第２図に示すような無機繊維である炭素繊維４を用
いたスピーカの振動板５が知られている。

しかし、上記した無機材料を含むスピーカの振動板は弾
性率は向上するものの内部損失が小さく、このため、高
域共振が出やすく、所謂、鳴きや歪が発生するという欠
点があった。

この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは従来の欠点を解消したスピーカの
振動板を提供するところにある。

（ハ）問題を解決するための手段この考案のスピーカの振動板は、少なくとも芳香族複素
環状ポリマで紡糸された繊維を含む布と樹脂とで構成し
たものである。

更に、樹脂を芳香族複素環状ポリマで構成したものであ
る。

（ニ）作用この考案によれば、少なくとも芳香族複素環状ポリマで
紡糸された繊維を含む布と樹脂とで構成したので、音速
値及び内部損失の優れたスピーカの振動板を得ることが
できる。

（ホ）実施例この考案に係るスピーカの振動板の実施例を第１図に基
づき説明する。

図中、１はスピーカの振動板、２は超延伸性高弾性高強
度ポリエチレン繊維、３は芳香族複素環状ポリマ繊維で
あるポリベンゾビスチアゾール（PBT）繊維であり、振
動板１は樹脂でコンポジットして成形したものである。

芳香族複素環状ポリマは高耐熱性を有し、且つ、剛直な
分子鎖を有しているのでポリベンゾビスチアゾール繊維
は高強度で高弾性率を有している。

弾性率は炭素繊維と略同程度であるが、比重が小さいの
で音速値が炭素繊維に較べてよい。

また、この繊維は有機系でるため内部損失を大きくする
ことも可能であり、更に、分割振動時の繊維のずれも少
ないので鳴きが少なくスピーカの振動板には好適であ
る。

以下にポリベンゾビスチアゾーゾールのポリマの組成を
示す。

なお、芳香族複素環状ポリマの樹脂でコンポジットすれ
ば振動板１はより高弾性化する。

（ヘ）考案の効果この考案に係るスピーカの振動板によれば、上述のよう
に構成したので、以下のような効果を奏する。

音速が向上する。

内部損失が向上する。

耐熱性が高い。

歪が低減する。

しかも、構造が簡単であって、また、安価に構成するこ
とができるため実施も容易であるなどの優れた特長を有
している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るスピーカの振動板の実施例を示
す断面図、第２図は従来の実施例を示す断面図である。主な符号の説明 1:振動板 2:超延伸高弾性高強度ポリエチレン繊維 3:ポリベンゾビスチアゾール繊維

【実用新案登録請求の範囲】