JPH0746968Y2 - 可搬型衛星通信アンテナの筺体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、パラボラアンテナ、周波数変換装置及び送受
信装置を一つの樹脂製筐体に収納することにより、持ち
運びに便利な、かつ衛星通信時に利得損失の少ない可搬
型衛星通信アンテナの筐体構造に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来のこの種の装置は可搬型でありながら重量が大き
く、しかもパラボラアンテナ反射鏡が周波数変換部など
とは分割して筐体内に収納してあるので、装置を設置す
る時、パラボラアンテナ反射鏡をわざわざ組み立てる作
業があった。また、分割されたアンテナのため耐風圧に
対する強度が不充分なものであった。また、周波数変換
部、送受信部等とパラボラアンテナ部とが別体となって
いたため相互に距離が大となり、通信運用時の利得損失
が大きいという問題があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、前述した従来技術の問題点を解決することを
目的とし、その目的を達成するために、方形箱体の前方
の開口をパラボラアンテナの外周縁より大きくし、側壁
に段差を設けて後方の開口を小さくし、前方の開口を前
記パラボラアンテナの背面に沿って覆い、後方の開口を
開放にして一体に成型した筐体と、前記筐体の後方の開
口を覆うカバーと、前記筐体の後方の開口と前記カバー
の外周縁との間に施された防滴用の第１のパッキンと、
前記パラボラアンテナの外周縁と前記筐体の前方部分と
の間に施した防滴用の第２のパッキンと、前記パラボラ
アンテナの仰角を調整するスタンドの一端の固定ノブを
備えた支点部分を回転及び摺動できるように前記筐体の
後方の側壁に設けたスライドレールとで構成したもので
ある。

（実施例） 以下図面に示す本考案実施例につき詳説する。

第１図から第５図はすべて本考案の一実施例を示すもの
で、１は、耐衝撃性や耐天候性に優れた樹脂例えば架橋
ポリエチレンで構成された金属製よりも軽量な筐体であ
る。２は衛星通信に用いられるパラボラアンテナであっ
て第２図に示されるように筐体１内に収納されている。
3A及び3Bは、それぞれ衛星通信のために必要な周波数変
換部及び送受信部であって、第３図から明らかなように
筐体１の内部に収納されている。筐体１の凹部にはパラ
ボラアンテナ２をその外縁が筐体１に対して直接接触し
ないように、両者はその中央部のみで結合し、パラボラ
アンテナ２の外縁と筐体１の外周縁との間にはパッキン
12が挿入され防滴構造となっている。

筐体１の両側面にはスライドレール６が設けられてお
り、このスライドレール６に案内されてスタンド７の一
端7A,7Bがスライド可能に支持されている。スタンド７
は、第３図に明瞭に示されるごとくほぼコの字型の軽量
合金又は合成樹脂で構成され、衛星通信を行うためにア
ンテナを例えば地上に設置するときには、スタンド７を
第２図の７′で示すように引き起した上で固定ノブ5A,5
Bで前記スタンドの一端7A,7Bを夫々固定可能である。こ
の一端7A,7Bのスライドレール６上の位置は任意に調節
可能であるから、パラボラアンテナの設置角度（仰角）
を自由に変化させることができる。

11は、第４図から明らかなごとく、筐体１の背面を被覆
するためのカバーであり、その外周縁には溝が形成さ
れ、その溝内に防滴用パッキン13が挿入され、筐体１の
外周縁との間に防滴構造が形成される。

この構造のため、筐体１の周囲が衝撃により変形しても
パラボラアンテナ２への影響が全くない。

又パッキンは防水、防じんにも効果がある。

また、パラボラアンテナ２の背面にあたる筐体内部に周
波数変換部、送受信部等３を収納することによりパラボ
ラアンテナ２との距離が短縮出来る。

さらに、運搬時には、パラボラアンテナ２に放射器４を
固定具９により収納し、樹脂性フタ10を取り付けること
でパラボラアンテナ２を保護することが出来る。

（考案の効果） 以上述べたとおり、本考案によれば、衝撃や耐天候性に
優れ、金属に比べて軽量な樹脂製筐体の内部に、パラボ
ラアンテナのみならず周波数変換部及び送受信部までも
収納したので、持ち運びに際して一体に運搬できて便利
であり、周波数変換部と送受信部との距離が短縮される
ので利得損失を少なくするなどの実用上の顕著な効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図は本考案の一実施例としてのパラボラ
アンテナ筐体を示し、第１図はその正面図、第２図はそ
の側面図、第３図はその背面図、第４図は第２図の下部
断面図、第５図は運搬時における筐体の正面図である。 １……筐体、２……パラボラアンテナ、3A……周波数変
換部、3B……送受信部、４……放射器、5A,5B……固定
ノブ、６……スライドレール、７……スタンド、7A,7B
……スタンドの一端、９……固定具、10……フタ、11…
…カバー、12,13……パッキン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】方形箱体の前方の開口をパラボラアンテナ
   （２）の外周縁より大きくし、側壁に段差を設けて後方
   の開口を小さくし、前方の開口を前記パラボラアンテナ
   （２）の背面に沿って覆い、後方の開口を開放にして一
   体に成型した筐体（１）と、 前記筐体（１）の後方の開口を覆うカバー（11）と、 前記筐体（１）の後方の開口と前記カバー（11）の外周
   縁との間に施された防滴用の第１のパッキン（13）と、 前記パラボラアンテナ（２）の外周縁と前記筐体（１）
   の前方部分との間に施した防滴用の第２のパッキン（1
   2）と、 前記パラボラアンテナ（２）の仰角を調整するスタンド
   （７）の一端（7A），（7B）の固定ノブ（5A），（5B）
   を備えた支点部分を回転及び摺動できるように前記筐体
   （１）の後方の側壁に設けたスライドレール（６） とで構成して、筐体内部に周波数変換部と送受信部とを
   防滴構造で収納でき、筐体の後方の側壁の段差部分に前
   記スタンドを収納可能にしたことを特徴とする可搬型衛
   星通信アンテナの筐体構造。