JPH0746023B2 - 冷蔵庫の野菜貯蔵容器 - Google Patents

冷蔵庫の野菜貯蔵容器

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JPH0746023B2
JPH0746023B2 JP60276381A JP27638185A JPH0746023B2 JP H0746023 B2 JPH0746023 B2 JP H0746023B2 JP 60276381 A JP60276381 A JP 60276381A JP 27638185 A JP27638185 A JP 27638185A JP H0746023 B2 JPH0746023 B2 JP H0746023B2
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晃司 永田
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松下冷機株式会社
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  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、野菜を新鮮な状態で長期保存する冷蔵庫の野
菜貯蔵容器に関するものである。
従来の技術 従来、冷蔵庫の野菜貯蔵容器は密閉性を向上させること
により野菜を長期保存させるようにしている。以下図面
を参照しながら、従来の冷蔵庫の野菜貯蔵容器の一例に
ついて説明する。第7図は、従来の冷蔵庫の野菜貯蔵容
器の装着状態を示す要部断面図である。冷蔵庫本体1は
前面に扉2を配置し、底部に上面が開口した野菜貯蔵容
器3が配設されている。前記野菜貯蔵容器3の上部開口
面には、周辺にゴム製パッキンが配設されたガラス製蓋
体5を有する。前記冷蔵庫本体1は、外箱6と内箱7と
該箱体の空間に発泡注入されたウレタン断熱材8より成
り、前記扉2は外箱6′とウレタン断熱材8′と内枠9
と該内枠9に配設された棚10より成り、更に前記扉2の
周辺にシール用パッキン11が配設されている。そして、
前記野菜貯蔵容器3が前記冷蔵庫本体1の冷蔵室12下部
に収納された時に、周辺にゴム製パッキン4を配設され
たガラス製蓋体5により、上部開口面が完全密閉される
様になっていた。従って、貯蔵した野菜13が乾燥萎縮す
るのを防止し、野菜13が長期保存出来る様に工夫されて
いた。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、完全な密閉構造で
った為、野菜特に葉菜類から蒸散する水が、前記蓋体5
の内表面に結露して多量に付着した。これは、前記野菜
貯蔵容器3は冷蔵室12の底部に位置し、冷蔵室12内の冷
気が前記蓋体5の外表面を冷却し、一方前記野菜貯蔵容
器3内は野菜13の呼吸熱の為温度が高く、前記蓋体5表
面に温度差が生じる為である。そして、前記蓋体5に付
着した多量の水滴は、自然落下あるいは前記野菜貯蔵容
器3を着脱する時の振動等により落下し、貯蔵している
野菜13の表面や野菜貯蔵容器3の底面に溜まる。従っ
て、貯蔵した最初の数日間は前記野菜13は乾燥が防止さ
れるので新鮮な状態を保持しているが、そのうちに前述
した如く溜まった水により野菜13が損傷され、ヌルヌル
した状態になると言う問題があった。その為に野菜が新
鮮に保存される期間はそれほど長くなかった。特に、既
に何日間か貯蔵した野菜がある時に、新しい野菜(特に
葉菜類)を追加貯蔵した場合には、新しい野菜から蒸散
した水により、以前から貯蔵していた野菜は急激な損傷
を受け、腐敗するという問題点を有していた。
本発明は上記問題点に鑑み、蓋体に付着する結露水を除
去し、野菜を長期保存出来る冷蔵庫の野菜貯蔵容器を提
供することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の冷蔵庫の野菜貯蔵
容器は、両面外側が織物あるいは不織布の繊維層で、そ
の中間にシリコーンゴム等の容易に膨潤しない透湿性の
樹脂薄層を有する積層部材を、容器の蓋体あるいは容器
背面、または、蓋体及び容器背面とに備えることによ
り、蓋体の樹脂製平板あるいは容器背面と溶着したもの
である。
作用 本発明は上記した構成によって、貯蔵した野菜から蒸散
作用或いは呼吸作用によって発生してくる水蒸気が、前
記容器の蓋体表面に結露するのを防止すると共に、容器
内の野菜の乾燥を適度に抑制して野菜を長期保存出来る
様にするものである。
実 施 例 以下第1の発明の実施例の冷蔵庫の野菜貯蔵容器につい
て、図面を参照しながら説明する。従来例と同一構成部
品は同一番号を付し、その説明を省略する。
14は上面開口部に蓋体15が密接された野菜貯蔵容器であ
る。前記蓋体15は、ポリエチレン等のオレフィン系熱可
塑性樹脂等よりなる多数の貫通穴を有する平板16と、該
平板16の片面に溶着されたシリコーンゴム薄膜よりなる
透湿膜17と、それらの外周辺に配設された塩化ビニル等
のゴム製パッキン18とより構成されている。そして、前
記野菜貯蔵容器14は、前記冷蔵庫本体1の冷蔵室12下部
の所定位置に、前記野菜貯蔵容器14が収納された時に外
周辺にゴム製パッキン18を有する前記蓋体15に密接され
る様に着脱自在に配設されている。ここで、前記透湿膜
17について詳細に説明する。前記透湿膜17は、ポリエス
テル或いはナイロン等の基布17aの上に数+ミクロンの
シリコーンゴム薄膜17bを形成し、更に前記シリコーン
ゴム薄膜17bの破れを防止する為の保護繊維層17cを形成
した積層体である。そして、該透湿膜17は前記基布17a
面で前記平板16と溶着される。前記透湿性に優れたシリ
コーンゴム薄膜17b自身は前記平板16との溶着は困難で
あるが、前述の如く基布17aが介在すると、前記平板16
をその貫通穴を破壊しない程度に加熱プレスすることに
より、溶融したポリオレフィン系の樹脂が前記基布17a
の織り目にくい込んで接着されるものである。尚、前記
シリコーンゴム薄膜17bはほとんどアモルファスの鎖状
分子集合体から成り、これら線状の分子の集りが液体を
完全にシャットアウトし、10〜103Åの分子間隔によっ
てガス透過性を有するものである。即ち水蒸気や空気,
炭酸ガスが、膜の内外で濃度差があれば透過される性質
のものであり、容易に吸水して膨潤する性質のものでは
ない。
以上のような構成であるから、前記野菜貯蔵容器14内へ
の冷気の直接の進入がなく、前記野菜貯蔵容器14に貯蔵
した野菜13から蒸散した水分により容器14内は適度な高
湿に保たれる。そして、飽和湿度以上の水分は、第5図
に示した如く前記冷蔵室12に対面し冷気が良く当って最
も冷却されやすい蓋体15の内側表面で結露しようとする
が、前記蓋体15を構成する透湿膜17により冷蔵庫の蒸発
器(図示しない)により乾燥状態となる前記冷蔵室12へ
矢印の如く徐々に透湿する。また、野菜の貯蔵量が多く
水分の蒸散量が多い時、第5図の如く支持体である前記
貫通穴を有する平板16に若干の結露19が生じることがあ
るが次第に消失する。従って、水滴が落下して野菜13の
表面や野菜貯蔵容器14の底面に溜まることがないので、
貯蔵された野菜13は乾燥萎縮することが抑制されると共
に、水滴により損傷されてヌルヌルした状態になること
もなく、従来より更に長期間に渡って、野菜13特にホウ
レン草などの葉菜類を新鮮な状態で貯蔵することが出来
る。尚、実験結果によると、前記透湿膜17の透湿度が適
切なものを選ぶことにより、前記野菜14内部は野菜の保
存に適していると云われる80〜95%RHの湿度に保つこと
が出来る。また、前記透湿膜17は、シリコーンゴム薄膜
17bを基布17aと保護繊維層17cでサンドイッチした構成
であるから、シリコーンゴム薄膜17bの破れを防止でき
る。さらに、蓋体15の本体である樹脂製平板16と容易に
一体成形することができ、余分な固定具を使わず低コス
トで透湿性構造体とすることができる。また前記実施例
において、シリコーンゴム薄膜17bは同様に透湿性を有
する四フッ化エチレンやポリウレタン系の微多孔性の薄
膜であっても良い。
以下第2及び第3の発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。第6図は第2及び第3の発明の実施例
を示す冷蔵庫の野菜貯蔵容器の断面図である。なお、前
述の第1の発明の実施例と同一構成には、同一符号を付
してその詳細な説明を省略する。
同図において、20は上面開口部に第1の発明の実施例で
説明した透湿膜17を有する蓋体15が密接された野菜貯蔵
容器で、第1の発明の実施例と異なるのは、前記容器20
の背面の一部に透湿窓21を設けた点である。前記透湿窓
21は支持体22と透湿膜23より構成されたもので、その構
成材料は前述の蓋体15と同様なものである。前記容器20
の背面は前記蓋体15と同様に前記冷蔵室12からの冷気で
よく冷える為に結露しやすい箇所で、蒸散作用の激しい
ホウレン草等の葉菜類が大量に貯蔵された時には、従来
密閉構造にすると蓋体だけでなく容器背面にも結露する
ことがあった。しかし、以上のように透湿膜17,23を蓋
体15と容器20背面に配設することにより、前記野菜貯蔵
容器20は密閉構造でありながら結露を防止しつつ適度な
高湿度とするこことが可能となり、第1の実施例で説明
したと同様に、従来より更に長期間に渡って、野菜13特
にホウレン草などの葉菜類を新鮮な状態で貯蔵すること
が出来る。
発明の効果 以上のように本発明の冷蔵庫の野菜貯蔵容器は、両面外
側が織物あるいは不織布の繊維層で、その中間にシリコ
ーンゴム等の容易に膨潤しない透湿性の樹脂薄層を有す
る積層部材を、蓋体あるいは容器背面、または、蓋体及
び容器背面に備えることにより、蓋体の樹脂製平板ある
いは容器背面と容易に一体成形することができるから、
前記野菜貯蔵容器は、冷気の直接の進入がなく、内部に
貯蔵された新鮮な野菜自身から蒸散する水分により容器
内が適度な高湿度に保たれて、野菜が乾燥萎縮するのを
抑制出来る。また前記蓋体や背面の結露がほとんどな
く、貯蔵した野菜上への水滴の落下がないので水滴によ
り野菜、特にホウレン草などの葉菜類が損傷されてヌル
ヌルした状態になることがなく、野菜を長期間新鮮な状
態で貯蔵することが出来るものである。また、樹脂薄層
の両面外側が繊維層であるから、樹脂製の蓋体や容器と
一体成型でき、容器に透湿部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の発明の実施例における冷蔵庫の野菜貯蔵
容器の装着状態を示す断面図、第2図は同野菜貯蔵容器
の蓋体の斜視図、第3図は第2図に対応する蓋体の裏面
の斜視図、第4図は同蓋体の要部拡大断面図、第5図は
第4図における結露及び透湿状態の説明図、第6図は第
2及び第3の発明の実施例の野菜貯蔵容器の断面図、第
7図は従来の冷蔵庫の野菜貯蔵容器の装着状態を示す要
部断面図である。 15……蓋体、16……貫通穴を有する平板、17……透湿
膜、17a……基布、17b……シリコーンゴム薄膜、17c…
…保護繊維層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面外側が織物あるいは不織布の繊維層
    で、その中間にシリコーンゴム等の容易に膨潤しない透
    湿性の樹脂薄層を有する積層部材と、前記積層部材と溶
    着され多数の貫通穴を有する樹脂製平板とを有する蓋体
    を、容器の上面開口部に密接して設けてなる冷蔵庫の野
    菜貯蔵容器。
  2. 【請求項2】両面外側が織物あるいは不織布の繊維層
    で、その中間にシリコーンゴム等の容易に膨潤しない透
    湿性の樹脂薄層を有する積層部材と、容器の背面に多数
    の穴を有する窓とを備え、前記積層部材が、前記窓を覆
    うように前記容器背面に溶着し透湿窓を形成してなる冷
    蔵庫の野菜貯蔵容器。
  3. 【請求項3】両面外側が織物あるいは不織布の繊維層
    で、その中間にシリコーンゴム等の容易に膨潤しない透
    湿性の樹脂薄層を有する積層部材と、前記積層部材と溶
    着され多数の貫通穴を有する樹脂製平板とを有する蓋体
    と、容器の背面に多数の穴を有する窓とを備え、前記蓋
    体を前記容器の上面開口部に密接に設けるとともに、前
    記積層部材を前記窓を覆うように前記容器背面に溶着し
    透湿窓を形成してなる冷蔵庫の野菜貯蔵容器。
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