JPH0745841Y2 - 自転車用ライトのライトケ−ス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の技術分野 この考案は、例えば自転車の前フォークに自転車用ダイ
ナモと共に取り付けられて照灯するようにした自転車用
ライトのライトケースに関する。

従来の技術 従来一般に使用されているこの種のライトケースは、第
３、４図に示すように、端子板（図示省略）等を内蔵す
るケース本体Ａと、周縁部ｂをケース本体Ａの周縁部ａ
に重ね合わせて、ケース本体Ａの前面を着脱自在に覆う
レンズＢと、ケース本体ＡとレンズＢとの間に中央に電
球を臨出させて介在する反射板Ｃとを備えている。

そして、上記レンズＢの着脱は、第３図に示すように、
ケース本体Ａの周縁部の上部内面の凹部１にレンズＢの
周縁部の上部内側に突出させたフック形の凸部２を着脱
自在に掛止させる一方、レンズＢの周縁部下縁に正面に
向けて前後方向に貫通する挿通孔３を具えた取付座４を
一体に垂下し、この取付座４の挿通孔３に胴細ねじ５を
嵌め通して、該ねじ５の先端を上記取付座４に対向する
ようにしてケース本体Ａの周縁部ａの下縁に形成した取
付座６に嵌合し、該取付座６にインサートした雌ねじ７
にねじ込むことによって、レンズＢをケース本体Ａに対
して着脱自在に取り付けるようにしていた。

また、別の従来例としては第４図に示すように、ケース
本体ＡとレンズＢの周縁部ａ、ｂの上部を上記従来例と
同様の凹凸部１、２の嵌合により互いに掛止する一方、
ケース本体Ａの周縁部ａの下部に、両側にスリットａ′
を具えて外向きに撓みを可能にした弾性クランプ片８を
該ケース本体Ａと一体に成形し、この弾性クランプ片８
の先端に上向きに設けたフック９をレンズＢの周縁部ｂ
の下部の掛止凹部10内に弾性的に嵌合させるようにした
ものもある。

更に、例えば実開昭62−77802号公報のように、ケース
本体の周縁部の下部に、下部内周面の一部を切除して下
面を解放した挿通孔を成形し、レンズ側の周縁部下部に
鍔片を垂下して、上記挿通孔に弾性的に挿通される先端
部に環状に亀頭部を形成してこの亀頭部を掛止させるよ
うにした挿入棒を一体成形し、この挿入棒と上記挿通孔
との嵌合により、ケース本体とレンズを下部で開閉自在
に連結するようにしたものもある。

考案が解決しようとする課題 上記のようにしてケース本体とレンズとを着脱自在にす
ることは、切れた電球を交換する場合に必要な構造であ
るが、下縁の結合に胴細ねじと雌ねじを用いた前者は、
部品点数が増し、ねじ込み工程を要することからコスト
高になる欠点がある。下縁の結合を弾性クランプ片の先
端のフックと掛止凹部との弾性的掛止により行うように
した後者は、レンズをケース本体から外すときに弾性ク
ランプ片を撓ませる力が大き過ぎたり、反復して大きく
撓ませたりすることによって材質に疲労を生じ、変形し
たり折損してしまうことが屡起きる。

また、実開昭62−77802号公報のように、下部内周面の
一部を切除した挿通孔に、先端部に突出部を環状に形成
した亀頭部を嵌合するようにしたものは、 （１）下部に垂下した鍔片の端面に対して直角に挿入棒
を突出させているので集中応力が働き折損し易い。

（２）挿入棒の先端部は全周にわたって軸部より大径の
亀頭部を有するために、挿入穴の内径も亀頭部の径に見
合った大径に形成する必要があり、先端から軸部分の中
心に設けているスリット側へ撓み易いが、その撓み可能
な範囲はごく狭い少量に限られる一方、スリットの両側
では素材の弾性的変形に頼らなければ着脱でいない。ま
た、スリット形成のために成形がコスト高になり、か
つ、技術的な困難が伴う。

（３）上記大径の亀頭部の挿通を容易にするために、挿
通穴の下部内周面の一部を切除して弾性的に亀頭部の挿
通を許容するようにしているために、挿通軸部分の保持
が不安定で、脱落を生じ易い。また、挿通孔の内周面の
一部を切除して肉厚を薄く成形することから、成形加工
に技術的な困難があり、かつ、材質の劣化を生じ易く、
耐久性に劣る。

（４）下部内周面の一部を切除した挿通穴と、中心に横
にスリットを設けた挿入棒との嵌合であるから、軸の保
持力がランプケースの上下方向の振動に対して特に弱
く、不用意に挿入棒が脱落し易い。

上記のように多くの欠点がある。

以上のことから、弾性クランプ片とその挿通孔との着脱
が容易にできる一方で、両者の嵌合状態が強固に保持さ
れて、振動に強く、かつ、耐久性に富むようにすること
がこの種のケースにおいて解決すべき課題となってい
た。

課題を解決するための手段 そこで本考案は、端子板等を内蔵するケース本体と、周
縁部をケース本体の周縁部に重ね合わせてケース本体の
前面を着脱自在に覆うレンズと、ケース本体とレンズと
の間に中央に電球を臨出させて介在する反射板とを備え
た自転車用ライトのライトケースにおいて、ケース本体
とレンズの周縁部のいずれか一方にレンズの着脱の際に
支点となる凸部を設け、他方にこの凸部を着脱自在に掛
止する凹部を設け、この凹凸部を設けた位置から適宜に
離れた上記周縁部の別の位置に、正面側に向けて前後に
貫通し、上下左右に内周面を具えた挿通孔を一方の周縁
部に設け、他方の周縁部には、上記挿通孔を貫通して突
出する先端上部に起立して該挿通孔の開口部上縁に掛止
されるフックを具え、該フックの高さを合わせた先端部
の高さが上記挿通孔の上下の内幅と略同等になる厚さを
有し、上記周縁部に連なる基部の両側にスリットを具え
て外側に弾性的に撓むことができ、かつ、復元時にはそ
の上面が挿通孔の上側の内周面に当接するように設けた
弾性クランプ片を一体成形したことを特徴とする自転車
用ライトのライトケースを提供するものである。

作用 本考案ライトケースに設けた挿通孔は、上下左右に内周
面を有するので、左右方向、上下方向いずれにも同等に
軸部との嵌合保持強度を有する。

そして、この挿通孔に嵌合する弾性クランプ片は、基部
の両側のスリットを介して外側に弾性的に撓めると、フ
ックを具えた先端部の高さが挿通孔の上下の内幅と略同
等に形成されているので、挿通孔内への挿入が容易にで
きる。

次いで、フックを挿通孔に貫通させた弾性クランプ片を
解放すると、その復元位置は該クランプ片の上面と挿通
孔の上側の内周面との当接により掛止される一方、フッ
クは、その高さの分だけ挿通孔の外側の開口部上側に重
ね合わされて後退が阻止される。

この嵌合状態において、弾性クランプ片はその上面を挿
通孔の上面の内周面に圧接し、前後方向には、取付け位
置に生ずるライトの上下方向の振動に伴うずれを十分に
上回る高さを有する、フックと挿通孔の外側の開口部上
側との係合により保持されているので、人為的に外力を
加えない限りケース本体とレンズとの嵌合は十分に保持
される。

更に、ケース本体からレンズを外す場合は、挿通孔の外
側に突出するフックの先端を押し下げて行うが、その際
の弾性クランプ片の撓みは、挿通孔の外側の開口部下縁
に制止されるので必要以上には過大に撓むことがない。
また、その押し下げ位置では、フックが、互いに略同等
の高さ（上下の幅）を有する挿通孔と同じ位置にあるの
で、該挿通孔内へ押し込みが容易にできる。

以上のようにして本考案は前記の課題を解決したもので
ある。

実施例 以下に本考案の実施例を図面について説明する。

第１、２図において、Ａはケース本体、Ｂはレンズ、Ｃ
は発射板、Ｄは電球である。

ケース本体ＡとレンズＢは、反射板Ｃとともにプラッス
チック製で、第２図に示すようにそれぞれ周縁部ａ、ｂ
を端面で重ね合わせるように成形されている。１はレン
ズＢの周縁部ｂの上部から嵌合方向に突出する取付座11
に縦に貫設した凹部、２はこの凹部１に上方から嵌合し
てレンズＢの着脱の際の支点となるようにケース本体Ａ
の周縁部ａの内面に垂設した凸部、12は上記凹凸部１、
２と直径方向で対向するレンズＢの周縁部ｂの下部から
垂設した他方の取付座15に穿孔されて、正面に向けて前
後に貫通し、上下左右の全内周面を具えた挿通孔、14は
この挿通孔12に対向するケース本体Ａの周縁部ａの下部
から嵌合方向に突出する弾性クランプ片、13は弾性クラ
ンプ片14の先端に上向きに突出するフックである。

第５図に示すように、挿通孔12の上下方向の内幅Ｈは、
フック13の高さｈに弾性クランプ片14の厚さｔを加えた
寸法に形成されており、弾性クランプ片14の基部は、ケ
ース本体Ａに形成したスリットａ′を両側に具え、か
つ、挿入孔12との嵌合に際しては、フック13を外側に撓
ませて貫通させた後に復元したときに、その上面14′が
挿入孔12の上部内周面に当接する位置に設けられてい
る。

なお、この実施例において、反射板Ｃはフランジ16をレ
ンズＢの周縁部ｂの端面に重ね、上記凹凸部１、２と、
挿通孔12、弾性クランプ片14とに直交する左右に突設し
た掛止片17を、上記周縁部ｂの端面のリブ18に形成した
切欠部19に嵌合することにより、予めレンズＢの内側に
嵌着してからケース本体Ａと組み立てるように構成され
ている。20はケース本体Ａの内面に突設した反射板押え
である。

なお図中、Ｅは自転車のタイヤに接して発電するダイナ
モ、ＦはダイナモＥの取付用金具、Ｇは取付用金具Ｆと
ケース本体Ａとの連結金具である。

本考案の実施に際し、挿通孔12と弾性クランプ片14の配
設数は１以上任意である。また、レンズＢを着脱する凹
凸部１、２および挿通孔12と弾性クランプ片14の配置は
実施例の態様に限らず逆に設ける場合もある。

考案の効果 以上のように、端子板等を内蔵するケース本体と、周縁
部をケース本体の周縁部に重ね合わせてケース本体の前
面を着脱自在に覆うレンズと、ケース本体とレンズとの
間に中央に電球を臨出させて介在する反射板とを備えた
自転車用ライトのライトケースにおいて、ケース本体と
レンズの周縁部のいずれか一方にレンズの着脱の際に支
点となる凸部を設け、他方にこの凸部を着脱自在に掛止
する凹部を設け、この凹凸部を設けた位置から適宜に離
れた上記周縁部の別の位置に、正面側に向けて前後に貫
通し、上下左右に内周面を具えた挿通孔を一方の周縁部
に設け、他方の周縁部には、上記挿通孔を貫通して突出
する先端上部に起立して該挿通孔の開口部上縁に掛止さ
れるフックを具え、該フックを具えた先端部の高さが上
記挿通孔の上下の内幅と略同等になる厚さを有し、上記
周縁部に連なる基部の両側にスリットを具えて外側に弾
性的に撓むことができ、かつ、復元時にはその上面が挿
通孔の上側の内周面に当接するように設けた弾性クラン
プ片を一体成形した本考案は、レンズ着脱の際に支点と
なる凸、凹部の係合を掛止する挿通孔が上下左右に内周
面を有するので、左右方向、上下方向いずれにも同等に
軸部との嵌合保持強度を有する。

また、この挿通孔に嵌合する弾性クランプ片は、基部の
両側のスリットを介して外側に弾性的に撓めると、先端
上部に起立するフックの高さと該クランプ片の厚さとが
挿通孔の上下の内幅と略同等に形成されているので、挿
通孔内への挿入が容易にできる。

そして、フックを挿通孔に貫通させた弾性クランプ片を
開放すると、その復元位置は該クランプ片の上面と挿通
孔の上側の内周面との当接により掛止される一方、フッ
クは、その高さの分だけ挿通孔の外側の開口部上側に重
ね合わされて後退が阻止される嵌合状態を形成し、この
とき弾性クランプ片は、その上面を挿通孔の上側の内周
面に圧接し、前後方向には、取付け位置に生ずるライト
の上下方向の振動を十分に上回る高さを有するフックと
挿通孔の外側の開口部上側との係合により保持するの
で、人為的に外力を加えない限りケース本体とレンズと
の嵌合は十分に保持される。

更に、ケース本体からレンズを外す場合に、挿通孔の外
側に突出するフックの先端を押し下げると、その際の弾
性クランプ片は、挿通孔の外側の開口部下縁に制止され
て必要以上には撓むことがないので、過大に撓ませるこ
とから生ずるクランプ片の変形とか折損が防止できると
ともに、その押し下げ位置では、フックが、互いに略同
等の高さ（上下の幅）を有する挿通孔と同じ位置にある
ので、挿通孔内への押し込みが容易にできる。

そして本考案によれば、上記全周に欠けるところのない
内周面を具えた挿通孔と、先端に上向きにのみ突出する
フックを具えた弾性クランプ片の成形は、成形技術上特
別な困難を伴わないので容易に製作かでき、特に前記実
開昭63−77802号公報の従来品に比べて金型製作が容易
で格段にコストダウンができるとともに、クランプ片は
弾性的強度に優れて折損し難く、挿通孔に対する着脱時
の撓みが最小限で済み、レンズの開閉操作を容易にする
一方で、挿通孔内での嵌合状態は極めて強固な保持にな
るので、振動に強く、耐久性にも優れている。

本考案には、以上のように優れた実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はは本考案の実施例の使用状態を示す一部切欠立
面図、第２図はケース部分の一部切欠分解立面図、第３
図はライトケースの従来例の一部切欠立面図、第４図は
別の従来例の一部切欠立面図、第５図は本考案の実施例
の挿通孔と弾性クランプ片の一部切欠拡大断面図、第６
図は挿通孔と弾性クランプ片の嵌合状態を示す一部切欠
拡大断面図である。 Ａ……ケース本体、Ｂ……レンズ、Ｃ……反射板、Ｄ…
…電球、ａ……周縁部、ｂ……周縁部、１……凹部、２
……凸部、11……取付座、12……挿通孔、13……フッ
ク、14……弾性クランプ片、14′……上面、15……取付
座、Ｈ……挿通孔の内幅、ｈ……フックの高さ、ｔ……
弾性クランプ片の厚さ、ａ′……スリット、16……フラ
ンジ、17……掛止片、18……リブ、19……切欠部、20…
…反射板押え、Ｅ……ダイナモ、Ｆ……取付用金具、連
結金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】端子板等を内蔵するケース本体Ａと、周縁
   部ｂをケース本体Ａの周縁部ａに重ね合わせてケース本
   体Ａの前面を着脱自在に覆うレンズＢと、ケース本体Ａ
   とレンズＢとの間に中央に電球Ｄを臨出させて介在する
   反射板Ｃとを備えた自転車用ライトのライトケースにお
   いて、ケース本体ＡとレンズＢの周縁部ａ、ｂのいずれ
   か一方にレンズＢの着脱の際に支点となる凸部２を設
   け、他方にこの凸部２を着脱自在に掛止する凹部１を設
   け、この凹凸部１、２を設けた位置から適宜に離れた上
   記周縁部ａ、ｂの別の位置に、正面側に向けて前後に貫
   通し、上下左右に内周面を具えた挿通孔12を一方の周縁
   部ｂに設け、他方の周縁部ａには、上記挿通孔12を貫通
   して、突出する先端上部に起立して該挿通孔12の開口部
   上縁に掛止されるフック13を具え、該フック13の高さを
   合わせた先端部の高さｈが上記挿通孔12の上下の内幅Ｈ
   と略同等になる厚さｔを有し、上記周縁部ａに連なる基
   部の両側にスリットａ′を具えて外側に弾性的に撓むこ
   とができ、かつ、復元時にはその上面14′が挿通孔12の
   上側の内周面に当接するように設けた弾性クランプ片14
   を一体成形したことを特徴とする自転車用ライトのライ
   トケース。