JPH0745755B2 - 下水道内堆積物の吸引排出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、下水道内に堆積したごみ，汚泥等の堆積物
を吸引排出する装置に関するものである。

〔従来技術〕

従来、下水道内堆積物の排出装置としては、特開昭55−
159036号公報により公表されているように、隣り合うマ
ンホールと下水道との接合部にそれぞれ滑車を取付け、
車両に設けたターンテーブルに、前進用巻ドラムと後退
用巻ドラムとロープ案内用プーリを備えている俯仰自在
なブームとを設置し、かつバケツトの後部に連結された
後退用ロープを、一方の滑車に巻掛けたのち他方の滑
車，ロープ案内プーリを経て後退用巻ドラムに巻付け、
バケツトの前部に連結された前進用ロープを、前記他方
の滑車，ロープ案内プーリを経て前進用巻ドラムに巻付
け、前進用巻ドラムにより前進用ロープを介してバケツ
トを前進移動させて、そのバケツト内に下水道内の堆積
物を掬い入れ、次いで前進用巻ドラムにより前進用ロー
プを介してバケツトをマンホール内から地上に吊上げた
のち、バケツトを反転してバケツト内の堆積物をトラツ
クの荷台に投入し、次に後退用巻ドラムにより、後退用
ロープを介しバケツトをマンホールから下水道内に下降
させたのち、バケツトを下水道内の後方に移動させるよ
うに構成した排出装置が知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかるに、前記従来の下水道内堆積物の排出装置の場合
は、隣り合うマンホールと下水道との接合部にそれぞれ
滑車を取付けるという煩雑な手段を必要とし、またバケ
ツトが滑車に近くなると下水道の底面からのバケツトの
レベルが高くなるので、滑車の近くの位置では下水道の
底部に比較的多量の堆積物が残り、かつバケツトを、滑
車の部分を通つて縦横方向に屈折移動させねばならない
ので、バケツトをスムーズに屈折移動させることが困難
であり、さらにバケツトを大きな力で前進移動させるた
めに、前進用ロープの張力を大きくすると、バケツトが
下水道の底面から大きく浮き上がつてしまうので、下水
道内に残される堆積物の量が相当多くなり、そのためバ
ケツトを下水道の底面に近接して強力に前進移動させ
て、下水道内の堆積物をバケツト内に強力に掬い入れる
ことができないという問題がある。

〔発明の目的、構成〕

この発明は前述の問題を有利に解決できる下水道内堆積
物の吸引排出装置を提供することを目的とするものであ
つて、この発明の要旨とするところは、下水道１の底部
に載置された支持台２に、下水道１の両側壁３に対向す
る突張り固定装置４と、下水道長手方向に延長する推進
装置５とが取付けられ、走行車輪６を備えている移動フ
レーム７に、掻寄用駆動装置８により駆動される堆積物
掻寄装置９が設けられ、前記推進装置５と移動フレーム
７との間に、直列に配置されて着脱自在に連結される複
数の押圧ユニツト10からなる押圧ユニツト列11が介在さ
れ、前記堆積物掻寄装置９の掻寄終端部に向かつて吸込
排出路の吸引端部が開口していることを特徴とする下水
道内堆積物の吸引排出装置にある。

〔実施例〕

次にこの発明を図示の例によつて詳細に説明する。

第１図ないし第10図はこの発明の第１実施例を示すもの
であつて、前後方向に延長する側溝本体12とその上部を
塞ぐ蓋13とからなる４角形断面の下水道１における側溝
本体12の底版14に支持台２が載置され、その支持台２の
後部の左右両側すなわち下水道巾方向の両側に、それぞ
れ左右方向に延長する２本の支承レール15が前後方向に
間隔をおいて固定され、かつ側溝本体12の各側壁３に対
向する繋止板16の外面に、側壁３に当接されるゴム板17
が接着剤により固着され、さらに繋止板16の内側の下部
には各支承レール15に摺動自在に嵌合された支承金具18
が固定され、また前記支承金具18にはこれを支承レール
15に固定するための固定用ボルト19が螺合されている。

左ねじ螺杆20および右ねじ螺杆21が、左雌ねじおよび右
雌ねじを有する雌ねじ部材22に螺合され、かつその雌ね
じ部材22の中央部に複数の回動操作棒嵌入孔23が雌ねじ
部材周囲方向に間隔をおいて設けられ、前記左ねじ螺杆
20,右ねじ螺杆21および雌ねじ部材22によりターンバツ
クル式緊張具24が構成され、その緊張具24の両端部は両
側の繋止板に固定された溝形金具25に固定され、前記緊
張具24とその両端に溝形金具25を介して固定された繋止
板16とにより、突張り固定装置４が構成されている。

前後方向に延長する液圧シリンダからなる推進装置５の
シリンダ26は前記支持台２の後部中央に固定され、かつ
支持台２の前部中央には前後方向に延長するガイドレー
ル27が固定され、前記推進装置５におけるピストン杆28
の前端部に、Ｌ字状に屈曲した吸引路29を有する押圧部
材30が固定され、さらにその押圧部材30の下部に設けら
れたガイド部31は前記ガイドレール27に摺動自在に嵌合
されている。

前記押圧部材30の前方に配置された移動フレーム７にお
ける後部の左右両側および前部中央の下部に、走行車輪
６が取付けられ、かつ移動フレーム７の左右両側には下
水道１の側壁３に対向するガイドローラ32が取付けられ
ている。また左右方向に延長する回転軸33の中間部が移
動フレーム７の前部に固定されたギヤボツクス34に挿通
され、その回転軸33にはギヤボツクス34内において従動
傘歯車35が固定され、かつ移動フレーム７に固定された
掻寄用駆動装置８により回転される駆動傘歯車36は前記
従動傘歯車35に噛み合わされ、さらにギヤボツクス34に
より軸受37,38を介して回転軸33および従動傘歯車35が
支承されている。

前記回転軸33の一側部に刃を有する左螺旋掻寄部材39が
固定されると共に、前記回転軸33の他側部に刃を有する
右螺旋掻寄部材40が固定され、前記掻寄用駆動装置８に
より駆動傘歯車36および従動傘歯車35を介して駆動され
る回転軸33と、その回転軸33に固定された左螺旋掻寄部
材39および右螺旋掻寄部材40とによりスクリユウ式の堆
積物掻寄装置９が構成され、かつその堆積物装置９の後
部および上部を被覆するほぼ円弧状断面のフード41は移
動フレーム７に固定されている。

移動フレーム７に固定された前部吸引管42の前端の吸引
端部は、堆積物掻寄装置９の掻寄終端部すなわち前記左
螺旋掻寄部材39と右螺旋掻寄部材40との間の部分に開口
するように配置され、かつ前記フード41の中央部にも吸
引用開口部が設けられ、さらに前記押圧部材30と前部吸
引管42との間には、直列に配置された複数の鋼管製押圧
ユニツト10が介在され、押圧ユニツト10,押圧部材30お
よび前部吸引管42はシールリング78を介して接合されて
いる。

楔型溝を有する一対の半円形締付アーム43,44の一端部
が連結金具45に対しピン46により枢着され、一方の締付
アーム43の他端部にナツト47を螺合したボルト48が枢着
され、かつ他方の締付アーム44の他端部にボルト挿入用
スリツト49が設けられて、管体継手50が構成され、前記
押圧ユニツト10,押圧部材30および前部吸引管42のフラ
ンジは管体継手50により連結され、その管体継手50によ
つて連結された複数の押圧ユニツト10により押圧ユニツ
ト列11が構成されている。

地上のトラツク51の車体52に真空ポンプを有する吸引ユ
ニツト53が載置されて固定され、後端が開放されている
タンク本体54と開閉用流体圧シリンダ55により開閉され
る蓋56とからなる真空吸引タンク57は、前記車体52の後
方上部に配置され、かつタンク本体54の後端下部は車体
52に対し横軸58により枢着され、さらに車体52とタンク
本体54とはタンク回動用流体圧シリンダ59を介して連結
されている。

前記真空ポンプの吸引口は吸引ホース60を介してタンク
本体54の上部に接続され、かつタンク本体54の上部にホ
ースからなる吸引管61の一端部が接続され、その吸引管
61の他端部に連結された継手62は、前記押圧部材30の上
端部に対しボルト63により連結されている。

前記移動フレーム７の前部に照明器具64およびテレビカ
メラ65が取付けられ、前記車体52にはテレビカメラ65に
接続されたモニターテレビ66および吸引排出装置運転制
御盤67が搭載されている。

下水道１内の堆積物68を排出する場合は、掻寄用駆動装
置８を運転して、スクリユウ式の堆積物掻寄装置９をそ
の長手方向の中央に掻寄せる方向に回転させ、かつ推進
装置５を伸長動作させて、押圧部材30,押圧ユニツト10,
前部吸引管42を介して移動フレーム７およびこれによつ
て支持されている各部分を前進移動させ、さらに前記真
空ポンプを運転して、前部吸引管42,押圧ユニツト10,押
圧部材30および吸引管61によつて構成された吸引排出路
に真空吸引力を作用させる。

このようにすると、下水道１内の堆積物68は回転しなが
ら前進移動するスクリユウ式の堆積物掻寄装置９によ
り、その掻寄装置９の長手方向の中央部に向かつて掻寄
せられ、次いで前記吸引排出路に吸引されて真空吸引タ
ンク57内に搬送される。

押圧ユニツト10の長さよりも僅かに長い距離だけ押圧部
材30,押圧ユニツト10,前部吸引管42を介して移動フレー
ム７およびこれにより支持されている各部分を前進移動
させたのち、押圧ユニツト10の後端部と押圧部材30との
連結を解き、次いで推進装置５を短縮動作させる。

次に押圧部材30と押圧ユニツト10の後端部との間に別の
押圧ユニツト10を介在させて連結して、押圧ユニツト列
11を構成したのち、再び推進装置５を伸長動作させて、
前述のように堆積物の掻寄吸引排出し、以下同様の工程
を反復して行なう。

前記真空吸引タンク57内に搬入された前記堆積物を排出
する場合は、前記真空ポンプの運転を停止し、次いでタ
ンク回動用流体圧シリンダ59を伸長して真空吸引タンク
57を傾斜させ、かつ開閉用流体圧シリンダ55を伸長して
蓋56を開放する。

堆積物68の掻寄せ排出作業を終了して、吸引排出装置を
後退走行させる場合は、推進装置５を短縮動作させたの
ち、最後部の押圧ユニツト10を取外し、次に推進装置５
を伸長動作させて、押圧部材30を残されている最後部の
押圧ユニツト10に連結して、推進装置５を短縮動作させ
る工程を反復して行なう。

第11図ないし第14図はこの発明の第２実施例を示すもの
であつて、移動フレーム７に固定されたフランジ付き連
結部材69と、押圧部材30との間に、両端にフランジを備
えている押圧ユニツト10が介在され、かつ押圧ユニツト
10,押圧部材30およびフランジ付き連結部材69はボルト7
0により着脱自在に連結され、吸引管61の端部に連結さ
れた継手62は、前部吸引管42の後端部に対しボルト63に
より連結され、前記押圧ユニツト10および押圧部材30は
吸引路を備えていないが、その他の構成は第１実施例の
場合と同様である。

この発明を実施する場合、前記推進装置５としては、液
圧シリンダに代えて、駆動装置により回転されるピニオ
ンおよびこれに噛み合うラツクからなる推進装置あるい
はその他の任意型式の推進装置を使用してもよい。また
堆積物掻寄装置９としては図示以外の任意型式のものを
使用してもよい。

押圧ユニツト10を或る角度屈折し得るように連結してお
けば、下水道１が彎曲していても、移動フレーム７を支
障なく前進移動および後退移動させることができる。

第15図は第１実施例において押圧ユニツト10の間に介在
させて使用できる屈折継手71の一例を示すものであつ
て、押圧ユニツトに連結される一対の継手環72,73の間
に反力支承用ばね74が介在され、かつ各継手環72,73は
ボルト75を介して連結され、一方の継手環72にゴムスリ
ーブ76の一端部が嵌合固定され、他方の継手環73に連結
筒77の一端部が螺合され、その連結筒77の他端部に前記
ゴムスリーブ76の他端部が嵌合固定されている。

〔発明の効果〕

この発明によれば、支持台２に取付けられた突張り固定
装置４を緊張して下水道１の両側の側壁３に対し強力に
押付けるだけで、前記支持台２を、堆積物掻寄装置９の
掻寄移動反力によりずれ動かないように容易にかつ強固
に固定することができ、さらに推進装置５の伸縮動作と
押圧ユニツト10の継ぎ足し連結とを反復して行なうこと
により、堆積物掻寄装置９を支持している移動フレーム
７を容易に前進移動できると共に、走行用駆動装置を有
する走行装置を移動フレーム７に搭載する必要がないの
で、走行移動部分を軽量化して容易に移動させることが
でき、しかも下水道１に加工を施すことなく支持台２を
下水道の長手方向の任意の位置に固定することができ、
また掻寄用駆動装置８により駆動される堆積物掻寄装置
９を下水道１の底版14に沿つて強力に前進移動させるこ
とができ、したがつて、下水道１内の堆積物68を確実に
かつ高能率で吸引排出することができる等の効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第10図はこの発明の第１実施例を示すもの
であつて、第１図は吸引排出装置の使用状態を示す側面
図、第２図は下水道内の吸引排出装置を示す一部縦断側
面図、第３図はその一部横断平面図、第４図は支持台の
突張り固定装置を示す縦断正面図、第５図は支持台に対
する突張固定装置の取付部を示す縦断側面図、第６図は
押圧部材と押圧ユニツトおよび吸引管との連結状態を示
す縦断側面図、第７図は押圧部材のガイド部を示す縦断
正面図、第８図はスクリユウ式堆積物掻寄装置を示す縦
断正面図、第９図は管体継手による押圧ユニツト連結部
を示す平面図、第10図はその一部縦断正面図である。 第11図ないし第14図はこの発明の第２実施例を示すもの
であつて、第11図は下水道内の吸引排出装置を示す一部
縦断側面図、第12図はその一部横断平面図、第13図は押
圧部材および押圧ユニツトの連結状態と前部吸引管およ
び吸引管の連結状態とを示す縦断側面図、第14図は押圧
部材のガイド部を示す縦断正面図である。第15図は屈折
継手の一例を示す縦断側面図である。 図において、１は下水道、２は支持台、３は側壁、４は
突張り固定装置、５は推進装置、６は走行車輪、７は移
動フレーム、８は掻寄用駆動装置、９は堆積物掻寄装
置、10は押圧ユニツト、11は押圧ユニツト列、12は側溝
本体、14は底板、15は支承レール、16は繋止板、17はゴ
ム板、18は支承金具、19は固定用ボルト、24はターンバ
ツクル式緊張具、26はシリンダ、27はガイドレール、28
はピストン杆、30は押圧部材、31はガイド部、32はガイ
ドローラ、33は回転軸、39は左螺旋掻寄部材、40は右螺
旋掻寄部材、41はフード、42は前部吸引管、50は管体継
手、53は吸引ユニツト、54はタンク本体、55は開閉用流
体圧シリンダ、56は蓋、57は真空吸引タンク、59はタン
ク回動用流体圧シリンダ、61は吸引管、68は堆積物、71
は屈折継手である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下水道１の底部に載置された支持台２に、
   下水道１の両側壁３に対向する突張り固定装置４と、下
   水道長手方向に延長する推進装置５とが取付けられ、走
   行車輪６を備えている移動フレーム７に、掻寄用駆動装
   置８により駆動される堆積物掻寄装置９が設けられ、前
   記推進装置５と移動フレーム７との間に、直列に配置さ
   れて着脱自在に連結される複数の押圧ユニツト10からな
   る押圧ユニツト列11が介在され、前記堆積物掻寄装置９
   の掻寄終端部に向かつて吸込排出路の吸引端部が開口し
   ていることを特徴とする下水道内堆積物の吸引排出装
   置。