JPH0745698B2 - 粒状ナゲツト装入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、溶解炉に粒状ナゲットを効率良く装入する
ための粒状ナゲット装入装置に関するものである。

「従来の技術」 銅の連続鋳造を行う場合に、溶解炉としてシャフト炉を
用いることがある。このシャフト炉では、精錬効果がな
いため、原料として、一般に電気銅（カソード）、工程
繰り返し品、成分の明確なスクラップ品等が装入され
る。前記スクラップ品は、粒状の銅スクラップや打ち抜
きくずなどの小さく切断された銅スクラップ等の粒状ナ
ゲットにされて装入される。

従来、これらの粒状ナゲットは、所定量まとめて炉内に
投入され、矩形板状のカソードの上に載せて装入した
り、カソード装入用のバケットに入れてまとめて装入し
ていた。

「発明が解決しようとする問題点」 ところで、上記の粒状ナゲットの装入方法にあっては、
粒状ナゲットを溶解炉に所定量まとめて間欠的に装入し
ているため、炉内の溶解状態に応じて装入することがで
きない、このため、装入過剰になったり、装入不足にな
ったりし効率的な溶解処理ができないという問題点があ
った。また、ナゲットをまとめて装入しているため、ナ
ゲットが塊状になりやすく、この塊状になったナゲット
が出湯孔につまってしまい、出湯困難になるという問題
点があった。

「問題点を解決するための手段」 この発明は、上記の問題点を解決するためになされたも
ので、側壁に出湯孔を有する有底円筒状の溶解炉に粒状
ナゲットを装入する装入装置であって、粒状ナゲットを
貯蔵するとともに任意の供給速度で供給する供給手段
と、この供給手段によって供給された粒状ナゲットを前
記溶解炉の上方に搬送する搬送手段と、この搬送手段に
よって搬送された粒状ナゲットを前記溶解炉の上部から
溶解炉中に落下させるシュートとを備えてなり、前記シ
ュートは、前記溶解炉の軸線と前記出湯孔の位置とを含
む平面に交わりかつ前記溶解炉の軸線に沿う平面内で傾
斜角度を変更可能に設けられた構成とされている。

「実施例」 以下、この発明の一実施例について第１図ないし第４図
を参照して説明する。

第１図は、この発明に係る粒状ナゲット装入装置11とこ
の装置に設けられたシャフト炉（溶解炉）13を示す図で
ある。このシャフト炉13は、筒状になされた炉本体15を
備えている。この炉本体15には、その下部側面に出湯口
17が設けられるとともに、その上部側面にカソード等を
装入する装入口19が設けられていう。この装入口19に
は、エレベーター21が設けられており、バケット23によ
ってカソード等を持ち上げるようになっている。また、
前記炉本体15の炉壁には、矢印Ｂの位置にバーナーが設
けられており、炉内を加熱するようになっている。そし
て、前記炉本体15の内部には、多数のカソードＫやスク
ラッププレスＰが装入されている。また、前記炉本体15
の上部には、略筒状の炉体カバー25が設けられており、
この炉体カバー25の側部には、排ガスダクト27が設けら
れている。

このようなシャフト炉13には、粒状ナゲット装入装置11
が設けられている。この粒状ナゲット装入装置11は、供
給手段29を備えている。この供給手段29は、フレーム31
に、粒状ナゲットを貯蔵したナゲット容器33とホッパー
35が設けられており、このホッパー35の下方には振動フ
ィーダー37が設けられいる。そして、この振動フィーダ
ー37の下方には、後述するバケットコンベアの下端部39
が設けられている。このような供給手段29は、前記ナゲ
ット容器33を傾斜させることによって前記ホッパー35に
粒状ナゲットを供給するとともに、前記振動フィーダー
37を振動させることによって、前記ホッパー35中の粒状
ナゲットをバケットコンベアの下端部39に落下させるよ
うになっている。そして、前記振動フィーダー37の振動
を制御することによって、前記バケットコンベアの各々
のバケットに粒状ナゲットを分割供給するとともに、そ
の供給量を調整できるようになっている。

前記供給手段29の下方から、前記シャフト炉13の炉体カ
バー25の側方には、バケットコンベア（搬送手段）41が
設けられている。このバケットコンベア41は、常時移動
するバケットを備えており、このバケットに粒状ナゲッ
トを収納して搬送するようになっている。

前記バケットコンベア41の上端部43は、前記シャフト炉
13の出湯口17に対して周方向に90゜離間した位置に配設
されており、この上端部43の下方には、ホッパー45が配
設されている。このホッパー45の下部にはシュート47が
接続されている。このシュート47は、前記シャフト炉13
の軸線に向って配設されており、このシュート47の先端
部は、前記炉体カバー25に設けられた窓部49を貫通して
前記炉体カバー25の内部に達している。そして、ホッパ
ー45に供給された粒状ナゲットを前記炉本体15中に落下
させるようになっている。

前記シュート47の下方の前記炉体カバー25の側壁には、
足場51が設けられており、この足場51には、上部に縦方
向の切欠溝53を有する支柱55が設けられている。また、
前記シュート47の側面には、前記切欠溝53を通って固定
ボルト57が設けられている。この固定ボルト57は、前記
シュート47を前記支柱55の切欠溝53内の任意位置に固定
できるようになっており、前記シュート47の傾斜角を変
えることができるようになっている。そして、前記シュ
ート47は、前記シャフト炉13の軸線Ａと前記出湯口17の
位置とを含む平面に直交し、かつ前記軸線Ａを含む平面
内で傾斜角度を変えることができるようになされてい
る。

このように、この粒状ナゲット装入装置11にあっては、
振動フィーダー37を有する供給手段29を設けているか
ら、振動フィーダー37を制御することによって、粒状ナ
ゲットをバケットコンベア41の各々のバケットに分割供
給することができるとともに、その供給量を調整でき
る。したがって、シャフト炉13内部の状況および溶解量
に応じて、粒状ナゲットのシャフト炉への装入速度を調
整することができ、カソード等他の装入物との装入比率
を調整することができる。また、前記シュート47を、前
記シャフト炉13の軸線Ａを含みかつ前記軸線Ａと前記出
湯口17の位置とを含む平面に直交する平面内において、
その傾斜角度が変えられるように設けているから、シャ
フト炉内の粒状ナゲットが落下する位置を変えることが
でき、したがって炉内の溶解状態に応じて適切な位置に
粒状ナゲットを装入することができる。また、前記シュ
ート47から落下した粒状ナゲットが前記出湯口の直前に
落下することを防止することができ、したがって出湯口
の詰まり防止することができる。以上のようなことか
ら、シャフト炉13の処理効率は向上させ、熱効率を向上
させることができる。

なお、装入される粒状ナゲットとしては、スクラップ、
打ち抜きくず、切り粉等コンベアに載置できるものであ
ればどのようなものでもよい。

また、上記実施例においては、搬送手段としてバケット
コンベア41を採用しているが、これに限る必要はなく、
搬送手段の傾斜が緩やかな場合には、ベルトコンベアで
もよい。

「発明の効果」 以上に説明したように、この発明によれば、粒状ナゲッ
トを貯蔵するとともに任意の供給速度で供給する供給手
段と、この供給手段によって供給された粒状ナゲットを
溶解炉の上方に搬送する搬送手段と、この搬送手段によ
って搬送された粒状ナゲットを前記溶解炉の上部から溶
解炉中に落下させるシュートとを備えてなり、前記シュ
ートは、前記溶解炉の軸線と出湯孔の位置とを含む平面
に交わりかつ前記溶解炉の軸線に沿う平面内で傾斜角度
を変更可能に設けられているから、粒状ナゲットを炉内
の溶解状況に応じて任意の供給速度で溶解炉内に分散し
て供給することができるとともに、粒状ナゲットが出湯
孔を閉鎖してしまうことを防止することができ、したが
って溶解炉の処理効率および熱効率をを向上させること
ができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の一実施例を示す図であっ
て、第１図はその全体正面図、第２図はその供給手段を
示す側面図、第３図はそのシュートを示す正面図、第４
図はそのシュートを示す平面図である。 11……粒状ナゲット装入装置、13……シャフト炉（溶解
炉）、17……出湯口、29……供給手段、41……バケット
コンベア（搬送手段）、47……シュート、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】側壁に出湯孔を有する有底円筒状の溶解炉
   に粒状ナゲットを装入する装入装置であって、粒状ナゲ
   ットを貯蔵するとともに任意の供給速度で供給する供給
   手段と、この供給手段によって供給された粒状ナゲット
   を前記溶解炉の上方に搬送する搬送手段と、この搬送手
   段によって搬送された粒状ナゲットを前記溶解炉の上部
   から溶解炉中に落下させるシュートとを備えてなり、前
   記シュートは、前記溶解炉の軸線と前記出湯孔の位置と
   を含む平面に交わりかつ前記溶解炉の軸線に沿う平面内
   で傾斜角度を変更可能に設けられていることを特徴とす
   る粒状ナゲット装入装置。