JPH0745682B2 - 粉末冶金用合金鋼粉 - Google Patents

粉末冶金用合金鋼粉

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JPH0745682B2 JP63190529A JP19052988A JPH0745682B2 JP H0745682 B2 JPH0745682 B2 JP H0745682B2 JP 63190529 A JP63190529 A JP 63190529A JP 19052988 A JP19052988 A JP 19052988A JP H0745682 B2 JPH0745682 B2 JP H0745682B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、粉末冶金用合金鋼粉に関し、とくに高密
度、高強度焼結部品の用途に用いて好適なものである。
(従来の技術) 合金鋼粉の発展に伴って、焼結部品への要求特性が一層
高まり、合金鋼粉も焼結部品の高負荷化に対応できるよ
うに、高密度、高強度化が要求されるようになってき
た。とくに高密度化は、疲労強度やじん性の改善に有効
であることから、その向上が望まれている。
ところで合金鋼粉焼結鋼の強度は、一般的には合金量の
増加により改善されるが、鋼粉の圧縮性は通常の予合金
法の場合、合金量の増加に伴って低下し、従来用いられ
ている1回加圧・1回焼結方式の粉末冶金法では、高密
度と高強度との両立は要求密度、強度水準が高くなった
こともあって非常に困難になってきた。高密度化に関し
ては特開昭61−44104号公報に開示されているような焼
結鍛造を利用する方法があるが、金型寿命や製品形状の
面からの制約が多い。この点、一度焼結した後、再度金
型中で加圧する2回加圧法は、再加圧が通常の1回加圧
法と同様冷間で行われるため、金型寿命や製品形状の面
での制約が少なく、実用的である。
しかし、この2回加圧法によって、より一層の高密度化
を図るためには、1回目の加圧成形時にできるだけ高い
密度が得られ、しかもこの成形に続いて行われる焼結の
後の2回目の加圧時にはさらに高い密度が得られるよう
な鋼粉を用いる必要がある。
このためかような鋼粉としては、 (1)圧縮性に優れること、 (2)一般に焼結鋼の強度を高めるために、黒鉛粉を添
加して、焼結されるが、通常2回目の焼結より低温短時
間で実施される1回目の焼結時には、焼結体の硬さが低
く、再圧縮性に優れること、 (3)最終的に必要な強度を得るため、2回目の加圧・
焼結後に実施される熱処理によって充分高強度化するこ
と、 などが要求される。
高強度用の合金鋼粉としては、Crを含む鋼粉が開発され
ていて、たとえば特開昭57−164901号公報においては、
かかるCr含有鋼粉の圧縮性ならびに焼入れ性を高めた鋼
粉が提案されているが、上記の合金鋼粉はCrを含むすべ
ての合金成分が予合金化されているので、かかる合金鋼
粉を2回加圧法に適用した場合には最終焼結鋼の強度向
上のために加えられる黒鉛が、1回目の仮焼結時に焼結
体を構成する鋼粉中に容易に固溶し、鋼粉が硬化するた
め、再圧縮性が劣るという問題があった。
また特開昭58−87202号公報には、Crを鉄との微細な合
金粉末の形で鋼粉の表面に拡散付着させる方法が提案さ
れている。しかし、鉄−Cr合金は通常、硬いシグマ相を
含んでいるため、このままで用いると、粉末成形時に金
型を摩耗させる問題があり、これを解決するためには、
シグマ相を有する鉄−Cr合金粉末を熱処理し、柔らかい
アルファ相化合物にして鋼粉の表面に拡散付着させるこ
とが考えられるが、鋼粉製造工程が繁雑になるところに
問題が残る。
またCr粉を鋼粉表面に拡散付着させる場合、Crは酸素と
の親和力が強いため、他のCrより易還元性の合金元素、
例えばMo,Wなどを酸化物の形態で、Crと同時に拡散付着
させようとしても、Crが酸化されてCr合金としての機能
を発揮しなくなったり、鋼粉の圧縮性が低下するなどの
問題があるので好ましくない。
(発明が解決しようとする問題点) この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、従来
の成形焼結法や合金鋼粉の有していた金型寿命や製品形
状の制約、再圧縮性の低さなどの諸問題を解決し、2回
加圧法に適した高強度、高密度の焼結体が得られる粉末
冶金用合金鋼粉を提案することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) さて発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重
ねた結果、合金化すべき元素のうち、 i)鋼粉の圧縮性を低下させる割合が少なく、かつ、少
量で高い焼入れ性が得られ、しかも比較的難還元性であ
ってその酸化物の水素還元が困難なため、拡散付着によ
っては圧縮性を保ちつつ複合合金化することが難しい合
金元素については予め合金化しておき、 ii)一方、比較的易還元性であって、拡散付着により圧
縮性を保って複合化することが易しく、しかもCと親和
力が負であるかまたは炭化物を積極的に形成することに
より、低温焼結時に黒鉛の焼結体基質中への拡散を抑制
し、かつ2回目の焼結後の熱処理時に焼入れ性を向上さ
せ得るような合金元素については、上記i)の予合金表
面に、部分的に拡散付着させて複合合金化させる、 ことにより、所期した目的が極めて有利に実現されるこ
との知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわちこの発明は、Cr、またさらにはV,NbおよびBの
うちから選んだ一種または二種以上を含有する予合金鋼
粉粒子の表面に、Ni,Cu,MoおよびWのうちから選んだ少
なくとも一種を微粉の形で部分的に拡散付着させた合金
鋼粉であって、上記各成分の含有量が Cr:0.1〜5.0wt% V:0.01〜0.5wt% Nb:0.001〜0.1wt% B:0.0001〜0.01wt% Ni:0.1〜10.0wt% Cu:0.1〜10.0wt% Mo:0.1〜5.0wt% W:0.1〜5.0wt% でかつNi+Cu+Mo+W≦10.0wt% であり、残余は0.20wt%以下に制御したOおよび実質的
にFeの組成になる粉末冶金用合金鋼粉である。
(作 用) この発明において、合金成分を上記の範囲に限定した理
由について説明する。
さてこの発明では、前述したように予合金成分および複
合化成分を各々要求される機能から選択した。
すなわち、予合金成分としては、鋼粉の圧縮性に与える
影響が少なく、かつ少量の添加で焼結体の焼入れ性を向
上させ、しかも比較的難還元性でその酸化物の水素還元
が困難なため、拡散付着によっては圧縮性を損なわずに
複合合金化するのが難しい成分が対象となるが、この発
明ではかかる成分としてCrを選択した。
Crは、焼入れ性が高く、Niの2倍以上の焼入れ性を有
し、かつ浸炭性にも優れるので、焼結鋼の強度および疲
労特性を向上させるための主要成分とした。さらにこれ
を予合金化させることは、以下の点でもきわめて有益で
ある。すなわち (1) 予合金化により焼結鋼組織の均一性や浸炭性が
向上し強度、じん性が向上する。
(2) Crは鉄中に予合金化されることにより、その活
量が低下するため、耐酸化性が向上し、Crより易還元性
の元素の酸化物の複合合金化が可能となる。
(3) Crは少量で焼入れ性が向上するため、鋼粉の圧
縮性を低下させることが少ない。
(4) CrはNiにくらべて安価で経済性に優れている。
ここにCr添加量の上限については、易還元性酸化物の複
合合金化による複合合金化後の鋼粉O量の上限および圧
縮性を考慮して5.0wt%(以下単に%で示す)とした。
一方、下限は、上述のCr添加効果が得られる0.1%とし
た。
さらにCrに加えて、同様にその酸化物の水素還元が困難
なため複合合金化が難しく、しかも少量の添加でCrの働
きを一層高める合金元素として、V,Nb,Bがある。種々検
討の結果、各々の元素の働きと添加量は、溶製鋼材と同
様で以下のように限定した。
Vは、焼入れ性の向上に効果がある。しかしその添加量
が0.01%に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.5
%を超えると、逆に焼入れ性が低下するため、0.01〜0.
5%の範囲に限定した。
Nbは、結晶粒を微細化する効果を有し、焼結鋼の強靱化
に寄与する。しかし添加量が0.001%に満たないとその
添加効果に乏しく、一方0.1%を超えると結晶粒微細化
による焼入れ性の低下が著しくなるので、0.001〜0.1%
の範囲に限定した。
Bは、焼結鋼の焼入れ性を高めるのに有効に寄与する
が、添加量が0.0001%に満たないとその添加効果に乏し
く、一方0.01%を超えると靱性が劣化するため0.0001〜
0.01%の範囲に限定した。
上述の予合金鋼粉粒子の粒子表面に複合化される合金成
分にNi,Cu,Mo,Wを選択した理由は以下の通りである。こ
れらの元素はいずれも、鋼粉粒子への拡散付着によっ
て、圧縮性を損なわずに、複合合金化のできる元素であ
る。
すなわち、Niはその添加により鉄粉の焼結性を向上させ
るに加えて、焼結鋼の強度・靱性の向上に著しい効果を
発揮する。また1回目の低温焼結の段階では、鋼粉表面
に不充分な拡散の状態で多く残留し、Cとの負の親和力
のため、Crを含有する鋼粉中へのCの拡散を阻止し、焼
結体中の鋼粉粒子のC固溶による再圧縮性の低下を防ぐ
働きもある。しかしながら添加量が0.1%に満たないと
その添加効果に乏しく、一方10.0%を超えて過度に添加
されると再圧縮性を阻害するので、0.1〜10.0%の範囲
で添加するものとした。
Cuも、Niと同様の効果を有し、その添加範囲もNiの場合
に準じて定められ、添加効果が現われる0.1%を下限、
一方再圧縮性が損われない10.0%を上限とし、0.1〜10.
0%の範囲とする。
Moは、焼結鋼の焼入れ性・じん性を向上させるのに加え
て、1回目の低温焼結時には鋼粉の粒子表面に不充分な
拡散の状態で多く残留し、Cとの親和力が大きいため、
Cを鋼粉粒子表面に捕捉して、Crを含有する鋼粉中への
Cの拡散を阻止し、焼結体基質中へのC固溶による再圧
縮性の劣化を防ぐ有用元素である。またMoは酸化物の状
態で添加すると複合化処理を還元性雰囲気中で行なうの
で、この酸化物が一度蒸発した後に還元され、均一な状
態で鋼粉粒子表面の全体を被覆し、上述のC拡散阻止能
力が一層向上する点でも有利である。
しかしながら、添加量が0.1%に満たないとその添加効
果に乏しく、一方5.0%を超えて過度に添加されると再
圧縮性を阻害するので、0.1〜5.0%の範囲で添加するも
のとした。
Wも、Moと同様の効果があり、焼結鋼の焼入れ性を高め
るのに有効に寄与する。また微細な金属粉末や酸化物の
形態での入手が容易で、これを用いることによりMoと同
様の働きで、焼結鋼の再圧縮性を向上させる利点もあ
る。しかしながら添加量が0.1%に満たないとその添加
効果に乏しく、一方5.0%を超えると再圧縮性が阻害さ
れるので、0.1〜5.0%の範囲で添加するものとした。
ここにNi,Cu,Mo,Wは各々単独使用でも焼結鋼特性を向上
させる働きを有するが、特に2種以上組み合わせて添加
すると、その働きが一層高められる。しかしながらあま
りに多量の添加は、鋼粉製造時に複合成分間の反応が生
じ圧縮性が低下するおそれがあるため、これらの合計量
(Ni+Cu+Mo+W)量は10.0%以下にすることが肝要で
ある。
なお鋼粉O量は鋼粉の圧縮性を低下させる作用があるた
め、その混入は極力低減することが望ましいが、0.20%
以下で許容できる。
(実施例) Crを0.2〜4.5%の範囲で含有する水アトマイズ鋼粉、な
らびにCr:0.2〜4.5%の他V:0〜0.3%,Nb:0〜0.03%,B:0
〜0.003%およびC:0.6%のうちから選んだ少なくとも一
種を含有する水アトマイズ鋼粉を、各々1Torrの減圧雰
囲気中で1050℃,60分間焼鈍し、鋼粉中のCで水アトマ
イズ鋼粉表面の酸化物を還元除去した後、通常の粉末冶
金用鋼粉製造に用いられる解砕・篩分操作を経て、種々
のCr含有鋼粉を得た。かような鋼粉は鋼粉中に残留する
酸素・窒素・炭素量が低く、圧縮性に優れた鋼粉であ
る。
ついでかかる鋼粉に、Ni金属粉末、Cu金属粉末を最終鋼
粉中Ni,Cu量が各々0〜9.5%になるように、またMo酸化
物粉末、W酸化物粉末を最終鋼粉中Mo,W量が各々0〜4.
5%になるように種々の組合せで混合した後、H2ガス雰
囲気中で800℃,60分間加熱して、Ni,Cu,Mo,Wの複合合金
化処理を施した。
かような複合合金化処理後、前述した解砕・篩分操作を
施して、実施例1〜26の種々の成分組成になる合金鋼粉
を得た。
その後実施例1〜26の各鋼粉に、粉末冶金用黒鉛粉末を
0.4%および固体潤滑剤のステアリン酸亜鉛を1%混合
した後、圧力7t/cm2で直径11.3mm、高さ10.5mmのタブレ
ットに成形した。この圧粉体をAX雰囲気中で875℃,20分
間仮焼結して仮焼結体を得た。ついでこの仮焼結体を金
型潤滑方式により、7t/cm2の圧力で再圧縮したのち、AX
雰囲気中で1250℃,60分間の本焼結を施した。熱処理は8
50℃でオーステナイト化し、その温度から60℃の油中へ
焼入れ後、油中180℃で焼もどして行った。
第1表に、実施例1〜4の鋼粉0量と圧縮密度再圧縮密
度、熱処理材抗折力について調べた結果を示す。
この発明に従う実施例1〜4はいずれも、7.00g/cm3
上の圧粉密度、また7.40g/cm3以上の再圧縮密度、さら
には170kgf/mm2以上の熱処理材抗折力が得られた。
第2表および第3表には、実施例5〜10の鋼粉の再圧縮
密度について調べた結果を示す。
いずれもCr,Mo,W含有量がこの発明の適正範囲を満足し
ているので、7.40g/cm3以上の再圧縮密度が得られた。
次に第4表には、実施例11〜13の鋼粉の再圧縮密度を示
す。
Cr含有量およびNi含有量ともこの発明の適正範囲を満足
する実施例11〜13はいずれも、7.40g/cm3以上の再圧縮
密度が得られた。
第5表には、実施例14〜26の鋼粉の再圧縮密度および熱
処理材抗折力を示す。
いずれも7.40g/cm3以上の再圧縮密度を得た。
また実施例27はNi,Mo,Wに微細な金属粉末を用い実施例
1〜26と同様の処理を施した場合であるが、同一組成で
Mo,Wに酸化物粉末を用いた実施例25と比べて、Mo,Wの再
圧縮密度はやや低いとはいうもののやはり7.40g/cm3
上の優れた密度が得られた。
次に第6表には、実施例1〜26と同様の方法でCrを予合
金化、またCuなどを複合合金化し、同じく実施例1〜26
と同様の熱処理を施した場合の実施例28〜31の鋼粉の再
圧縮密度を示す。
いずれの実施例とも、この発明の組成範囲となっている
ため、7.40g/cm3以上の再圧縮密度が得られた。
次に比較例について述べる。
Crを0.05〜7.5%とCを0.6%含有する水アトマイズ鋼粉
を、実施例1〜26と同様の方法で処理し、Cr予合金鋼粉
を得た。この鋼粉にNi金属粉末、Cu金属粉末を最終鋼粉
中Ni,Cu量で各々0〜12.0%になるように、またMo酸化
物粉末、W酸化物粉末を最終鋼粉中Mo,W量で0〜7.5%
になるように種々の組合せで混合した後、実施例1〜31
と同様の方法で処理し比較例1〜9および比較例16,17
を得た。この鋼粉をやはり、実施例1〜31と同様の方法
で成形・仮焼結・再圧縮・本焼結・熱処理した。第1表
に比較例1〜3の鋼粉0量、圧粉密度、再圧縮密度熱処
理材抗折力を併記したが、比較例1は、Cr含有量が0.05
%とCr含有量下限の0.1%を下回ったため、圧粉密度、
再圧縮密度はすぐれるものの、熱処理後の強度が不足
し、170kgf/mm2以上の抗折力は得られなかった。比較量
2は、Cr含有量が7.5%とCr含有量の上限の5.0%を超え
るため、鋼粉0両が0.20%を超え、7.0g/cm3以上の圧粉
密度、7.40g/cm3以上の再圧縮密度は得られなかった。
比較例3は、Ni+Mo+W含有量が上限の10.0%を超える
ため、やはり7.0g/cm3以上の圧粉密度、7.40g/cm3以上
の再圧縮密度は得られなかった。比較例4は、Mo含有量
がMo量下限の0.1%以下のため、MoによるCr含有鋼粉中
へのCの拡散抑制作用が不足となり、7.40g/cm3以上の
再圧縮密度が得られなかった。比較例5は、Mo含有量が
Mo量上限の5.0%を超えるため、鋼粉の再圧縮性が低下
し、7.40g/cm3以上の再圧縮密度は得られなかった。比
較例6,7,8,9はいずれも、比較例4,5と同様の理由により
7.40g/cm3以上の再圧縮密度が得られなかった。また比
較例10は、Cr,Ni,Moを各々0.5%、Cを0.6%含有する水
アトマイズ鋼粉を、実施例1〜26と同様の方法で還元し
た。しかしCrに加えてNi,Moをすべて予合金化したた
め、実施例26と同一組成であるにもかかわらず、焼結時
に鋼粉粒子中へのCの拡散抑制作用がなく7.40g/cm3
上の再圧縮密度は得られず、抗折力も低いものであっ
た。さらに比較例11,12および13はCrに加えてNb,V,Bの
いずれかを含有する鋼粉にNiおよび/またはMoを複合化
したものであるが、いずれもNb,V,Bが添加範囲の上限を
超えて加えられたため、各々実施例15,16,17とくらべ
て、熱処理材抗折力が低下し、170kgf/mm2を超えない低
い値であった。
比較例14は、純鉄粉とCr金属粉末、Mo酸化物粉末を最終
鋼粉中Cr,Mo量がそれぞれ2.5%,4.5%になるように混合
したのち、実施例1〜26と同様の方法で処理し、鋼粉を
得た。この鋼粉をやはり、実施例1〜26と同様の方法で
成形・仮焼結・再圧縮・本焼結・熱処理した。第5表に
その特性を示す。
金属Crが極めて酸化され易くかつH2では還元困難なた
め、複合合金化処理時に同時に加えたMo酸化物により金
属Crが酸化されるので、鋼粉中O量は0.81%と同一組成
の実施例2と比較して7倍以上の高い値を示した。そし
てこの酸素は、鋼粉表面でほとんど硬いCr酸化物となっ
て存在するため、鋼粉の圧粉密度・再圧縮密度・熱処理
材抗折力とも実施例2と比較して著しく劣った値しか得
られなかった。
比較例15は、最終鋼粉中Cr,Mo量がそれぞれ2.5%,4.5%
となるように、Moを予合金法により、一方Crを拡散付着
法で合金化した鋼粉を用いて成形、仮焼結、再圧縮、本
焼結、熱処理した結果を示す。やはり、鋼粉中O量が大
きく、圧粉密度、再圧縮密度、熱処理材抗折力も劣った
値しか得られなかった。
なお比較例16は、Cuが10%を超え、また比較例17はNi+
Cu+Mo+Wが10%を超えたため、いずも再圧縮密度は7.
40g/cm3に到達していない。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、合金成分の機能を考慮した
合金化方法の採用と合金組成の工夫とにより、すぐれた
圧縮性と再圧縮性をもつ合金鋼粉を得ることができ、ひ
いてはかかる発明鋼粉を用いることにより、高強度・高
密度を要求される焼結部品の製造が可能となり、しかも
従来の粉末冶金法に加えて何ら特殊な設備を必要とする
こともないので経済性の点でも有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高城 重彰 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭59−215401(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Crを含有する予合金鋼粉粒子の表面に、N
    i,Cu,MoおよびWのうちから選んだ少なくとも一種を微
    粉の形で部分的に拡散付着させた合金鋼粉であって、上
    記各成分の含有量が Cr:0.1〜5.0wt% Ni:0.1〜10.0wt% Cu:0.1〜10.0wt% Mo:0.1〜5.0wt% W:0.1〜5.0wt% でかつNi+Cu+Mo+W≦10.0wt% であり、残余は0.20wt%以下に制御したOおよび実質的
    にFeの組成になる粉末冶金用合金鋼粉。
  2. 【請求項2】Crに加えて、V,NbおよびBのうちから選ん
    だ一種または二種以上を含有する予合金鋼粉粒子の表面
    に、Ni,Cu,MoおよびWのうちから選んだ少なくとも一種
    を微粉の形で部分的に拡散付着させた合金鋼粉であっ
    て、上記各成分の含有量が Cr:0.1〜5.0wt% V:0.01〜0.5wt% Nb:0.001〜0.1wt% B:0.0001〜0.01wt% Ni:0.1〜10.0wt% Cu:0.1〜10.0wt% Mo:0.1〜5.0wt% W:0.1〜5.0wt% でかつNi+Cu+Mo+W≦10.0wt% であり、残余は0.20wt%以下に制御したOおよび実質的
    にFeの組成になる粉末冶金用合金鋼粉。
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