JPH0745526Y2 - ネクタイの動揺防止具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案はネクタイの動揺防止具に係り、更に詳しくはネ
クタイの不使用時にはループラベルに取り付けることに
よって紛失を防止できるばかりでなく、他のネクタイの
着用時には取り外して簡単に使用でき、更にはボタン数
が多いシャツであってボタン間の距離が通常のシャツよ
りも短いものにも使用できる、ネクタイの動揺防止具に
関するものである。

【従来技術とその課題点】

ネクタイが動くのを止める為にタイピン，タイバー，タ
イチェーン等のタイホルダーが使用されている。これら
タイホルダーは通常宝石を取り付けたり、表面に彫刻し
たりして装飾が施してある。しかし、装飾を嫌ったり、
タイバーの場合は動いて歪んだりするのでタイホルダー
を使用しない人もある。 タイホルダーをしなくても上着を着用し、ボタンを掛け
ていればネクタイは固定できる。しかし上着を着用せ
ず、または着用したとしてもボタンを掛けていなければ
ネクタイは固定されない。従って、例えば食事のときに
ネクタイが動揺してその先部が汁物の中に入ったり食べ
物の上にかけてあるソースに触れたりして汚れる課題が
あった。 この課題を解決するものが、特開昭54-163135号公報，
実開昭60-4524号公報，実願昭61-147012号（実開昭63-5
2407号）のマイクロフィルム、および実願昭59-175154
号（実開昭61-90818号）のマイクロフィルムに開示され
ている。 特開昭54-163135号に開示してあるものは、「弾性
体、例えば平ゴムの一端にかぎ状に湾曲せるピンを付
け、その他端にカッターシャツの第１ボタンに合わせて
かける穴を設け、ネクタイの裏側のちょうど帯状になっ
ているところへピンを引っかけるようにしたもの（以
下、「ネクタイ吊り」という）」である。この発明の目
的はネクタイが緩んだり、たるんだりして下がらないよ
うにしたものである。ネクタイ吊りの下端は、ネクタイ
の裏側の帯状になっている箇所、所謂ループラベルに引
っ掛け、上端はカッターシャツの第１ボタンに掛けるよ
うになっている。 ところで、この発明において平ゴムの長さは明瞭ではな
い。しかしネクタイを装着した場合、ループラベルとカ
ッターシャツの第１ボタンまでの距離は略30cm程度あ
り、平ゴムの弾力によって吊下げるとしても25cm程度に
必要である。そうするとネクタイ吊りの使用によってネ
クタイが緩んだり、弛んだりして下がらないようにする
ことは出来ても、ネクタイの動揺を止めることはできな
い。 実開昭60-4524号に開示されているものは、「（イ）
ネクタイの裏面下部に布製環を取り付ける、（ロ）該布
製環に布製ひもを取り付ける、以上のように構成された
止め具付ネクタイ」である。このネクタイは布製環と布
製ひもを一体に取り付けたものである為、ネクタイを締
めるときに布製ひもが指等に引っ掛かり、円滑にネクタ
イを締めることができない。 また、糸を引っ掛けるボタンは一か所であり、糸と糸と
の係合であるので、ネクタイを引っ張ったとき等ボタン
を固定している糸に負荷がかかり、糸が切れ易い。 更には、布製ひもの長さを短くすると布製環の位置がボ
タンの位置とずれた場合に歪を生じて使用できなくな
る。だからといって長くするとネクタイが動揺してネク
タイ止めの機能を果たすことができない。 実願昭61-147012号（実開昭63-52407号）のマイクロ
フィルムに開示してあるネクタイ止めは、細長帯状の防
止具本体を第２図に示すようにループラベルに挿通し、
ネクタイ止めに設けられている紐状物でループラベルと
交差することによってネクタイ自体に取着し、防止具本
体の上下両端部に設けられているボタン穴にワイシャツ
のボタンを掛けてネクタイの揺れ止めを図ったものであ
る。 このネクタイ止めはネクタイに通常状態では簡単に取り
外しできない状態で取着されている構造となっている為
に、他のネクタイへ使用することが簡単にはできない。 実願昭59-175154号（実開昭61-90818号）のマイクロ
フィルムに開示されているネクタイは、ネクタイの裏面
に取り付けられたネクタイ通しに複数のワイシャツのボ
タン挿通用孔を設けた構造である。 つまり、実願昭61-147012号（実開昭63-52407号）のマ
イクロフィルムのネクタイ止めは、実願昭59-175154号
（実開昭61-90818号）のマイクロフィルムのネクタイと
同様に実質的にはネクタイと一体になっているものであ
り、既存のネクタイに簡単に取り外しては利用できない
課題がある。

【考案の目的】

そこで本考案の目的は、タイホルダーを使用しないでも
ネクタイが自由に動くのを防止し、しかもネクタイから
容易に取り外しができるようにして、既存のネクタイに
も使用できるようにしたネクタイの動揺防止具を提供す
ることにある。 本考案の他の目的は、ボタンを固定している糸にかかる
負荷を軽減し、ネクタイを引っ張ったとき等糸が切れに
くいようにしたネクタイの動揺防止具を提供することに
ある。 本考案の更に他の目的は、ネクタイの不使用時にはルー
プラベルに取り付けて紛失防止ができ、ネクタイの着用
時にはすぐに使用できるようにしたネクタイの動揺防止
具を提供することにある。 また、本考案の他の目的は、シャツのボタンの間隔が一
般の市販品よりも狭いものにあっても使用できるネクタ
イの動揺防止具を提供することにある。

【考案の構成】

上記目的を達成するために講じた本考案の構成は次の通
りである。 即ち本考案は、前開きでボタン掛けをするシャツに装着
されたネクタイの大剣の裏面に取り付けてあるループラ
ベルに挿通し、該ループラベルとの係合によってネクタ
イの動揺を制限する動揺防止具であって、柔軟性を有す
る帯状の防止具本体と、当該防止具本体の上部及び下部
に設けてあり、シャツのボタン間の距離と略同じかやや
長い程度の距離を隔てて配置してあるボタン穴と、上記
防止具本体に設けてあり、防止具本体を曲げて係着する
ことによって閉鎖されたループを形成し係脱することに
よって上記ループの形成を解除できる着脱容易な係着手
段と、を備え、上記ボタン穴の何れか一方には他方のボ
タン穴側に隣接して設けられたボタン穴を有することを
特徴とする、ネクタイの動揺防止具である。 本考案で使用するループラベルの語は、動揺防止具との
係合によってネクタイの動揺を制限できるものを意味
し、環状に形成したものをネクタイに取り付けたもの及
び帯の両端をネクタイに固着しネクタイとの間で動揺防
止具の挿通部が形成されるものの双方を含む概念であ
る。 動揺防止具の素材としては、例えば柔軟性を有する布，
皮革，プラスチック等をあげることができる。 係着手段を係着させて形成されるループの概念は、環
状、細長環状、ρ状、α状等特に限定されるものではな
い。要するに動揺防止具のループラベルに挿通し、係着
手段を係着させ、閉鎖されて形成される形状すべてを含
む概念である。

【実施例】

本考案を図面に示した実施例に基づき更に詳細に説明す
る。第１図は動揺防止具の一実施例を一方側から見た斜
視図である。 図において符号10は布製の動揺防止具を示す。動揺防止
具10は、帯状に形成された防止具本体11を有している。
防止具本体11の長さは、後で説明するカッターシャツ20
のボタン24及びボタン26間の長さよりもやや長く形成し
てある。防止具本体11の上部にはボタン穴12が、また下
部にはボタン穴14が設けてある。ボタン穴12及びボタン
穴14間の距離は、ボタン24及びボタン26間の長さと大体
において同じである。 ボタン穴12とボタン穴14の間には、ボタン穴14に隣接し
て更にボタン穴13が設けてある。ボタン穴13の使用方法
については後で説明する。 また、ボタン穴12とボタン穴14の間には、広告区域15が
設けてある。広告区域15には必要に応じて広告が表わさ
れる。 更に、防止具本体11の両端部には、後で説明するループ
ラベル36に通し易いように先狭部16,17が形成してあ
る。 第２図を示す。第２図は第１図に示す動揺防止具を他方
側から見た斜視図である。先狭部17には係着具の一方1
8、例えば面ファスナーの一方が取り付けてある。ボタ
ン穴12のやや下側には、係着具の他方19、例えば面ファ
スナーの他方が取り付けてある。係着具の使用方法につ
いては後で説明する。 作用 本実施例の作用を第３図及び第４図を参照して説明す
る。第３図は使用状態を示す説明図である。 図において符号20は、前開きでボタン掛けをするカッタ
ーシャツを示す。カッターシャツ20の襟部22にネクタイ
30が装着してある。ネクタイ30は大剣32と小剣34を備え
ている。大剣32の裏面にループラベル36が取り付けてあ
る。ループラベル36には小剣34が通してある。更に、ル
ープラベル36には小剣34と挿入方向を同じくして動揺防
止具10が挿通してある。上部のボタン穴12はループラベ
ル36の上方に位置するボタン24に、他方のボタン穴14は
ループラベル36の下方に位置するボタン26に掛けてあ
る。 なお、注文によって製作されたカッターシャツのように
ボタンの数が多い場合は、ボタン間の距離も短い。その
場合はボタン穴14の代わりにボタン穴13を使用する。 このようにして装着された動揺防止具10はボタン24及び
ボタン26によって固定されており、ネクタイ30は、ルー
プラベル36と動揺防止具10との係合によってその動きが
制限される。 第４図を示す。第４図は動揺防止具の不使用時の処理の
仕方を示している。ループラベル36に動揺防止具10を挿
通する。係着具の一方18と係着具の他方19とを係着して
ループを作る。これによって動揺防止具10は人為的な操
作を施さないかぎりはループラベル36から取り外れず、
紛失防止ができる。 また、動揺防止具10を使用する場合も手元にある為素早
く装着できる。 なお、本考案は図示の実施例に限定されるものではな
く、実用新案登録請求の範囲の記載内において数々の変
形が可能である。

【考案の効果】

本考案は上記構成であり、次の効果を奏する。 （１）ネクタイの動揺はループラベルと動揺防止具との
係合によって制限される。このようにタイホルダーを使
用しないでもネクタイが自由に動くのを防止できる動揺
防止具が提供出来るばかりでなく、動揺防止具は二か所
のボタンに掛けられるので、一か所のみのボタンに掛け
られる場合と比較してボタンを固定している糸にかかる
負荷は略半分に軽減される。従って、ネクタイを引っ張
ったとき等糸が切れにくいネクタイの動揺防止具が提供
出来る。 （２）ボタン穴は防止具本体の上部及び下部に設けてあ
り、更にボタン穴の何れか一方には他方のボタン穴側に
隣接してボタン穴が設けてある。 従って、ボタン数が多いシャツであってボタン間の距離
が通常のシャツよりも短いものにも使用できる。 （３）防止具本体は着脱容易な係着手段が設けてあり、
防止具本体を曲げて係着することによって閉鎖されたル
ープを形成できるとともに係脱することによってループ
の形成を解除できるようにしてある。 このためネクタイの不使用時にループラベルに取り付け
ることによって、紛失を防止できるばかりでなく、他の
ネクタイの着用時には取り外して簡単に使用できる。 （４）上部と下部のボタン穴間に広告区域が設けてある
動揺防止具は、該広告区域に広告を表わすことができ
る。一般的なサラリーマンであれば毎日ネクタイを着用
するのでその都度広告が目につき、当該広告の効果は高
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は動揺防止具の一実施例を一方側から見た斜視
図、 第２図は第１図に示す動揺防止具を他方側から見た斜視
図、 第３図は使用状態を示す説明図、 第４図は動揺防止具の不使用時の処理の仕方を示す図で
ある。 10:動揺防止具 11:防止具本体 12,13,14,:ボタン穴 15:広告区域 16,17:先狭部 18,19:係着具 20:カッターシャツ 22:襟部 24,26:ボタン 30:ネクタイ 32:大剣 34:小剣 36:ループラベル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前開きでボタン掛けをするシャツに装着さ
   れたネクタイの大剣の裏面に取り付けてあるループラベ
   ルに挿通し、該ループラベルとの係合によってネクタイ
   の動揺を制限する動揺防止具であって、 柔軟性を有する帯状の防止具本体（11）と、 当該防止具本体（11）の上部及び下部に設けてあり、シ
   ャツのボタン間の距離と略同じかやや長い程度の距離を
   隔てて配置してあるボタン穴（12,14）と、 上記防止具本体（11）に設けてあり、防止具本体（11）
   を曲げて係着することによって閉鎖されたループを形成
   し係脱することによって上記ループの形成を解除できる
   着脱容易な係着手段と、 を備え、 上記ボタン穴（12,14）の何れか一方には他方のボタン
   穴側に隣接して設けられたボタン穴（13）を有すること
   を特徴とする、 ネクタイの動揺防止具。
2. 【請求項２】上部と下部のボタン穴間に広告区域が設け
   てある請求項１記載のネクタイの動揺防止具。
3. 【請求項３】防止具本体の両端部が先狭に形成してある
   請求項１または２記載のネクタイの動揺防止具。