JPH0745043U - 高真空チャンバ用マニュピレータ - Google Patents

高真空チャンバ用マニュピレータ

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JPH0745043U
JPH0745043U JP9997891U JP9997891U JPH0745043U JP H0745043 U JPH0745043 U JP H0745043U JP 9997891 U JP9997891 U JP 9997891U JP 9997891 U JP9997891 U JP 9997891U JP H0745043 U JPH0745043 U JP H0745043U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空チャンバ内の試料を移動させるための装
置の改良である。 【構成】 真空シールされた操作棒の先端に板バネによ
りコ字状の爪を吊下げる。 【効果】 マニュピレータを簡単化することにより高真
空を維持し、背景雑音を小さくする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、高い真空環境が維持された真空チャンバの内部にある試料を移動さ せるための装置として利用する。
【0002】 本考案は、脱離ガス分析装置に応用するために考案されたものであるが、この マニュピレータは脱離ガス分析装置以外にも、真空チャンバ内の試料を移動させ るために広く利用できる。
【0003】 脱離ガス分析装置は、真空チャンバ内に試料である半導体チップを載置し、こ の半導体チップを加熱して、その半導体チップから脱離するきわめて微量のガス を質量分析計に導き分析し、その分析結果から半導体チップの製造工程を評価修 正するためのものであり、半導体製造工程で高い製造歩留りを得るためにきわめ て有用な装置である。
【0004】
【従来の技術】
従来から真空チャンバの内部の試料を移動させるために、大気雰囲気中に操作 端があり、真空チャンバ内に作用端がある各種のマニュピレータが知られている 。従来装置の多くは試料の形状や移動距離や移動方向について、多様に対応でき るように設計された多目的のものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このため、従来のマニュピレータは真空チャンバ内の機構がどうしても複雑に なる。ところが、前述の脱離ガス分析装置にこの従来装置を利用すると、試料の 加熱に際してマニュピレータの作用端も加熱されてしまい、マニュピレータの作 用端およびそれを動かす機構部分から脱離ガスが発生し、試料の脱離ガスの分析 に対して背景ノイズとなってしまう欠点がある。すなわち、脱離ガス分析装置の 試料となる半導体チップは、その形状は10mm平方、厚さが1mmあるいはそれ以下 のきわめて小さいものであり、その製造工程でかなり清浄に維持されているもの であり、その試料から発生するきわめて微量の脱離ガスを分析することが必要で あるので、この試料より大きいマニュピレータの作用端や、複雑なジョイント構 造あるいは回転構造などはどうしても背景ノイズの原因となる。
【0006】 本考案はこれを解決するもので、真空チャンバ内の形状および機構をきわめて 単純化して、背景ノイズの発生をきわめて小さくすることができるマニュピレー タを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、作用端を二つにし、その二つの作用端の間に板ばねによりコ字状の 爪を吊り下げたきわめて簡単な構造とした。この二つの作用端は同軸構造の二つ の軸により移動する構造として、コ字状の爪を水平方向にかつ上下方向に移動さ せる構造とした。さらに、各軸の部分はベローズで被う構造とすることにより、 真空雰囲気の中にさらされる機構部分を極力小さくした。
【0008】 さらに、本考案では二つの作用端を同時に移動させる外軸については、十分な 長さをとり、作用端を真空チャンバの中心近傍から真空チャンバの殻付近まで退 避できるように設定した。
【0009】
【作用】
真空チャンバ内に真空雰囲気にさらされる構造物は、小さいコ字状の爪と、こ れを吊り下げる一つの薄い板ばねおよび二つの作用端のみである。二つの軸は真 空雰囲気から、ベローズにより隔離されている。したがって、この作用端および その機構から発生する背景ガスをきわめて小さくできる。
【0010】 さらに、作用端などを真空チャンバの殻付近まで移動できる構造とすることに より、試料の加熱に伴いマニュピレータの作用端などが加熱されないように工夫 された。
【0011】
【実施例】
次に本考案の実施例と図面を参照して説明する。
【0012】 図1は、本考案の一実施例を脱離ガス分析装置に応用した場合の全体配置図で あり、図2はその系統図である。図6(a) は本実施例の平面図であり、図6(b) はその縦断面図である。
【0013】 図1および図2で、脱離ガス分析装置は、真空チャンバ1と、この真空チャン バ1の内部を高真空状態に維持する真空ポンプ2A、3Aと、真空チャンバ1内 のガラス棒4に被せられ試料6を載置する試料ステージ5と、このガラス棒4を 介して試料6を加熱する赤外線発生装置7と、この加熱により試料6から脱離す るガスを接続管8を介して分析する質量分析計9、10および11とを備える。真空 チャンバ1には開閉弁13を介してロードロック機構が収容されたロードロックチ ャンバ12が取付けられており、このロードロック機構と開閉弁13とにより、真空 チャンバ1内の真空状態を破壊することなく試料挿入口14から試料6を出し入れ できるものである。
【0014】 このロードロック機構は、図3(b) に示すように出し入れする試料を搬送する 搬送台15がラック部16により、高真空状態の真空チャンバ1内に設けられた試料 ステージ5に横づけされる構造となっている。
【0015】 本考案の高真空チャンバ用マニュピレータは、図6(b) に示すように、試料6 を搬送台15と試料ステージ5との間に移し替えるものであり、真空チャンバ1の 殻である金属筒1Cの外部の大気圧雰囲気に分析者が手動で操作する操作端18C 、18Dが配置され、真空チャンバ1内に試料6の移し替えを行う作用端27E、27 Gが配置され、この操作端18C、18Dと作用端27E、27Gとの間に操作端18C、 18Dの操作により真空チャンバ1のほぼ中心からほぼ放射方向にかつほぼ水平方 向に移動する軸手段27C、27Fがそれぞれ連結されている。本実施例では、操作 端はそれぞれ回動可能なつまみ18Cおよび18Dである。
【0016】 ここに本考案の特徴とするところは、前記軸手段は、管状の外軸27Cとこの外 軸27Cの内部に同軸構造に挿通された内軸27Fとの二重構造であり、この外軸27 Cおよび内軸27Fのそれぞれに、第一操作端であるつまみ18Cと第一作用端27E および第二操作端であるつまみ18Dと第二作用端27Gとが設けられ、第一操作端 であるつまみ18Cは外軸27Cを真空チャンバ1に対する固定端であるフランジ27 B(真空チャンバ1の金属筒1Cに鞘体27Aを介して強固に取付けられている) に対して移動させる構造であり、第二操作端であるつまみ18Dは内軸27Fを外軸 27Cに対して移動させる構造であり、管状の外軸27Cの真空チャンバ1側の先端 部と固定端であるフランジ27Bの内部に完全に気密に固定された座27Hとの間に は外軸27Cの変位にしたがって伸縮する第一ベローズ28Aが被せられ、内軸27F と外軸27Cとの真空チャンバ1側のそれぞれの先端部間にはこの両軸の相対変位 にしたがって伸縮する第二ベローズ28Bが被せられ、第一作用端27Eと第二作用 端27Gとの間に板ばね27Jによって吊り下げられたコの字状の爪27Kが取付けら れたことにある。
【0017】 さらに外軸27Cと第一ベローズ28Aは二つの作用端27Eと27Gとを、試料ステ ージ5に横づけされる搬送台15のある真空チャンバ1の中心近傍から、真空チャ ンバ1の殻である金属筒1Cの内壁の近傍まで移動できる十分な大きさであるこ とである。
【0018】 本実施例では、図6(b) に示すように、つまみ28Cを回動することにより、外 軸27Cと内軸27Fとが同時に前述のようにほぼ水平方向に移動する。このとき外 軸27Cと内軸27Fとの相対的な変位は生じない。したがってこのときは第一ベロ ーズ28Aのみが伸縮する。つまみ18Cの回動をとめておき、つまみ18Dを回動す ると、内軸27Fのみが水平方向に移動し、この二軸の間に相対的な変位が生じ、 第二ベローズ28Bが伸縮する。このつまみ18Dをねじをゆるめる方向に回転すれ ば、内軸27Fは図の左方に移動し、この状態で静止している第一作用端27Eに対 して第二作用端27Gを左方に移動する。したがって板ばね27Jは圧縮され、爪27 Kは下方に引き下げられる。つまみ18Dをねじを締付ける方向に回動すれば前述 と逆の方向に各部が作動し、爪27Kは上方に引き上げられる。すなわち本マニュ ピレータは、つまみ18CによりX軸(水平)方向に移動し、つまみ18DによりZ 軸(上下)方向に移動する二次元動作を行う。外軸27Cにはキイ27Mが設けられ ているので、つまみ18Cの回動操作によって外軸27Cが回転することはない。内 軸27Fも、第二ベローズ28Bが持つ回転に対する剛性のために、つまみ18Dの回 転操作によって回転することはない。
【0019】 前述のように座27Hはフランジ27Bに気密に固定されているので、鞘体27Aの 内部の真空部分からは第一ベローズ28Aによりリークが生じない。
【0020】 また外軸27Cと内軸27Fとの真空チャンバ1側の先端部の端部は第二ベローズ 28Bによりリークが生じない。
【0021】 本実施例では、爪27Kが試料ステージ5のほぼ中心位置にあるときの第一ベロ ーズ28Aの長さは約170mm である。前述の搬送台15と試料ステージ5との間の試 料の移載には、この第一ベローズ28Aを約25mm伸長し、試料を加熱するときは約 55mm圧縮する。この圧縮時には第一作用端27Eと試料ステージ5との最少離れ寸 法は約40mmとなり、第一作用端27Eが試料ステージ5からの熱放射によって加熱 される問題はほとんどなくなる。
【0022】 このマニュピレータの操作は図6(b) に破線で示す覗き窓1Eを介して目視で 行う。
【0023】 次に図1および図2を用いて、本実施例の配置について説明する。
【0024】 本実施例では、真空チャンバ1と、この真空チャンバ1を真空に維持する真空 ポンプ2A、3Aと、真空チャンバ1内に配置された試料ステージ5(図2参照 )と、この試料ステージ5に載置された試料6を加熱する赤外線発生ランプ21を 内包する加熱器7と、真空チャンバ1内に連接する質量分析計9、10および11と を含む。
【0025】 本実施例の各部品はほぼデスク23上に配置され、真空ポンプのうちロータリイ 型の真空ポンプである3A、3B、3Cと、冷却水タンク24およびコンピュータ ユニット25はデスク23外に配置される。
【0026】 真空チャンバ1は、その壁構造が金属筒1Cと、天井側および底面側の金属端 板1A、1Bより構成され、その内壁面は表面研磨されている。真空チャンバ1 を真空に維持する真空ポンプのうち、符号2Aは磁気浮上型ターボ分子ポンプで ある。この真空チャンバ1は外部からの試料の出し入れにさいして、その真空状 態が破壊されない構造となっている。
【0027】 すなわち、真空チャンバ1より十分に小さい空間に収容され、真空チャンバ1 との間に開閉弁13を備え、前記磁気浮上型ターボ分子ポンプ2Aとは別系のター ボ分子ポンプ2Bによりその真空を維持するロードロック機構を設ける構造であ る。
【0028】 本実施例では、真空チャンバ1の内径は、試料ステージ5の直径26mmに対して 5倍以上であり、試料ステージ5から壁面までの距離は60mm以上である。
【0029】 ロードロック機構は、図2および図3に示すように、それを囲むロードロック チャンバ12の内部に設けられる(図3(b) 参照)。
【0030】 ロードロック機構は、試料を搬送する搬送台15と、この搬送台15を搬送するラ ック部16と、このラック部16を駆動するピニオン17を回転するピニオン回転軸17 Aとを含む。このピニオン回転軸のシール構造は、図3(c) に示すように、二つ のOリング19A、19Bとの間はスペーサ19Cによりほぼ一定の空間である中間排 気室20Aが確保されるもので、この中間排気室20Aは図2に示すように前記真空 ポンプ2Aおよび2Bとは別系のロータリイ型の真空ポンプ3Cにより真空に維 持される。
【0031】 真空チャンバ1内にはストッパ16Aを備え、ラック部16が真空チャンバ1内に 移動して、このストッパ16Aに接触した位置で、搬送台15が試料ステージ5に横 づけされる構造である。
【0032】 開閉弁13にはこのスライド弁13Aをつまみ18Bを回転することにより開閉させ る軸26Aが設けられ、この軸26Aはベローズ26Bによりシールされる。
【0033】 加熱器7は、赤外線発生ランプ21を内包する赤外線発生装置であり、この加熱 器7は、真空チャンバ1の外に配置され、試料ステージ5は加熱器7で発生され 、ガラス棒4を介して導入された赤外線によって加熱される。
【0034】 真空チャンバ1は直径が大きい接続管8(本実施例では内径120mm)を介して質 量分析計のイオン化部9に連通される。真空チャンバ1の真空状態を維持するた めこの接続管8は主排気管8Aにより磁気浮上型ターボ分子ポンプ2Aおよびロ ータリイ型の真空ポンプ3Aに接続される。このイオン化部9につづいて励磁部 10とコレクタ部11とが設けられる。
【0035】 真空チャンバ1を高度の真空状態にするためには、最初にロータリイ型の真空 ポンプ3Aにより或る程度の真空状態としたのちに、磁気浮上型ターボ分子ポン プ2Aにより、10-10torr 程の真空状態に維持する。
【0036】 真空チャンバ1のロードロック機構と対向する位置にマニュピレータ27が設け られている。このマニュピレータ27は、前述のラック部16により試料ステージ5 に横づけされた搬送台15上の試料を試料ステージ5に移し、また戻すためのもの である。
【0037】 次に各部品の動作をそれぞれ個別に説明する。
【0038】 図3において、ロードロック機構では、通常搬送台15とラック部16とは、ロー ドロックチャンバ12の端部12A側に寄せられており、搬送台15は試料挿入口14の ほぼ下方に位置する。このとき開閉弁13はスライド弁13Aにより閉塞されている 。試料挿入口14を開放するときは、あらかじめコック22Aを開放して、ロードロ ックチャンバ12の内部に乾燥窒素N2 を充填しておき、試料挿入口14を開き試料 を搬送台15に載置する。つぎにコック22Aを閉じ、コック22Dを開いて予備排気 を行い、次いでコック22Cを開きロードロックチャンバ12内が高真空となるよう 排気を行う。
【0039】 真空計32Aにより真空状態を確認してから、開閉弁13を開き、つまみ18Aによ りピニオン17を回転して、ラック部16を真空チャンバ1側に移動させる。搬送台 15が試料ステージ5の所定の位置に接近すると、ラック部16の先端は真空チャン バ1内に設けられたストッパ16Aに接触し、搬送台15は試料ステージ5に横づけ される。
【0040】 この状態で搬送台15に載置された試料を試料ステージ5に移載するには、前記 マニュピレータ27による。
【0041】 マニュピレータ27の縦断面図を示す図6(b) において、真空チャンバの殻であ る金属筒1Cには強固な構造の鞘体27Aにフランジ27Bが設けられている。この フランジ27Bの外方の大気圧雰囲気に第一および第二操作端であるつまみ18Cと 18Dとが設けられる。
【0042】 この第一操作端であるつまみ18Cの操作により真空チャンバのほぼ中心からほ ぼ放射方向にほぼ水平に移動する管状の外軸27Cがあり、その一端に軸受27Dを 介して第一作用端27Eが取付けられる。
【0043】 この外軸27Cの内側に外軸27Cに沿ってその長手方向に相対位置を変化する内 軸27Fがあり、この内軸27Fの外側の一端雄ねじに前記第二操作端であるつまみ 18D(これは雌ねじになっている)が組合わされ、この内軸27Fの他端に第二作 用端27Gが設けられる。
【0044】 外軸27Cの真空チャンバ1側の先端部とフランジ27Bに固定された座27Hとの 間には外軸27Cの変位にしたがって伸縮する第一ベローズ28Aが被せられ、内軸 27Fと外軸27Cとの間にはこの外軸27Cと内軸27Fとの相対変位にしたがって伸 縮する第二ベローズ28Bが被せられている。また第一作用端27Eと第二作用端27 Gとの間には、板ばね27Jにより吊り下げられたコの字状の爪27Kが取付けられ ている。
【0045】 このように二つのベローズを設けることにより、各操作端の操作に伴う真空チ ャンバ内のリークが防止される。
【0046】 通常の状態、すなわち試料の交換を行わない状態では、つまみ18Cの操作によ り外軸27Cと内軸27Fは共に図の右側に引かれた位置にあり、第一ベローズ28A は圧縮され、第一および第二作用端27Eおよび27Gは金属筒1C側に引かれてい る。
【0047】 前述のようにロードロック機構の搬送台15が試料ステージ5に横づけされた状 態で、第一操作端であるつまみ18Cにより、外軸27Cと内軸27Fとを共に図の左 側に移動し、爪27Kを破線の位置に移動させる。このときつまみ18Dを外軸27C に対して内軸27Fを図の左側に押し込むように操作する。これにより第二ベロー ズ28Bが伸ばされ、第一および第二作用端27Eと27Gとの間隔は縮むので、板ば ね27Jが押し出され爪27Kは下降する。ここでつまみ18Cを操作することにより 外軸27Cと内軸27Fを共に図の右側に移動し、搬送台15の上の試料を試料ステー ジ5の上に移載することができる。このようにして、試料を移すことができる。
【0048】 この操作は、真空チャンバの金属筒1Cに設けられた覗き窓1E(図7(b) で 破線で示すもの)から観察しながら行われる。
【0049】 赤外線発生装置7は真空チャンバ1の外側下方に配置され、その内部の楕円体 状の反射面7Aのひとつの焦点に置かれた赤外線発生ランプ21が発生する赤外線 を他の焦点に置かれた石英のガラス棒4の受光面4Aより吸収し、他の端面4B より試料ステージ5の下面に導入する。赤外線発生ランプ21はコンピュータユニ ット25により制御される温度制御部29の送出する電流により試料ステージ5に所 定を温度が与える。この反射面7Aの熱を赤外線発生装置7の外部に放散させな いように、反射面7Aの外部の水ジャケットに前記冷却水タンク24からパイプ30 Aにより冷却水が送入される。
【0050】 図4は、試料ステージの図である。ガラス棒4は透明石英ガラスであり、ステ ージ5は半透明石英ガラスである。図4(b) に示すように試料ステージ5にはガ ラス棒4の端面4Bに緩く嵌合する嵌合部5Aが形成され、しかも端面4Bと嵌 合部5Aとのすき間5Dには、孔5Bが設けられ真空チャンバ内の雰囲気と連通 する。緩く嵌合され、すき間5Dが設けられているので、試料ステージ5が高温 になってもそれからの伝達熱によりガラス棒4の温度が上昇することがない。試 料ステージ5の上部に設けられた孔5Cは熱電対21Aを挿通するものである。
【0051】 ガラス棒4の真空チャンバの金属端板1Bを貫通する部分にシール構造が設け られる。本シール構造も前述のロードロック機構のピニオン回転軸17Aに設けら れたものと同様に中間排気室20Cに二重のOリング19D、19Eとスペーサ19Fと が設けられ、真空チャンバ1内部の真空度を保持する。この中間排気室20Cは真 空チャンバ1を排気する真空ポンプとは別系の真空手段であるロータリイ型の真 空ポンプ3Cにより排気される。
【0052】 一方、前述のように赤外線発生装置7を冷却した冷却水はパイプ30Bを介して 、中間排気室20Bの外方に設けられた筒体19Gの冷却水通路31に送入され、パイ プ30Cを介して、冷却水タンク24に送りかえされる。このためシール部分はつね に冷却され、真空状態の保持に熱による支障が起こらない。
【0053】 図5は、質量分析計の構造を示す図である。
【0054】 本図に示すようにイオン化部9内のイオン化室9Aは複数の開口9Bを備えた 開放型のもので、このイオン化部9と真空チャンバ1とは太くかつ短い通路であ る接続管8で連結されている。
【0055】 質量分析計の一般的な試料導入においては、試料ステージに載置された試料6 が発生する脱離ガスを一旦蓄積してこれを狭い通路を通してイオン化室9Aに送 っている。この方法では脱離ガスが発生した時点と、イオン化室でこの脱離ガス がイオン化される時点とは若干のタイムラグがあり、リアルタイムの分析ができ ない。
【0056】 本実施例では試料6から発生した脱離ガス33Gは蓄積されることなくイオン化 部9内に導かれ、開口9Bを通してイオン化室9Aに入り、そこでフィラメント (図示せず)からの電子線の衝撃によってイオン化される。引出し電極9Cによ りイオン化室9Aから引出されたイオンビーム33Eは、励磁部10の磁極10Aの磁 界により偏倚されコレクタ部11で検出される。
【0057】 本実施例では、試料の交換を行っても真空チャンバ1内へのリークは極めて小 さい。このため、背景ノイズが極めて小さくおさえられるとともに、真空状態を 形成する真空ポンプ動作の準備時間が極めて小さい。
【0058】 また、回転楕円体状の反射面とガラス棒とにより、試料の加熱エネルギである 赤外線を、試料に集中して導入できる。このため従来のような熱源の導入の手段 と比較して、真空チャンバの内壁面などを赤外線が照射する可能性がきわめて小 さくなる。また照射する可能性が僅かにあっても、試料ステージから壁面までの 距離が大きく、かつ表面研磨されているので、壁面の加熱により余分なガスの発 生が抑制される。
【0059】 また真空チャンバ、ロードロック機構の内部および各シール構造のそれぞれの 空間の真空度を維持するために、それぞれ別系の真空ポンプが使用される。例え ばその内容積が大きく最も高真空度(10-10torr 程度) を必要とする真空チャン バ1に対しては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ2Aが用いられ、これより容量 が小さいが試料の出し入れごとに大気開放されるロードロック機構に対してはタ ーボ分子ポンプ2Bが用いられる。
【0060】 Oリングによる気体のリーク量は、このOリングで区分された領域の気圧の差 に依存する。したがって、ロードロック機構のピニオン回転軸17Aやガラス棒4 の真空チャンバの貫通部の二重Oリングのシール構造で、それぞれの二つのOリ ングの間の空間、すなわち中間排気室を10-3torr程度の真空度にすることにより 、真空側のOリングから真空チャンバ内へのリーク量を5桁ほど低減することが できる。このため本実施例では、これらの中間排気室をロータリイポンプ3Cに より、この程度の真空を維持するようにしている。
【0061】 次に図2を参照して、本実施例の動作手順を説明する。 ・開閉弁13を閉塞し、コック22Aを開きロードロックチャンバ12内に乾燥窒素N2 を充填する。 ・試料挿入口14を開き搬送台15に試料を挿入する。 ・コック22Aを閉じ、試料挿入口14を閉じる。 ・コック22Dを開き、ロータリイ型の真空ポンプ3Cで予備排気する。 ・コック22Dを閉じ、コック22Cを開きロードロックチャンバ12内をターボ分子 ポンプ2Bで排気する。 ・真空計32Aによりロードロックチャンバ12内の到達圧力を確認して、開閉弁13 を開く。 ・つまみ18Aによりピニオン17を回転し、ラック部16により搬送台15を真空チャ ンバ1内にストッパ16Aに触れるまで移送し、搬送台15を試料ステージ5に横づ けする。 ・マニュピレータ27により、搬送台15の試料6を試料ステージ5上に移載する。 ・マニュピレータ27を試料ステージ5より引き離す。 ・搬送台15などをロードロックチャンバ12内に引きもどす。 ・開閉弁13を閉塞する。 ・真空計32Bにより真空チャンバ1の到達真空度を確認する。 ・コンピュータユニット25で温度制御部29を制御する昇温プログラムをロードす る。 ・コンピュータユニット25で質量分析計で測定しようとする脱離ガスの質量数を 設定する。 ・分析開始(昇温し、その温度信号をコンピュータユニットに取込むと同時に設 定した質量数のイオン電流信号を取込む)。 ・分析測定終了。 ・開閉弁13を開き、搬送台15をステージ5に横づけし、マニュピレータ27を用い て試料を搬送台15に移載する。 ・搬送台15などをロードロックチャンバ12内に引き上げ、開閉弁13を閉塞する。 ・コック22Aを開き、乾燥窒素N2 をロードロックチャンバ12内に充填させる。 ・試料挿入口14を開き試料を交換する。 ・一方、コンピュータユニット25は分析データを処理し、イオン電流と温度との 関係図(パイログラム)を印字出力する。
【0062】 以上の動作手順により、本実施例により分析を行ったパイログラムの実績を図 7の(a) および(b) に示す。本図では縦軸はイオン電流の相対値である。図7(a ) に示すように、質量数M/z=18(H2O)と質量なM/z=28(C2 4 )のそ れぞれのピーク値の前後の平坦な部分でも、イオン電流値はほぼ一定している。 これはノイズの混入が極めて小さいことを意味する。図7(b) は試料を挿入しな い状態の測定値で、M/z=18およびM/z=28の値は変化しない。これは試料 以外からの放出ガスによる背景ノイズがないことを示している。
【0063】 比較例として、1990年4月に開催されたアメリカの電気電子技術協会(IEE E)の会議に報告された最近の最良といわれる分析測定例を図7(c) に示す。本 図では縦軸はイオン電流の絶対値となるように整理されているが、例えばM/z =18のカーブではピーク値の高温側の平坦部は低温側の平坦部より破線で示すよ うに傾斜している。これは、背景ノイズによる影響であると考えられる。
【0064】 図8は、本考案の他の実施例の系統図である。これは図2に示す前例とほとん ど同様であるので詳しい説明を省く。詳しくは配管系や弁などが少し異なるのみ である。
【0065】 以上説明したように、本考案によるマニュピレータは、その作用端をX軸方向 に最大100mm 程度、Z軸方向に最大3mm程度移動でき、しかも10-10 torr程度の 高真空領域内の作用を大気圧雰囲気に配置される操作端により行うことができる 。したがって脱離ガス分析装置以外でも、高真空領域内の比較的小型の物品の移 動手段を必要とする装置、例えば半導体製造に用いられる装置などに適用できる 。
【0066】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、高真空状態に維持される真空チャンバ 内の半導体チップなどの小型の物品の移動を形状および機構がきわめて単純化し て実現できる。またこれを脱離ガス分析装置に実施することにより、発生する背 景ノイズをきめわて小さくできるので、半導体工程の評価を端的かつ精度よく行 うことができる効果がある。
【提出日】平成4年12月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 図1は、本考案の一実施例を脱離ガス分析装置に応用した場合の全体配置図で あり、図はその系統図である。図(a)は本実施例の平面図であり、図( b)はその縦断面図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 図1ないし図3で、脱離ガス分析装置は、真空チャンバ1と、この真空チャン バ1の内部を高真空状態に維持する真空ポンプ2A、3Aと、真空チャンバ1内 のガラス棒4に被せられ試料6を載置する試料ステージ5と、このガラス棒4を 介して試料6を加熱する赤外線発生装置7と、この加熱により試料6から脱離す るガスを接続管8を介して分析する質量分析計9、10および11とを備える。 真空チャンバ1には開閉弁13を介してロードロック機構が収容されたロードロ ックチャンバ12が取付けられており、このロードロック機構と開閉弁13とに より、真空チャンバ1内の真空状態を破壊することなく試料挿入口14から試料 6を出し入れできるものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 このロードロック機構は、図(b)に示すように出し入れする試料を搬送す る搬送台15がラック部16により、高真空状態の真空チャンバ1内に設けられ た試料ステージ5に横づけされる構造となっている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 本考案の高真空チャンバ用マニュピレータは、図(b)に示すように、試料 6を搬送台15と試料ステージ5との間に移し替えるものであり、真空チャンバ 1の殻である金属筒1Cの外部の大気圧雰囲気に分析者が手動で操作する操作端 18C、18Dが配置され、真空チャンバ1内に試料6の移し替えを行う作用端 27E、27Gが配置され、この操作端18C、18Dと作用端27E、27G との間に操作端18C、18Dの操作により真空チャンバ1のほぼ中心からほぼ 放射方向にかつほぼ水平方向に移動する軸手段27C、27Fがそれぞれ連結さ れている。本実施例では、操作端はそれぞれ回動可能なつまみ18Cおよび18 Dである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 本実施例では、図(b)に示すように、つまみ28Cを回動することにより 、外軸27Cと内輔27Fとが同時に前述のようにほぼ水平方向に移動する。こ のとき外軸27Cと内軸27Fとの相対的な変位は生じない。したがってこのと きは第一ベローズ28Aのみが伸縮する。つまみ18Cの回動をとめておき、つ まみ18Dを回動すると、内軸27Fのみが水平方向に移動し、この二軸の間に 相対的な変位が生じ、第二ベローズ28Bが伸縮する。このつまみ18Dをねじ をゆるめる方向に回転すれば、内軸27Fは図の左方に移動し、この状態で静止 している第一作用端27Eに対して第二作用端27Gを左方に移動する。したが って板ばね27Jは圧縮され、爪27Kは下方に引き下げられる。つまみ18D をねじを締付ける方向に回動すれば前述と逆の方向に各部が作動し、爪27Kは 上方に引き上げられる。すなわち本マニュピレータは、つまみ18CによりX軸 (水平)方向に移動し、つまみ18DによりZ軸(上下)方向に移動する二次元 動作を行う。外軸27Cにはキイ27Mが設けられているので、つまみ18Cの 回動操作によって外軸27Cが回転することはない。内軸27Fも、第二ベロー ズ28Bが持つ回転に対する剛性のために、つまみ18Dの回転操作によって回 転することはない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】 このマニュピレータの操作は図(b)に破線で示す覗き窓1Eを介して目視 で行う。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 次に図1ないし図3を用いて、本実施例の配置について説明する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】 本実施例では、真空チャンバ1と、この真空チャンバ1を真空に維持する真空 ポンプ2A、3Aと、真空チャンバ1内に配置された試料ステージ5(図参照 )と、この試料ステージ5に載置された試料6を加熱する赤外線発生ランプ21 を内包する加熱器7と、真空チャンバ1内に連接する質量分析計9、10および 11とを含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 ロードロック機構は、図および図に示すように、それを囲むロードロック チャンバ12の内部に設けられる(図(b)参照)。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 ロードロック機構は、試料を搬送する搬送台15と、この搬送台15を搬送す るラック部16と、このラック部16を駆動するピニオン17を回転するピニオ ン回転軸17Aとを含む。このピニオン回転軸のシール構造は、図(c)に示 すように、二つのOリング19A、19Bとの間はスペーサ19Cによりほぼ一 定の空間である中間排気室20Aが確保されるもので、この中間排気室20Aは 図に示すように前記真空ポンプ2Aおよび2Bとは別系のロータリイ型の真空 ポンプ3Cにより真空に維持される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】 図において、ロードロック機構では、通常搬送台15とラック部16とは、 ロードロックチャンバ12の端部12A側に寄せられており、搬送台15は試料 挿入口14のほぼ下方に位置する。このとき開閉弁13はスライド弁13Aによ り閉塞されている。試料挿入口14を開放するときは、あらかじめコック22A を開放して、ロードロックチャンバ12の内部に乾燥窒素Nを充填しておき、 試料挿入口14を開き試料を搬送台15に載置する。つぎにコック22Aを閉じ 、コック22Dを開いて予備排気を行い、次いでコック22Cを開きロードロッ クチャンバ12内が高真空となるよう排気を行う。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】 マニュピレータ27の縦断面図を示す図(b)において、真空チャンバの殻 である金属筒1Cには強固な構造の鞘体27Aにフランジ27Bが設けられてい る。このフランジ27Bの外方の大気圧零囲気に第一および第二操作端であるつ まみ18Cと18Dとが設けられる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】 この操作は、真空チャンバの金属筒1Cに設けられた覗き窓1E(図(b) で破線で示すもの)から観察しながら行われる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】 図は、試料ステージの図である。ガラス棒4は透明石英ガラスであり、ステ ージ5は半透明石英ガラスである。図(b)に示すように試料ステージ5には ガラス棒4の端面4Bに緩く嵌合する嵌合部5Aが形成され、しかも端面4Bと 嵌合部5Aとのすき間5Dには、孔5Bが設けられ真空チャンバ内の雰囲気と連 通する。緩く嵌合され、すき間5Dが設けられているので、試料ステージ5が高 温になってもそれからの伝達熱によりガラス棒4の温度が上昇することがない。 試料ステージ5の上部に設けられた孔5Cは熱電対21Aを挿通するものである 。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】 図は、質量分析計の構造を示す図である。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】 次に図を参照して、本実施例の動作手順を説明する。 ・開閉弁13を閉塞し、コック22Aを開きロードロックチャンバ12内に乾燥 窒素Nを充填する。 ・試料挿入口14を開き搬送台15に試料を挿入する。 ・コック22Aを閉じ、試料挿入口14を閉じる。 ・コック22Dを開き、ロータリイ型の真空ポンプ3Cで予備排気する。 ・コック22Dを閉じ、コック22Cを開きロードロックチャンバ12内をター ボ分子ポンプ2Bで排気する。 ・真空計32Aによりロードロックチャンバ12内の到達圧力を確認して、開閉 弁13を開く。 ・つまみ18Aによりピニオン17を回転し、ラック部16により搬送台15を 真空チャンバ1内にストッパ16Aに触れるまで移送し、搬送台15を試料ステ ージ5に横づけする。 ・マニュピレータ27により、搬送台15の試料6を試料ステージ5上に移載す る。 ・マニュピレータ27を試料ステージ5より引き離す。 ・搬送台15などをロードロックチャンバ12内に引きもどす。 ・開閉弁13を閉塞する。 ・真空計32Bにより真空チャンバ1の到達真空度を確認する。 ・コンピュータユニット25で温度制御部29を制御する昇温プログラムをロー ドする。 ・コンピュータユニット25で質量分析計で測定しようとする脱離ガスの質量数 を設定する。 ・分析開始(昇温し、その湿度信号をコンピュータユニットに取込むと同時に設 定した質量数のイオン電流信号を取込む)。 ・分析測定終了。 ・開閉弁13を開き、搬送台15をステージ5に横づけし、マニュピレータ27 を用いて試料を搬送台15に移載する。 ・搬送台15などをロードロックチャンバ12内に引き上げ、開閉弁13を閉塞 する。 ・コック22Aを開き、乾燥窒素Nをロードロックチャンバ12内に充填させ る。 ・試料挿入口14を開き試料を交換する。 ・一方、コンピュータユニット25は分析データを処理し、イオン電流と温度と の関係図(パイログラム)を印字出力する。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】 以上の動作手順により、本実施例により分析を行ったパイログラムの実績を図 8の(a)および(b)に示す。本図では縦軸はイオン電流の相対値である。図 (a)に示すように、質量数M/z=18(HBO)と質量なM/z=28( C)のそれぞれのピーク値の前後の平坦な部分でも、イオン電流値はほぼ 一定している。これはノイズの混入が極めて小さいことを意味する。図(b) は試料を挿入しない状態の測定値で、M/z=18およびM/z=28の値は変 化しない。これは試料以外からの放出ガスによる背景ノイズがないことを示して いる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】 比較例として、1990年4月に開催されたアメリカの電気電子技術協会(I EEE)の会議に報告された最近の最良といわれる分析測定例を図(c)に示 す。本図では縦軸はイオン電流の絶対値となるように整理されているが、例えば M/z=18のカーブではピーク値の高温側の平坦部は低温側の平坦部より破線 で示すように傾斜している。これは、背景ノイズによる影響であると考えられる 。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】 図は、本考案の他の実施例の系統図である。これは図に示す前例とほとん ど同様であるので詳しい説明を省く。詳しくは配管系や弁などが少し異なるのみ である。 以上説明したように、本考案によるマニュピレータは、その作用端をX軸方向 に最大100mm程度、Z軸方向に最大3mm程度移動でき、しかも10−10 torr程度の高真空領域内の作用を大気圧雰囲気に配置される操作端により行 うことができる。したがって脱離ガス分析装置以外でも、高真空領域内の比較的 小型の物品の移動手段を必要とする装置、例えば半導体製造に用いられる装置な どに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案一実施例の全体配置図、(a) は正面図、
(b) は平面図。
【図2】同実施例の系統図。
【図3】同実施例のロードロック機構の説明図、(a) は
外観斜視図、(b) は内部構成図、(c) はシール構造図。
【図4】試料ステージ図、(a) は全体図、(b) は試料ス
テージ詳細図。
【図5】質量分析計構造図。
【図6】マニュピレータ図で、(a) は平面図、(b) は縦
断面図。
【図7】分析結果の一例を示す図(パイログラム)。
【図8】本考案他の実施例による系統図。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 1A、1B その金属端板 1C 金属筒 1D、1E 覗き窓 2A 磁気浮上型ターボ分子ポンプ 2B ターボ分子ポンプ 3A、3B、3C ロータリイ型の真空ポンプ 4 透明石英ガラスであるガラス棒 4A 受光面 4B 他の端面 5 試料ステージ 5A 嵌合部 5B、5C 孔 5D すき間 6 試料 7 加熱器である赤外線発生装置 7A 反射面 8 接続管 8A 主排気管 9、10、11 質量分析計のそれぞれイオン化部、励磁
部、コレクタ部 9A イオン化室 9B 開口 9C 引出し電極 10A 磁極 12 ロードロックチャンバ 12A その端部 13 開閉弁 13A スライド弁 14 試料挿入口 15 搬送台 16 ラック部 16A ストッパ 17 ピニオン 17A ピニオン回転軸 18A、18B つまみ 18C、18D マニュピレータのそれぞれ第一および第二
操作端であるつまみ 19A、19B、19D、19E Oリング 19C、19F スペーサ 19G 筒体 20A、20B 中間排気室 21 赤外線発生ランプ 21A 熱電対 22A、22B、22C、22D コック 23 デスク 24 冷却水タンク 25 コンピュータユニット 26A 軸 27 マニュピレータ 27A 鞘体 27B フランジ 27C 外軸 27F 内軸 27D 軸受 27E、27G 第一および第二作用端 27H 座 27J 板ばね 27K 爪 27L ばね 27M キー 27N スプリング押えねじ 28A、28B 第一および第二ベローズ 30A、30B、30C パイプ 31 冷却水通路 32A、32B 真空計 33G 脱離ガス 33E イオンビーム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月29日
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案一実施例の全体配置図の正面図。
【図2】本考案一実施例の全体配置図の平面図。
【図3】同実施例の系統図。
【図4】同実施例のロードロック機構の説明図、(a) は
外観斜視図、(b) は内部構成図、(c) はシール構造図。
【図5】試料ステージ図、(a) は全体図、(b) は試料ス
テージ詳細図。
【図6】質量分析計構造図。
【図7】マニュピレータの平面および縦断面を示す図。
【図8】分析結果の一例を示す図(パイログラム)。
【図9】本考案他の実施例による系統図。
【符号の説明】 1 真空チャンバ 1A、1B その金属端板 1C 金属筒 1D、1E 覗き窓 2A 磁気浮上型ターボ分子ポンプ 2B ターボ分子ポンプ 3A、3B、3C ロータリイ型の真空ポンプ 4 透明石英ガラスであるガラス棒 4A 受光面 4B 他の端面 5 試料ステージ 5A 嵌合部 5B、5C 孔 5D すき間 6 試料 7 加熱器である赤外線発生装置 7A 反射面 8 接続管 8A 主排気管 9、10、11 質量分析計のそれぞれイオン化部、励磁
部、コレクタ部 9A イオン化室 9B 開口 9C 引出し電極 10A 磁極 12 ロードロックチャンバ 12A その端部 13 開閉弁 13A スライド弁 14 試料挿入口 15 搬送台 16 ラック部 16A ストッパ 17 ピニオン 17A ピニオン回転軸 18A、18B つまみ 18C、18D マニュピレータのそれぞれ第一および第二
操作端であるつまみ 19A、19B、19D、19E Oリング 19C、19F スペーサ 19G 筒体 20A、20B 中間排気室 21 赤外線発生ランプ 21A 熱電対 22A、22B、22C、22D コック 23 デスク 24 冷却水タンク 25 コンピュータユニット 26A 軸 27 マニュピレータ 27A 鞘体 27B フランジ 27C 外軸 27F 内軸 27D 軸受 27E、27G 第一および第二作用端 27H 座 27J 板ばね 27K 爪 27L ばね 27M キー 27N スプリング押えねじ 28A、28B 第一および第二ベローズ 30A、30B、30C パイプ 31 冷却水通路 32A、32B 真空計 33G 脱離ガス 33E イオンビーム
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 49/04

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧雰囲気に操作端が配置され、真空
    チャンバ内に作用端が配置され、この操作端とこの作用
    端との間にこの操作端の操作により前記真空チャンバの
    ほぼ中心からほぼ放射方向にかつほぼ水平方向に移動す
    る軸手段が連結された高真空チャンバ用マニュピレータ
    において、 前記軸手段は管状の外軸とこの外軸の内部に同軸構造に
    挿通された内軸との二重構造であり、 この外軸および内軸のそれぞれに第一操作端と第一作用
    端および第二操作端と第二作用端が設けられ、 前記第一操作端は前記外軸を前記真空チャンバに対する
    固定端に対して移動させる構造であり、前記第二操作端
    は前記内軸を前記外軸に対して移動させる構造であり、 前記管状の外軸と前記固定端との間にはこの外軸の変位
    にしたがって伸縮する第一ベローズが被せられ、 前記内軸と前記外軸との間にはこの外軸と内軸との相対
    変位にしたがって伸縮する第二ベローズが被せられ、 前記第一作用端と前記第二作用端との間に板ばねにより
    吊り下げられたコ字状の爪が取付けられたことを特徴と
    する高真空チャンバ用マニュピレータ。
  2. 【請求項2】 前記外軸および第一ベローズは、前記二
    つの作用端を前記真空チャンバの中心近傍からその真空
    チャンバの殻の近傍まで移動できる十分な大きさである
    請求項1記載の高真空チャンバ用マニュピレータ。
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