JPH0745033B2 - 水処理分野における流水からニトレートを除去するための方法及び装置 - Google Patents

水処理分野における流水からニトレートを除去するための方法及び装置

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JPH0745033B2
JPH0745033B2 JP2110734A JP11073490A JPH0745033B2 JP H0745033 B2 JPH0745033 B2 JP H0745033B2 JP 2110734 A JP2110734 A JP 2110734A JP 11073490 A JP11073490 A JP 11073490A JP H0745033 B2 JPH0745033 B2 JP H0745033B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 水処理分野において水流からニトレートを除去するため
の方法及び装置に関する。
本発明は請求項1及び6の上位概念による水流からニト
レートを除去するための方法及び装置から出発する。
従来の技術 本発明はドイツ定期刊行物:Chemie Ingenieur Techni
k、第58巻、1986年、No.12、第938〜945頁に記載された
公知技術から出発するものである。そこには逆浸透及び
電気泳動の利点及び欠点が挙げられている。電気泳動に
おいては白金メツキスチールからなるアノードとV2A−
スチールからなるソードとの間に多くのイオン選択性ア
ニオン交換膜及び非選択性カチオン交換膜が一列に(モ
ジユール配列で)設けられている。これにより、理論的
には選択的に、しかし多くの場合には実質的に不十分な
ニトレート/クロリド−除去が可能であり、一方フルフ
エートイオンは希釈水中に多量に残る。実地には、この
装置はpH値の鋭い低下により判明可能な限界電流密度の
約80%で作業する。約4時間の間隔での週期的な電極反
転及び同時に行なう希釈釜及び滞留釜の切り換えにより
膜上への万一の堆積を解消することができる。スルフエ
ートに比べてニトレートに関する選択性を有する膜が特
に好適であること、及び電流密度が低下する程選択性が
上昇するということは記載されていなかつた。
飲料水供給のための水処理においては、有害塩の含量を
その残りの含量が当局の要求する最大値を越えないよう
に下げなければならない。最近、用水供給及び飲料水供
給のために使用すべき水(地下水、源水、河水等)の上
昇するニトレート含量が問題となつている。
発明が解決しようとする課題 本発明は水中の有害塩を除去するために電気泳動法を発
展させ、かつ改良することに関する。この際、できるだ
け多量の水収量においてニトレートの除去が有利であ
る。
より狭い意味において、本発明は電気泳動法を基礎とし
た水処理の分野において水流からニトレートを除去する
ための方法及び装置に関し、この際一方では水流から分
岐する、ニトレートイオン富化濃縮液が、他方では残留
する、ニトレートイオンの低下した、用水として使用す
べき希釈水が生じる。
地下水及び飲料水のニトレート含量の低下の意義は健康
及び環境問題の範囲において常に上昇する。従来、この
観点に立つた水処理のために次の方法が挙げられてい
る: −生物学的方法、 −イオン交換体法、 −膜法。
この膜法は更に分割することができる: −逆浸透法及び −電気泳動法。
これらの公知イトレート含量の低下法は、いずれも明ら
かに優れた利点を示さない。これらは技術的及び経済的
観点において、なお十分でない。生物学的法及びイオン
交換体法並びに逆浸透法は化学物質の添加を必要とし、
このことは煩雑で、環境汚染につながり、かつ費用がか
かる。更に、生物学的方法は持ち時間が長く、かつ制御
を必要とする。他の方法においてはニトレート分離が十
分に特異的ではない。
電気泳動法を実施するための、特にニトレートを溶液か
ら分離するための方法及び装置は公知である。更に、逆
浸透及び電気泳動を用いるニトレート含有水の処理。イ
オンがより小さい電荷で有利に運搬される、選択的膜を
用いる水溶液の電気泳動法も同様に公知である。それに
もかかわらず、使用した膜、電流密度等に関する記載は
しばしば欠けている。
一定の均質で薄い、非対称又は複合の膜は、濃縮液室中
の被覆していない側に極転換によつても妨ぐことのでき
ない難溶性塩でのブロツク形成が非常に容易に生じる
か、又は均質で薄い膜においては電気抵抗が高すぎると
いう特性を有している。
従来技術としては次の刊行物を挙げる: −H.Sontheimer及びU.Rohmann著,“Grundwasserbelast
ung mit Nitrat−Ursachen,Bedeutung,Lsungswege",g
wf−wasser/abwasser,第125巻(1984)第599〜608頁, −R.Rautenbach,W.Kopp,G.van Opbergen,Th.Peters及び
R.Hellekes著,“Elektrodialyse zur Nitratentfernun
g aus Grundwssern",gwf−wasser/abwasser,第126巻
(1985)第349〜355頁, −R.Rautenbach,W.Kopp,R.Hellekes,R.Peters及びG.van
Opbergen著,“Separation of Nitrate from Well Wat
er by Membrane Processes(Reverse Osmosis/Electrod
ialysis Reversal)",Aqua,第5巻(1986)第279〜282
頁, −M.Perry及びO.Kedem著,“La purification de l′ea
u par electrodialyse du nitrate",Eau Ind.,第55巻
(1981)第47〜52頁, −A.Eyal及びO.Kedem著,“Nitrate−selective Anion
−Exchange Membranes",J.Membrane Sci.,第38巻(198
8)第101〜111頁, −D.A.Cowan及びJ.H.Brown著,“Effect of Turbulence
on Limiting Current in Electrodialysis Cells",In
d.Eng.Chem.第51巻(1959)第1445〜1448頁, −西独特許公開第3041209号公報 −西独特許公開第2855775号公報 −米国特許第3510417号公報 −米国特許第3510418号公報 米国特許第3510417号及び同第3510418号公報中には本発
明により使用可能な選択性アニオン−及びカチオン交換
膜が記載されている。
水処理のための公知法にはなお欠点があるので、更なる
発展及び改良が大きな要求となつている。
請求項1及び6に定義した発明は化学物質の添加なし
に、かつ長時間の持ち時間を必要とせずに、かつできる
だけ特異的で選択的なニトレート分離を全く付加的な費
用のかかる装置を必要としない1つの型内で実施するこ
とのできる、水処理の分野における水流からニトレート
を除去するための方法及び装置を提供するという課題を
解決する。この方法は特別に特異的な適合なしに多くの
種類及び構造に関して使用可能であるべきである。
この実験は、使用電流が限界電流の50%より小さい時、
スルフエート運搬に対するクロリド運搬に関する選択性
α>1を有する膜はビカーボネート運搬に対するニトレ
ート運搬に関して選択性α>2であることを示した。こ
の際選択性αは次のように定義される。: ここで、dN/dtは速度を表し、一定のイオンは所定の一
定電流密度の際にこの速度で水溶液から離れ、かつNは
このイオンの水溶液中での濃度である。一方の膜面に関
して、限界流の12%に相応する電流密度1.1mA/cm2にお
いて、種々のアニオン交換膜の選択性を次の第1表に示
した。
膜1及び2は製造業者アサヒガラスからのものであり、
膜3及び4はアサヒ・ケミカル・インダストリー(Asah
i Chemical Industrie)からのものであり、膜5はIONA
C及び膜7〜9はトクヤマ・ソーダからのものである。
これら両方の選択性の間に関係があるということは全く
知られていなかつたので、この効果は著しく意外なこと
であり、特にニトレート−ビカーボネート選択性におい
ては1価の2つのイオン間での選択性に関するものであ
るので意外であつた。
片側の膜面に関して、限界電流の15%に相応する電流密
度1.6mA/cm2における種々のカチオン交換膜の選択性を
次の第2表に示す。
膜1は製造者アサヒガラスからのものであり、膜2及び
6は製造者アサヒ・ケミカル・インダストリーズからの
ものであり、膜3〜5はトクヤマ・ソーダからのもので
ある。
この種の膜選択、電流選択及び装置において、ニトレー
トイオンNO3 -が濃縮液の方向に優先的に移動させられる
ということ、非常に高い水収量が達せられるというこ
と、及び上昇するNO3 -濃度を有する室中及び濃縮液通過
により洗われる構造部分中でのスケール形成傾向の減少
が達せられる。
基本的考えは、好適な実施法及び部材、特に膜に関して
使用すべき材料の選択により、原則的にニトレートイオ
ンNO3 -の選択的分離を行なうことにある。
次に実施例につき本発明を詳細に説明する。
第1図中には電気泳動法を用いる分離装置の概略的構造
を原則的に経過する方法で示す。1は図示していない容
器中のアノード、2はカソードである。3はニトレート
イオンNO3 -の高い透過性(移動速度)を有するアニオン
交換膜であり、このことはアノード方向にのはした矢印
により示した。これに対して、他のアニオン(HCO3 -;Cl
-;SO4 2-)に関する比透過性は小さく、このことは点線
の矢印により示した。4はアニオン交換膜の間に設けら
れたカチオン交換膜であり、同様にナトリウムイオンNa
+及びカリウムイオンK+に比較的透過性を有し、この透
過性は他のカチオン(Ca2+;Mg2+)に関してより高く、
このことはカソードの方向にひかれた矢印により示され
ている。5は原料水供給管であり、6は希釈液流出管
(用水)であり、7は濃縮液流出管(水の除去すべき部
分)である。8は部分濃縮液還流管を示す:収量を上昇
させるために濃縮液の1部を再び電気泳動装置の入口に
もどす。この容器はイオン交換膜3及び4により仕切ら
れた多くの室を有している。9は上昇するNO3 -濃度の室
であり、10は低下するNO3 -濃度の室である。11はアニオ
ン交換膜3を通つて出てきたアニオン(HCO3 -;Cl-;N
O3 -;SO4 2-)に関し、12はカチオン交換膜4を通つて出
てきたカチオン(Ca2+;Mg2+;Na+;K+)である。
第2図は電気泳動装置の縦断面を示す概略図である、容
器中には電極と膜がある。1〜4は第1図の1〜4と同
じものを表わす。5は室10への原料水供給管であり、6
は室10からの希釈液流出管(低下したNO3 -−含量)であ
り、7は室9からの濃縮液流出管(上昇したNO3 -−含
量)である。8は部分濃縮還流管である。11はアニオン
(記号−)、12はカチオン(記号+)である。電極が存
在する室(カソード室19;アノード室20)は分離した水
流を示す。13は電極洗浄液供給管であり、14は電極洗浄
液流出管である。
第3図中には原則的な電気泳動のフローダイヤグラム図
を示す。原料水供給管5は水を室10に送る原料水供給ポ
ンプ17を備える。ここから水は用水として希釈液流出管
6に達する。濃縮液は室9から取り出され(濃縮液流出
管7)、これは部分濃縮液還流管8を介して、還流濃縮
液を希釈するための原料水分岐管15の原料水と共に濃縮
液−循環ポンプ28に送られる。この水は還流管からの希
釈濃縮液の導入管16から室9に導入される。濃縮液流か
らは排水流出管21が最終的に分岐している。電極室19及
び20は軟水化装置22を介して分離された水が供給される
(電極洗浄液供給管13及び流出管14)。電極洗浄液流出
管14からの水は原料水供給管5、部分濃縮液還流管8又
は希釈水流出管6に導びかれる(図示せず)。
比較例A: 本発明による新規方法の効果をより明確に示すために、
まず公知技術水準による実験を行なつた。装置は原則的
に第2図による構造を有した。この場合、型P50(Typ.p
50;Firma Socit de Recherche Technique et Indu
stielle(SRTI)、フランス)の装置であつた。
電気泳動を実施する装置はフイルタープレスの原理によ
り構成されたブロツクからなり、このブロツクは2枚の
鉛直の、4つのボルトで結合した、厚さ20mm及び幅300m
mのスチーからなるエンドプレートにより高さ480mmで仕
切られていた。このブロツクは平面図において長さ170m
m及び幅300mmを有し、かつ流動方向(縦断面図)におい
て480mmの高さを有した。エンドプレートの内側垂直面
のすぐ近くにはRuO2とIrO2の混合物で被覆されたチタン
プレートからなる幅60mm及び高さ380mmのアノード1及
びカソード2がそれぞれもうけられた。この容器中には
それぞれ幅100mm、高さ480mm及び厚さ0.3mmの本発明に
よらないアニオン交換膜3 75及び本発明によらないカ
チオン交換膜4 75からなる積層体が装入された。各隣
接する2つの膜は厚さ0.4mmの合成ゴムからなるスペー
サーにより分離されており、こうして内径0.4mm、幅60m
m及び流れ方向への高さ380mmの多数の室9及び10が形成
された。原料水供給管5、希釈液流出管6、濃縮液流出
管7、電極洗浄液供給管13及び電極洗浄液流出管14に関
する導管はポリビニルクロリドからなつた。
アニオン交換膜3としてはトクヤマ・ソーダ社(東京、
日本)の市販名:ネオセプタ(Neosepta)AM−1を有す
る膜を使用した。カチオン交換膜4としては同様にトク
ヤマ・ソーダ社の市販名:ネオセプタCM−1を有するス
チロール・ジビニル・ベンゾールを基礎とする膜を使用
する。このアニオン交換膜及びカチオン交換膜は米国特
許第3510417号又は同第3510418号明細書による膜と類似
であり、この際選択性表面被覆が欠けている。液体流の
搬送のためにポンプ(第3図中17と類似)を備けた。
この装置を原料水量(供給水量)920/h(255cm3/秒)
及び温度10℃で作動させた。この場合、希釈液及び濃縮
液は装置を1回のみ通過する。脱窒素用水(希釈液)の
収量は電気泳動装置に導入した原料水量920/h(供給
水)の50%であつた。電気泳動室の入口の圧力は約2バ
ールであり、出口は約0.5バールである。電極1及び2
には電位差52Vをかけた。20分毎に電極を転極した:1を
カソードに、2をアノードにした。これにより室9及び
10の機能も交換した:9が減少するNO3 -−濃度の室となつ
た。同じことは流出管6及び7に関してもいえる。限界
電流密度は8mA/cm2であつた。この際、有効な保持電流
密度は1.8mA/cm2、すなわち限界電流の22.5%であつ
た。カソード室19及びアノード室20をそれぞれ供給水15
0/hで洗浄した。
原料水(供給水)及び希釈液(用水)のイオン濃度は次
の通りであつた(mg/): スルフエート運搬に対するクロリド運搬の選択性はこれ
によれば0.53であり、ビカーボネイト運搬に対するニト
レート運搬の選択性は1.48であつた。
希釈液と原料水の比較は、ニトレートイオンNO3 -の含量
が45mg/から41mg/に下がつたに過ぎず、このことは
実施での使用に全く不十分であることを示した。
実施例1:第2図参照 次の実施例においては例Aにおけると同じ装置を使用し
た。
アニオン交換膜3としてはトクヤマ・ソーダ社(東京、
日本)の市販名:ネオセプタACSを有する表面処理合成
樹脂のシートを、これらが米国特許第3510427号及び同
第3510418号明細書から公知であるように使用した。カ
チオン交換膜4は例Aにおけると同じものであつた。
この装置を原料水量(供給水)920/h(255cm3/秒)及
び10℃の温度で作動させた。電気泳動室の入口の圧力は
約2バールで、出口圧力は約0.5バールであつた。電極
1及び2には電位差52Vをかけ、こうして室9及び10中
の平均電界強さは0.49V/cmであつた。この際、膜3及び
4の片側表面に関して有効な保持電流密度は1.8mA/cm2
であつた(限界電流密度8mA/cm2の22.5%)。
カソード室19及びアノード室20をそれぞれ供給水150/
hで洗浄した。
原料水(供給水)及び希釈液(用水)のイオン濃度は次
のとうりであつた(mg/): スルフエート運搬に対するクロリド運搬の選択性はこれ
によれば13.4であり、ビカーボネート運搬に対すニトレ
ータ運搬の選択性は5.42であつた。カリウム運搬に対す
るナトリム運搬の選択性は0.5であつた。
希釈液と原料水との比較は、ニトレートイオンNO3 -含量
を膜の選択性によりほぼ半分に低下させることができた
ことを示す。
前記の場合には希釈液及び濃縮液は装置は1回だけ通過
した。こうして、この電気泳動装置に導入した原料水量
920/h(供給水)に関して脱窒素用水(希釈液)の収
量は50%であつた。
実施例2:第1図及び第3図参照 電気泳動法を実施するための装置は例1の装置に相応し
た。しかしながら、作業法は異なつた。水収率(供給し
た原料水に対する希釈液として生じた用水の比)を高め
るために、濃縮液の1部を供給位に還流する(部分濃縮
液還流管8)。前記の場合、原料水搬送ポンプ17によつ
て吸い込まれる原料水供給量は1020/h(285cm3/秒)
であり、このうちの100/hを還流濃縮液の希釈のため
に原料水分岐管15に加えた。濃縮液還流管8の液体量は
820/hであつた。濃縮液流出管7の100/hを廃水流出
管21から廃棄した。こうして、室9及び10中で液体流は
同じ大きさであり、それぞれ920/h(255cm3/秒)であ
つた。こうして収率は であつた。
希釈液流出管6(用水)の温度は11.5℃であり、濃縮液
流出管7の温度は12℃であつた。常用の作業パラメータ
ー、例えば電位差、平均電界及び電流密度並びに膜型は
例1のものに相応した。
種々の液体流中のイオン濃度は次のとおりであつた(mg
/): スルフエート運搬に対するクロリド運搬に関する選択性
はこれによれば11.3であり、一方ビカーボネート運搬に
対するニトレート運搬に関する選択性は5.78であつた。
カルシウム運搬に対するナトリウム運搬に関する選択性
は0.4であつた。
それぞれ20分後に、電極を転極した:1をカソードに、2
をアノードにした。これにより、室9及び10の機能も交
換した:9は減少するNO3 -濃度を有する室に、10は上昇す
るNO3 -濃度を有する室になつた。同じことは流出管6及
び7の機能に関してもいえた。
実施例3 電気泳動法の実施用装置は例1と同じであつた。しかし
ながら、実施法は異なつた。供給源料水中のNO3 -濃度が
高いことにより必然的に、電極1及び2に58Vというよ
り高い電位差をかけた。相応する有効調節電流密度は限
界電流の22%に相応する2.2mA/cm2であり、平均電界は
0.55V/cmであつた。限界密度は10mA/cm2に決められた。
種々の液体流中のイオン濃度は次の通りであつた(mg/
): スルフエート運搬に対するクロリド運搬に関する選択性
はこれによれば3.85であり、一方ビカーボネート運搬に
対するニトレート運搬は5.19であつた。カルシウム運搬
に対するナトリウム運搬に関する選択性は0.41であつ
た。
実施例4 電気泳動法の実施のための装置は例1のものに相応し
た。原料水流が1価のカチオンに関して高まつた濃度を
有しているので、カチオン交換膜4としてトクヤマ・ソ
ーダ社(東京、日本)の市販名:ネオセプタCMSを有す
るスチロール・ジビニル・ベンゾールをベースにした表
面処理合成樹脂シートを使用した。この膜は米国特許第
3510417号又は同第3510418号明細書により製造されたも
のである。濃縮液還流の考慮下に、これにより脱窒素用
水(希釈液)の収率は電気泳動装置に供給した原料水量
に対して95%に達した。電流密度は限界密度の20%であ
つた。
種々の液体流中のイオン濃度は次の通りであつた(mg/
): スルフエート運搬に対するクロリド運搬に関する選択性
はこれによれは11.3であり、ビカーボネート運搬に対す
るニトレート運搬に関する選択性は5.86であつた。カル
シウム運搬に対するナトリウム運搬選択性は27.1であつ
た。
実施例5 電気泳動法の実施のための装置として例1のものを使用
したが、次の点で異なる。電極洗浄液供給管13に、水中
に存在するCa−及びMg−イオンをNa−イオンに交換する
軟水化装置22を接続した。作業法は例1と同様であつ
た。電極洗浄(供給管13)に軟水を導入したことによ
り、1ケ月の実験期間の間室19及び20中で、及び相応す
る導管中で全くスケール形成が生じなかつた。
本発明は実施例に限定されることはない。
同様の結果がスルフエートイオンに対するクロリドイオ
ンの運搬に関する選択性αが>1である、第1表による
アニオン交換膜No.2、3及び6を用いても達せられた
し、カルシウムイオンに対するナトリウムイオンの運搬
に関する選択性αが>1である、第2表によるカチオ交
換膜No.6を用いても達せられた。
1方では水流から分岐されるニトレートイオンの富化し
た濃縮液7が、かつ他方では用水として使用される残留
希釈液6が生じる、電気泳動法を基礎とする水処理分野
で水流からニトレートを除去するための方法において、
供給水5中に存在するニトレートイオンNO3 -を濃縮液7
の方向に優先的に移動させる。この際、イオン交換体の
片側の膜面に関連させた電流密度に関して、限界電流密
度の50%を越えない。
座標の縦座標に電気泳動装置の抵抗率を、座標の横座標
にイオン流の逆値をとると、電流強度の低下と抵抗率の
経過が示され、場合により先行する第1の最少及び引き
続く第1の最大の後、第1の最少より低い第2の最少に
続いてほぼ直線状の上昇が続く。ほぼ直線の上昇線をよ
り大きい電流値の方向に外挿し、抵抗率の固有線の先行
する低下をより小さい電流値の方向に外挿すると、これ
らの外挿線の交差位置としていわゆる限界電流値が得ら
れる。この限界電流値を膜の活性片側面(電流方向に垂
直)により割ると、これから限界電流密度が得られる。
これに関しては導入部で挙げたD.A.Cowan及びJ.H.Brown
の文書を示す。限界電流密度は電解質の流動速度と共に
上昇する;これは通常の飲料水に関して70A/m2〜90A/m2
である。
ニトレートイオンNO3 -の優先的な移動は、温度0〜60℃
で、かつpH4〜9の希水溶液との平衡において主にプラ
スに帯電した形で存在する、クラウンエーテル及び/又
はグアニジニウム−及び/又は四級アンモニウム−及び
/又は四級ホスホニウム−及び/又は三級スルホニウム
−及び/又は四級オキソニウム基からなる置換分を共有
結合して有する脂肪族、芳香族又は混合脂肪族−芳香族
有機ポリマーの、均質及び/又は不均質フイルム又はシ
ートの形の、アニオン交換膜3を用いて達せられる。膜
3はそれぞれ縮合ポリマー又は付加ポリマー又はコポリ
マー又はターポリマー又はインターポリマーから、又は
グラフトコポリマー又はグラフトターポリマーから、又
はそのようなポリマー、コポリマー又はターポリマーの
混合物又は溶液からなる。これらの膜3は主に塩含有水
溶液中に不溶性である。希水溶液中で、これらの膜はス
ルフエートイオンSO4 2-の運搬に対するクロリドイオン
の運搬に関して選択性α>1を示し、この際選択性αは
次のように定義される: 〔N=水溶液中でのそれぞれのイオン種類の濃度、dN/d
t=所定の一定の電流密度においてそれぞれのイオンが
水溶液から離れる速度〕。少なくともアニオン交換膜の
1方の表面をアニオン交換膜の製造の際及ひ/又は製造
の後で、スルフエートイオンの運搬に対するクロリドイ
オンCl-の運搬に関する選択性が>1又は有利に>2で
あるように処理するのが有利である。アニオン交換体−
膜3が誘導体化スチロール・コポリマー及び/又はビニ
ルピリジン・コポリマーからなるのが有利である。
この方法は、温度0℃〜60℃で、pH値5〜9の希水溶液
との平衡において主にマイナスに帯電した形で存在す
る、スルホン酸及び/又はホスホン酸及び/又はペルフ
ルオロカルボン酸の塩からなる置換基を共有結合して有
する脂肪族、芳香族又は混合脂肪族−芳香族有機ポリマ
ーの、均質及び/又は不均質フイルム又はシートの形の
カチオン交換体膜4を用いて、供給水5中に存在する1
価のカチオンを濃縮液の方向に優先的に移動させること
により、更に有利なものとなるが、この際前記膜4はそ
れぞれ縮合ポリマー又は付加ポリマー又はコポリマー又
はターポリマー又はインターポリマーから、又はグラフ
トコポリマーから又はグラフトターポリマーから又はそ
のようなポリマー、コポリマー又はターポリマーの混合
物又は溶液からなり、この際前記膜4は主に塩含有水溶
液中に不溶性である。膜4は希水溶液中でカルシウムイ
オンCa2+の運搬に対するナトリウムイオンの運搬に関し
て選択性α>1を示し、この際選択性αは次のように定
義される: 〔N=水溶液中でのそれぞれのイオン種類の濃度、dN/d
t=所定の一定の電流密度においてそれぞれのイオンが
水溶液から離れる速度〕。少なくともカチオン交換膜4
の1方の表面を交換膜の製造の際及び/又は製造の後
で、カルシウムイオンCa2+の運搬に対するナトリウムイ
オンNa+の運搬に関する選択性が>1であるように処理
するのが有利である。カチオン交換膜4が誘導体化スチ
ロール・コポリマーからなるのが有利である。
電流密度をコワン−ブラウン−限界電流密度(Cawan−B
rown−Grenzstromdichte)の50%より低い値に、有利に
15%〜25%に保持し、かつ膜面とこれに平行な面との間
の水流の速度を平均して1cm/s〜100cm/sの値に保持する
のが有利である。この電気泳動法は、電極1及び2を10
分〜24時間の間隔で転極して実施するのが有利である。
一般に、実地においては濃縮液の1部を還流させて、原
料水部分流と混合する。これにより、脱窒素用水の収率
は上昇する。更に、電極1及び2を洗浄する原料水部分
流をあらかじめ軟水にするのが有利である。廃水流出管
21中の容積流は原料水供給管5中の溶液流の15%を越え
ないの有利である。
電気泳動法をベースとする水処理分野における水流から
ニトレートを除去するため装置は原料水を連続的に供給
するための、多くの室9及び10を有し、電極1及び2を
備え、かつプラスチツク膜3及び4により分割されたブ
ロツク少なくとも1つを有する。プラスチツク膜として
はアニオン交換膜3を使用するが、この膜3が希水溶液
中でスルフエートイオンSO4 2-の運搬に対するクロリド
イオンCX-の運搬に関して選択性α>1、有利に>2を
示し、ニトレートイオンNO3 -を優先的に移動させ、一方
他のアニオンは、そのもとの濃度で残るように、この膜
の少なくとも1方の表面が処理されている。カチオン交
換膜4は、この膜4が希水溶液中でカルシウムイオンCa
2+の運搬に対するナトリウムイオンNa+の運搬に関する
選択性αが>1を示すように、少なくとも1方の表面が
処理されている。上昇するNO3 -濃縮液を有する室9中の
及び流出濃縮液7により洗われる構造部分中のスケール
形成傾向は減少する。
実地においては、原料水供給管5に原料水搬送ポンプ17
を備える。更に、少なくとも部分濃縮液還流管8並びに
濃縮液循環ポンプ18を備える。電極1及び2は有利にRu
O2及び/又はIrO2で被覆したチタンから又はチタン合金
からなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は電気泳動法を用いた分離装置の概略図であり、
原則的な経過工程をも示した。第2図は電気泳動装置の
概略縦断面図を示す。第3図は原則的な電気泳動法を示
すフローダイヤグラム図である。 1……アノード、2……カソード、3……アニオン交換
膜、4……カチオン交換膜、5……原料水供給管、6…
…希釈液流出管、7……濃縮液流出管、8……部分濃縮
液還流管、9……上昇するNO3 -濃度の室、10……低下す
るNO3 -濃度の室、11……アニオン、12……カチオン、13
……電極洗浄液供給管、14……電極洗浄液流出管、15…
…還流濃縮液を希釈するための原料水分岐管、16……還
流管からの希釈濃縮液の導入管、17……原料水搬送ポン
プ、18……濃縮液循環ポンプ、19……カソード室、20…
…アノード室、21……廃水流出管、22……軟水化装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−11981(JP,A) 特開 昭61−204083(JP,A) 特公 昭54−20196(JP,B2)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気泳動法を基礎とする水処理の分野にお
    いて、 a)1方では水流から分岐するニトレートイオン富化濃
    縮液(7)を、かつ b)他方では残留する、用水として使用すべき希釈液
    (6)を生成し、 c)この際、供給水(5)中に存在するニトレートイオ
    ンNO3 -を濃縮液(7)の方向に優先的に移動させて、水
    流からニトレートイオンを除去する方法において、 d)ニトレートイオンNO3 -の優先的な移動を、水流中で
    スルフェートイオンSO4 2-の運搬に対するクロリドイオ
    ンCl-の運搬に関する選択性αが>1を示す選択性アニ
    オン交換膜(3)を少なくとも1つ用いて実施する ことを特徴とする水処理分野における流水からニトレー
    トを除去するための方法。
  2. 【請求項2】イオン交換体の片側の膜面に関連させた電
    流密度が限界電流密度の50%の値を越えない請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】流水中でカルシウムイオンCa2+の運搬に対
    するナトリウムイオンNa+の運搬に関する選択性が>1
    を示すカチオン交換膜(4)を用いて、供給水(5)中
    に存在する1価のカチオンを濃縮液の方向に優先的に移
    動させる請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】濃縮液を排出する廃水流出管(21)中の容
    積流が原料水供給管(5)中の容積流の15%を越えない
    請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】電極(1,2)を洗浄する原料水部分流をあ
    らかじめ脱塩し、かつ/又は少なくとも部分的に脱塩す
    る請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】電気泳動法を基礎とする水処理の分野にお
    いて、 a)少なくとも1つのアニオン交換膜及び少なくとも1
    つのカチオン交換膜(3,4)により仕切られた少なくも
    1つの第1及び第2電気泳動室(9,10)を少なくとも2
    つの電極(1,2)の間に有する電気泳動装置少なくとも
    1つを有する、水流からニトレートを除去するための装
    置において、 b)水流中でのスルフェートイオンSO4 2-の運搬に対す
    るクロリドイオンCl-の運搬に関する選択性αが>1で
    ある少なくとも1つのアニオン交換膜を有する ことを特徴とする水処理分野における流水からニトレー
    トを除去するための装置。
  7. 【請求項7】a)少なくとも1つのアニオン交換膜
    (3)が脂肪族又は芳香族又は混合脂肪族−芳香族有機
    ポリマーのフィルム又はシートであり、 b)クラウンエーテル及び/又はグアニジニウム基及び
    /又は四級アンモニウム基及び/又は四級ホスホニウム
    基及び/又は四級オキソニウム基からなる置換基を有
    し、 c)この基は温度0℃〜60℃でpH4〜9の水溶液との平
    衡において、その50%を越えるものがプラスに帯電した
    形で存在し、かつ d)少なくとも1つのアニオン交換膜(3)が縮合ポリ
    マー又は付加ポリマー又はコポリマー又はターポリマー
    又はインターポリマー又はグラフトコポリマー又はグラ
    フトターポリマー又はこれらのポリマー又はコポリマー
    又はターポリマーの混合物又は溶体である請求項6記載
    の装置。
  8. 【請求項8】少なくとも1つのカチオン交換膜(4)の
    少なくとも1方の表面が水流中でカルシウムイオンCa2+
    の運搬に対するナトリウムイオンNa+の運搬に関する選
    択性>1を示す請求項6又は7項記載の装置。
  9. 【請求項9】a)少なくとも1つのカチオン交換膜
    (4)が脂肪族又は芳香族又は混合脂肪族−芳香族有機
    ポリマーのフィルム又はシートであり、 b)スルホン酸又はホスホン酸及び/又はペルフルオロ
    ーカルボン酸からなる置換基を有し、 c)この基は0℃〜60℃の温度で、かつpH値4〜9の水
    溶液との平衡において、その50%を越えるものがマイナ
    スに帯電した形で存在し、かつ d)少なくとも1つのカチオン交換膜(4)が少なくと
    も1つのコポリマー又はターポリマー又はインターポリ
    マー又はグラフトポリマー又はグラフトターポリマー又
    はこれらのポリマー、コポリマー又はターポリマーの混
    合物又は溶体を包含する請求項8記載の装置。
  10. 【請求項10】電極(1,2)がRuO2及び/又はIrO2で被
    覆されたチタン又はチタン合金からなる請求項6から9
    までのいずれか1項記載の装置。
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