JPH074491A - 送りねじ用ナットおよび送り装置 - Google Patents
送りねじ用ナットおよび送り装置Info
- Publication number
- JPH074491A JPH074491A JP16963593A JP16963593A JPH074491A JP H074491 A JPH074491 A JP H074491A JP 16963593 A JP16963593 A JP 16963593A JP 16963593 A JP16963593 A JP 16963593A JP H074491 A JPH074491 A JP H074491A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- screw shaft
- nut
- spiral groove
- guide
- guide pins
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ナットの送り精度を向上する。
【構成】 ナット44は、ねじ軸12の直径方向両側に
配置される一対のガイドピン46、48を備えている。
これらのガイドピン46、48は、コイル部50を介し
て一体に形成してあるとともに、ねじ軸12のリード角
に等しい角度で傾斜していて、ねじ軸12の両側におい
てねじ軸12の螺旋溝14内に当接している。そして、
ねじ軸12の転がり有効径が変動してねじ軸12のガイ
ドピン46、48の接触位置とガイドバー30と間の距
離Hが変わると、ガイドピン46、48の緩衝部47、
49が撓んで芯振れによる転がり有効径の回転中心の変
動を吸収し、ナット44がねじ軸12の軸方向に移動す
るのを阻止する。
配置される一対のガイドピン46、48を備えている。
これらのガイドピン46、48は、コイル部50を介し
て一体に形成してあるとともに、ねじ軸12のリード角
に等しい角度で傾斜していて、ねじ軸12の両側におい
てねじ軸12の螺旋溝14内に当接している。そして、
ねじ軸12の転がり有効径が変動してねじ軸12のガイ
ドピン46、48の接触位置とガイドバー30と間の距
離Hが変わると、ガイドピン46、48の緩衝部47、
49が撓んで芯振れによる転がり有効径の回転中心の変
動を吸収し、ナット44がねじ軸12の軸方向に移動す
るのを阻止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじ軸を用いた送り装
置の改良に係り、特にフロッピディスク装置の磁気ヘッ
ドや光ディスク装置のピックアップ、さらにはカメラの
自動焦点装置などのように、高い精度が要求される機器
に適用される送りねじ用ナットおよび送り装置に関す
る。
置の改良に係り、特にフロッピディスク装置の磁気ヘッ
ドや光ディスク装置のピックアップ、さらにはカメラの
自動焦点装置などのように、高い精度が要求される機器
に適用される送りねじ用ナットおよび送り装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フロッピディスク装置の磁気ヘッドやコ
ンパクトディスク(CD)などの光ディスク装置のピッ
クアップをディスクの半径方向に移動させる送り装置、
またはカメラの自動焦点装置には、ねじ軸を利用した送
り装置が広く採用されている。図6は、従来のねじ軸を
用いた送り装置の一例を示したものである。
ンパクトディスク(CD)などの光ディスク装置のピッ
クアップをディスクの半径方向に移動させる送り装置、
またはカメラの自動焦点装置には、ねじ軸を利用した送
り装置が広く採用されている。図6は、従来のねじ軸を
用いた送り装置の一例を示したものである。
【0003】図6において、送り装置10のねじ軸12
は、長手方向の中央部が周面に螺旋溝14の設けられた
ねじ部16となっており、このねじ軸部16が基端部の
モータ軸部18および先端部の軸受部20と一体に形成
してある。そして、ねじ軸12は、モータ取付ブラケッ
ト22に組付けられ、モータ軸部18にステッピングモ
ータ24が取り付けられるとともに、先端の軸受部18
が、ねじ軸12のスラスト力を受けるボール軸受26に
当接している。
は、長手方向の中央部が周面に螺旋溝14の設けられた
ねじ部16となっており、このねじ軸部16が基端部の
モータ軸部18および先端部の軸受部20と一体に形成
してある。そして、ねじ軸12は、モータ取付ブラケッ
ト22に組付けられ、モータ軸部18にステッピングモ
ータ24が取り付けられるとともに、先端の軸受部18
が、ねじ軸12のスラスト力を受けるボール軸受26に
当接している。
【0004】一方、図示しないピックアップや磁気ヘッ
ドを搭載するスライダ28は、ねじ軸12に平行に配置
したガイドバー32に遊嵌させてあり、矢印34のよう
にガイドバー32に沿って、すなわちねじ軸12の軸線
方向に移動できるようになっている。このスライダ28
には、ねじ軸12に係合し、螺旋溝14に案内されてね
じ軸12の軸方向に移動するナット36が取り付けてあ
り、ナット36を介してねじ軸12によって矢印34の
ように移動させられるようになっている。
ドを搭載するスライダ28は、ねじ軸12に平行に配置
したガイドバー32に遊嵌させてあり、矢印34のよう
にガイドバー32に沿って、すなわちねじ軸12の軸線
方向に移動できるようになっている。このスライダ28
には、ねじ軸12に係合し、螺旋溝14に案内されてね
じ軸12の軸方向に移動するナット36が取り付けてあ
り、ナット36を介してねじ軸12によって矢印34の
ように移動させられるようになっている。
【0005】ナット36は、螺旋溝14のリード角に等
しい傾きをもったガイドピン38と板ばね40とを備
え、図7に示したように、ガイドピン38が螺旋溝14
内に当接している。また、板ばね40は、ねじ軸12の
ガイドピン38の反対側に配置しており、ねじ部16の
外周面に当接していて、ガイドピン38が螺旋溝14か
ら外れないようにバックアップしている。
しい傾きをもったガイドピン38と板ばね40とを備
え、図7に示したように、ガイドピン38が螺旋溝14
内に当接している。また、板ばね40は、ねじ軸12の
ガイドピン38の反対側に配置しており、ねじ部16の
外周面に当接していて、ガイドピン38が螺旋溝14か
ら外れないようにバックアップしている。
【0006】このように構成してある送り装置10は、
ステッピングモータ22を駆動してねじ軸12を回転す
ると、ガイドピン38がねじ軸12の螺旋溝14に案内
されて図6の左右方向に移動し、スライダ28が矢印3
4のようにガイドバー32に沿って移動する。そして、
ガイドピン38は、図8に示したように、ねじ部16の
谷径D1 と外径D3 との間の、転がり有効径D2 におい
て螺旋溝14と接触して推力を得たときに、ねじ軸12
に沿う正しい移動量が得られるように設計されている。
ステッピングモータ22を駆動してねじ軸12を回転す
ると、ガイドピン38がねじ軸12の螺旋溝14に案内
されて図6の左右方向に移動し、スライダ28が矢印3
4のようにガイドバー32に沿って移動する。そして、
ガイドピン38は、図8に示したように、ねじ部16の
谷径D1 と外径D3 との間の、転がり有効径D2 におい
て螺旋溝14と接触して推力を得たときに、ねじ軸12
に沿う正しい移動量が得られるように設計されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、モータ軸部
18と軸受部20を基準としてねじ軸12を回転させる
と、ねじ軸12の製作誤差や組立誤差などによる偏芯の
ために、回転時に転がり有効径D2 の芯振れが発生す
る。また、従来のナット36は、螺旋溝14に挿入した
ガイドピン38と、ねじ部16の外周面に接触している
板ばね40とによってねじ軸12を挟圧しているため、
ねじ軸12の外径のばらつきによってガイドピン38の
ねじ軸12を押す力がばらつき、転がり有効径D2 が変
動する。このため、ガイドピン38の軸線方向の螺旋溝
14に接触する位置が変化し、芯振れにより転がり有効
径D2 の回転中心の変動に伴って、図9の矢印41のよ
うにガイドピン38の送り量が変化して、スライダ28
の移動位置にずれが発生する。
18と軸受部20を基準としてねじ軸12を回転させる
と、ねじ軸12の製作誤差や組立誤差などによる偏芯の
ために、回転時に転がり有効径D2 の芯振れが発生す
る。また、従来のナット36は、螺旋溝14に挿入した
ガイドピン38と、ねじ部16の外周面に接触している
板ばね40とによってねじ軸12を挟圧しているため、
ねじ軸12の外径のばらつきによってガイドピン38の
ねじ軸12を押す力がばらつき、転がり有効径D2 が変
動する。このため、ガイドピン38の軸線方向の螺旋溝
14に接触する位置が変化し、芯振れにより転がり有効
径D2 の回転中心の変動に伴って、図9の矢印41のよ
うにガイドピン38の送り量が変化して、スライダ28
の移動位置にずれが発生する。
【0008】すなわち、芯振れによる転がり有効径D2
の回転中心の変動量は、スライダ28を案内するガイド
バー32とねじ軸12(ガイドピン38の接触位置)と
の間の距離Hの変動量(+ΔHまたは−ΔH)となって
現れる。そして、ガイドピン38の送り量の変化量Δx
は、
の回転中心の変動量は、スライダ28を案内するガイド
バー32とねじ軸12(ガイドピン38の接触位置)と
の間の距離Hの変動量(+ΔHまたは−ΔH)となって
現れる。そして、ガイドピン38の送り量の変化量Δx
は、
【数1】Δx=±ΔH×tanθ となる。ただし、ここにθは、ねじ軸12の螺旋溝14
のリード角である。
のリード角である。
【0009】従って、上記の光ディスク装置等のミクロ
ン単位の位置の制御精度を要求される高精度の送り装置
10においては、芯振れによる転がり有効径D2 の回転
中心の変動が大きな誤差の要因となり、記録エラーや読
出エラーの原因とる。このため、現在、ねじ軸12の加
工は、非常に厳しい精度が要求されており、生産性が悪
く、高コストとなっている。また、ねじ軸12を小径に
すると、軸が振動しやすく、転がり有効径D2 が変動し
やすいところから、現状においてはねじ軸12の細径化
が困難であり、送り装置10の小型、軽量化を阻んでい
る。
ン単位の位置の制御精度を要求される高精度の送り装置
10においては、芯振れによる転がり有効径D2 の回転
中心の変動が大きな誤差の要因となり、記録エラーや読
出エラーの原因とる。このため、現在、ねじ軸12の加
工は、非常に厳しい精度が要求されており、生産性が悪
く、高コストとなっている。また、ねじ軸12を小径に
すると、軸が振動しやすく、転がり有効径D2 が変動し
やすいところから、現状においてはねじ軸12の細径化
が困難であり、送り装置10の小型、軽量化を阻んでい
る。
【0010】本発明は、前記従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、ナットの送り精度を向上するこ
とを第1の目的としている。
ためになされたもので、ナットの送り精度を向上するこ
とを第1の目的としている。
【0011】また、本発明は、ねじ軸の生産性の向上を
図ることを第2の目的としている。さらに、本発明は、
ねじ軸の小径化が図れ、装置の小型、軽量化を可能にす
ることなどを目的としている。
図ることを第2の目的としている。さらに、本発明は、
ねじ軸の小径化が図れ、装置の小型、軽量化を可能にす
ることなどを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る送りねじ用ナットは、回転するねじ
軸の螺旋溝に案内され、ねじ軸の軸線方向に移動する送
りねじ用ナットにおいて、前記ねじ軸の直径方向両側に
配置され、ねじ軸の前記螺旋溝内に当接させた一対のガ
イドピンを有することを特徴としている。ガイドピン
は、弾性体によって形成し、ばね作用をもたせるとよ
い。
めに、本発明に係る送りねじ用ナットは、回転するねじ
軸の螺旋溝に案内され、ねじ軸の軸線方向に移動する送
りねじ用ナットにおいて、前記ねじ軸の直径方向両側に
配置され、ねじ軸の前記螺旋溝内に当接させた一対のガ
イドピンを有することを特徴としている。ガイドピン
は、弾性体によって形成し、ばね作用をもたせるとよ
い。
【0013】また、本発明に係る送り装置は、周面に螺
旋溝が形成してあるねじ軸と、このねじ軸に沿って設け
たガイドと、このガイドに係合し、ガイドに沿って移動
するスライダと、このスライダに設けられて前記ねじ軸
の直径方向両側に位置し、ねじ軸の前記螺旋溝内に当接
している一対のガイドピンとを有する構成となってい
る。
旋溝が形成してあるねじ軸と、このねじ軸に沿って設け
たガイドと、このガイドに係合し、ガイドに沿って移動
するスライダと、このスライダに設けられて前記ねじ軸
の直径方向両側に位置し、ねじ軸の前記螺旋溝内に当接
している一対のガイドピンとを有する構成となってい
る。
【0014】
【作用】上記の如く構成した本発明の送りねじ用ナット
は、一対のガイドピンが、ねじ軸の直径方向両側におい
て螺旋溝内に当接しているため、芯振れによりねじ軸の
転がり有効径の回転中心が変動した場合に、一対のガイ
ドピンがその変動量を吸収する。すなわち、ねじ軸を横
方向から見ると、ねじ軸の手前側とその反対側とでは螺
旋溝の傾斜の向きが逆になっている。従って、ねじ軸の
転がり有効径が変化すると、一方のガイドピンはねじ軸
の先端側に押される力を受け、他方のガイドピンはねじ
軸の基端側に押される力を受けるため、両ガイドピンの
受ける力が相殺され、ねじ軸の転がり有効径の変動を吸
収でき、ねじ軸の転がり有効径の変動に基づくナットの
ねじ軸の軸方向への移動を阻止でき、ナットの送り精度
が大幅に向上する。そして、一対のガイドピンによって
ねじ軸の変動量を吸収することができるところから、ね
じ軸の加工精度を緩和することができ、ねじ軸の製作が
容易となって生産性を向上することができるとともに、
ねじ軸の小径化を図ることが可能となる。
は、一対のガイドピンが、ねじ軸の直径方向両側におい
て螺旋溝内に当接しているため、芯振れによりねじ軸の
転がり有効径の回転中心が変動した場合に、一対のガイ
ドピンがその変動量を吸収する。すなわち、ねじ軸を横
方向から見ると、ねじ軸の手前側とその反対側とでは螺
旋溝の傾斜の向きが逆になっている。従って、ねじ軸の
転がり有効径が変化すると、一方のガイドピンはねじ軸
の先端側に押される力を受け、他方のガイドピンはねじ
軸の基端側に押される力を受けるため、両ガイドピンの
受ける力が相殺され、ねじ軸の転がり有効径の変動を吸
収でき、ねじ軸の転がり有効径の変動に基づくナットの
ねじ軸の軸方向への移動を阻止でき、ナットの送り精度
が大幅に向上する。そして、一対のガイドピンによって
ねじ軸の変動量を吸収することができるところから、ね
じ軸の加工精度を緩和することができ、ねじ軸の製作が
容易となって生産性を向上することができるとともに、
ねじ軸の小径化を図ることが可能となる。
【0015】また、一対のガイドピンを弾性体によって
構成し、ねじ軸の両側から螺旋溝内に圧接させてねじ軸
を挟圧すると、ねじ軸の振動を抑えて転がり有効径の変
動を小さくできるとともに、ガイドピンが一定の力で転
がり有効径上を案内されることになり、ナットの送りを
安定して行え、送りの精度をより向上することができ
る。
構成し、ねじ軸の両側から螺旋溝内に圧接させてねじ軸
を挟圧すると、ねじ軸の振動を抑えて転がり有効径の変
動を小さくできるとともに、ガイドピンが一定の力で転
がり有効径上を案内されることになり、ナットの送りを
安定して行え、送りの精度をより向上することができ
る。
【0016】
【実施例】本発明の送りねじ用ナットおよび送り装置の
好ましい実施例を、添付図面に従って詳説する。なお、
前記従来技術において説明した部分に相当する部分につ
いては、同一の符号を付し、その説明を省略する。図2
は、本発明の実施例に係る送り装置の説明図である。
好ましい実施例を、添付図面に従って詳説する。なお、
前記従来技術において説明した部分に相当する部分につ
いては、同一の符号を付し、その説明を省略する。図2
は、本発明の実施例に係る送り装置の説明図である。
【0017】図2において、スライダ28には、ナット
44を取り付けるとともに、ガイドバー30を貫通させ
るコ字状のブラケット42が設けてある。ナット44
は、ねじ軸12の直径方向両側に位置させた一対のガイ
ドピン46、48を備えている。これらのガイドピン4
6、48は弾性体から構成してあり、コイル部50を介
して一体に形成してある。
44を取り付けるとともに、ガイドバー30を貫通させ
るコ字状のブラケット42が設けてある。ナット44
は、ねじ軸12の直径方向両側に位置させた一対のガイ
ドピン46、48を備えている。これらのガイドピン4
6、48は弾性体から構成してあり、コイル部50を介
して一体に形成してある。
【0018】すなわち、ガイドピン46、48は、図1
に示したように、コイルばねの両端部をコイルの軸線と
直交した方向に延在させ、その先端部をねじ軸12のリ
ード角θと等しい角度に傾斜させたて相互に斜交するよ
うに形成してある。そして、ガイドピン46、48の傾
斜した部分とコイル部50との間が、後述するようにね
じ軸12の変動量を吸収する緩衝部47、49となって
いる。また、一対のガイドピン46、48は、ねじ軸1
2の螺旋溝14に挿入され、適宜の力をもって螺旋溝1
4の側壁に接触し、ねじ軸12を両側から挟圧している
(図3参照)。一方、コイル部50は、スリーブ52の
中央部に外嵌してあり、接着剤等によってスリーブ52
に固着してある。このスリーブ52は、ガイドピン46
を挿通させる中心孔54が設けてあるとともに、両端部
をブラケット42の取り付け孔56に挿入してブラケッ
ト42に固定してある。
に示したように、コイルばねの両端部をコイルの軸線と
直交した方向に延在させ、その先端部をねじ軸12のリ
ード角θと等しい角度に傾斜させたて相互に斜交するよ
うに形成してある。そして、ガイドピン46、48の傾
斜した部分とコイル部50との間が、後述するようにね
じ軸12の変動量を吸収する緩衝部47、49となって
いる。また、一対のガイドピン46、48は、ねじ軸1
2の螺旋溝14に挿入され、適宜の力をもって螺旋溝1
4の側壁に接触し、ねじ軸12を両側から挟圧している
(図3参照)。一方、コイル部50は、スリーブ52の
中央部に外嵌してあり、接着剤等によってスリーブ52
に固着してある。このスリーブ52は、ガイドピン46
を挿通させる中心孔54が設けてあるとともに、両端部
をブラケット42の取り付け孔56に挿入してブラケッ
ト42に固定してある。
【0019】上記の如く構成した実施例においては、ね
じ軸12の転がり有効径D2 が変動すると、ねじ軸12
の直径方向両側において螺旋溝14に当接している一対
のガイドピン46、48が転がり有効径D2 の変動を吸
収し、ナット44がねじ軸12の軸線方向に移動するの
を阻止するため、スライダ28の移動位置の制御を正確
に行うことができる。
じ軸12の転がり有効径D2 が変動すると、ねじ軸12
の直径方向両側において螺旋溝14に当接している一対
のガイドピン46、48が転がり有効径D2 の変動を吸
収し、ナット44がねじ軸12の軸線方向に移動するの
を阻止するため、スライダ28の移動位置の制御を正確
に行うことができる。
【0020】すなわち、図4に線図をもって示したよう
に、正常状態におけるねじ軸12のガイドピン46、4
8の接触位置とガイドバー30との距離をHとする。そ
して、例えばねじ軸12の転がり有効径D2 の回転中心
が芯振れ等で基準の距離Hより狭くなると、前記したよ
うに、実質的に距離HがΔHだけ小さくなり、各ガイド
ピン46、48は、螺旋溝14によって破線に示したよ
うに下方に押し下げられる。このため、各ガイドピン4
6、48の緩衝部47、49は、外側にδ1 だけ撓み、
緩衝部47がコイル部50を図4の左方向に押し、緩衝
部49がコイル部50を右方向に押す。この結果、各緩
衝部47、49のコイル部50に与える力が相殺され、
コイル部50は軸方向への移動が阻止される。
に、正常状態におけるねじ軸12のガイドピン46、4
8の接触位置とガイドバー30との距離をHとする。そ
して、例えばねじ軸12の転がり有効径D2 の回転中心
が芯振れ等で基準の距離Hより狭くなると、前記したよ
うに、実質的に距離HがΔHだけ小さくなり、各ガイド
ピン46、48は、螺旋溝14によって破線に示したよ
うに下方に押し下げられる。このため、各ガイドピン4
6、48の緩衝部47、49は、外側にδ1 だけ撓み、
緩衝部47がコイル部50を図4の左方向に押し、緩衝
部49がコイル部50を右方向に押す。この結果、各緩
衝部47、49のコイル部50に与える力が相殺され、
コイル部50は軸方向への移動が阻止される。
【0021】一方、ねじ軸12の転がり有効径D2 の回
転中止が芯振れ等で基準の距離Hより広くなると、一点
鎖線に示したように距離HがΔHだけ大きくなったのと
同じ効果が生じ、ガイドピン46、48の緩衝部47、
49が内側にδ2 だけ撓む。従って、コイル部50は、
緩衝部47によって図4の右方向に引かれる力を受け、
緩衝部49によって左方向に引かれる力を受ける。この
ため、各緩衝部47、49のコイル部50に作用する力
が相殺され、コイル部50は軸方向に移動することがな
い。すなわち、ナット44は、ねじ軸12の転がり有効
径D2 の回転中心の変動によってねじ軸12の軸線方向
へ移動することがなく、ねじ軸12の回転による送り位
置制御の精度を高めることができる。
転中止が芯振れ等で基準の距離Hより広くなると、一点
鎖線に示したように距離HがΔHだけ大きくなったのと
同じ効果が生じ、ガイドピン46、48の緩衝部47、
49が内側にδ2 だけ撓む。従って、コイル部50は、
緩衝部47によって図4の右方向に引かれる力を受け、
緩衝部49によって左方向に引かれる力を受ける。この
ため、各緩衝部47、49のコイル部50に作用する力
が相殺され、コイル部50は軸方向に移動することがな
い。すなわち、ナット44は、ねじ軸12の転がり有効
径D2 の回転中心の変動によってねじ軸12の軸線方向
へ移動することがなく、ねじ軸12の回転による送り位
置制御の精度を高めることができる。
【0022】このように、一対のガイドピン46、48
によってねじ軸12の転がり有効径D2 の変動を吸収し
ているため、ねじ軸12の加工精度が緩和され、ねじ軸
12の製作が容易となって生産性を向上することができ
るとともに、小径化が可能となる。
によってねじ軸12の転がり有効径D2 の変動を吸収し
ているため、ねじ軸12の加工精度が緩和され、ねじ軸
12の製作が容易となって生産性を向上することができ
るとともに、小径化が可能となる。
【0023】また、一対のガイドピンを弾性体によって
構成し、ねじ軸の両側から螺旋溝内に圧接して挟持する
と、ねじ軸12の振動を抑えて基準距離Hとの誤差を小
さくしできるとともに、ガイドピンが一定の力で転がり
有効径上を案内されることになり、ナット44の送りを
安定して行え、送り精度を向上することができる。
構成し、ねじ軸の両側から螺旋溝内に圧接して挟持する
と、ねじ軸12の振動を抑えて基準距離Hとの誤差を小
さくしできるとともに、ガイドピンが一定の力で転がり
有効径上を案内されることになり、ナット44の送りを
安定して行え、送り精度を向上することができる。
【0024】なお、ねじ軸12が1条ねじである場合に
は、図5(A)に示したように、ガイドピン46とガイ
ドピン48とのねじ軸12への接触位置がねじ軸12の
軸方向にLだけずれる。このずれ量Lは、
は、図5(A)に示したように、ガイドピン46とガイ
ドピン48とのねじ軸12への接触位置がねじ軸12の
軸方向にLだけずれる。このずれ量Lは、
【数2】L=ねじピッチ/2 である。このため、ねじ軸12には、ガイドピン46、
48によって、
48によって、
【数3】L×P の偶力が作用する。ただし、Pはガイドピン46、48
がねじ軸12を挟圧する力である。しかし、この場合に
おいても、前記した効果を充分得ることができる。
がねじ軸12を挟圧する力である。しかし、この場合に
おいても、前記した効果を充分得ることができる。
【0025】一方、ねじ軸12が2条ねじである場合に
は、図5(B)に示したように、ガイドピン46、48
のねじ軸12の軸方向の接触位置のずれがなく、ガイド
ピン46、48による偶力は発生せず、ねじ軸12にガ
イドピン46、48の挟圧力による影響を与えない。
は、図5(B)に示したように、ガイドピン46、48
のねじ軸12の軸方向の接触位置のずれがなく、ガイド
ピン46、48による偶力は発生せず、ねじ軸12にガ
イドピン46、48の挟圧力による影響を与えない。
【0026】なお、前記実施例の送り装置10において
は、スライダ28を一対のガイドバー30、32によっ
て案内させる場合について説明したが、蟻溝等によって
案内させるようにしてもよい。また、前記実施例におい
ては、緩衝部47、49が設けてある場合について説明
したが、緩衝部を設けなくともよ。そして、基準の距離
Hは従来と同様に、ガイドバー32とねじ軸12との間
の距離であってもよい。
は、スライダ28を一対のガイドバー30、32によっ
て案内させる場合について説明したが、蟻溝等によって
案内させるようにしてもよい。また、前記実施例におい
ては、緩衝部47、49が設けてある場合について説明
したが、緩衝部を設けなくともよ。そして、基準の距離
Hは従来と同様に、ガイドバー32とねじ軸12との間
の距離であってもよい。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、一対のガイドピンがねじ軸の転がり有効径の芯振れ
による回転中心の変動を吸収するため、ねじ軸の芯振れ
による転がり有効径の回転中心の変動によるナットのね
じ軸の軸方向への移動を防止でき、ナットの送り制御精
度を向上することができる。このため、ねじ軸の加工精
度を緩和することができ、ねじ軸の製作が容易となって
生産性を向上することができるとともに、小径化を図る
ことが可能となる。
ば、一対のガイドピンがねじ軸の転がり有効径の芯振れ
による回転中心の変動を吸収するため、ねじ軸の芯振れ
による転がり有効径の回転中心の変動によるナットのね
じ軸の軸方向への移動を防止でき、ナットの送り制御精
度を向上することができる。このため、ねじ軸の加工精
度を緩和することができ、ねじ軸の製作が容易となって
生産性を向上することができるとともに、小径化を図る
ことが可能となる。
【0028】また、一対のガイドピンを弾性体によって
構成し、ねじ軸の両側から螺旋溝内に圧接して挟圧する
と、ねじ軸の振動を抑えて基準距離からの変動量を小さ
くできるとともに、ガイドピンが一定の力で転がり有効
径上を案内されることになり、ナットの送りを安定して
行え、送り精度を向上することができる。
構成し、ねじ軸の両側から螺旋溝内に圧接して挟圧する
と、ねじ軸の振動を抑えて基準距離からの変動量を小さ
くできるとともに、ガイドピンが一定の力で転がり有効
径上を案内されることになり、ナットの送りを安定して
行え、送り精度を向上することができる。
【図1】本発明の実施例に係るナットの詳細説明図であ
る。
る。
【図2】本発明の実施例に係る送り装置の説明図であ
る。
る。
【図3】実施例のナットの正面図である。
【図4】実施例のナットの作用を模式的に示した線図で
ある。
ある。
【図5】ねじ軸が1条ねじと2条ねじとである場合の実
施例のナットのガイドピンのねじ軸への接触状態の説明
図である。
施例のナットのガイドピンのねじ軸への接触状態の説明
図である。
【図6】従来の送りねじを用いた送り装置の説明図であ
る。
る。
【図7】従来のナットの詳細説明図である。
【図8】ねじ軸とナットのガイドピンとの関係の説明図
である。
である。
【図9】ねじ軸の転がり有効径の変動が従来のナットに
与える影響の説明図である。
与える影響の説明図である。
10 送り装置 12 ねじ軸 14 螺旋溝 24 ステッピングモータ 28 スライダ 30、32 ガイドバー 44 ナット 46、48 ガイドピン 47、49 緩衝部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】従って、上記の光ディスク装置等のミクロ
ン単位の位置の制御精度を要求される高精度の送り装置
10においては、芯振れによる転がり有効径D2 の回転
中心の変動が大きな誤差の要因となり、記録エラーや読
出エラーの原因となる。このため、現在、ねじ軸12の
加工は、非常に厳しい精度が要求されており、生産性が
悪く、高コストとなっている。また、ねじ軸12を小径
にすると、軸が振動しやすく、転がり有効径D2 が変動
しやすいところから、現状においてはねじ軸12の細径
化が困難であり、送り装置10の小型、軽量化を阻んで
いる。
ン単位の位置の制御精度を要求される高精度の送り装置
10においては、芯振れによる転がり有効径D2 の回転
中心の変動が大きな誤差の要因となり、記録エラーや読
出エラーの原因となる。このため、現在、ねじ軸12の
加工は、非常に厳しい精度が要求されており、生産性が
悪く、高コストとなっている。また、ねじ軸12を小径
にすると、軸が振動しやすく、転がり有効径D2 が変動
しやすいところから、現状においてはねじ軸12の細径
化が困難であり、送り装置10の小型、軽量化を阻んで
いる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】00023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、一対のガイドピンを弾性体によって
構成し、ねじ軸の両側から螺旋溝内に圧接して挟持する
と、ねじ軸12の振動を抑えて基準距離Hとの誤差を小
さくできるとともに、ガイドピンが一定の力で転がり有
効径上を案内されることになり、ナット44の送りを安
定して行え、送り精度を向上することができる。
構成し、ねじ軸の両側から螺旋溝内に圧接して挟持する
と、ねじ軸12の振動を抑えて基準距離Hとの誤差を小
さくできるとともに、ガイドピンが一定の力で転がり有
効径上を案内されることになり、ナット44の送りを安
定して行え、送り精度を向上することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】00026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】なお、前記実施例の送り装置10において
は、スライダ28を一対のガイドバー30、32によっ
て案内させる場合について説明したが、蟻溝等によって
案内させるようにしてもよい。また、前記実施例におい
ては、緩衝部47、49が設けてある場合について説明
したが、緩衝部を設けなくともよい。そして、基準の距
離Hは従来と同様に、ガイドバー32とねじ軸12との
間の距離であってもよい。
は、スライダ28を一対のガイドバー30、32によっ
て案内させる場合について説明したが、蟻溝等によって
案内させるようにしてもよい。また、前記実施例におい
ては、緩衝部47、49が設けてある場合について説明
したが、緩衝部を設けなくともよい。そして、基準の距
離Hは従来と同様に、ガイドバー32とねじ軸12との
間の距離であってもよい。
Claims (3)
- 【請求項1】 回転するねじ軸の螺旋溝に案内され、ね
じ軸の軸線方向に移動する送りねじ用ナットにおいて、
前記ねじ軸の直径方向両側に配置され、ねじ軸の前記螺
旋溝内に当接させた一対のガイドピンを有することを特
徴とする送りねじ用ナット。 - 【請求項2】 前記ガイドピンは、弾性体からなること
を特徴とする請求項1に記載の送りねじ用ナット。 - 【請求項3】 周面に螺旋溝が形成してあるねじ軸と、
このねじ軸に沿って設けたガイドと、このガイドに係合
し、ガイドに沿って移動するスライダと、このスライダ
に設けられて前記ねじ軸の直径方向両側に位置し、ねじ
軸の前記螺旋溝内に当接している一対のガイドピンとを
有することを特徴とする送り装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16963593A JPH074491A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 送りねじ用ナットおよび送り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16963593A JPH074491A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 送りねじ用ナットおよび送り装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH074491A true JPH074491A (ja) | 1995-01-10 |
Family
ID=15890155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16963593A Pending JPH074491A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 送りねじ用ナットおよび送り装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH074491A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012127460A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Ojima Shisaku Kenkyusho:Kk | 回転運動を直線運動に変える運動機構 |
-
1993
- 1993-06-16 JP JP16963593A patent/JPH074491A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012127460A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Ojima Shisaku Kenkyusho:Kk | 回転運動を直線運動に変える運動機構 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6724714B1 (en) | Head feeding mechanism | |
US5448438A (en) | Head actuator having spring loaded split nut | |
US6567362B1 (en) | Optical disk device having guide shaft for guiding optical pickup | |
KR970004685B1 (ko) | 헤드이동장치 | |
US3251235A (en) | Belt bias compensator for magnetic tape drive | |
JP3399368B2 (ja) | スクリュー付きモータ | |
US6918129B2 (en) | Disc drive head driver | |
JPH074491A (ja) | 送りねじ用ナットおよび送り装置 | |
JPH10143870A (ja) | 光ディスクシステムの光軸調整機構 | |
US4774614A (en) | Magnetic head adjusting device | |
JP2008041214A (ja) | 光ピックアップユニット | |
JPH0713693B2 (ja) | 自動焦点合わせシステム | |
JP4101634B2 (ja) | 摩擦駆動装置 | |
JP2004084880A (ja) | 機械の送り装置 | |
US20030016616A1 (en) | Disk drive | |
JPS6243875A (ja) | ヘツド送り機構 | |
JP2000019415A (ja) | 微動ステージ | |
JPH03294813A (ja) | レンズ移動装置 | |
KR200374587Y1 (ko) | 디브이디의리드스크류안내장치 | |
JPH0229583Y2 (ja) | ||
JPH10106186A (ja) | 情報記憶装置 | |
JPH0320939Y2 (ja) | ||
JP2021131458A (ja) | 光学駆動装置および光学機器 | |
JPS6059573A (ja) | 磁気デイスク用磁気ヘツド走査装置 | |
JP2001344789A (ja) | 光ディスク装置 |