JPH0744449U

JPH0744449U - 除塵装置

Info

Publication number: JPH0744449U
Application number: JP6026593U
Authority: JP
Inventors: 洋岩崎
Original assignee: 洋岩崎
Priority date: 1993-10-12
Filing date: 1993-10-12
Publication date: 1995-11-21
Anticipated expiration: 2007-04-02
Also published as: JP2531343Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】装置の構造を簡単にして、製作経費を安価と
し、装置の寿命を長くし、かつ、効率よく気体中の粉塵
や不純物を分離する装置を提供する。【構成】密封した箱形の分離槽の上壁に気体流入管と気
体流出管を設け、分離槽内に水層とその上部に空気室を
設け、空気室の気体流入管と気体流出管の間に櫛歯状で
互いに噛み合う仕切板を設けて、仕切板の間を気体が蛇
行しながら流れるようにしたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【０００２】

【産業上の利用分野】

本考案は、焼却炉、燃焼炉から排出される排ガス中の粒子、微粒子などの粉塵および不純物、工場内などの空気中の粒子、微粒子などの塵を除く除塵装置に関する。

【０００３】

【０００２】

【０００４】

【従来の技術】

従来、排ガス中、空気中の粒子、微粒子、などの粉塵および不純物を分離する装置として不純物を含んだ気体にノズルより水を噴霧して、不純物を洗い去る装置、不純物を含んだ気体をフィルタ−を通すことによって粉塵、不純物を濾過して、気体と粉塵、不純物とを分離する装置、サイクロンなどによって粉塵、不純物の慣性力を利用して気体と粉塵、不純物とを分離する装置、粉塵、不純物を衝突板に衝突させて粉塵、不純物の運動エネルギ−を無くし落下させる装置などがある。

【０００５】

【０００３】

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記の従来の固体と気体の分離装置にあっては、気体中の不純物を噴霧によって分離する装置では噴霧装置自体が複雑となりその製作費も高額となる。気体中の不純物をフィルタ−によって濾過するものでは気体の流下中フィルタ−による空気抵抗が大きいためエネルギ−損失が大きく運転経費がかかり、フィルタ−の目詰が早いため取替えや洗浄を必要とし、運転時間も短くなる。気体中の不純物をサイクロンによって分離する装置では装置の形状が円筒形のため製作費が高くなる、分離効率を高めるため含塵気体をサイクロン内に吹込む強力な送風装置を必要とするなどの経費がかさむ。また高温の排ガスを分離処理する場合は装置が高温となるため気体も高温のまま排出され気体の上昇気流に乗る微粒子やミストを分離することができない等の問題点があった。

【０００７】

【０００４】本考案は上記問題点を解消する為に除塵装置の構造を単純にして装置の製作経費を安価とし、装置の寿命を長くし、かつ効率良く排ガス中、空気中の粉塵や不純物を分離することを特徴とする除塵装置を提供することを目的としている。

【０００８】

【０００５】

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の除塵装置においては密封した箱形の分離槽の上壁の一方の側に粉塵や不純物を含む気体を分離槽内に供給する未処理気体流入管を他方の側に粉塵や不純物が分離された気体を分離槽外に排出する浄化気体流出管を設け、分離槽の下部を水層とし、上部を空気室とし、空気室には未処理気体流入管と浄化気体流出管の間に互い違いに上壁からまたは水層水面下から伸びた仕切板の先端と水面または上壁との間に空間を置いて設け、分離槽の空気室を通る含塵気体が仕切板の間を上下に蛇行をしながら流れる構成とした。

【００１０】

【０００６】仕切板の数は１枚または２枚以上で仕切板の数が多くなればなるほど分離効果が良くなる。他に、仕切板を横方向から互い違いに伸ばして含塵気体が左右に蛇行するようにしても良い。

【００１１】

【０００７】また、分離槽の下部の水層の水を循環させるために水層を上下に仕切る水層仕切板を気体進行方向前後のいずれかの側壁から反対側壁に向って下方に緩やかに傾斜させ、未処理気体流入管または浄化気体流出管の下方の手前まで伸ばして設け、水層仕切板を挟んで給水口を水層仕切板の上部に、排水口を水層仕切板の下部に設けた。

【００１２】

【０００８】そして、排水口はフィルタ−、次いでポンプそして分離槽の給水口と循環パイプにて接続されている。給水口から水層内への水の供給は連続的でもよいし断続的でもよい。

【００１３】

【０００９】分離槽の低壁を上記水層仕切板の先端と側壁との間にできる開口の下で分離槽の最下部となるように傾斜させ、最下部に沈殿物を取り出す為の開閉弁を設けた。

【００１４】

【００１０】

【００１５】

【作用】

上記のように構成された除塵装置の分離槽の未処理気体流入管より吹き出した含塵気体は下方に流下して分離槽下部の水層面に衝突し転回して上方に向う、この時、粒子、微粒子の大部分は自重と慣性エネルギ−によって水中に突込み水に取り込まれ水層中を沈降していく、また、気体と共に転回して気体の流れのエネルギ−に乗って上昇する微粒子や不純物の中には水面に当って冷却されて凝縮し、次第に上昇能力を失い、ついにはその自重によって落下するものもある。

【００１６】

【００１１】また、気体と共に上昇して上方に向った微粒子や不純物も仕切板の上端で旋回する間に粒子の持つ慣性によって分離槽の上壁または仕切壁に衝突して慣性エネルギ−を失って落下する。後方の気体に押されて仕切板を旋回し下方に向った含塵気体は再び水層面に衝突または仕切板の下端を旋回するため慣性エネルギ−を失って粒子や不純物が水中に取り込まれると同時に気体は水面に接触して冷却される。

【００１７】

【００１２】この時、仕切板の先端と水面との間隔が狭いほど粒子の慣性エネルギ−の損失および気体の冷却効果が大きい。この様にして仕切板の数だけ気体と粒子、粉塵、不純物の分離が繰り返され気体は浄化気体流出管より排出される。

【００１８】

【００１３】一方、水層中に落下した粒子や不純物は水層中を沈降し、その沈降の間に水層の給水口から流れ出る循環水の流れによって沈降物は流され、かつ、分離槽の底壁または水層仕切板上に降りる沈降物は底壁および水層仕切板の傾斜によって滑り落ち、分離槽の最下部（これは水層の最下部でもある）に沈殿する。

【００１９】

【００１４】水層の循環水は冷却水ともなって分離槽全体を冷却すると共に、空気室を流れる高温の含塵気体を冷却し、かつ、未処理気体流入管より吹き出す高温の含塵気体が水層の水を加熱することによって発生する水の沸騰を防止しする。

【００２０】

【００１５】

【００２１】

【実施例】

本考案の実施例を図面を参照して説明すると、図１において除塵装置の箱形の分離槽１の一方の側壁近傍の上壁に上壁を貫いて下方に差し込むように未処理気体流入管２を設け、一方の側壁に対向する他方の側壁近傍の上壁に上壁を貫いて下方に差し込むように浄化気体流出管３を設ける。

【００２２】

【００１６】分離槽１の下部に未処理気体流入管２および浄化気体流出管３の先端に適度の間隔をおいて水層４を設け、水層４の上部の空気室５の未処理気体流入管２と浄化気体流出管３との間に互い違いに上記側壁に平行な仕切板６を上壁から下方にまたは水層４の水面下から上方に伸ばして、夫々の仕切板６の先端を水面および上壁面より適度の間隔を置いて設けた。

【００２３】

【００１７】この構成から生ゴミや廃棄物の焼却炉から排出された粉塵や不純物を含む気体はダクトを通って未処理気体流入管２より除塵装置の分離槽１の空気室５に入る。未処理気体流入管２より吹き出した気体は直下の水面に衝突して転回し、上昇して上方の一番目の仕切板６の先端を旋回して後方の気体に押されながら、または前方に吸われながら下降し、二番目の仕切板６の下方先端を水面に接しながら旋回して上昇に転じる。三番目の仕切板６の上方先端を旋回した気体は下方に流れ、浄化気体流出管３を通って大気中へまたは吸引ポンプで吸引され他の装置へと排出される。

【００２４】

【００１８】分離槽１の下部の水層４の水を循環させるために水層４を上下に仕切る水層仕切板７を浄化気体流出管３側壁から未処理気体流入管２側に向って下方に緩やかに傾斜させ、未処理気体流入管２下方の手前まで伸ばして設け、給水口８を水層仕切板７の上部に、排水口９を水層仕切板７の下部に夫々浄化気体流出管３側壁に設けた構成として、給水口８から水層４に流入した水は水層仕切板７の上部を流れて未処理気体流入管２の下方の開口部を旋回して水層仕切板７の下部を流れて排水口９に至る。

【００２５】

【００１９】分離槽１の低壁₁₀を未処理気体流入管２の直下で分離槽１の最下部となるように傾斜させ、最下部に開閉弁₁₁を設けて、水層４中に取り込まれ沈降した粒子を最下部に沈殿させるようにした。

【００２６】

【００２０】この時、粒子や不純物の大部分は沈殿物として分離槽１の最下部に止まるが、少量の粒子や不純物が循環水によって運ばれ排水口９より循環パイプを通ってフィルタ−₁₂によって濾過される、濾過された循環水は給水口８から分離槽１の水層４内に入る。

【００２７】

【００２１】除塵装置の運転が終り分離槽１の最下部に沈殿物が溜まると分離槽１の開閉弁₁₁ を開いて沈殿物を取り出し分離槽１内を洗浄する。

【００２８】

【００２２】この考案の実施例では給水口８側に浄化気体流出管３を水面計₁₄側に未処理気体流入管２を設けた構成となっているが給水口８側に未処理気体流入管２を水面計₁₄側に浄化気体流出管３を設けた構成としても良い。

【００２９】

【００２３】

【００３０】

【考案の効果】

本考案は、上記説明したように構成されているので、下記に記載されるような効果を奏する。装置の構造が単純であるため製作労力が少なくて済み、経費も安価である。また、補修を殆ど必要とせず、長時間の連続運転にも耐え、気体の流れの抵抗となるものが少ないため運転経費も安価となる、かつ耐用年数も長い。

【００３１】装置の下部に水層を設けているため高温気体にも効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】除塵装置の実施例を示す縦断面図である。

【図２】除塵装置の実施例を示す平面図である。

【符号の説明】

１分離槽２未処理気体流入管３浄化気体流出管４水層５空気室６仕切板７水層仕切板８給水口９排水口₁₀ 底壁₁₁ 開閉弁₁₂ フィルタ−₁₃ ポンプ₁₄ 水面計

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】密封した箱形の分離槽（１）の上壁の一
端側に未処理気体流入管（２）を他端側に浄化気体流出
管（３）を設け、該両管の間の分離槽（１）の上部に気
体の流れを蛇行させる仕切板（６）を設け、分離槽
（１）の下部に水層（４）を設けたことを特徴とする除
塵装置。
【請求項２】分離槽（１）の下部の水層（４）を上下
に仕切る水槽仕切板（７）を気体進行方向前後のいずれ
かの側壁から下方に傾斜して未処理気体流入管（２）ま
たは浄化気体流出管（３）の下方手前まで設け、水槽仕
切板（７）を挟んで上部に給水口（８）を下部に排水口
（９）を設け、分離槽（１）の外部で排水口（９）に続
いてフィルタ−（₁₂）、ポンプ（₁₃₎、給水口（８）と
管路て接続させたことを特徴とする請求項１記載の除塵
装置。
【請求項３】分離槽（１）の底壁（₁₀₎を傾斜させ水
層仕切板（７）の先端の開口の下方で分離槽（１）の最
下部とし、最下部に開閉弁（₁₁）を設けたことを特徴と
する請求項１または請求項２記載の除塵装置。