JPH0744104B2 - 超電導コイル装置の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、超電導コイル装置の製造方法に関し、特
に、超電導コイルをコイル取付枠へ組立てるための超電
導コイル装置の製造方法に関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の超電導コイル装置として例えば特開昭61
−18343号公報に開示された超電導発電機の回転子コイ
ルに使用されている超電導コイル装置があり、その製造
方法について第３図〜第８図を参照して説明する。第３
図に示す円筒状のコイル取付枠（１）に形成されたスロ
ット（２）は、直線部（2a），アーク部（2b），コーナ
部（2c）からなっている。

また、第４図において、（３）は超電導コイル、（４）
は楔、（５）は楔絶縁、（６）は絶縁である。超電導コ
イル（３）は第５図に示すように、超電導線（７）、層
間絶縁（８）からなっている。

第６図，第７図は仮巻枠（９）を示し、（３）は超電導
コイルである。第８図は仮巻枠から取外した状態の超電
導コイルを示し、超電導コイル（３）は、直線部（3
a）、アーク部（3b）、コーナ部（3c）からなつてい
る。（10）は転位部である。

上記構成からなる超電導コイル装置を製造するには、第
６図および第７図に示すように、超電導コイル（３）は
予め長方形状の仮巻枠（９）に巻き付け、その後、第８
図に示すように仮巻枠（９）から取外し、直線部（3
a）、アーク部（3b）、コーナ部（3c）および転位部（1
0）を、コイル取付枠（１）の外周部に形成されたスロ
ット（２）に組立てる。

第４図は超電導コイル（３）がコイル取付枠（１）の外
周部に形成されたスロット（２）に組立てられた状態を
示し、超電導コイル（３）は楔絶縁（５）および絶縁
（６）によりコイル取付枠（１）に対し対地絶縁し、楔
（４）によりコイル取付枠（１）に堅固に保持する。超
電導コイル（３）は、超電導線（７）と、超電導線
（７）に加熱硬化性樹脂含浸テープをスパイラル状に巻
回した層間絶縁（８）により形成されており、コイル取
付枠（１）に複数列、複数層巻回して形成する。

層間絶縁（８）の樹脂の硬化は超電導コイル（３）をコ
イル取付枠（１）の外周部に形成されたスロット（２）
に組立後、コイル取付枠（１）を加熱して行う。

［発明が解決しようとする課題］ 上記のような従来の超電導コイル装置の製造方法におい
ては、超電導コイル（３）を仮巻枠（９）より外し、コ
イル取付枠（１）に組立てるとき、転位部（10）の詰物
が固定されていないため、転位部（10）の詰物が移動し
やすく、層間の短絡が起こるおそれがあつた。さらに、
転位部（10）が分散しているため、超電導コイル（３）
の広い範囲を固定してコイル取付枠（１）に組立てる巻
線工作に、多大な労力を費やしていた。

この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たものであり、転位部の層間絶縁の信頼性を高め、巻線
工作を効率的に行うことができる超電導コイル装置の製
造方法を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明に係る超電導コイル装置の製造方法は、超電導
コイルの転位部を片側のコイル直線部に密集させて配置
し、仮巻枠に巻付けた状態で転位部の層間絶縁を加熱半
硬化させた後、超電導コイルをコイル取付枠に組立て
る。

［作 用］ この発明においては、超電導コイルの転位部を片側のコ
イル直線部に密集させて配置し、仮巻枠に巻付けた状態
で転位部の層間絶縁を加熱半硬化させることにより、転
位部の詰物が固定される。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を第１図、第２図を参照して
説明する。第１図は超電導コイルを仮巻枠に巻回した状
態を示す斜視図、第２図は第１図におけるII−II線にお
ける断面図であり、図において、（10）は超電導コイル
（３）の転位部であり、超電導コイル（３）の片側の直
線部中央に密集させて配置されている。（11）は仮巻枠
（９）に形成された切欠き部であり、超電導コイル
（３）の転位部（10）の位置に設けられている。

次に製造手順について説明する。仮巻枠（９）に超電導
コイル（３）を複数列，複数層巻回する。次いで仮巻枠
（９）に形成された切欠き部（11）に加圧、加熱装置を
装着する。そして、超電導コイル（３）の転位部（10）
を加圧、加熱することにより加熱硬化性樹脂含浸テープ
を巻回されて形成された層間絶縁（８）を半硬化させ、
転位部（10）の複数列，複数層の超電導コイル（３）と
転位部詰物を固着する。

その後、超電導コイル（３）を仮巻枠（９）より外し、
コイル取付枠（１）に組立てる。

［発明の効果］ 以上のように、この発明によれば、超電導コイルの転位
部を、片側のコイル直線部に密集させて配置し、転位部
の層間絶縁を仮巻枠に巻付けた状態で半硬化させた後、
超電導コイルをコイル取付枠に組立てるようにしたの
で、超電導コイルをコイル取付枠に組立てるときの転位
部詰物の移動が防止され転位部の層間絶縁の信頼性を高
め、巻線工作の作業性を著しく向上する効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を説明するための仮巻枠の
斜視図、第２図は第１図のII−II線に沿う平面での断面
図、第３図〜第８図は従来の超電導コイル装置の製造方
法を説明するためのもので、第３図はコイル取付枠の斜
視図、第４図は第３図のIIV−IV線に沿う平面での断面
図、第５図は超電導コイルの正面図、第６図は仮巻枠の
斜視図、第７図は第６図のVII−VII線に沿う平面での断
面図、第８図は第７図の超電導コイルを仮巻枠から取外
した状態を示す斜視図である。 （１）……コイル取付枠、（２）……スロット、（３）
……超電導コイル、（８）……層間絶縁、（９）……仮
巻枠、（10）……転位部。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】加熱硬化性樹脂含浸テープをスパイラル状
   に巻回して層間絶縁を形成した超電導線の複数列、複数
   層を長方形状の仮巻枠に巻き付けて超電導コイルを形成
   し、その後、前記仮巻枠から前記超電導コイルを外し、
   外周部に直線部とアーク部を有するスロットが形成され
   たコイル取付枠の前記スロットに前記超電導コイルを収
   納する超電導コイル装置の製造方法において、 前記超電導コイルの転位部を片側のコイル直線部に密集
   して配置し、前記転位部の前記層間絶縁を前記仮巻枠に
   巻付けた状態で半硬化させた後、前記超電導コイルを前
   記コイル取付枠に組立てることを特徴とする超電導コイ
   ル装置の製造方法。