JPH074391B2 - 衝撃波発生器 - Google Patents

衝撃波発生器

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JPH074391B2
JPH074391B2 JP3109278A JP10927891A JPH074391B2 JP H074391 B2 JPH074391 B2 JP H074391B2 JP 3109278 A JP3109278 A JP 3109278A JP 10927891 A JP10927891 A JP 10927891A JP H074391 B2 JPH074391 B2 JP H074391B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結石の破砕に使用され
る衝撃波発生器に係り、特に圧電素子を用いた衝撃波発
生器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に腎石の治療に衝撃波を利用し
た結石破砕装置が用いられるようになってきた。この装
置では、患者の体外に設置した衝撃波発生器で発生させ
た衝撃波を結石に照射して、結石を破砕治療する。衝撃
波発生器には、圧電素子、スパーク、電磁誘導または爆
薬が利用される。これらのうち、圧電素子を用いた衝撃
波発生器(以下、圧電型衝撃波発生器という)は、低価
格で、安定した衝撃波出力が得られるために、特に注目
されている。
【0003】圧電型衝撃波発生器は、一般に凹面型圧電
素子と、この圧電素子の前部に取り付けられた水袋によ
り構成される。圧電素子は、圧電セラミック板と、その
両面にそれぞれ形成された電極とからなる。圧電素子は
超音波放射面凹面状に形成され、幾何学的な焦点を持
つ。水袋には、超音波を良く伝搬させる液媒である水が
収容される。圧電素子の表面に、圧電素子と水とを音響
的にカップリングするための、音響マッチング層が形成
される場合もある。音響マッチング層は、一般にエポキ
シ樹脂で作られる。
【0004】治療時には、水袋の表面が患者の体表に接
触される。この状態で、圧電素子に高電圧を印加するこ
とにより、圧電素子から強力な超音波を放射させる。放
射された超音波は圧電素子の幾何学的焦点に集束し、焦
点において衝撃波を発生させる。従って、焦点に結石を
位置決めしておけば、発生した衝撃波が結石に照射され
ることによって、結石が破砕される。
【0005】圧電素子と水とが直接接触する構造の衝撃
波発生器では、圧電素子の絶縁抵抗が低下していき、や
がて圧電素子の表裏の電極間が短絡することがある。電
極間が短絡すると、圧電素子に印加された高電圧によ
り、水を通して患者に電流が流れ、安全性が損なわれ
る。圧電素子の表面上に音響マッチング層を形成した構
造によれば、この問題はある程度緩和される。しかし、
衝撃波発生器が長期にわたって使用されると、エポキシ
樹脂の吸水が進行するため、圧電素子の絶縁性が低下す
る。さらに、吸水によるエポキシ樹脂の膨潤や、圧電素
子に対するエポキシ樹脂の接着力の低下によって、音響
マッチング層が圧電素子から剥離しやすくなる。このよ
うな理由から、従来では衝撃波発生器を比較的短期間で
交換することが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の圧電型衝撃波発生器では圧電素子と水とが直接接触す
る構造の場合、圧電素子の絶縁抵抗が低下し、やがて圧
電素子の表裏の電極間が短絡することがあり、その結
果、水を通して患者に電流が流れ、安全性の点で問題が
生じる。
【0007】また、圧電素子の表面上に音響マッチング
層を形成した構造においても、衝撃波発生器が長期にわ
たって使用されると、エポキシ樹脂の吸水が進行するた
め、圧電素子の絶縁性が低下するばかりでなく、吸水に
よるエポキシ樹脂の膨潤や、圧電素子に対するエポキシ
樹脂の接着力の低下によって、音響マッチング層が圧電
素子から剥離しやすくなる。従って、従来では衝撃波発
生器を比較的短期間で交換することが要求され、メンテ
ナンスに要する費用が大きいという問題があった。本発
明の目的は、圧電素子の耐水性を高め、長寿命で、安全
性に優れた衝撃波発生器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は超音波を伝搬させる液媒を介して対象物に
カップリングされ、対象物内で衝撃波を発生する衝撃波
発生器において、超音波放射面を有する圧電素子と、こ
の圧電素子の超音波放射面上に配置され、液媒と接する
弗素樹脂層とを具備することを特徴とする。液媒は、例
えば圧電素子の超音波放射面前方に配置された袋に収容
される。患者が液媒を満たした浴槽に入るようにし、こ
の浴槽内に衝撃波発生器を設置するようにしてもよい。
本発明では、圧電素子と弗素樹脂層との間に音響マッチ
ング層が介在されていてもよい。
【0009】
【作用】弗素樹脂層は、吸水率が小さく、耐水性に優れ
るという特徴がある。このような弗素樹脂層を圧電素子
の超音波放射面上に配置することによって、長期の使用
においても圧電素子に水などの液媒が接触することが防
止されるので、耐久性および安全性が向上する。
【0010】
【実施例】図1を参照して本発明の第1の実施例を説明
する。図1において、衝撃波発生器のベース1は開口2
を有する。このベース1に、開口2を塞ぐように圧電素
子3が固定されている。この圧電素子3は、前面の超音
波放射面が凹面状に形成され、背面が凸面状に形成され
ている。従って、圧電素子3の超音波放射面の凹面形状
で幾何学的に定まる焦点Fが形成される。圧電素子3の
背面とベース1との間には空間4があり、この空間4内
の空気に圧電素子3は接している。このような圧電素子
3の支持構造は、エアーバッキングと呼ばれる。
【0011】圧電素子3は、圧電セラミックス板5とそ
の表裏面に形成された電極6,7から構成される。電極
6,7は、リード線8,9をそれぞれ介して、高電圧パ
ルスを発生するパルサ10に接続されている。圧電素子
3は、パルサ10から高電圧パルスが印加されることに
よって、ハイパワーの超音波を発生する。上述のエアー
バッキングの効果により、発生される超音波は主として
圧電素子3の前面から放射される。
【0012】圧電素子3の超音波放射面には、音響マッ
チング層11が形成されている。この音響マッチング層
11上に、さらに疎水性樹脂である弗素樹脂の層12が
形成されている。ベース1の開口端には、ゴムのような
柔軟性のある材質で作られた水袋13が開口2を塞ぐよ
うに取付けられている。この水袋13に、超音波を伝搬
させる媒質液としての水14が収容されている。音響マ
ッチング層11は、圧電素子3と弗素樹脂層12とを音
響的にカップリングさせるために設けられる。この音響
マッチング層11は例えばエポキシ樹脂により作られ、
その音響インピーダンスは、圧電素子3のそれと弗素樹
脂層12のそれとの中間の値に設定される。このような
音響マッチング層11により、圧電素子3から発生され
る超音波は効率よく前方に放射され、焦点Fで発生され
る衝撃波の圧力を増加させることができる。弗素樹脂層
12は、水14が圧電素子3に達するのを防止するため
に設けられる。この弗素樹脂層12の音響インピーダン
スを、音響マッチング層11のそれと水14のそれとの
中間の値に設定すれば、弗素樹脂層12は超音波の伝搬
を妨げない。
【0013】治療時には、ベース1と反対側の水袋13
の表面が患者の腎臓16の背部の体表15に接触され
る。この状態で、圧電素子3の焦点Fが腎結石17に一
致するように、衝撃波発生器が位置決めされる。この位
置決め終了後、パルサ10が駆動され、高電圧パルスが
圧電素子3に印加される。これにより圧電素子3の前面
(超音波放射面)からハイパワーの超音波が発生する。
発生された超音波は焦点Fに集束されることによって、
焦点Fで衝撃波を発生する。この結果、焦点Fに位置し
ている結石17が衝撃波によって破砕される。
【0014】次に、弗素樹脂層12について詳細に説明
する。弗素樹脂は他の樹脂、例えばポリ塩化ビニール樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などと比較して、耐
水性が遥かに優れている。ここでは、弗素樹脂の一つで
あるポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略
称する)を弗素樹脂層12に用いた場合について述べ
る。PTFEは、吸水率が小さく、耐水性が良好である
という弗素樹脂固有の特徴を持っている。PTFEの音
響インピーダンスは約3×106 kg/m2 ・sで、音
響マッチング層10に用いられるエポキシ樹脂の音響イ
ンピーダンス(約8×106 kg/m2 ・s)と同程度
のオーダーであって、しかも水のそれ(約1.4×10
6 kg/m2 ・s)より大きい。このように弗素樹脂層
12の音響インピーダンスは、音響マッチング層11の
それより小さく、液媒である水14のそれより大きい。
このような場合、弗素樹脂層12の厚みが、弗素樹脂層
12内での超音波の中心波長(λとする)の1/4の奇
数倍、例えばλ/4あるいは3λ/4であれば、音響マ
ッチングの条件がほぼ満たされる。従って、圧電素子3
からの超音波は弗素樹脂層12ではほとんど減衰しな
い。PTFE中の音速は約1,400m/secである
から、例えば圧電素子3の共振周波数が約500kHz
であるとすると、λ=v/f(vは媒質中の音速、fは
共振周波数)の関係より、λは約2.8mmである。従っ
て、弗素樹脂層12の厚みはλ/4波長に相当する例え
ば0.7mm、あるいは3λ/4に相当する約2.1mmな
どが好適である。
【0015】図2は、直径300mmの圧電素子を用いた
種々の構造を持った衝撃波発生器について、パルサから
圧電素子に印加される駆動パルス電圧Vpと、出力パル
ス電圧Voとの関係を実測した結果を示している。出力
パルス電圧Voは、衝撃波発生器から発生される超音波
出力を測定用圧電素子で受信して電気信号に変換するこ
とによって得られる。実線21は、厚みがλ/4のエポ
キシ樹脂からなる音響マッチング層を有し、PTFE層
を有しない場合の特性を示す。一点鎖線22はエポキシ
樹脂からなる音響マッチング層と、その上に形成された
厚みがλ/4のPTFE層とを有する場合の特性を示
す。点線23は、エポキシ樹脂からなる音響マッチング
層とその上に形成された厚みが3λ/4のPTFE層と
を有する場合の特性を示す。PTFE層を形成した場合
の駆動パルス電圧対出力パルス電圧特性22,23は、
PTFE層が無い場合の特性21と大差がないことが明
らかである。従って、PTFE層のような弗素樹脂層1
2を形成しても、衝撃波発生器の本来の性能は損なわれ
ない。
【0016】図3に、エポキシ樹脂層とPTFE層の、
経過日数に対する吸水率の変化をそれぞれ線31,32
で示す。エポキシ樹脂層は10日間で吸水率が約0.2
%に達するのに対して、PTFE層は吸水率がほとんど
増えない。このようなエポキシ樹脂層とPTFE層の吸
水率特性の違いは、圧電素子の絶縁抵抗に影響する。圧
電素子の超音波放射面上にエポキシ樹脂層のみが形成さ
れている従来の衝撃波発生器では、長期間の使用中に圧
電素子の絶縁抵抗が低下することによってリーク電流が
増加する。また、圧電素子の耐電圧が低下し、最悪の場
合は圧電素子の表裏電極間が短絡する。PTFE層を有
する本発明による衝撃波発生器では、長期の使用によっ
ても圧電素子の絶縁抵抗はほとんど低下しない。このた
め、漏れ電流は無視でき、耐電圧の低下もない。従っ
て、患者に対する安全性が向上すると共に、衝撃波発生
器の寿命が長くなる。また、メンテナンスが不要であ
り、運転経費が大きく軽減されるという利点もある。
【0017】以上のように、圧電素子上にPTFE層を
形成した本発明の衝撃波発生器では、エポキシ樹脂層を
形成した衝撃波発生器と比較して格段に吸水率が小さ
い。従って、この衝撃波発生器は長期の使用に際しても
絶縁性が低下することがなく、十分な耐電圧が得られ、
安全性が向上する。
【0018】PTFE層の厚みは、λ/4より3λ/4
の方が、より長期間にわたって高い耐水性が得られる。
PTFE層の加工性の点でも、3λ/4の方が研削加工
や圧縮成型が容易であるため有利である。
【0019】弗素樹脂層の材質はPTFE層に限られ
ず、例えばポリクロロトリフロエチレン(PCTFE)
や、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)などの他の弗素樹
脂を用いることもできる。これらの弗素樹脂を用いた場
合でも、PTFEを用いた場合とほぼ同様の結果が得ら
れる。
【0020】図4は本発明の第2の実施例の衝撃波発生
器である。この実施例では図1における音響マッチング
層11がなく、圧電素子3の上に弗素樹脂層12が直接
形成されている。この場合、弗素樹脂層12の音響イン
ピーダンスを圧電素子3のそれと水14のそれとの中間
に選び、さらに弗素樹脂層12の厚さをλ/4の奇数倍
に選ぶことにより、音響マッチングの条件を満たすこと
ができる。
【0021】図5を参照して、本発明の第3の実施例を
説明する。衝撃波発生器のベース41は熱膨脹係数が圧
電素子のそれに近く、かつ軽量で、機械強度の大きい絶
縁材料、例えばガラスエポキシ樹脂により形成されてい
る。このベース41に凹面型圧電素子42が固定されて
いる。凹面型圧電素子42は、図6に示すように分割さ
れた複数(図の例では16個)の圧電ユニット43から
なる。圧電素子42の前面(超音波放射面)が凹面状、
背面が凸面状となるように、これらの圧電ユニット43
が接着剤で一体化されている。圧電素子42の中央部に
は、ホール50が設けられている。ベース41と圧電ユ
ニット43のそれぞれの背面部との間には、空間44が
ある。従って、この実施例によっても、空間44内の空
気に圧電ユニット43の背面が接した、エアバッキング
の構造が用いられている。
【0022】圧電ユニット43は、図1における圧電素
子3と同様に、それぞれ圧電セラミックス板とその表裏
面に形成された電極からなっている。それらの電極は、
リード線をそれぞれ介して、高電圧パルスを発生するパ
ルサに接続されている。圧電ユニット43に、パルサか
ら高電圧パルスが印加されると、圧電素子42の前面か
らハイパワーの超音波が発生される。これにより、圧電
素子42の超音波放射面の凹面形状で幾何学的に定まる
焦点において、衝撃波が発生される。
【0023】圧電素子42の超音波放射面上には、例え
ばエポキシ樹脂により形成された音響マッチング層51
が形成されている。この音響マッチング層51の表面
と、ベース1の外周面およびホール50の内壁面の上
に、弗素樹脂層52が形成されている。
【0024】ベース41の外周面に、ゴムのような柔軟
性のある材質で作られた水袋53が取付けられている。
この水袋53に、超音波を伝搬させる媒質液としての水
54が収容されている。この実施例においても、音響マ
ッチング層51によって圧電素子42と弗素樹脂層52
とが音響的にカップリングされることにより、発生され
る衝撃波の圧力を増加させることができる。また、弗素
樹脂層52によって、水54が圧電素子42に達するの
が防止される。
【0025】ホール50には、超音波プローブ56が挿
入されている。この超音波プローブ56は、圧電素子4
2より発生される超音波より弱い超音波を患者体内に向
けて放射し、かつ患者体内からの反射波を受信する。超
音波プローブ56から電気信号として出力される反射波
信号は、図示しない超音波画像装置に供給される。この
超音波画像装置は、患者体内の断層像(Bモード像)を
表示する。医師は、この断層像を見て衝撃波発生器の位
置決めを行うことができる。
【0026】弗素樹脂層52は、図1の実施例と同様、
その厚さは圧電素子42から発生される超音波の中心波
長λに対して、λ/4あるいはその奇数倍に選ばれる。
具体的には、例えば弗素樹脂層52がPTFEで作られ
ている場合、圧電素子42の共振周波数が約500kH
zであるとすると、λは約2.8mmである。従って、弗
素樹脂層52の厚さは0.7mmあるいは2.1mmのよう
に選ばれる。一方、弗素樹脂層52の直径は、圧電素子
42の直径(例えば300mm程度)と同等またはそれ以
上でなければならない。このような厚さと直径を持つ弗
素樹脂層52を均一な厚さに作ることは、通常の旋盤加
工では極めて難しい。そこで、弗素樹脂層52の好まし
い製造方法の一例を図7(a)〜(d)を用いて説明す
る。
【0027】まず、図7(a)に示される金型61とP
TFEブロック63を用意する。金型61は、弗素樹脂
層52の内面の曲率と同じ曲率の凸面62を有する。弗
素樹脂ブロック63は、凸面62と同じ曲率に研削され
た凹面63を有する。金型61の凸面62に対して、弗
素樹脂ブロック63の凹面64を接着力の比較的弱い接
着剤を用いて接着させる。このようにして弗素樹脂ブロ
ック63を金型61に固定した状態で、NC(数値制
御)旋盤により、図7(b)に示されるように層52状
に研削する。
【0028】次に、図7(c)に示される、予め図5の
ように圧電素子42を固定したベース41上に、図5に
示した音響マッチング層51を形成すると同時に、弗素
樹脂層52を接合する。音響マッチング層51は、エポ
キシ樹脂に硬化剤を含む適当なフィラーを混合して、所
定の音響インピーダンスを持つように調整された材料に
よって作られる。図7(c)におけるベース41上に、
このような音響マッチング層材料を流動状態で供給す
る。一般に、エポキシ樹脂は硬化剤を混合することで、
流動状態から固体状態へ変化する性質を持ち、接着剤と
して用いられている。このようなエポキシ樹脂の性質を
利用して、流動状態の音響マッチング層材料が供給され
たベース41上に、弗素樹脂層52が形成された金型6
1の凸面を押し付ける。これにより、エポキシ樹脂層が
所定の厚さに維持した状態で硬化される。この際、弗素
樹脂層52はエポキシ樹脂層を所定の形状にするための
型の役割を果たす。この結果、ベース41上にエポキシ
樹脂層からなる音響マッチング層51および弗素樹脂層
52が順次積層される。
【0029】最後に、図7(d)に示されるように金型
61を剥離することによって、ベース41上にエポキシ
樹脂層からなる音響マッチング層51と、弗素樹脂層5
2が積層された部材が得られる。
【0030】次に、図8を参照して本発明の第4の実施
例を説明する。この実施例ではリング状のベース71の
図示下端面上に、リング状の圧電素子73が形成され
る。ベース71と圧電素子73との間には、空間74が
設けられる。圧電素子73は、圧電セラミック板75と
その両面に形成された電極76,77からなる。圧電素
子73は、図5の実施例と同様に、複数のユニットに分
割されていてもよい。圧電素子73の図示下端面上に、
リング状の音響マッチング層78が形成されている。こ
の音響マッチング層78の図示下端面と、ベース71お
よび圧電素子73の内外両周面を囲むように、弗素樹脂
層79が形成されている。この弗素樹脂層79の図示下
端面上に、音響レンズ80が設けられている。音響レン
ズ80は、図示下端面が凹面81状に形成され、この凹
面81の形状で幾何学的に定まる焦点に圧電素子73か
ら発生される超音波を集束させる作用を持つ。この音響
レンズ80の前方に水袋83が取付けられ、この水袋8
3に、超音波を伝搬させる液媒としての水84が収容さ
れている。
【0031】音響レンズ80に要求される条件は、理想
的には、音響インピーダンスが液媒である水と同じであ
ることと、超音波減衰吸収が小さいこと、および水との
音速差が大きいことである。音響レンズ80は、図のよ
うな凹面レンズの場合、水の音速(約1,500m/
s)よりも大きな音速の材料が用いられる。このような
条件を満たす音響レンズ材料は、一般には樹脂であるた
め、音響インピーダンスは音響マッチング層78および
弗素樹脂層79と同等となる。
【0032】このように音響レンズ80を用いると、圧
電素子71、音響マッチング層78および弗素樹脂層7
9の形状をリング状にすることができる。このため、弗
素樹脂層79は弗素樹脂薄板をリング状に打ち抜き加工
することで形成でき、図7で説明したような複雑な工程
を必要としない。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、圧電素子の超音波放射
面側に直接または音響マッチング層を介して弗素樹脂層
を形成したことにより、耐水性が向上して長期にわたる
使用が可能となり、かつ長期使用においても絶縁抵抗の
低下がほとんど無く、漏れ電流の増加も少ないため、安
全な治療を行うことができる。さらに、信頼性が高く長
寿命であり、安定した衝撃波を発生できるので、メンテ
ナンスが不要であり、運転経費が大きく軽減されるとい
う利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る衝撃波発生器の
断面図
【図2】 種々の構成の衝撃波発生器の駆動パルス電圧
対出力パルス電圧特性を示す図
【図3】 エポキシ樹脂とPTFEの吸水率の経時変化
特性を示す図
【図4】 本発明の第2の実施例に係る衝撃波発生器の
断面図
【図5】 本発明の第3の実施例に係る衝撃波発生器の
断面図
【図6】 図5における圧電素子の平面図
【図7】 図5に示す衝撃波発生器の製造工程を示す図
【図8】 本発明の第4の実施例に係る衝撃波発生器の
要部の断面図。
【符号の説明】1,41,71…ベース
2…開口3,42,73…圧電素子
4,44,74…空間11,51,78…音響マッチン
グ層 12,52,79…弗素樹脂層13,53,8
3…水袋 14,54,84…水(液
媒)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波を伝搬させる液媒を介して対象物に
    カップリングされ、対象物内で衝撃波を発生する衝撃波
    発生器において、超音波放射面を有する圧電素子と、こ
    の圧電素子の前記超音波放射面上に配置され、前記液媒
    と接する弗素樹脂層とを具備することを特徴とする衝撃
    波発生器。
  2. 【請求項2】超音波を伝搬させる液媒を介して対象物に
    カップリングされ、対象物内で衝撃波を発生する衝撃波
    発生器において、超音波放射面を有する圧電素子と、こ
    の圧電素子の前記超音波放射面上に形成された音響マッ
    チング層と、この音響マッチング層上に形成され、前記
    液媒と接する弗素樹脂層とを具備することを特徴とする
    衝撃波発生器。
  3. 【請求項3】前記音響マッチング層は、エポキシ樹脂に
    より形成されていることを特徴とする請求項2記載の衝
    撃波発生器。
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