JPH0743819Y2

JPH0743819Y2 - 磁気テープカセット

Info

Publication number: JPH0743819Y2
Application number: JP1988012593U
Authority: JP
Inventors: 昌寿岡村; 晴男芝; 高資浪岡
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1988-02-03
Filing date: 1988-02-03
Publication date: 1995-10-09
Anticipated expiration: 2003-02-03
Also published as: JPH01116976U

Description

【考案の詳細な説明】（技術分野）本考案は磁気テープカセットに関し、さらに詳しくは磁
気テープカセットにおけるテープガイドの固定機構に関
する。

（従来技術）ビデオテープカセット等のカセットテープには磁気テー
プの移動を適正に案内するためにテープガイドが設けら
れている。第１図はビデオテープカセット匣体の分解図
で、理解を容易にするためにテープガイド部分のみを詳
しく示してある。

図において１は上ハーフ、２は下ハーフであり、下ハー
フ２には磁気テープ繰り出し側から磁気テープ走行路に
そって順に、金属製ガイドピン３、プラスチック支持ピ
ン４に支持された金属製の半円筒形または円筒形固定テ
ープガイド５、プラスチック支持ピン６に支持された金
属製半円筒形または円筒形固定テープガイド７、および
プラスチックピン８に支持されたプラスチックガイドロ
ーラ９が設けられている。これらのガイド部材のなかで
も、特に重要なものはテープガイド５、７である。これ
らのガイドは、磁気テープの適正な走行を確実し、低摩
擦で、しかも耐摩耗性でなければならないため、高精度
に加工した金属たとえばステンレス鋼、硬質めっきした
他の金属等が用いられている。このような高精度のテー
プガイドはカセット匣体の所定位置に高精度で取り付け
なければ折角高精度に製作したテープガイドの特性が充
分に生かされず、磁気テープの走行不良等の問題を生じ
ることになる。

従来行なわれている円筒状テープガイド５、７の取り付
け方法の代表例を第２図に示す。下ハーフ２の面には環
状リブ10が形成され、その内面と支持ピン４（又は６）
との間に形成された環状溝11にテープガイド５（又は
７）が圧入される。テープガイドの位置の規制はリブ10
の内面の直径をテープガイドの外径と同一に設定してお
き、テープガイドを圧入することによって行なわれる。
支持ピン４（６）の外径とテープガイドの内径との間に
は僅かな隙間があり、直接位置規制には関係しないが、
テープガイドの組立の案内と上下ハーフの間隔の規制を
行なうのに役立っている。この方式は例えば実公昭56-3
5985号公報等に記載されている。

一方従来の半円筒状のテープガイドの典型的な取り付け
方法は、第３図に示したように接着剤又は両面接着テー
プ12を用いて行なわれる。この方式は、実公昭59-3420
号公報、実公昭61-5660号公報に記載されている。

（従来技術の問題点）しかしながら、これらの方法によるとテープガイドの位
置はかならずしも精密に規制できない。何故なら、円筒
状テープガイドの場合には、下ハーフ２（上ハーフ１も
同様）の成形金型におけるリブ10を成形する部分の直径
及び真円度を精密に出すことが困難だからである。この
問題を解決するには、精密な仕上げが要求されるが、非
常に手間と時間がかかりコストの上昇につながる。一般
に、リブ10の真円度と精密寸法を維持することは非常に
困難であり、このため緊すぎてテープガイドが入らない
場合とか、緩すぎてテープガイドが回転したり、がたつ
いてしまったりする問題があった。

一方、半円筒状テープガイドの場合には、接着剤の量や
両面接着剤の厚さの変動、ガイドの位置ずれ等の問題が
あり、精密にテープガイドの位置を規制することが困難
であった。また、取り付け後には接着強度の弱さ、経時
変化による接着強度の低下の問題があった。

（考案の目的）従って本考案の目的は、半円筒状等の部分円筒状のテー
プガイドの精密な位置規制と固定を容易に行なうことの
できるテープガイド支持構造を有するテープカセットを
提供することにある。

（考案の概要）本考案は、上下ハーフよりなるカセット匣体内のテープ
走行通路に配設された部分円筒状の固定テープガイド
を、匣体側に設けられた支持ピンの基部の周りと、前記
テープガイドに外接する連続又は不連続の多角形状の支
持リブと、前記テープガイド周方向端部に隣接するリブ
とにより形成された凹所に圧入固定したことを特徴とす
るテープカセットにより、上記目的を達成する。

（考案の構成の詳細な説明）以下に本考案の好ましい実施例を図面に関連して詳しく
説明する。

以下の例は、半円筒状に形成され、外表面が精密仕上げ
された金属製テープガイドの取り付け構造を有する磁気
テープカセットについて説明する。テープガイドは、ス
テンレス鋼、硬質めっきした真ちゅうなどの材料から製
作され、その外表面は精密研磨により精密に仕上げられ
ている。本考案のテープガイドは、第１図に示したテー
プガイド５、７（以下両者の代表としてテープガイド５
についてのみ説明）として使用されるものであり、カセ
ット匣体の構造は同図を参照することとし、ここでは特
に述べない。また、例示はしたハーフについて行なう
が、上ハーフにも同様な多角形リブを形成することが好
ましい。しかし基本的には下ハーフ側の支持リブにより
ほぼ取り付け精度が決定されるので、下ハーフのみに本
考案の構造を採用しても良い。

以下の例はテープガイドが半円筒形の場合の取り付け構
造を示す。

第４図はこの例の１実施例に示す。この例では、半円筒
形のテープガイド５は円筒形の支持ピン４の周りに支持
される。支持ピンの基部13は他の部分よりも大径であり
テープガイド５の内径とほぼ同一の径を有する。下ハー
フ２には矩形のリブ11が形成され、支持ピン４に結合し
た部分以外の３辺は各１点でテープガイド５の外周に係
合して位置の規制を行なうようになっている。また、支
持ピン４に結合した辺の内面はテープガイド４の周方向
端部に係合して周方向の位置規制を行なうようになって
いる。上ハーフにも同様なリブを形成し且つ支持ピンを
使用するか、又は同様なリブと凹所を形成しておけば、
組み立てに当たって所定の位置規制が行なわれる。別法
としては上ハーフには単にピン４とテープガイド５の総
合断面に相当する受け入れ孔を形成しておいてテープガ
イドの上端の支持を行なってもよい。

第５図は他の例を示す。この例ではリブ11の形状が４つ
の直線状の位置規制用内周辺を有するように形成されて
いるほかは、他の部分は前例と同様に構成されている。

第６図はさらに他の例を示し、この例では第10図に示し
たと同様な下部構造のテープガイド支持構造のほか、さ
らに支持ピンの上端に下部構造と同様な構造の位置規制
用のリブ14が一体的に形成されている。従ってこの例で
は上ハーフとは無関係にテープガイド５の精密な位置規
制を行なうことができる。

第７図は、本考案の更に他の実施例を示す。この例で
は、支持ピン４の基部13と規制リブ11は、下ハーフ２に
凹所を形成することにより形成される。

（作用効果）上記の構成を有するから、半円筒状（より一般には部分
円筒状）のテープガイドを支持ピンの周面に案内として
その基部の凹所に押し込むことにより、能率的な組み立
てを行うことができると共に、支持ピンの周面によらな
いで匣体の底壁にテープガイド基部を固定する壁を設け
たために、成形歪みを生じにくく精度が高くなり、また
テープガイドの周方向両端とガイド基部の面が半円筒状
等の部分円筒状のテープガイドの基部を外方に押すこと
により、テープガイドの外周面を多角形のリブに押しつ
け、それによりテープガイドの外周面の正確な位置規制
を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の適用される磁気テープカセットの匣
体の分解斜視図、第２図は従来の円筒状テープガイドと
その支持構造を示す図で、ａは斜視図、ｂは水平断面
図、ｃは垂直断面図、第３図は従来の半円筒状テープガ
イドとその支持構造を示す図で、ａは斜視図、ｂは水平
断面図、ｃは垂直断面図、第４図は本考案の実施例によ
るテープガイドとその支持構造を示す図で、ａは斜視
図、ｂは水平断面図、ｃは垂直断面図、第５図は本考案
の他の実施例によるテープガイドとその支持構造を示
し、ａは斜視図、ｂは水平断面図、ｃは垂直断面図、第
６図は本考案の更に他の実施例によるテープガイドと支
持構造を示す斜視図、及び第７図は本考案の実施例によ
るテープガイドとその支持構造を示し、ａは斜視図、ｂ
は水平断面図、ｃは垂直断面図である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上下ハーフより成るカセット匣体内のテー
プ走行通路に配設された部分円筒状の固定テープガイド
を、匣体側に設けられた支持ピンの基部の周りと、前記
固定テープガイドに外接する連続または不連続の多角形
状の支持リブと、前記固定テープガイド周方向端部に隣
接するリブとにより形成された凹所に圧入固定したこと
を特徴とするテープカセット。