JPH0743297B2 - 自動車事故の再現試験方法及び装置 - Google Patents

自動車事故の再現試験方法及び装置

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JPH0743297B2
JPH0743297B2 JP3059636A JP5963691A JPH0743297B2 JP H0743297 B2 JPH0743297 B2 JP H0743297B2 JP 3059636 A JP3059636 A JP 3059636A JP 5963691 A JP5963691 A JP 5963691A JP H0743297 B2 JPH0743297 B2 JP H0743297B2
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フープファー ペーター
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テッヒニシャー ユーバーヴァッフングシュフェアアイン バイエルン エー.ファウ.
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • G01M17/0078Shock-testing of vehicles

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも1台の自動
車を実際に事故が発生した状況と等しい所定の衝突点に
案内し、衝突させるようにした自動車事故の再現試験方
法および試験 装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車産業においては、新型車輛を事故
時の変形について試験するために衝突破壊試験が行われ
ている。これらの衝突試験においては、自動車を動かし
て障害物に衝突させている。障害物自体は一般には停止
しているが、移動している他の自動車と衝突させること
もできる。ここでシミュレーションされる事故は、例え
ば車輛の転倒のような車体および車輛乗員をとくに危険
にさらす事故や、事故統計の上で多く見られる、例え
ば、追突、正面衝突、側面衝突あるいは異なる角度での
種々の車輛の衝突のような事故を想定してなされる。
【0003】シミュレーションによる事故において、車
輛乗員(ダミー)及び自動車へ与えられた応力損傷は、
乗員への能動的安全性および受動的安全性を改善するた
めに記録され、かつ評価される。また、衝突破壊試験
は、コンピュータを用いた計算及びシミュレーションに
よって設計された自動車の試験及び点検のためにも役立
っている。
【0004】衝突破壊試験においては、自動車を適宜な
制御方法、例えば、操舵及び速度を遠隔制御することで
案内することができる。車輛の乗員は通常ダミーとして
搭載される。
【0005】一方、ドイツ連邦共和国公開特許第3,2
48,192号は、事故に至る以前の自動車の走行デー
タを記録し、飛行機のフライトレコーダのように、実際
の事故における事故記録装置として使用することができ
る装置を開示している。速度、ブレーキ作動、ホーン、
計器類等についてのデータが記録され、事故が起こった
場合には、例えば、計器の異常動作や過剰な速度につい
ての情報が得られる。これらの情報は、事故の責任を査
定する際に参考にされる。この装置では、事故直前の最
後の200メートルについてのデータのみが記録され、
それ以前のすべてのデータは消去されてしまう。
【0006】
【発明が解決すべき課題】従来の方法あるいは装置にお
いては、事故に関与した自動車、車速、走行方向等につ
いて、実際の事故を再現することができないという不都
合がある。衝突破壊試験の場合には、単に自動車に与え
られる効果を試験するために、衝突実験が実行される。
つまり、この場合の衝突実験は、路上において実際に起
こった事故を再現するものではなく、事故統計により求
められた一般化された事故をシミュレーションするに過
ぎない。
【0007】また上記ドイツ連邦共和国公開特許第3,
248,192号に記載されているような事故記録装置
は、事故の過程を再現するのに適さない。それは単にす
でに発生した事故についてデータを供給するに過ぎな
い。
【0008】つまり、この装置では、事故について影響
を及ぼす種々の要因について試験を行うことができな
い。例えば、濡れた滑り易い道路であるとか、または事
故が起こった場所の路面の変化といったような種々の環
境的な影響が考慮されない。
【0009】それゆえ、本発明の目的は、実際に発生し
た事故を、その事故が起こった際の状況と同様に再現す
ることができる自動車事故の再現試験方法および装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発
明は、自動車事故を再現する再現試験方法であって、1
台もしくは複数台の自動車(8)を、実際の事故状況に
対応する走路上で、車載エンジンにより自走させるとと
もに、案内手段により実際に事故が発生した所定の衝突
点に案内し、かつ外部に設置した制御コンピュータ
(1)によって、その速度および操舵方向を実際の事故
の状況と同様に遠隔制御し、前記衝突点で衝突させるこ
とを特徴とする。なお、この試験の際には、必要に応じ
て、雨天であるとか、横風が強い、等の環境的条件も考
慮される。
【0011】本発明による方法においては、自動車の速
度及び方向の事故の直前の過程が、事故の目撃者、事故
の当事者あるいは専門家の証言に基づいて、明確に再現
される。事故はここでは自動車の車種や事故時の運転変
数だけでなく、実際に事故が起こった場所に広がる道路
の状況や、事故時における気象等の環境的影響を考慮し
て、事故の状況を再現することができる。
【0012】本発明の方法においては、事故の過程に影
響を及ぼすすべての変数を考慮することができ、事故を
非常に実際的に再現することができる。実際の事故と再
現された事故とを比較することにより、例えば、手掛か
りとなるスキッドマークがアンチロックブレーキ装置
(ABS)の使用により残っていないような場合でも、
責任の所在に関し、当事者の証言を検証することができ
る。また衝突破壊試験の場合と同様に、車輛乗員に及ぼ
す事故の結果を試験するために、自動車にダミーを搭載
することができる。またこの方法においては、事故の過
程に代えて、例えばブレーキを掛けるとかステアリング
ホイールを急激に操舵した等の事故直前の運転者の反応
を再現することができる。
【0013】車輛は、ここでは実際の事故状況に対応す
る走路に従って道路面上または道路内に敷設されたパイ
ロットケーブル(3)に沿って案内される。パイロット
ケーブルは、どのような道路面にも容易にかつ迅速に配
設することができる。このパイロットケーブルは、事故
現場から事故の前に自動車が走行した走路に沿って敷設
され、事故に関与した車両に相当する自動車が該パイロ
ットケーブルに沿って事故現場へ向けて動かされる。そ
して、実際の事故から得られた運転変数でもって自動車
が動かされ、かつ事故を再現するように衝突する。
【0014】事故をシミュレーションする自動車がその
車載のエンジンによって動かされるならば、一層有利で
ある。また自動車の速度をアクチュエータによって、例
えばエンジン速度を変更することにより制御するならば
一層有利である。さらに、自動車の速度は、自動変速機
の場合においては変速比を変えることによっても変更
きる。また手動変速機の場合においてはエンジン回転数
(エンジン速度)を変えることにより変更できるが、こ
の場合には、変速機の変速段は、実際に事故が起こった
ときに使用されていた変速段に設定される。そして、自
動車はアクチュエータにより操舵され、かつブレーキの
作動により減速されるようになっている。
【0015】このように、エンジン、変速機、操舵機構
及びブレーキ機構を制御することにより、自動車のすべ
ての運転機能及び運転パラメータを変更することができ
る。自動車は外部から動かされるのではなく、自動車自
体に含まれる装備によって動かされるので、事故の過程
を非常に現実的に再現することができる。本発明では、
自動車を動かすための外部補助機構、軌道に沿って事故
現場へ自動車を案内する案内機構、あるいは操舵機構の
固定機構などのような追加の設備は必要ない。
【0016】自動車が、外部から大きな影響を受けず
に、事故の過程によって決定された運動パラメータの設
定値に沿ってほぼ自動的に調整されるように、運転パラ
メータ、とくに速度、操舵角、ブレーキ作動量の少なく
とも一つの実際の値をセンサによって検出し、かつ車載
コントローラにより実際の事故過程に対応する設定値に
調整するようにすれば一層有利である。
【0017】また、幾つかのパラメータを自動車の外部
からの制御信号によって制御するようにしても良い。こ
の制御信号は車載受信機を介して受信され、かつパラメ
ータを制御するために車載コントローラに供給される。
自動車は事故によって多少は損傷を受けるので、高価な
監視装置や記憶装置を、実際に必要なセンサや制御デバ
イスから離れた位置に設けることができれば、事故のシ
ミュレーションに要するコストを低減させることができ
る。さらに、外部から観察するときに必要になるかもし
れないような運転動パラメータの簡単な変更を可能にす
るために、大型かつ迅速なコンピュータを使用すること
が可能となる。車載コントローラと外部のコンピュータ
との通信は、例えば、アンテナの形の車載受信機を介し
て行うことができる。
【0018】自動車の衝突点に対する位置関係および複
数台の自動車の相対的位置関係ならびに実際の事故に精
密に対応する自動車の一連の運動についての正しい情報
を、事故を再現している間に逐次利用し得るようにする
ために、好ましくは、衝突点に対する各自動車の瞬間位
置をパイロットケーブルに等間隔に設けたトリガマーク
に基づいて、該パイロットケーブルに接続された制御コ
ンピュータにより計算し、この運動パラメータ及び相対
位置の設定値と実際値とを比較した上で、補正値を対応
する車載コントローラに供給するように構成する。一実
施例においては、パイロットケーブルにより自動車の車
載受信機を介して対応する車載コントローラに補正値を
送信するパイロットケーブル送信機が制御コンピュータ
とパイロットケーブルとの間に配置される。
【0019】事故の直前および事故の間の正確な観察を
行うために、速度等の運転パラメータのみならず、事故
による負傷試験用の車輛乗員に相当するダミーの加速
度,減速度等の他の測定変数を得るように、好ましく
は、事故の過程の間中、運転パラメータ及び他の測定変
数を記録し、かつ記憶ならびに評価のために車載コンピ
ュータに供給するように構成するとよい。もちろん、事
故の際にデータが損失される可能性を考慮し、その損失
を防止するために、自動車の外部に配置されたコンピュ
ータまたは記憶媒体に供給するようにしてもよい。さら
に、車載コントローラは車載コンピュータと一体の構成
として設計することができる。
【0020】例えば、パイロットケーブルによって決定
される走路上に障害物があったり、技術的な欠陥が生じ
たりした場合のように、予測できない問題が事故のシミ
ュレーションを妨害あるいは阻害する場合を考慮して、
好ましくは、制御装置または他の操作機構が故障した場
合に、あるいは外部の状況が不都合な場合に、自動車の
緊急停止が実行されるように構成するとよい。走路上に
障害物がある場合には手動でこの緊急停止を行い、また
操作機構の故障の場合は自動的に行うことができる。
【0021】本発明の他の好適な実施例においては、自
動車は実際の事故状況に対応する走路に沿って、レーザ
パイロットビームにより案内される。ここでは一般に市
場で利用し得るレーザを、使用されることができる。こ
のレーザは自動車自体にまたは自動車の外部に配置され
る。いずれの場合でも、自動車は目標追跡方法によって
衝突点に案内される。つまり、レーザが自動車自体に配
置される場合には、レーザビームを、障害物あるいは他
の自動車において、ミラー等によって反射させ、この反
射されたレーザビームを運転走路の制御のために使用す
る。同様に、レーザが自動車の外部に配置される場合に
は、自動車が衝突するようにレーザビームに沿って案内
される。
【0022】自動車の衝突の際のレーザの損傷を防止す
るために、好ましくは、レーザを自動車の外部に配置
し、かつレーザパイロットビームを自動車に配置したレ
ーザビーム受光手段により受光するように構成するとよ
い。自動車の方向とレーザパイロットビームとの偏差、
および障害物と自動車との距離は、受光手段により測定
することができ、自動車の方向や例えば速度が制御され
る。
【0023】また好ましくはレーザビーム受光手段は複
数のフォトセルから構成される。レーザビームの位置に
依存する受光は、フォトセルを略水平に配置することに
より得られ、所定の走路に沿う案内がレーザパイロット
ビームによって容易に行われる。
【0024】また、好ましくは、車載コントローラ及び
/または車載コンピュータは、レーザビーム受光手段に
接続される。レーザビーム受光手段から送信される信号
により、車載コントローラまたは車載コンピュータはレ
ーザパイロットビームに対する車輛方向のずれを測定
し、かつ所定の走路に沿って自動車を案内する。これに
より衝突点への自動車の迅速かつ完全な案内が達成され
る。
【0025】道路面上または道路内に敷設されるパイロ
ットケーブルに比して、レーザパイロット装置を使用す
れば、余分な作業が不要となる。
【0026】好ましくは、自動車がレーザパイロットビ
ームを見失った場合に、緊急ブレーキ作用を実行するよ
うにするとよい。これにより制御不能となる事故が防止
される。
【0027】
【作用】事故に関与した1台もしくは複数台の自動車
を、実際の事故状況に対応する走路上で、車載エンジン
により自走させるとともに、案内手段により実際に事故
が発生した所定の衝突点に案内する。そして、外部に設
置した制御コンピュータによって、その速度および操舵
方向を実際の事故の状況と同様に遠隔制御し、前記衝突
点で衝突させ、事故を再現する。この事故の再現は、必
要に応じ、気象条件や路面条件等の環境的状況を考慮し
て行う。
【0028】以下に本発明を図面に示した実施例を参照
して詳細に説明する。
【0029】
【実施例】本方法の一実施例に係る自動車事故再現試験
装置は、自動車の外部に配置した制御コンピュータ1を
有し、かつこの制御コンピュータ1は、好ましくは固定
して設置される。この制御コンピュータ1は、再現すべ
き事故の際の各自動車の運転パラメータの設定値を記憶
している。さらに、この制御コンピュータ1は、自動車
8に実際に対応してそれぞれの場合に生じる運転パラメ
ータの実測値を監視するのにも用いられる。ここで制御
コンピュータ1は、設定値と実際の値との偏差を算出
し、実際の事故の過程で発生した運転パラメータに正確
に追従するように、必要な補正を決定する。
【0030】制御コンピュータ1は、データラインを介
してパイロットケーブル送信機2に接続されている。パ
イロットケーブル送信機2は、さらに受信機としても機
能するように設計されている。パイロットケーブル送信
機2は、制御コンピュータ1と車載コントローラ5との
間のデータ通信のために、単一チャンネルまたは多重
ャンネルの設計となっている。バッテリバックアップに
より、それらは外部電源から独立している。さらに、パ
イロットケーブル送信機2は、例えば車速を制御するの
に使用することが可能な1または複数の周波数入力を付
加的に有している。
【0031】制御コンピュータ1と車載コントローラ5
との間のデータ通信は、ここではパイロットケーブル3
を介して行われる。このパイロットケーブル3は、パイ
ロットケーブル送信機2に接続されているとともに、事
故の過程に対応する走路に沿って自動車を案内するため
に、道路面上に敷設されている。
【0032】本実施例では、データはパイロットケーブ
ルから例えばアンテナ4のような車載受信装置によって
受信される。上記アンテナ4は、好ましくは運転方向に
沿って自動車の前方に取り付けられる。アンテナ4か
ら、データは、接続リード線7を介して車載コントロー
ラ5に供給される。ここで、受信データは、例えば、速
度、操舵角、または制動量のような運転パラメータを制
御するのに使用される。
【0033】図示した実施例では、運転パラメータを制
御するために、車載コントローラ5は、前輪の操舵機構
10を駆動するための操舵シリンダ11に接続されてい
る。これにより、パイロットケーブル3に沿って自動車
8を案内するために行われる走行方向の制御は、例えば
ステアリングホイールを左右に急ハンドル操作したなど
のように、事故直前における最終の操舵操作と可能な限
り等しくなる。
【0034】車載コントローラ5は、さらに、ブレーキ
制御機構及び速度制御機構に接続されている。ブレーキ
駆動装置12は、制動作動を実行するために、車載コン
トローラ5に直接接続されている。このようにブレーキ
駆動装置12を設けることによって、事故直前の運転者
の挙動、例えば最後の制動を行った状態や急ブレーキな
どの様子を再現することができる。さらに、ブレーキ駆
動装置12は、緊急停止機能を具備するように設計され
ており、これによりパイロットケーブルから自動車が外
れた場合、あるいは操作機構が故障した場合などにおい
て、自動車が自 動的に制動されるようになっている。
【0035】自動車の速度は、タコメータと略同様の構
成を有するセンサ14によって測定され、かつ車載コン
トローラ5により、予め定めた設定値に調整される。速
度制御装置13は、スロットル弁を直接開閉駆動するよ
うに構成することが可能であり、また、通常の巡航コン
トローラのように構成することもできる。
【0036】パイロットケーブル3に沿う自動車8の案
内は、自動車8自身により略自動的に行われる。すなわ
ち、パイロットケーブル3に対する軌道を保持するため
に、例えばアンテナ4を介して、誘導方法または他の何
らかの方法で監視が行われ、かつ必要に応じて、操舵シ
リンダ11に対し車載コントローラ5の指令により補正
が行われる。速度の制御は、同様に自動車単独で、すな
わち車載コントローラによって殆ど行われる。速度セン
サ14によって、常に実際の瞬間速度が測定され、かつ
速度制御装置13を介して車載コントローラによって設
定値に調整される。
【0037】図1においては、異なる方向から複数台の
自動車が衝突点に案内されるように設定した実施例が示
されている。自動車相互の相対的位置ならびに衝突点に
対する相対的位置は、絶対速度および相対速度を含め
て、パイロットケーブルのトリガマークを利用して、制
御コンピュータ1によって測定可能である。これらの値
は、対応する設定値と比較される。そして、必要に応じ
て、パイロットケーブル送信機2およびパイロットケー
ブル3を介して、車載コントローラ5により自動車が前
記設定値に向けて調整される。ここでは、操舵シリンダ
11、速度制御装置13及びブレーキ駆動装置12が介
在する。このため、制御コンピュータ1は、車載コント
ローラ5に対し優先して制御が可能となっており、かつ
車載コントローラを介して運動パラメータを制御するよ
うに設計されている。
【0038】自動車における各装置を独立させるため
に、すべての機能部品さらには車載コントローラ5は、
通常の自動車と同様に車載バッテリによって電源供給さ
れてい る。
【0039】再現事故の間に、事故の過程に関して重要
な測定信号を記録するために、さらに他のセンサ16が
自動車に配置されている。これらのセンサ16は、測定
信号を処理しかつ記録するように構成された車載コンピ
ュータ6に接続されている。さらに、アンテナ4及び車
載コントローラ5に対し、ケーブル19を介して接続さ
れている。このようにして、車載コンピュータ6は、車
載コントローラにより影響される運転パラメータに対し
てもアクセスできる。これにより、車載コンピュータ6
は、センサ16を含め、例えばアンテナ4を介して起動
可能である。この車載コンピュータ6は、専用の電源1
7を別個に備えている。これにより、車載コンピュータ
6は、車載バッテリ15に依存せず、その動作を試験の
全期間に亙って確実に得ることができる。さらに、車載
コントローラ5、電源17及びセンサ16は、特別に保
護した状態で自動車に配置される。車載コンピュータ6
にセンサ16から送信された測定値は、車載コンピュー
タ6に記憶され、後から評価される。
【0040】しかしながら、同時に各測定値を、車載コ
ンピュータ6から、衝突によって破壊される虞れのない
外部の記憶装置に送信することもできる。
【0041】自動車事故をシミュレーションする本実施
例によれば、事故に関与した各自動車について、同一の
装置が車載されており、それぞれの自動車が衝突点に案
内される。高級な制御コンピュータ1によって、各自動
車のすべての運転パラメータが、事故の過程に応じた設
定値に適合され、かつ各自動車の関係が互いに調整され
る。
【0042】図2は、本発明の他の実施例を示す。図1
の各部に対応する部分は同一参照符号を有してあり、異
なる部分のみを説明する。この実施例においては、レー
ザビーム受光手段20が、図1のアンテナ4に代えて、
自動車8の前端部に配置される。この受光手段20は、
車載コントローラ5及び車載コンピュータ6に接続さ
る。自動車内部の制御機構は、図1に関して説明したも
のと同様な構成を有しているので、その説明は省略す
る。
【0043】レーザ21は、所定の衝突点の上またはそ
の近傍に配置されており、そのレーザパイロットビーム
22によって衝突点に自動車8を案内する。前記レーザ
パイロットビーム22はレーザビーム受光手段20によ
って受光される。走行方向18とレーザパイロットビー
ム22の方向との間で生じうるずれは、前述したアンテ
ナ及びパイロットケーブルを用いた実施例と同様に、車
載コンピュータ6及び/または車載コントローラ5によ
って補正され、その結果、両方向は互いに一致する。
【0044】制御コンピュータ1は、自動車8の外部に
配置され、例えばケーブルを介してレーザ21と通信す
る。あるいは、自動車8に配置された車載コントローラ
5および車載コンピュータ6と無線連絡する。
【0045】図3は、一例として典型的な事故の状態を
示している。自動車27及び自動車26は、2つの交差
する通り24及び25において、それぞれ矢印33の方
向及び矢印32の方向に走行している。そして、この2
台の自動車は、衝突点34において衝突しようとしてい
る。レーザビーム受光手段30,31が、それぞれ各自
動車26,27の前端部に配置されている。レーザ3
8,37は,それぞれ衝突点を超えて配置されており、
つまり、それぞれ自動車26,27の走行方向32,3
3の延長方向にある。これらのレーザ38,37は、レ
ーザビーム受光手段30,31に衝突するレーザビーム
35,36をそれぞれ放出する。自動車26及び自動車
27は、これらのレーザビーム35,36に沿って、そ
れぞれ矢印方向32,33に向かい、かつ衝突点34へ
と案内される。一方、図1に示した本発明の実施例に対
応して、図3に破線で示すように、パイロットケーブル
39及び40を、道路上または道路内に敷設するように
してもよい。自動車26及び自動車27は、前述したア
ンテナ4によって衝突点34に達するようにパイロット
ケーブルに沿って案内される。
【0046】本発明においては、事故に関与するすべて
の自動車が、それぞれレーザビーム案内装置またはパイ
ロットケーブル案内装置、あるいは両装置を組み合わせ
てなる案内装置を備えることになる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、自動車事故を再現するに際して、1台もしくは複数
台の自動車を、実際の事故状況に対応する走路上で、車
載エンジンにより自走させるとともに、パイロットケー
ブルあるいはレーザービームを用いた案内手段により実
際に事故が発生した所定の衝突点に案内し、かつ外部に
設置した制御コンピュータによって、その速度および操
舵方向を実際の事故の状況と同様に遠隔制御し、前記衝
突点で衝突させるようにしたので、風雨等の気象条件や
路面状況等の環境的条件を含めて、さらには実際に事故
が生じた現場の立地条件等を含めて、事故を正確に再現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パイロットケーブルによる案内手段を備えた2
台の自動車を示す概略図。
【図2】レーザービームによる案内手段を備えた自動車
を示す概略図。
【図3】2台の自動車による衝突事故の再現試験の一例
を示す概略図。
【符号の説明】
1 制御コンピュータ 2 パイロットケーブル送信機 3 パイロットケーブル 4 アンテナ 5 車載コントローラ 6 車載コンピュータ 8 自動車 10 操舵機構 11 操舵シリンダ 12 ブレーキ駆動装置 13 速度制御装置 14 センサ 16 センサ 17 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−77314(JP,A) 特開 昭50−127084(JP,A) 特開 昭51−12530(JP,A) 特開 昭53−27927(JP,A) 特開 昭53−140729(JP,A) 特開 昭57−143614(JP,A) 特開 昭62−182681(JP,A) 特開 昭59−163610(JP,A) 実開 昭63−188707(JP,U) 特公 昭50−34801(JP,B2) 実公 平1−29556(JP,Y2) 実公 平1−29557(JP,Y2) 欧州特許出願公開236614(EPA)

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車事故を再現する再現試験方法であ
    って、1台もしくは複数台の自動車(8)を、実際の事
    故状況に対応する走路上で、車載エンジンにより自走さ
    せるとともに、案内手段により実際に事故が発生した所
    定の衝突点に案内し、かつ外部に設置した制御コンピュ
    ータ(1)によって、その速度および操舵方向を実際の
    事故の状況と同様に遠隔制御し、前記衝突点で衝突させ
    ることを特徴とする自動車事故の再現試験方法。
  2. 【請求項2】 前記自動車(8)は、案内手段として、
    実際の事故状況に対応する走路に従って道路面上または
    道路内に敷設されたパイロットケーブル(3)に沿って
    案内されることを特徴とする請求項1記載の自動車事故
    の再現試験方法。
  3. 【請求項3】 前記自動車(8)の速度は、アクチュエ
    ータ(13)によって制御されることを特徴とする請求
    項1または2のいずれかに記載の自動車事故の再現試験
    方法。
  4. 【請求項4】 前記自動車の速度は、変速機の変速比を
    変えることにより制御されることを特徴とする請求項1
    または2のいずれかに記載の自動車事故の再現試験方
    法。
  5. 【請求項5】 前記自動車(8)は、アクチュエータ
    (11)によって操舵されることを特徴とする請求項1
    または2のいずれかに記載の自動車事故の再現試験方
    法。
  6. 【請求項6】 前記自動車(8)は、ブレーキをアクチ
    ュエータ(12)によって作動させることにより減速さ
    れることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の自動車事故の再現試験方法。
  7. 【請求項7】 速度,操舵角,ブレーキ作動量の少くな
    くともいずれか一つを含む運転パラメータの実際の値
    は、センサ(11,12,14)によって測定され、か
    つ車載コントローラ(5)により、経験に基づいた事故
    過程に対応する設定値に調整されることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の自動 車事故の再現試
    験方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも一部の運転パラメータを制御
    するために、自動車の外部から与えられる制御信号が車
    載受信機(4)を介して受信され、かつ車載コントロー
    ラ(5)に供給されて、該制御信号により運転パラメー
    タが制御されることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の自動車事故の再現試験方法。
  9. 【請求項9】 1台あるいは複数台の自動車の衝突点に
    対する瞬間位置を、パイロットケーブル(3)に等間隔
    に設けたトリガマークに基づいて、該パイロットケーブ
    ル(3)に接続された制御コンピュータ(1)により計
    算し、このパラメータ及び相対位置の設定値と実際値と
    を比較した上で、補正値を対応する車載コントローラ
    (5)に供給することを特徴とする請求項1〜8のいず
    れか1項に記載の自動車事故の再現試験方法。
  10. 【請求項10】 事故の再現過程の間、運転パラメータ
    や他の測定値を検出し、かつ車載コンピュータ(6)に
    供給して記憶させることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか1項に記載の自動車事故の再現試験方法。
  11. 【請求項11】 制御機器あるいは他の操作機構が故障
    したときに自動車が緊急停止するように制御されること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の自
    動車事故の再現試験方法。
  12. 【請求項12】 前記自動車(8)は、案内手段とし
    て、実際の事故状況に対応する走路に従って供給される
    レーザパイロットビームに沿って案内されることを特徴
    とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の自動車事
    故の再現試験方法。
  13. 【請求項13】 前記レーザパイロットビームは、前記
    自動車に搭載されたレーザビーム受光手段により受光さ
    れることを特徴とする請求項13に記載の自動車事故の
    再現試験方法。
  14. 【請求項14】 車載コンピュータが、前記レーザビー
    ム受光手段から得た信号によりレーザビームに対する自
    動車の相対位置を求め、かつ所定の走路に沿って自動車
    を案内することを特徴とする請求項12または13に記
    載の自動車事故の再現試験方法。
  15. 【請求項15】 レーザパイロットビームが失われたと
    きに緊急ブレーキ動作が実行されることを特徴とする請
    求項12〜14のいずれか1項に記載の自動車事故の再
    現試験方法。
  16. 【請求項16】 車載コントローラ(5)にそれぞれ接
    続された速度制御用アクチュエータ、操舵用アクチュエ
    ータ及びブレーキ装置を具備し、かつ車載エンジンによ
    り自走する1台もしくは複数台の自動車(8)と、各自
    動車に配置され、かつ実際の速度、操舵量およびブレー
    キ作動量をそれぞれ検出して車載コントローラ(5)に
    出力するセンサ(11、12、14)と、この自動車を
    実際に事故が発生した所定の衝突点に案内する案内手段
    と、実際の事故に対応する運転パラメータの設定値が記
    憶され、かつ前記衝突点で衝突するように前記自動車の
    速度および操舵方向を実際の事故の状況と同様に遠隔制
    御する外部に設置された制御コンピュータ(1)と、事
    故再現時の種々の測定値を記憶する車載コンピュータ
    (6)と、を備えてなる自動車事故の再現試験装置。
  17. 【請求項17】 前記自動車(8)は、案内手段とし
    て、実際の事故状況に対応する走路に従って道路面上ま
    たは道路内に敷設されたパイロットケーブル(3)に沿
    って案内されることを特徴とする請求項16に記載の自
    動車事故の再現試験装置。
  18. 【請求項18】 自動車の外部に配置された制御コンピ
    ュータから送信機を介して送信される運転パラメータの
    設定値を受信するために車載受信機(4)が設けられて
    いることを特徴とする、請求項16または17に記載の
    自動車事故の再現試験装置。
  19. 【請求項19】 少なくとも1つの運動パラメータの設
    定値を供給するために、前記パイロットケーブル(3)
    を利用するパイロットケーブル送信機(2)が設けられ
    ていることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1
    項に記載の自動車事故の再現試験装置。
  20. 【請求項20】 自動車(8)の衝突点に対する相対位
    置を測定するためにトリガマークが前記パイロットケー
    ブル(3)に配置されていることを特徴とする請求項1
    6〜19のいずれか1項に記載の自動車事故の再現試験
    装置。
  21. 【請求項21】 事故データの記憶,評価のためのセン
    サ(16)が自動車 に搭載され、かつ車載コンピュータ
    (6)に接続されていることを特徴とする請求項16〜
    20のいずれか1項に記載の自動車事故の再現試験装
    置。
  22. 【請求項22】 前記車載コンピュータ(6)は個別の
    バッテリ電源(17)を有することを特徴とする請求項
    16〜21のいずれか1項に記載の自動車事故の再現試
    験装置。
  23. 【請求項23】 前記制御コンピュータ(1)は、複数
    台の自動車の相対的運動を互いに整合するための補正値
    を、前記パイロットケーブル送信機(2)を介して供給
    する高級制御コンピュータからなることを特徴とする請
    求項16〜22のいずれか1項に記載の自動車事故の再
    現試験装置。
  24. 【請求項24】 前記車載コンピュータ(6)及び車載
    コントローラ(5)が両方の機能を含む一体の装置とし
    て構成されていることを特徴とする請求項16〜23の
    いずれか1項に記載の自動車事故の再現試験装置。
  25. 【請求項25】 前記自動車(8)は、案内手段として
    レーザパイロットビームに沿って案内され、かつ該レー
    ザパイロットビームは、前記自動車自体に設けられ、あ
    るいは前記自動車の外部に配置されることを特徴とする
    請求項16に記載の自動車事故の再現試験装置。
  26. 【請求項26】 レーザビーム受光手段(4)がレーザ
    パイロットビームを受光するために前記自動車に配置さ
    れていることを特徴とする請求項25に記載の自動車事
    故の再現試験装置。
  27. 【請求項27】 前記レーザビーム受光手段(4)は、
    複数のフォトセルからなることを特徴とする請求項26
    に記載の自動車事故の再現試験装置。
  28. 【請求項28】 前記車載コンピュータ(6)は、レー
    ザビーム受光手段(4)に接続されていることを特徴と
    する請求項26または27に記載の自動車事故の再現試
    験装置。
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