JPH0742810B2 - 構造物の振動吸収装置 - Google Patents
構造物の振動吸収装置Info
- Publication number
- JPH0742810B2 JPH0742810B2 JP27005890A JP27005890A JPH0742810B2 JP H0742810 B2 JPH0742810 B2 JP H0742810B2 JP 27005890 A JP27005890 A JP 27005890A JP 27005890 A JP27005890 A JP 27005890A JP H0742810 B2 JPH0742810 B2 JP H0742810B2
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- Japan
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- lever
- damper
- displacement
- suspension member
- amount
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は構造物の層間変位を利用してダンパによるエ
ネルギーの吸収を行う、構造物の振動吸収装置に関する
ものである。
ネルギーの吸収を行う、構造物の振動吸収装置に関する
ものである。
地震時や風荷重作用時に構造物に入力する振動エネルギ
ーを上下階間の層間変位を利用して吸収する方法は通
常、上階と下階にそれぞれ部材を互いに絶縁して接続
し、この部材間に跨って設置されるダンパに層間変位量
を伝達し、その変位量に対応した変形を与え、エネルギ
ーを消費させることによって行われる。
ーを上下階間の層間変位を利用して吸収する方法は通
常、上階と下階にそれぞれ部材を互いに絶縁して接続
し、この部材間に跨って設置されるダンパに層間変位量
を伝達し、その変位量に対応した変形を与え、エネルギ
ーを消費させることによって行われる。
しかしながら、多くのダンパは消費エネルギー量がこれ
に与えられる変形量に依存するため水平力が大きい程効
果的に機能する機構になっており、層間変位量が大きく
ならない、小規模の地震や風荷重程度の外力に対しては
ダンパの機能は実質的に発揮されないままの状態にある
ことになる。従って比較的低入力レベルにおける応答せ
ん断力,応答加速度等の低減は図られず、従来のダンパ
装置は小外力に対する居住性の確保に問題を残している
のが実情である。
に与えられる変形量に依存するため水平力が大きい程効
果的に機能する機構になっており、層間変位量が大きく
ならない、小規模の地震や風荷重程度の外力に対しては
ダンパの機能は実質的に発揮されないままの状態にある
ことになる。従って比較的低入力レベルにおける応答せ
ん断力,応答加速度等の低減は図られず、従来のダンパ
装置は小外力に対する居住性の確保に問題を残している
のが実情である。
この発明はこうした小規模荷重作用時のダンパの実情を
踏ませてなされたもので、この程度の荷重に対して積極
的に振動を吸収する装置を新たに提案しようとするもの
である。
踏ませてなされたもので、この程度の荷重に対して積極
的に振動を吸収する装置を新たに提案しようとするもの
である。
本発明では上階の躯体と下階の躯体に剛な懸垂部材と起
立部材をそれぞれ接続し、その両部材間にレバーを架設
し、このレバーによって層間変位量を増幅させてダンパ
に伝達することにより小変位に対しても大変位時と同程
度の機能をダンパに果たさせる。
立部材をそれぞれ接続し、その両部材間にレバーを架設
し、このレバーによって層間変位量を増幅させてダンパ
に伝達することにより小変位に対しても大変位時と同程
度の機能をダンパに果たさせる。
懸垂部材は上階の躯体から懸垂し、起立部材は下階の躯
体から立ち上がり、両端部は互いに距離を隔てて対向
し、レバーはこれら両部材間に架設され、双方に回転自
在に支持される。
体から立ち上がり、両端部は互いに距離を隔てて対向
し、レバーはこれら両部材間に架設され、双方に回転自
在に支持される。
レバーの支点と端部間の距離は懸垂部材と起立部材の支
点間距離より長く、上下階間の層間変位量はこのレバー
によってレバー両端の元位置との相対水平変位量に増幅
され、この変位量がレバーの両端に位置するダンパに伝
達され、ダンパはこの増幅された変位量に応じたエネル
ギーを吸収する。
点間距離より長く、上下階間の層間変位量はこのレバー
によってレバー両端の元位置との相対水平変位量に増幅
され、この変位量がレバーの両端に位置するダンパに伝
達され、ダンパはこの増幅された変位量に応じたエネル
ギーを吸収する。
以下本発明を一実施例を示す図面に基づいて説明する。
この発明の振動吸収装置Aは、構造物内で層間変位を生
じた1層を取り出して示す第1図のように、構造物内の
上階と下階の各躯体に接続する懸垂部材1及び起立部材
2と、これらの間に架設されるレバー3と、レバー3の
端部位置の躯体に設置されるダンパ4とからなり、レバ
ー3によって増幅された層間変位量をダンパ4に伝達
し、これに変位量に応じたエネルギーの吸収を行わせる
ものである。
じた1層を取り出して示す第1図のように、構造物内の
上階と下階の各躯体に接続する懸垂部材1及び起立部材
2と、これらの間に架設されるレバー3と、レバー3の
端部位置の躯体に設置されるダンパ4とからなり、レバ
ー3によって増幅された層間変位量をダンパ4に伝達
し、これに変位量に応じたエネルギーの吸収を行わせる
ものである。
懸垂部材1は上階の梁やスラブ等の躯体に接続して懸垂
し、起立部材2は同様に懸垂部材1と同一面内で下階の
躯体に接続して立ち上がり、それぞれ対向する端部は距
離を隔てて切り離される。
し、起立部材2は同様に懸垂部材1と同一面内で下階の
躯体に接続して立ち上がり、それぞれ対向する端部は距
離を隔てて切り離される。
懸垂部材1と起立部材2は共に剛な壁や柱等によって構
成される。
成される。
レバー3は図示するように懸垂部材1と起立部材2の対
向する側の端部に水平軸となるピン5,5によって回転自
在に支持され、両ピン5,5を支点として鉛直面内で回転
する。
向する側の端部に水平軸となるピン5,5によって回転自
在に支持され、両ピン5,5を支点として鉛直面内で回転
する。
第1図に示すようにレバー3の懸垂部材1,または起立部
材2における支点とその側の端部までの距離bは懸垂部
材1と起立部材2の両支点間距離aより長く、少なくと
もその一端側の躯体にダンパ4が設置される。
材2における支点とその側の端部までの距離bは懸垂部
材1と起立部材2の両支点間距離aより長く、少なくと
もその一端側の躯体にダンパ4が設置される。
実施例ではレバー3に天井高相当の長さ(2b+a)を与
え、その両端位置にダンパ4,4を設置している。
え、その両端位置にダンパ4,4を設置している。
第1図に示すように層間変位δ0の発生時、両支点間に
は相対水平変位δ1(<δ0)が生ずる。この変位δ1は
層間変位δ0から、ピン5が受ける外力に対する抵抗力
によって懸垂部材1や起立部材2自身に生ずる変形量を
差し引いた大きさで、層間変位δ0より小さいが、実質
的には層間変位δ0にほぼ等しく、これに対応してい
る。
は相対水平変位δ1(<δ0)が生ずる。この変位δ1は
層間変位δ0から、ピン5が受ける外力に対する抵抗力
によって懸垂部材1や起立部材2自身に生ずる変形量を
差し引いた大きさで、層間変位δ0より小さいが、実質
的には層間変位δ0にほぼ等しく、これに対応してい
る。
この相対水平変位δ1は支点から端部までの距離bが支
点間距離aより大きいレバー3によって、てこの原理に
より(a+b)/a倍に増幅(拡大)されて端部に伝達さ
れる。
点間距離aより大きいレバー3によって、てこの原理に
より(a+b)/a倍に増幅(拡大)されて端部に伝達さ
れる。
すなわちレバー3の端部、実施例では両端には(a+
b)/a・δ1の相対変位δ2が生じており、ダンパ4はこ
の変位差δ2だけ強制的な変形を受け、その変形量に応
じたエネルギーを消費する。
b)/a・δ1の相対変位δ2が生じており、ダンパ4はこ
の変位差δ2だけ強制的な変形を受け、その変形量に応
じたエネルギーを消費する。
ダンパ4にはエネルギーの吸収量が変位量,あるいは変
位速度量に依存する、粘性ダンパ,摩擦ダンパ,弾塑性
ダンパ,電磁ダンパ等が使用される。
位速度量に依存する、粘性ダンパ,摩擦ダンパ,弾塑性
ダンパ,電磁ダンパ等が使用される。
第2図はダンパ4,4を上下階のスラブに設置した場合の
実施例を示したものである。
実施例を示したものである。
第3図は上側のダンパ4を梁の下端に位置させ、本振動
吸収装置Aを断面上梁幅内に納めた場合の実施例であ
り、室内空間の阻害は極力抑えた配置例である。IIは懸
垂部材1の片面に、IIIは両面に配置した場合である。
吸収装置Aを断面上梁幅内に納めた場合の実施例であ
り、室内空間の阻害は極力抑えた配置例である。IIは懸
垂部材1の片面に、IIIは両面に配置した場合である。
第4図に示す実施例は本発明の振動吸収装置Aの他に、
懸垂部材1と起立部材2の端部間に、比較的大きな層間
変位の発生時に機能する、ダンパ4より耐力の高いダン
パ6を設置し、小変位から大変位までの広範囲の外力に
対して応答せん断力と応答加速度を低減し、振動の吸収
を図る場合の実施例を示したものである。
懸垂部材1と起立部材2の端部間に、比較的大きな層間
変位の発生時に機能する、ダンパ4より耐力の高いダン
パ6を設置し、小変位から大変位までの広範囲の外力に
対して応答せん断力と応答加速度を低減し、振動の吸収
を図る場合の実施例を示したものである。
この場合、ダンパ6は懸垂部材1と起立部材2間に跨
り、ダンパ4の耐力を越える外力に対して機能する状態
に設置され、両者間の相対水平変位δ1に対応して作動
する。またこのダンパ6を有効に作動させるために、ダ
ンパ4には大変形時にレバー3との接続を切り、ダンパ
4の作動を停止する解除装置を付属させることが必要と
なる。
り、ダンパ4の耐力を越える外力に対して機能する状態
に設置され、両者間の相対水平変位δ1に対応して作動
する。またこのダンパ6を有効に作動させるために、ダ
ンパ4には大変形時にレバー3との接続を切り、ダンパ
4の作動を停止する解除装置を付属させることが必要と
なる。
この発明は以上の通りであり、互いに切り離される懸垂
部材と起立部材に軸支されて架設されるレバーによって
相対変位量を増幅させてダンパに入力し、エネルギーの
吸収を行うものであるため、従来困難とされていた小規
模荷重による振動を効果的に吸収することが可能であ
り、低入力レベルにおける居住性を大幅に向上させるこ
とができる。
部材と起立部材に軸支されて架設されるレバーによって
相対変位量を増幅させてダンパに入力し、エネルギーの
吸収を行うものであるため、従来困難とされていた小規
模荷重による振動を効果的に吸収することが可能であ
り、低入力レベルにおける居住性を大幅に向上させるこ
とができる。
第1図は本発明の機構を示した立面図、第2図−I,IIは
本発明の設置例を示したそれぞれ立面図,縦断面図、第
3図−Iは他の設置例を示した立面図、II,IIIはその縦
断面図、第4図は性能の異なるダンパを組み合わせて設
置した場合の実施例を示したそれぞれ立面図,縦断面図
である。 A……振動吸収装置、1……懸垂部材、2……起立部
材、3……レバー、4……ダンパ、5……ピン、6……
ダンパ。
本発明の設置例を示したそれぞれ立面図,縦断面図、第
3図−Iは他の設置例を示した立面図、II,IIIはその縦
断面図、第4図は性能の異なるダンパを組み合わせて設
置した場合の実施例を示したそれぞれ立面図,縦断面図
である。 A……振動吸収装置、1……懸垂部材、2……起立部
材、3……レバー、4……ダンパ、5……ピン、6……
ダンパ。
Claims (1)
- 【請求項1】構造物内の上階の躯体に接続して懸垂する
剛な懸垂部材と、下階の躯体に接続して立ち上がり、懸
垂部材との間に距離を隔てて対向する同じく剛な起立部
材との間に架設され、それぞれに回転自在に支持される
レバーと、レバーの端部位置の躯体に設置され、レバー
に接続するダンパとからなり、レバーの支点から端部ま
での距離は懸垂部材と起立部材の両支点間距離より大き
く、構造物の上下階間の層間変位時にこの変位量を、レ
バー端部の元位置との相対変位差に増幅させ、この変位
量をダンパに伝達し、変位量に応じたエネルギーを吸収
させるものであることを特徴とする構造物の振動吸収装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27005890A JPH0742810B2 (ja) | 1990-10-08 | 1990-10-08 | 構造物の振動吸収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27005890A JPH0742810B2 (ja) | 1990-10-08 | 1990-10-08 | 構造物の振動吸収装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04146376A JPH04146376A (ja) | 1992-05-20 |
JPH0742810B2 true JPH0742810B2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=17480936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27005890A Expired - Lifetime JPH0742810B2 (ja) | 1990-10-08 | 1990-10-08 | 構造物の振動吸収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0742810B2 (ja) |
-
1990
- 1990-10-08 JP JP27005890A patent/JPH0742810B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04146376A (ja) | 1992-05-20 |
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