JPH0742689B2 - コンクリートブロック連結体 - Google Patents

コンクリートブロック連結体

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JPH0742689B2
JPH0742689B2 JP3169020A JP16902091A JPH0742689B2 JP H0742689 B2 JPH0742689 B2 JP H0742689B2 JP 3169020 A JP3169020 A JP 3169020A JP 16902091 A JP16902091 A JP 16902091A JP H0742689 B2 JPH0742689 B2 JP H0742689B2
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建治 石倉
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ソーケンコンサル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消波や魚介類の養殖や
根固め等のために、複数のコンクリートブロックを連結
して構成されるコンクリートブロック連結体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなコンクリート連結体と
しては特公昭63−26203号公報に記載のものがあ
る。このコンクリートブロック連結体は、複数枚の板状
コンクリートブロック(以下、板ブロックと言う)を、
その間に別体のスペーサを介在させて一定の間隔を保持
したまま、互いに動かないように複数本の鉄棒で串刺し
状に並列に緊締連結したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このもので
は、多数の角張った稜線が形成されしかも板ブロック相
互の間には間隙があるため、あわび等の養殖礁としての
効果はそれなりにあるものの、波浪に対する安定性及び
消波効果の面では十分ではなかった。
【0004】すなわち、板ブロック相互を緊締連結した
ものであるため、全体としては、複数の間隙を等間隔に
設けた一体のコンクリートブロックと同じであり、一枚
の板ブロックが受けた波力が他の板ブロックにもそのま
ま波及し、板ブロック相互が波力に対して相互扶助する
ような関係にならないので、大波力を受けたとき、全体
がそのまま飛ばされることがあった。
【0005】また、複数枚の板ブロックを別体のスペー
サと共に串刺し状に連結したものであるため、その組み
立てに当たっては、複数枚の板ブロックと多数個のスペ
ーサとに鉄棒を順次串刺していかなければならず、一組
のコンクリートブロック連結体を組み立てるにもその作
業が非常に大変であった。また、広範囲な敷設を行うに
は、一個一個をこのように組み立ててからコンクリート
ブロック連結体の多数個を一個一個敷き並べていかなけ
ればならないので、作業性や部品管理性が非常に悪かっ
た。更に、設置面の変化に対しても順応性が良くなかっ
た。従って、この従来のコンクリートブロック連結体は
広範囲の消波目的には適さなかった。
【0006】本発明は、広範囲の消波等を意図したもの
であり、コンクリートブロック連結体の個々の組み立て
が簡単であり、かつブロック相互を波力に対して相互扶
助して安定するような関係にできると共に、局部的に無
理な力が加わることがない連結構造にでき、また、コン
クリートブロック連結体の設置の作業性及び設置面の変
化に対する順応性を良くすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるコンクリー
トブロック連結体は、複数個の短ブロック1と複数個の
長ブロック2とで構成される。各短ブロック1は、前後
に長いほぼ長方体で、水平な上下両面の前後両端部に台
形状の大きい凸部3を一体に設け、上下面それぞれの両
端の凸部3の間に大きい凹部4を形成し、垂直な一側面
に前後のスペーサ凸部5を一体に突設し、これら前後の
スペーサ凸部5の中心において幅員方向に貫通する前後
2本の軸孔6を設けてなる。また、各長ブロック2は、
短ブロック1の長さの2倍よりやや短い長さのほぼ長方
体で、その幅員は短ブロック1と同じであり、水平な上
下両面の前後両端部と中間部とに、短ブロック1の凸部
3と同じ凸部8を一体に設け、それらの間に大きい凹部
9を形成し、垂直な一側面の前後及び中間部に、短ブロ
ック1のスペーサ凸部5と同じ3個のスペーサ凸部10
を一体に突設し、これら3個のスペーサ凸部10の中心
において3本の軸孔11を設けてなる。そして、短ブロ
ック1の軸孔6と長ブロック2の軸孔11に連結ロッド
13を貫通させて短ブロック1と長ブロック2とを、ス
ペーサ凸部5・10で一定の間隔を保持する串刺し状に
並列連結してブロック組とするとともに、その複数のブ
ロック組同士の短ブロック1又は長ブロック2の端部を
食い違わせ、それらの一致した軸孔6・11に連結ロッ
ド15を貫通させてブロック組相互を屈曲自在な前後の
連鎖構造とし、その連鎖状態のブロック組のうちの前端
のブロック組は、短ブロック1の前端面と長ブロック2
の前端面とが揃い、後端のブロック組は、短ブロック1
の後端面と長ブロック2の後端面とが揃うようにしたも
のである。
【0008】
【作用】本発明によるコンクリートブロック連結体は、
ほぼ長方体の長短のブロック同士が、所定の間隔をおい
て並列連結されてブロック組をなし、更にその複数組が
互いに回動自在に長さ方向に連鎖した形態となってい
る。従て、その連鎖する方向(長さ方向)を波浪の進む
方向と平行にして設置すれば、連鎖した複数組のブロッ
ク組により繰り返し消波できる。
【0009】ブロック組相互は回動自在に連鎖している
ため、一組のブロック組が受けた波力がそのまま他のブ
ロック組へ波及するようなことはなく、ブロック組相互
は波力に対して相互扶助し、他のブロック組の動揺を互
いに規制し合う。すなわち、コンクリートブロック連結
体は屈曲自由な柔構造であるため、その全体が波力によ
り一気に転倒したり飛ばされる確率は非常に少なく、全
体としての安定性は極めて高い。
【0010】また、連鎖状態のブロック組のうちの前端
のブロック組は、短ブロックの前端面と長ブロックの前
端面とが揃い、後端のブロック組は、短ブロックの後端
面と長ブロックの後端面とが揃っており、コンクリート
ブロック連結体の全体を見た場合、ブロック相互の必然
的な間隔はあるものの、ブロックの配列が欠けたところ
が生じないため、波力により局部的に無理な力を受ける
ことがない。
【0011】更に、短ブロックは、その上下両面に台形
状の大きい凸部を2つずつ一体に突設し、長ブロック
は、その上下両面に短ブロックと同じ台形状の大きい凸
部を3つずつ一体に突設しているので、コンクリートブ
ロック連結体の全体としては、上下両側に多数の凹凸を
有するものとなり、消波効果が一層高まるとともに、コ
ンクリートブロック連結体同士を積載設置した場合、上
下の凸部と凹部とが噛み合うような関係となるため、安
定性の良い積載構造にできる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。本発明によるコンクリートブロック連結体
は、図1及び図2に示すようなコンクリートブロック
(以下、短ブロックと記す)1、及びこれより長い図3
に示すようなコンクリートブロック(以下、長ブロック
と記す)2を主に使用するもので、先ずこれらの形状か
ら説明する。
【0013】短ブロック1は、前後に長いほぼ長方体
で、水平な上下両面の前後両端部に台形状の大きい凸部
3を一体に設け、上下面それぞれ両端の凸部3の間に大
きい凹部4を形成している。また、垂直な一側面に円錐
台形の前後のスペーサ凸部5を一体に突設し、これら前
後のスペーサ凸部5の中心において幅員方向(左右)に
貫通する前後2本の軸孔6、及びこれよりも大きく前後
のスペーサ凸部5の中間で幅員方向に貫通する横孔7を
設けている。スペーサ凸部5の先端面は球面になってい
る。
【0014】長ブロック2は、短ブロック1の長さの2
倍よりやや短い長さ(例えば1.8倍)のほぼ長方体
で、その幅員は短ブロック1と同じであり、水平な上下
両面の前後両端部と中間部とに、短ブロック1の凸部3
と同じ凸部8を一体に設け、それらの間に大きい凹部9
を形成している。また、垂直な一側面の前後及び中間部
に、短ブロック1のスペーサ凸部5と同じ3個のスペー
サ凸部10を一体に突設し、これら3個のスペーサ凸部
10の中心において3本の軸孔11、及び3個のスペー
サ凸部10の各中間に2本の横孔12を設けている。
【0015】短ブロック1と長ブロック2の寸法関係
は、図4に示すように長ブロック2の中間の凸部8から
一端の凸部8までの間の部分2aが短ブロック1と合同
で、中間の凸部8から他端の凸部8までの部分2bは部
分2aより短い。しかし、3個のスペーサ凸部10の間
隔Lは同じであり、この間隔は短ブロック1の2個のス
ペーサ凸部5の間隔とも同じになっている。
【0016】図5から図7に示した本発明の第1実施例
のコンクートブロック連結体A1は、1個の短ブロック
1を挟んでその左右両側に2個の長ブロック2を並列連
結した第1のブロック組Aaと、1個の長ブロック2を
挟んでその左右両側に2個の短ブロック2を並列連結し
た第2のブロック組Abとを、前後(長さ方向)に2連
に連鎖した構造で、幅員方向には3列構成となってい
る。
【0017】すなわち、第1のブロック組Aaは、1個
の短ブロック1の2本の軸孔6に2個の長ブロック2の
2本の軸孔11をそれぞれ一致させ、その一致した軸孔
に、図8に示すように連結ロッド13を貫通させ、該連
結ロッド13の端部に図10に示すようにナット14等
を固定して1個の短ブロック1と2個の長ブロック2と
を串刺し状に並列連結したものである。これら3個のブ
ロックは、スペーサ凸部5,10によって一定の間隔を
保持され、また2本の連結ロッド13により常に平行固
定状態に保持される。軸孔6及び11の両端には、ナッ
ト14等がブロック表面から突出しないように、これを
収容する溝が設けられている。
【0018】また、第2のブロック組Abは、2個の短
ブロック1の2本の軸孔6に1個の長ブロック2の2本
の軸孔11をそれぞれ一致させ、その一致した軸孔に同
様に連結ロッド13を貫通させて2個の短ブロック1と
1個の長ブロック2とを串刺し状に並列連結したもので
ある。これら3個のブロックはスペーサ凸部5,10に
よって一定の間隔を保持され、また2本の連結ロッド1
3により常に平行固定状態に保持される。
【0019】そして、これら2組のブロック組Aa、A
b相互では、前者の2個の長ブロック2の一端部の間
に、後者の1個の長ブロック2の他端部を入れ、それら
の一致した軸孔11に図9に示すように連結ロッド15
を同様に貫通させて、これら3個の長ブロック3を長さ
方向に食い違わせたまま連結してあり、6個のブロック
1、2相互の間には左右及び前後に一定の間隙が形成さ
れている。また、第1のブロック組Aaを前、第2のブ
ロック組Abを後とするならば、第1のブロック組Aa
を構成している1個の短ブロック1の前端面と2個の長
ブロック2の前端面とは揃い、また第2のブロック組A
bを構成している2個の短ブロック1の後 端面と1個の
長ブロック2の後端面とは揃っている。
【0020】従って、第1のブロック組Aaの3個のブ
ロックの間、及び第2のブロック組Abの3個のブロッ
クの間ではブロック相互は変位しないが、第1のブロッ
ク組Aaと第2のブロック組Abとの間では、図6及び
図7に示すように連結ロッド15を支点として組同士が
互いに上下に回動自在(屈曲自在)の関係となる。この
場合、スペーサ凸部5,10の先端面が球面になってい
るため、組同士の回動をスムーズに行うことができると
共に、スペーサ凸部5,10自体の損傷も防止できる。
【0021】次に、図11に示す第2実施例のコンクリ
ートブロック連結体A2は、図5に示した第2のブロッ
ク組Abと同じ構成のブロック組Abを2組、短ブロッ
ク1のみによる第3のブロック組Acを2組、計4組を
Ab・Ac・Ac・Abの順序で前後に連鎖構造にした
もので、第2のブロック組Abと第3のブロック組Ac
とは長ブロック2により、第3のブロック組Ac同士は
1個の短ブロック1により連結されている。
【0022】すなわち、第3のブロック組Acは、第2
のブロック組Abに対しては、該ブロック組Abの長ブ
ロック2の端部を2個の短ブロック1で挟み、これら3
個のブロックの一致した軸孔6に1本の連結ロッド15
を貫通させて連結してあり、この連結ロッド15を支点
として第2のブロック組Abと相互に回動自在となって
いる。また、2組の第3のブロック組Ac同士は、1個
の短ブロック1を共通にしてその両端部をそれぞれ2個
の短ブロック1で挟み、それらの一致した軸孔6にそれ
ぞれ連結ロッド15を貫通させて連結してあり、2本の
連結ロッド15による2つの支点において互いに回動自
由になっている。第3のブロック組Acのそれぞれで
は、両側の2個の短ブロック1は2本の連結ロッド15
により互いに平行固定状態に保持される。このコンクリ
ートブロック連結体A2も幅員方向に3列構成となって
いる。
【0023】図12及び図13に示す第3実施例のコン
クリートブロック連結体A3は、短ブロック1と図4に
示すような半ブロック16を使用している。この半ブロ
ック16は、短ブロック1の約2分の1の長さ(長ブロ
ック2の短い部分2bより僅かに短い)の単なる矩形体
になっている。該半ブロック16の一側面には、短ブロ
ック1のスペーサ凸部5及び長ブロック2のスペーサ凸
部10と同じスペーサ凸部17が偏心位置に一体に設け
られ、また軸孔18が同様に貫通して設けられている。
【0024】コンクリートブロック連結体A3は、4個
の短ブロック1と2個の半ブロック16を組み合わせた
ブロック組Adと、同じく4個の短ブロック1と2個の
半ブロック16を、ブロック組Adとは対称に組み合わ
せたブロック組Aeとを連結ロッド15で回動自在に連
鎖した構造で、幅員方向には4列構成となっている。短
ブロック1と半ブロック16との長手方向の間隙は、該
半ブロック16が単体で自由に回転できないように狭く
してある。そして、このコンクリートブロック連結体A
3では、ブロック組Adとブロック組Aeとが軸線a−
aにおいて互いに回動自在であると共に、ブロック組A
dの2個の短ブロック1と2個の半ブロック16とが軸
線b−bにおいて一体に回動自在であり、またブロック
組Aeの2個の短ブロック1と2個の半ブロック16と
が軸線c−cにおいて一体に回動自在となっている。
【0025】このコンクリートブロック連結体A3の場
合、先ず半ブロック16が連結ロッド13を支点に僅か
に回動し、次いで2個の短ブロック1と2個の半ブロッ
ク16とが軸線b−b又は軸線c−cの連結ロッド15
を支点に回動し、その後、ブロック組Ad又はAeが軸
線a−aの連結ロッド15を支点に回動する。そのた
め、外力が軸線a−aにかかる前に先ず連結ロッド13
にかかり、次に軸線b−b又は軸線c−cの連結ロッド
15を経て軸線a−aの連結ロッド15に及ぶため、主
軸となる軸線a−aの連結ロッド15の負担を軽減でき
る。
【0026】図14は、上記コンクリートブロック連結
体A1及びA2(或いは更にA3)を人工リーフ(潜
堤)に使用した使用例を示す。捨石堤Rは、多数の石材
等を堆積して台形状に構築したもので、そのほぼ水平な
天面Raは海面WLより低く、該天面Raから前後両側
の斜面Rbを経て前後両側縁部にほぼ水平な低い基部面
Rcが続いている。この捨石堤Rの天面Ra、斜面Rb
及び基部面Rc上に多数のコンクリートブロック連結体
A1及びA2を適宜選択して敷き並べる。その並べ方
は、整然と列をなす配置にしても良く、また前後又は左
右に食い違う配置にしても良い。
【0027】コンクリートブロック連結体A1及びA2
は上記のような連鎖構造であるため、その第1又は第2
のブロック組Aa・Abの同一線上に並んだ3つの横孔
7、12に吊りワイヤ16を通して全体をクレーン等で
懸吊し、吊り下ろしながら連鎖状態のブロック組を下位
の組から順次に倒しながら能率的に敷設することができ
る。また、捨石堤Rの天面Raと斜面Rbとの間、斜面
Rbと基部面Rcとの間が屈曲していても、それに従っ
てブロック組が屈曲するため、コンクリートブロック連
結体A1及びA2のいずれの場合も、設置面とのなじみ
が良い。また、各ブロック1、2には凸部3、8と凹部
4、9が形成されているため、設置面に凹凸があっても
安定した状態で設置できる。
【0028】上記のようにして多数のコンクリートブロ
ック連結体A1及びA2を捨石堤R上に敷き並べ、その
天面Ra、斜面Rb、基部面Rcの全域を覆って人工リ
ーフとする。コンクリートブロック連結体A1及びA2
のブロック相互の間の間隙には、図15に示すように石
材を敷き詰めても良く、詰めないでそのままにしておい
ても構わない。また、隣接するコンクリートブロック連
結体A1、A2同士を、横孔7、12を利用して連結す
ることも可能である。
【0029】このようにコンクリートブロック連結体A
1及びA2を表面に使用した人工リーフでは、各コンク
リートブロック連結体A1、A2の左右に並ぶブロック
1、2の間に、スペーサ凸部5、10による連続した間
隙が形成され、また前後のブロック間にジクザク状の間
隙が形成されるため、左右に並ぶブロック1、2の間の
間隙で海水の流通を許容しつつ、前後のブロックの間の
ジクザク状の間隙及び凸部3、8、更に横孔7、12で
波浪を散乱させて消波し、しかも、このような作用が、
前後に配置した多数のコンクリートブロック連結体A
1、A2で繰り返し行われることになる。
【0030】また、波力に対しては、コンクリートブロ
ック連結体A1、A2の各ブロック組において、それを
構成するブロック1、2の間に上記のような間隙がある
ため、揚力を受けることが少ないのに加え、ブロック組
相互が回動自在な連鎖構造になっているため、一つのブ
ロック組が受けた揚力が他のブロック組にそのまま波及
するようなことはない。また、たとえ一つのブロック組
が波力で浮き上がっても、それと連鎖状態になっている
他のブロック組がこれを規制するため、コンクリートブ
ロック連結体A1、A2の波力対する安定性は極めて高
い。
【0031】ブロック1、2の間に形成される上記のよ
うな間隙は、海水を流通させながら波浪を消波するた
め、魚介類や海草類の恰好の養殖場所となる。この間隙
に石材を敷き詰めた場合には、コンクリートブロック連
結体A1、A2の安定性が一層高まると共に、特にあわ
び等の貝類に良好な生息環境を提供できる。
【0032】コンクリートブロック連結体A1、A2
(或いは更にA3)は、同じもの又は異なるものを図1
6に示すように積み重ねて使用することもできる。この
場合、上下のコンクリートブロック連結体相互におい
て、凸部3、8が凹部4、8又はブロック間の間隙に入
って前後の動きを規制し合うことになる。
【0033】また、コンクリートブロック連結体A1、
A2は消波や根固めのために、海底上に直接敷設しても
良い。また、コンクリートブロック連結体を構成するブ
ロック1、2、16の組み合わせも、図5,図11及び
図12に示したような形態に限られるものではなく、そ
の組み合わせ形態や組み合わせるブロック数や組み合わ
せた全体形状や列数などは自由に選択できる。更に、各
ブロック1、2、16の形状も、実施例に示したような
ものに限られない。
【0034】
【発明の効果】本発明によるコンクリートブロック連結
体は、ほぼ長方体の複数の長短2種のブロックを所定の
間隔をおいて串刺し状に並列連結してブロック組とし、
そのブロック組の複数を、互いに回動自在に連結して連
鎖構造にしたもので、次のような効果がある。
【0035】(1)各ブロック組においてブロック相互
の間に間隙があるため、揚力を受けることが少ないのに
加え、ブロック組相互が回動自在な連鎖構造になってい
るため、一つのブロック組が受けた揚力が他のブロック
組にそのまま波及するようなことはない。たとえ一つの
ブロック組が波力で浮き上がっても、それと連鎖状態に
なっている他のブロック組がこれを規制するため、つま
り複数のブロック組が波力に対して相互扶助して抵抗す
るため、波力に対する安定性は極めて高い。
【0036】(2)全体をクレーン等で懸吊し、吊り下
ろしながら連鎖状態のブロック組を下位の組から順次に
倒しながら能率的に敷設することができる。 (3)全体として柔構造で、設置面が屈曲していた場合
それに従って屈曲するため、設置面に対するなじみが極
めて良い。 (4)ブロック間に間隙が形成されるため、魚介類や海
草類の恰好の養殖場所とすることができる。 (5)ブロック1個当たりの重量及び大きさを小さくで
きるので、製造が容易である。
【0037】(6)連鎖状態のブロック組のうちの前端
のブロック組は、短ブロックの前端面と長ブロックの前
端面とが揃い、後端のブロック組は、短ブロックの後端
面と長ブロックの後端面とが揃っており、コンクリート
ブロック連結体の全体を見た場合、ブロック相互の必然
的な間隔はあるものの、ブロックの配列が欠けたところ
が生じないため、波力により局部的に無理な力を受ける
ことがない。
【0038】(7)短ブロックは、その上下両面に台形
状の大きい凸部を2つずつ一体に突設し、長ブロック
は、その上下両面に短ブロックと同じ台形状の大きい凸
部を3つずつ一体に突設しているので、コンクリートブ
ロック連結体の全体としては、上下両側に多数の凹凸を
有するものとなり、消波効果が一層高まるとともに、コ
ンクリートブロック連結体同士を積載設置した場合、上
下の凸部と凹部とが噛み合うような関係となるため、安
定性の良い積載構造にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンクリートブロック連結体を構
成する1個の短ブロックの斜視図である。
【図2】同側面図である。
【図3】本発明によるコンクリートブロック連結体を構
成する1個の長ブロックの斜視図である。
【図4】上記短ブロックと長ブロックと半ブロックの寸
法関係を示す側面図である。
【図5】本発明によるコンクリートブロック連結体の第
1例の平面図である。
【図6】同上の屈曲させた状態の側面図である。
【図7】同断面図である。
【図8】図5のX−X線断面図である。
【図9】図5のY−Y線断面図である。
【図10】図8における一部の拡大図である。
【図11】本発明によるコンクリートブロック連結体の
第2例の平面図である。
【図12】本発明によるコンクリートブロック連結体の
第3例の平面図である。
【図13】同側面図である。
【図14】第1例と第2例のコンクリートブロック連結
体を人工リーフに使用した使用例の側面図である。
【図15】同平面図である。
【図16】第2例のコンクリートブロック連結体上に第
1例のコンクリートブロック連結体を積み重ねた使用例
の側面図である。
【符号の説明】
A1 コンクリートブロック連結体 A2 コンクリートブロック連結体 A3 コンクリートブロック連結体 1 短ブロック 2 長ブロック 3 凸部 4 凹部 5 スペーサ凸部 6 軸孔 7 横孔 8 凸部 9 凹部 10 スペーサ凸部 11 軸孔 12 横孔 13 連結ロッド 15 連結ロッド 16 半ブロック 17 スペーサ凸部 18 軸孔 R 捨石堤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の短ブロック1と複数個の長ブロッ
    ク2とで構成され、 各短ブロック1は、前後に長いほぼ
    長方体で、水平な上下両面の前後両端部に台形状の大き
    い凸部3を一体に設け、上下面それぞれの両端の凸部3
    の間に大きい凹部4を形成し、垂直な一側面に前後のス
    ペーサ凸部5を一体に突設し、これら前後のスペーサ凸
    部5の中心において幅員方向に貫通する前後2本の軸孔
    6を設けてなり、 各長ブロック2は、短ブロック1の長
    さの2倍よりやや短い長さのほぼ長方体で、その幅員は
    短ブロック1と同じであり、水平な上下両面の前後両端
    部と中間部とに、短ブロック1の凸部3と同じ凸部8を
    一体に設け、それらの間に大きい凹部9を形成し、垂直
    な一側面の前後及び中間部に、短ブロック1のスペーサ
    凸部5と同じ3個のスペーサ凸部10を一体に突設し、
    これら3個のスペーサ凸部10の中心において3本の軸
    孔11を設けてなり、 短ブロック1の軸孔6と長ブロッ
    ク2の軸孔11に連結ロッド13を貫通させて短ブロッ
    ク1と長ブロック2とを、スペーサ凸部5・10で一定
    の間隔を保持する串刺し状に並列連結してブロック組と
    するとともに、 その複数のブロック組同士の短ブロック
    1又は長ブロック2の端部を食い違わせ、それらの一致
    した軸孔6・11に連結ロッド15を貫通させてブロッ
    ク組相互を屈曲自在な前後の連鎖構造とし、その連鎖状
    態のブロック組のうちの前端のブロック組は、短ブロッ
    ク1の前端面と長ブロック2の前端面とが揃い、後端の
    ブロック組は、短ブロック1の後端面と長ブロック2の
    後端面とが揃うようにしたことを特徴とするコンクリー
    トブロック連結体。
JP3169020A 1991-06-14 1991-06-14 コンクリートブロック連結体 Expired - Fee Related JPH0742689B2 (ja)

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