JPH0742443B2 - α−シアノアクリレ−ト系接着剤組成物 - Google Patents
α−シアノアクリレ−ト系接着剤組成物Info
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- JPH0742443B2 JPH0742443B2 JP61244732A JP24473286A JPH0742443B2 JP H0742443 B2 JPH0742443 B2 JP H0742443B2 JP 61244732 A JP61244732 A JP 61244732A JP 24473286 A JP24473286 A JP 24473286A JP H0742443 B2 JPH0742443 B2 JP H0742443B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、α−シアノアクリレート系接着剤に関し、更
に詳しくはチクソトロピック剤を含有する接着剤に関す
る。
に詳しくはチクソトロピック剤を含有する接着剤に関す
る。
ポリジメチルシロキサン、トリアルコキシアルキルシラ
ン、ジメチルジクロルシラン等の硅素化合物で表面処理
された疎水性微粒子状シリカを、チクソトロピック剤と
してα−シアノアクリレートエステルモノマー(以下α
−シアノアクリレートと称する)に配合してチクソトロ
ピー性ペースト状接着剤組成物を得る技術は公知であ
る。
ン、ジメチルジクロルシラン等の硅素化合物で表面処理
された疎水性微粒子状シリカを、チクソトロピック剤と
してα−シアノアクリレートエステルモノマー(以下α
−シアノアクリレートと称する)に配合してチクソトロ
ピー性ペースト状接着剤組成物を得る技術は公知であ
る。
またヘキサメチルジシラザン(以下HMDSと略記する)で
表面処理された疎水性微粒子状シリカ(以下疎水性シリ
カと称す)もα−シアノアクリレートのチクソトロピッ
ク剤として使用出来ることが知られている。
表面処理された疎水性微粒子状シリカ(以下疎水性シリ
カと称す)もα−シアノアクリレートのチクソトロピッ
ク剤として使用出来ることが知られている。
而してHMDSで表面処理された疎水性シリカを配合したα
−シアノアクリレート系接着剤は、70℃で加熱貯蔵安定
試験をすると1〜2日で著しく増粘または硬化して実用
的安定性にかけるものである。事実米国特許4477607号
や4533422号明細書にも記載されている通り、82℃の温
度下で行った安定性試験に於いて1日未満で硬化してし
まうという致命的な難点がある。
−シアノアクリレート系接着剤は、70℃で加熱貯蔵安定
試験をすると1〜2日で著しく増粘または硬化して実用
的安定性にかけるものである。事実米国特許4477607号
や4533422号明細書にも記載されている通り、82℃の温
度下で行った安定性試験に於いて1日未満で硬化してし
まうという致命的な難点がある。
本発明が解決しようとする問題点は、上記HMDSで表面処
理された疎水性シリカが配合されたα−シアノアクリレ
ート系接着剤の上記難点を解決することである。
理された疎水性シリカが配合されたα−シアノアクリレ
ート系接着剤の上記難点を解決することである。
本発明者は、従来からHMDSで表面処理された疎水性シリ
カの上記難点を解消するための研究を続けてきたが、こ
の研究に於いて、HMDSで表面処理された疎水性シリカに
特定な処理を施こすことにより、上記難点を解決出来る
ことを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
カの上記難点を解消するための研究を続けてきたが、こ
の研究に於いて、HMDSで表面処理された疎水性シリカに
特定な処理を施こすことにより、上記難点を解決出来る
ことを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、ヘキサメチルジシラザンで表面処理され
た疎水性シリカを、メタノール水の溶液(容量50:50の
混合液)中に4重量%分散させた液のpHが約7以下、特
に好ましくは、更に疎水性シリカ中のアンモニア含有量
が約90ppm以下となるように処理した後、これをα−シ
アノアクリレートエステルモノマーに配合して成ること
を特徴とする接着剤組成物に関するものである。
た疎水性シリカを、メタノール水の溶液(容量50:50の
混合液)中に4重量%分散させた液のpHが約7以下、特
に好ましくは、更に疎水性シリカ中のアンモニア含有量
が約90ppm以下となるように処理した後、これをα−シ
アノアクリレートエステルモノマーに配合して成ること
を特徴とする接着剤組成物に関するものである。
本発明に於いては、HMDSで表面処理された疎水性シリカ
を処理してα−シアノアクリレートの安定なチクソトロ
ピック剤として適合するようにpHを一定水準以下に低減
せしめることを大きな特徴としている。
を処理してα−シアノアクリレートの安定なチクソトロ
ピック剤として適合するようにpHを一定水準以下に低減
せしめることを大きな特徴としている。
このような特定のpH値となすことにより、HMDSで表面処
理された疎水性シリカをα−シアノアクリレートに安定
に配合することが出来る。例えば室温で6ケ月以上増粘
することもなければ硬化することもなく安定である。
理された疎水性シリカをα−シアノアクリレートに安定
に配合することが出来る。例えば室温で6ケ月以上増粘
することもなければ硬化することもなく安定である。
このような優れた作用効果を発揮する詳細な理由はなお
充分には解明されていないが、例えば後記実験例や実施
例にも示した通り、HMDSで表面処理された市販の疎水性
シリカをそのままα−シアノアクリレートに配合しても
70℃の安定性試験では1〜2日で著しく増粘または硬化
してしまうものである。
充分には解明されていないが、例えば後記実験例や実施
例にも示した通り、HMDSで表面処理された市販の疎水性
シリカをそのままα−シアノアクリレートに配合しても
70℃の安定性試験では1〜2日で著しく増粘または硬化
してしまうものである。
本発明に於いてHMDSで表面処理された疎水性シリカのpH
を調節する手段は、疎水性シリカを容量当たりメタノー
ル50%と水50%とから成る溶液中に4重量%分散した液
のpHが7以下好ましくは6.2以下更に好ましくは5.5以下
となるように処理すれば良い。
を調節する手段は、疎水性シリカを容量当たりメタノー
ル50%と水50%とから成る溶液中に4重量%分散した液
のpHが7以下好ましくは6.2以下更に好ましくは5.5以下
となるように処理すれば良い。
この処理の一つとして加熱処理がある。この加熱処理に
際しては、120〜300℃の温度で3〜15時間好ましくは18
0〜230℃の温度で5〜10時間常圧下に処理を行う。
際しては、120〜300℃の温度で3〜15時間好ましくは18
0〜230℃の温度で5〜10時間常圧下に処理を行う。
この際120℃未満で処理する場合は長時間を要する傾向
があり、また300℃より高い温度での処理に於いては、
処理された疎水性シリカをα−シアノアクリレートに配
合した場合増粘硬化が減少する傾向がある。
があり、また300℃より高い温度での処理に於いては、
処理された疎水性シリカをα−シアノアクリレートに配
合した場合増粘硬化が減少する傾向がある。
また本発明のもう一つの処理手段として減圧下に暴露す
る手段がある。減圧程度としては100mmHg以下好ましく
は0.5〜20mmHg程度である。この減圧下に暴露する手段
は40℃以下好ましくは常温下で行われる。
る手段がある。減圧程度としては100mmHg以下好ましく
は0.5〜20mmHg程度である。この減圧下に暴露する手段
は40℃以下好ましくは常温下で行われる。
本発明に於いてはHMDSで表面処理された疎水性シリカは
上記所定のpH値であるかぎり使用することが出来るが、
更に望ましくは処理後のアンモニア含有量が約90ppm以
下更に好ましくは約60ppm以下、最も好ましくは20ppm以
下である。
上記所定のpH値であるかぎり使用することが出来るが、
更に望ましくは処理後のアンモニア含有量が約90ppm以
下更に好ましくは約60ppm以下、最も好ましくは20ppm以
下である。
本発明の疎水性シリカは、α−シアノアクリレートに配
合してチクソトロピー性の組成物を賦与する作用効果を
発揮出来る性状を有するものが何れも使用される。一般
的には比表面積70m2/g以上、見掛比重40〜60g/、粒子
径12mμ以下の性状を有するものが好ましく、また下記
の測定法による水分吸着率が0.5%以下好ましくは0.12
%以下より好ましくは0.05%以下であるように疎水性シ
リカが好適に使用される。水分吸着率が0.5%以上の疎
水性シリカはα−シアノアクリレートに配合した場合組
成物の揺変効果が十分でない場合があり、また時がたつ
につれて粘性が低下する場合がある。
合してチクソトロピー性の組成物を賦与する作用効果を
発揮出来る性状を有するものが何れも使用される。一般
的には比表面積70m2/g以上、見掛比重40〜60g/、粒子
径12mμ以下の性状を有するものが好ましく、また下記
の測定法による水分吸着率が0.5%以下好ましくは0.12
%以下より好ましくは0.05%以下であるように疎水性シ
リカが好適に使用される。水分吸着率が0.5%以上の疎
水性シリカはα−シアノアクリレートに配合した場合組
成物の揺変効果が十分でない場合があり、また時がたつ
につれて粘性が低下する場合がある。
(1) 秤量管(径50m/m、高さ30m/m)に試料約1.5gを
精秤する。
精秤する。
(2) これを150℃で24時間乾燥する。
(3) 乾燥後デシケータ中で放冷してから秤量(w1)
する。
する。
(4) 秤量後90%RHデシケータ中に24時間放置してか
ら秤量(w2)する。
ら秤量(w2)する。
本発明に於いて使用されるHMDSで表面処理された疎水性
シリカ(本発明の処理を施こさないシリカ)としてはこ
の種接着剤に使用してチクソトロピー性を発揮出来るも
のが何れも使用され、代表例としてアエロジルRX−200
(日本アエロジル社製)、タラノックス500TM(Tullano
x500TM、米国Tulco社製)を例示することが出来る。
シリカ(本発明の処理を施こさないシリカ)としてはこ
の種接着剤に使用してチクソトロピー性を発揮出来るも
のが何れも使用され、代表例としてアエロジルRX−200
(日本アエロジル社製)、タラノックス500TM(Tullano
x500TM、米国Tulco社製)を例示することが出来る。
また本発明で使用されるα−シアノアクリレートとして
も従来からこの種接着剤に使用されて来た各種のα−シ
アノアクリレートが広く使用出来、更に詳しくは下記式
(1) (但し式中Rは炭素数1〜16の直鎖または分岐アルキル
基、アリル基、または置換基を有しまたは有しないフェ
ニル基を示す)で表わされる化合物の1種または2種以
上が使用される。式(1)で表わされる化合物を更に詳
しく説明すると、式(1)中のアルキル基は、ハロゲン
原子やアルコキシ基で置換されていても良い。またフェ
ニル基の置換基としては1個または2個以上が置換して
も良く、この際の置換基としてはハロゲン原子やアルコ
キシ基を例示出来る。
も従来からこの種接着剤に使用されて来た各種のα−シ
アノアクリレートが広く使用出来、更に詳しくは下記式
(1) (但し式中Rは炭素数1〜16の直鎖または分岐アルキル
基、アリル基、または置換基を有しまたは有しないフェ
ニル基を示す)で表わされる化合物の1種または2種以
上が使用される。式(1)で表わされる化合物を更に詳
しく説明すると、式(1)中のアルキル基は、ハロゲン
原子やアルコキシ基で置換されていても良い。またフェ
ニル基の置換基としては1個または2個以上が置換して
も良く、この際の置換基としてはハロゲン原子やアルコ
キシ基を例示出来る。
本発明の接着剤組成物は式(1)で表わされるα−シア
ノアクリレートに、組成物中に本発明の疎水性シリカが
0.5〜14重量%好ましくは3〜10重量%となるように配
合されたものである。この際3重量%に達しない場合に
は、後記の有機ポリマー等の増粘補助剤を併用してもチ
クソトロピー性が充分でなく、また14重量%よりも多い
場合はかたいペースト状となり使用に不便となる。
ノアクリレートに、組成物中に本発明の疎水性シリカが
0.5〜14重量%好ましくは3〜10重量%となるように配
合されたものである。この際3重量%に達しない場合に
は、後記の有機ポリマー等の増粘補助剤を併用してもチ
クソトロピー性が充分でなく、また14重量%よりも多い
場合はかたいペースト状となり使用に不便となる。
本発明の接着剤の主成分として使用するα−シアノアク
リレートは、周知のようにアニオン重合の起りやすい化
合物であり、従って本発明の接着剤に於いてはアニオン
重合防止剤を添加することが好ましい。即ち例えばS
O2、NO、NO2、HCl、H3PO4、(C2H5)O・BF3、芳香族ス
ルホン酸、アルキルスルホン酸等のこの種接着剤に一般
的に使用されるアニオン重合防止剤の少なくとも1種
と、必要なれば例えばハイドロキノン、カテコール、ピ
ロガロール、ハイドロキノン、モノメチルエーテル等の
この種接着剤に一般的に使用されるラジカル重合防止剤
の少なくとも1種が添加される。
リレートは、周知のようにアニオン重合の起りやすい化
合物であり、従って本発明の接着剤に於いてはアニオン
重合防止剤を添加することが好ましい。即ち例えばS
O2、NO、NO2、HCl、H3PO4、(C2H5)O・BF3、芳香族ス
ルホン酸、アルキルスルホン酸等のこの種接着剤に一般
的に使用されるアニオン重合防止剤の少なくとも1種
と、必要なれば例えばハイドロキノン、カテコール、ピ
ロガロール、ハイドロキノン、モノメチルエーテル等の
この種接着剤に一般的に使用されるラジカル重合防止剤
の少なくとも1種が添加される。
かかる重合防止剤の添加量は、各防止剤の種類により多
少異なるが、一般的にアニオン重合防止剤は1〜500ppm
好ましくは5〜100ppm、ラジカル重合防止剤は1〜2000
ppm好ましくは10〜1200ppmの範囲である。
少異なるが、一般的にアニオン重合防止剤は1〜500ppm
好ましくは5〜100ppm、ラジカル重合防止剤は1〜2000
ppm好ましくは10〜1200ppmの範囲である。
またα−シアノアクリレートに、本発明のシリカを配合
して成る接着剤組成物に他の成分例えばポリメチルメタ
アクリレート(PMMA)、メタクリル共重合体、ヒドロキ
シプロピルセルローズアセテート等の有機ポリマーが添
加されていても良い。この際の配合割合は0〜7重量%
好ましくは0.5〜5.0重量%である。
して成る接着剤組成物に他の成分例えばポリメチルメタ
アクリレート(PMMA)、メタクリル共重合体、ヒドロキ
シプロピルセルローズアセテート等の有機ポリマーが添
加されていても良い。この際の配合割合は0〜7重量%
好ましくは0.5〜5.0重量%である。
次に本発明をより理解しやすくするために実験例を挙げ
て説明する。
て説明する。
実験例1 HMDSで表面処理された疎水性微粒子状シリカである「ア
エロジルRX−200」、およびタラノックス500TM並びにこ
れらの製造ロットの異なる夫々のシリカを、加熱温度と
加熱時間を変化させて常圧下で処理した本発明の疎水性
シリカのpH値とアンモニウム含有量を測定した。その結
果を第1表と第2表に示す。
エロジルRX−200」、およびタラノックス500TM並びにこ
れらの製造ロットの異なる夫々のシリカを、加熱温度と
加熱時間を変化させて常圧下で処理した本発明の疎水性
シリカのpH値とアンモニウム含有量を測定した。その結
果を第1表と第2表に示す。
品種によっても異なるが約120〜290℃の温度で約5〜15
時間処理することにより、疎水性シリカをα−シアノア
クリレートに安定に配合出来るpH値にまで低下、または
/およびアンモニア含有量を許容値にまで低減すること
が出来る。
時間処理することにより、疎水性シリカをα−シアノア
クリレートに安定に配合出来るpH値にまで低下、または
/およびアンモニア含有量を許容値にまで低減すること
が出来る。
但し該実験に於いて用いた「アエロジルRX−200L」は本
発明の処理をすでに施こしたものであり、220〜230℃で
4時間加熱処理を施こしたものである。従ってこのもの
は本発明の疎水性シリカとして適用し得るpH値とアンモ
ニアの許容含有量を示している。
発明の処理をすでに施こしたものであり、220〜230℃で
4時間加熱処理を施こしたものである。従ってこのもの
は本発明の疎水性シリカとして適用し得るpH値とアンモ
ニアの許容含有量を示している。
またアンモニアの測定は次の方法によった。
(1) 200mlの分液ロートに試料1±0.01gを正確に採
り、その中にエタノール15mlを加えて試料を浸した後、
純水85mlを加え、ターブラーミキサー(90rpm)にて10
分間振とうする。
り、その中にエタノール15mlを加えて試料を浸した後、
純水85mlを加え、ターブラーミキサー(90rpm)にて10
分間振とうする。
(2) 振とう後10分間静置し、分液ロートから20mlの
試料液を50mlメスフラスコに採り、続いてネスラ試薬2m
lを加え、メスフラスコの標線まで純水を加えてから良
く混ぜる。
試料液を50mlメスフラスコに採り、続いてネスラ試薬2m
lを加え、メスフラスコの標線まで純水を加えてから良
く混ぜる。
(3) 15分間放置後10m/mの石英セルを使用して分光
光度計(波長420nm)で測定する。ブランクの水+エタ
ノールも測定する。
光度計(波長420nm)で測定する。ブランクの水+エタ
ノールも測定する。
(4) 計算 吸光度係数:0.3054 NH+ 3(mg)=−logT-1×0.3054(T>37%) 実験例2 実験例1で使用されたものと同様の各品種のシリカおよ
びそれらの製造ロットの異なる夫々のシリカを、加熱時
間(10時間)を一定にして120〜290℃の範囲で加熱温度
を変えて常圧下で処理した。得られた本発明の夫々の疎
水性シリカをエチル−α−シアノアクリレート(PMMA2.
0重量%、SO235ppm、ハイドロキノン70ppm含有)に6.0
重量%配合して一連の組成物を作製し、これらの組成物
の粘度を測定した。また250℃、290℃の各温度に於いて
10mmHgの圧力下で処理したものについても併記した。そ
の結果を第3表に示す。
びそれらの製造ロットの異なる夫々のシリカを、加熱時
間(10時間)を一定にして120〜290℃の範囲で加熱温度
を変えて常圧下で処理した。得られた本発明の夫々の疎
水性シリカをエチル−α−シアノアクリレート(PMMA2.
0重量%、SO235ppm、ハイドロキノン70ppm含有)に6.0
重量%配合して一連の組成物を作製し、これらの組成物
の粘度を測定した。また250℃、290℃の各温度に於いて
10mmHgの圧力下で処理したものについても併記した。そ
の結果を第3表に示す。
230℃までの加熱温度で処理された本発明の疎水性シリ
カを含有するα−シアノアクリレート組成物の粘度は、
加熱温度の違いによる差はほとんどなかった。一方250
℃以上の温度で処理された本発明の疎水性シリカについ
ては、これをα−シアノアクリレートに配合した際の増
粘作用はやや減少傾向を示した。しかし乍ら10mmHgの圧
力下で処理されたものについては、常圧下のそれに比べ
て増粘効果の減少は少なかった。
カを含有するα−シアノアクリレート組成物の粘度は、
加熱温度の違いによる差はほとんどなかった。一方250
℃以上の温度で処理された本発明の疎水性シリカについ
ては、これをα−シアノアクリレートに配合した際の増
粘作用はやや減少傾向を示した。しかし乍ら10mmHgの圧
力下で処理されたものについては、常圧下のそれに比べ
て増粘効果の減少は少なかった。
実験例3 実験例1と同様の各品種のシリカを常圧下200℃で10時
間加熱処理した後、これらのシリカをα−シアノアクリ
レート(PMMA2.0重量%、SO235ppm、ハイドロキノン=7
00ppm含有)に配合(第4表)した組成物の粘度をB型
回転粘度計(ロータNo.4)を使用して6rpmおよび60rpm
で測定した値と揺変度を第4表に示した。本発明の接着
剤組成物に於いては揺変度が3.0以上のものが好まし
く、RX−200、RX−200Lはこれを満足しているが、Tulla
nox 500TMは2以下でありこれを単独でチクソトロピッ
ク剤として使用しても増粘作用が充分でないが他の品種
と組合せることによりスムーズなペースト状接着剤組成
物と成すことが可能である。
間加熱処理した後、これらのシリカをα−シアノアクリ
レート(PMMA2.0重量%、SO235ppm、ハイドロキノン=7
00ppm含有)に配合(第4表)した組成物の粘度をB型
回転粘度計(ロータNo.4)を使用して6rpmおよび60rpm
で測定した値と揺変度を第4表に示した。本発明の接着
剤組成物に於いては揺変度が3.0以上のものが好まし
く、RX−200、RX−200Lはこれを満足しているが、Tulla
nox 500TMは2以下でありこれを単独でチクソトロピッ
ク剤として使用しても増粘作用が充分でないが他の品種
と組合せることによりスムーズなペースト状接着剤組成
物と成すことが可能である。
〔実施例〕 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
また各種物性の測定法は次の方法によった。
また各種物性の測定法は次の方法によった。
セットタイム:材質NBR、6.2m/mのOリング。NBRをカッ
ターで垂直に切断し、切断面の一方に試料を塗布し、接
着してから一定時間経過後両手で強く引張りはがれなく
なったときをセットタイムとする。5秒単位ではがす。
ターで垂直に切断し、切断面の一方に試料を塗布し、接
着してから一定時間経過後両手で強く引張りはがれなく
なったときをセットタイムとする。5秒単位ではがす。
引張剪断強度:島津製オートグラフS−2000を使用しJI
S K 6861の6項に準拠して測定。
S K 6861の6項に準拠して測定。
貯蔵安定性:試料(2〜3g入ポリエチレンチューブ及び
アルミニュームチューブ)を温度70±2℃の恒温器中に
れて放置し、接着剤の経時変化を見る。10〜15時間の試
験を行い対象と比較して差がなければ常温で少なくとも
1年以上、5〜6日間安定であれば約6ケ月安定である
と推測した。
アルミニュームチューブ)を温度70±2℃の恒温器中に
れて放置し、接着剤の経時変化を見る。10〜15時間の試
験を行い対象と比較して差がなければ常温で少なくとも
1年以上、5〜6日間安定であれば約6ケ月安定である
と推測した。
実施例1 HMDSで表面処理された(イ)pH8.3、アンモニア含有量1
46ppmを示す疎水性シリカ(日本アエロジル社製、商品
名アエロジルRX−200)、(ロ)pH6.1、アンモニア含有
量13.9ppmを示す疎水性シリカ(日本アエロジル社製、
アエロジルRX−200L)、(ハ)pH9.6、アンモニア含有
量30ppm以上を示す疎水性シリカ(米国Tulco社製、商品
名TullanoxTM500)を、夫々別個の取扱いで130容量の
熱風循環式乾燥器中に約1kg静置して200±3℃の温度で
5〜15時間処理した後、デシケーター中で放冷して、第
5表に示す如きpH値、アンモニア含有量の異なる一連の
本発明の疎水性シリカを得た。これら疎水性シリカを、
エチル−α−シアノアクリレート(PMMA2.0重量%、SO2
35〜55ppm、ハイドロキノン700ppm含有)に6.0重量%配
合し一連の接着剤組成物を作製して、これらの各テスト
を行った。その結果を第5表に示す。
46ppmを示す疎水性シリカ(日本アエロジル社製、商品
名アエロジルRX−200)、(ロ)pH6.1、アンモニア含有
量13.9ppmを示す疎水性シリカ(日本アエロジル社製、
アエロジルRX−200L)、(ハ)pH9.6、アンモニア含有
量30ppm以上を示す疎水性シリカ(米国Tulco社製、商品
名TullanoxTM500)を、夫々別個の取扱いで130容量の
熱風循環式乾燥器中に約1kg静置して200±3℃の温度で
5〜15時間処理した後、デシケーター中で放冷して、第
5表に示す如きpH値、アンモニア含有量の異なる一連の
本発明の疎水性シリカを得た。これら疎水性シリカを、
エチル−α−シアノアクリレート(PMMA2.0重量%、SO2
35〜55ppm、ハイドロキノン700ppm含有)に6.0重量%配
合し一連の接着剤組成物を作製して、これらの各テスト
を行った。その結果を第5表に示す。
pHが約6.6〜7、アンモニア含有量が約60〜90ppmを示す
本発明のシリカを含有する接着剤組成物の安定性は70℃
の温度下で5〜7日間程度保持された。またこれらのも
のと同一のサンプルを室温(20〜27℃)で約6ケ月間放
置しておいたのについてテストしたところ使用に供せる
程度の安定性を保っていた。
本発明のシリカを含有する接着剤組成物の安定性は70℃
の温度下で5〜7日間程度保持された。またこれらのも
のと同一のサンプルを室温(20〜27℃)で約6ケ月間放
置しておいたのについてテストしたところ使用に供せる
程度の安定性を保っていた。
pHが約6.0以下、アンモニア含有量が20ppm以下を示す本
発明のシリカを配合した組成物は70℃の温度で15日間以
上安定であった。
発明のシリカを配合した組成物は70℃の温度で15日間以
上安定であった。
実施例2 HMDSで表面処理されたpH6.1、アンモニア含有量13.9ppm
を示す疎水性シリカ(RX−200L)約900gを、熱媒加熱式
の攪拌機付35容量の反応釜中に仕込み、ゆっくり攪拌
しながら195〜205℃の温度で10時間加熱した。この間シ
リカ微粉末が霧散しない程度に窒素ガスまたは乾燥窒素
を流入せしめて揮発するアンモニアおよび水蒸気を処理
装置外へ追出した。次に加熱処理後装置を密閉し内容物
のシリカが空気中の湿気と接触しないようにして室温に
冷却した。冷却後装置内は減圧状態になっているから窒
素ガスまたは乾燥空気をゆっくり入れて減圧を破る。
を示す疎水性シリカ(RX−200L)約900gを、熱媒加熱式
の攪拌機付35容量の反応釜中に仕込み、ゆっくり攪拌
しながら195〜205℃の温度で10時間加熱した。この間シ
リカ微粉末が霧散しない程度に窒素ガスまたは乾燥窒素
を流入せしめて揮発するアンモニアおよび水蒸気を処理
装置外へ追出した。次に加熱処理後装置を密閉し内容物
のシリカが空気中の湿気と接触しないようにして室温に
冷却した。冷却後装置内は減圧状態になっているから窒
素ガスまたは乾燥空気をゆっくり入れて減圧を破る。
かくして得られた本発明のシリカのpHは4.9、アンモニ
ア含有量は7.1ppmであった。
ア含有量は7.1ppmであった。
またRX−200LにかえてpH8.3、アンモニア含有量146ppm
を示すRX−200を、上記と同様の方法で処理し、pHが5.
4、アンモニア含有量が8.7ppmを示す本発明のシリカを
得た。得られたこれら本発明の疎水性シリカを、エチル
−α−シアノアクリレート(PMMA、SO2、ハイドロキノ
ンを含有する)に0.5〜14重量%となるように配合して
第6表に示す一連の接着剤組成物を調製し、これらの組
成物の各テストを行った。その結果を第6表に示す。
を示すRX−200を、上記と同様の方法で処理し、pHが5.
4、アンモニア含有量が8.7ppmを示す本発明のシリカを
得た。得られたこれら本発明の疎水性シリカを、エチル
−α−シアノアクリレート(PMMA、SO2、ハイドロキノ
ンを含有する)に0.5〜14重量%となるように配合して
第6表に示す一連の接着剤組成物を調製し、これらの組
成物の各テストを行った。その結果を第6表に示す。
本発明の処理を施こさないRX−200を6.0重量%含有する
エチル−α−シアノアクリレート接着剤組成物は70℃の
温度で行う劣化促進試験に於いて1〜2日間で硬化し
た。一方本発明の方法で処理したシリカ(RX−200、RX
−200L)を、エチル−α−シアノアクリレートに0.5〜1
4重量%好ましくは5〜10重量%配合した組成物は、上
記と同様70℃で加熱試験を行った場合15〜20日間以上良
好な安定性を示した。
エチル−α−シアノアクリレート接着剤組成物は70℃の
温度で行う劣化促進試験に於いて1〜2日間で硬化し
た。一方本発明の方法で処理したシリカ(RX−200、RX
−200L)を、エチル−α−シアノアクリレートに0.5〜1
4重量%好ましくは5〜10重量%配合した組成物は、上
記と同様70℃で加熱試験を行った場合15〜20日間以上良
好な安定性を示した。
また本発明の処理を施こさないRX−200L(前記に示した
様に予め本発明の所定のpH値となるように処理されたも
の)を、上記と同様にエチル−α−シアノアクリレート
に5〜10重量%配合して作製した組成物の安定性は、上
記と同様の劣化試験に於いて15〜17日間良好であった。
様に予め本発明の所定のpH値となるように処理されたも
の)を、上記と同様にエチル−α−シアノアクリレート
に5〜10重量%配合して作製した組成物の安定性は、上
記と同様の劣化試験に於いて15〜17日間良好であった。
実施例3 実施例2で得られたpH4.9、アンモニア含有量7.1ppmを
示すRX−200LとpH5.4、アンモニア含有量8.7ppmを示すR
X−200を使用し、これらのシリカをメチル−α−シアノ
アクリレートおよび2−メトキシイソプロピル−α−シ
アノアクリレートに配合して第7表に示す組成物を調製
し、これらの組成物の各テストを行った。その結果を第
7表に示す。
示すRX−200LとpH5.4、アンモニア含有量8.7ppmを示すR
X−200を使用し、これらのシリカをメチル−α−シアノ
アクリレートおよび2−メトキシイソプロピル−α−シ
アノアクリレートに配合して第7表に示す組成物を調製
し、これらの組成物の各テストを行った。その結果を第
7表に示す。
また本発明の処理を施こさない疎水シリカ(TullanoxTM
500)を使用した場合も併記した。
500)を使用した場合も併記した。
本発明の疎水性シリカは何れも上記各α−シアノアクリ
レートに安定に配合出来るが、本発明の処理を施こして
いない疎水性シリカ(TullanoxTM500)を配合した上記
各α−シアノアクリレート接着剤組成物の安定性は極め
て拙劣であった。
レートに安定に配合出来るが、本発明の処理を施こして
いない疎水性シリカ(TullanoxTM500)を配合した上記
各α−シアノアクリレート接着剤組成物の安定性は極め
て拙劣であった。
上記第7表中のHQはハイドロキノンを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】ヘキサメチルジシラザンで表面処理された
疎水性微粒子状シリカのpH値調整処理物0.5〜14重量%
及びα−シアノアクリレート99.5〜86重量%を主成分と
して成り、且つ上記pH値調整処理が、処理後の上記シリ
カを容量当たりメタノール50%と水50%とから成る溶液
中に4重量%分散した液のpHが7以下となるように、上
記疎水性微粒子状シリカを常圧下に120〜300℃で3〜15
時間加熱する処理、または40℃未満の温度で100mgHg以
下の減圧下に暴露する処理であることを特徴とするα−
シアノアクリレート系接着剤組成物。 - 【請求項2】上記所定のpH値調整処理シリカが、更にそ
のアンモニア含有量が90ppm以下である特許請求の範囲
第1項に記載のα−シアノアクリレート系接着剤組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61244732A JPH0742443B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | α−シアノアクリレ−ト系接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61244732A JPH0742443B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | α−シアノアクリレ−ト系接着剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6397671A JPS6397671A (ja) | 1988-04-28 |
JPH0742443B2 true JPH0742443B2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=17123068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61244732A Expired - Lifetime JPH0742443B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | α−シアノアクリレ−ト系接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0742443B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02142875A (ja) * | 1988-11-22 | 1990-05-31 | Sekisui Aikoo Kk | α−シアノアクリレート系接着剤組成物 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62169878A (ja) * | 1986-01-21 | 1987-07-27 | Etsuo Yoshida | 接着剤組成物 |
-
1986
- 1986-10-14 JP JP61244732A patent/JPH0742443B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6397671A (ja) | 1988-04-28 |
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