JPH0742434U

JPH0742434U - 内燃機関用点火コイル装置

Info

Publication number: JPH0742434U
Application number: JP7431793U
Authority: JP
Inventors: 嘉宏栂崎; 充時岡
Original assignee: 阪神エレクトリック株式会社
Priority date: 1993-12-28
Filing date: 1993-12-28
Publication date: 1995-08-04

Abstract

(57)【要約】【目的】点火タイミングで、一次電流の通電開始時に
生じる正極性の電圧が点火プラグに印加されるのを防止
する高圧ダイオードを点火コイルの二次コイルのボビン
に取付ける製造上の手数と、点火コイルが不良の場合の
高圧ダイオードの無駄を解消する。【構成】高圧端子１４を有する点火コイル１０と、点
火コイルの高圧端子１４を点火プラグに電気的に接続す
るプラグソケット２０とからなる内燃機関用点火コイル
装置において、上記プラグソケット２０中に高圧ダイオ
ード３０を電気的に接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、一次電流の通電開始時に発生する二次電圧を阻止する高圧ダイオードを二次側に接続し、車輌用内燃機関の点火コイルの一つ宛に対し、ワンプラグワンコイル方式で一つ宛取付ける内燃機関用点火コイル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

点火コイルは、一次電流の変化量に応じて一次コイルに逆起電力を発生し、磁気的に結合した二次コイルで高電圧を内燃機関の点火プラグに印加する。この場合、正規の点火タイミングでは一次電流の遮断時に高電圧を発生するが、一次電流の通電開始時の電流変化に対しても電圧が発生する。正規の点火タイミングで発生する高電圧は負極性であるが通電開始の発生電圧は正極性である。従って、負極性の電圧だけを点火プラグに供給するには正極性の電圧を阻止する高圧ダイオードを二次巻線に直列に接続することが必要であり、従来は二次コイルのボビンに高圧ダイオードを取付け、二次コイルの巻終側と、高圧端子を結ぶ電線の途中にその高圧ダイオードを接続していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、二次コイルのボビンに高圧ダイオードを取付けると、ボビンに高圧ダイオードを取付けた状態では二次コイルの電線をボビンに巻付けることができないので、巻線した後に高圧ダイオードをボビンに取付け、巻線した二次コイルの端部と高圧ダイオードの一端側のリード線を電気的に接続すると共に、高圧ダイオードの他端部のリード線を導線の高圧端子に接続しなければならず、製造工程が面倒になって多大の時間と労力を要し、生産性が極めて悪い。又、高圧ダイオードのリード線に二次電線の巻終側を巻付けて接続するため、二次電線の断線が生じ易く、製品の不良率が高いという欠点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本考案は、高圧端子を有する点火コイルと、点火コイルの高圧端子を点火プラグに電気的に接続するプラグソケットとからなる内燃機関用点火コイル装置において、上記プラグソケット中に高圧ダイオードを電気的に接続したことを特徴とする。

【０００５】

【実施例】

図示の実施例において、１０は周知の点火コイルで、有底の絶縁ケース中に同心状に嵌合した一次コイル１１と二次コイル１２を有し、鉄心１３が一次コイルのボビンと、ケースの底を貫通して閉磁路を構成するように配置され、一次電流の遮断時に二次コイルに生じる高電圧は高圧端子１４に供給される。２０はプラグソケットである。プラグソケットは高圧端子１４に生じる高電圧を内燃機関の各気筒の一つの点火プラグに伝える電気絶縁性の合成樹脂等からなる筒形部材２１と、筒形部材２１中を貫通するコイルスプリング等の電気導体２２を備え、筒形部材２１の一端部に取付けられたゴム製などの頭部２３を、点火コイルの高圧端子１４を内包する高圧タワー１５の外にスナップ嵌めして取付けると電気導体２２の一端の端子２４は高圧端子１４に弾性的に当接する。又、筒形部材２１の他端部には、点火プラグの端子が突入して前記導体２２の他端部と弾力的に接触するためのブーツ２５がスナップ嵌めして取付けてある。筒形部材２１の長さは、エンジンのヘッドの厚み、及び点火プラグとこれに直か付けする点火コイルとの距離に応じ定めてある。従って、一端部に点火コイル１０を取付けたプラグソケットの他端部のブーツ２５をエンジンヘッドの各気筒毎に取付けてある点火プラグの頭部端子に押し被せて固定すると、点火プラグの頭部端子は電気導体２２の他端部に弾力的に当接し、点火プラグは点火コイルが発生した高電圧の供給を受けることができる。

【０００６】３０は、一次電流の通電開始時に発生する正極性の電圧が点火プラグに印加されるのを防ぐ高圧ダイオードで、その各端部のリード線に端子３１，３２を取付け、その端子ごと筒形部材２１中に挿入し、電気導体２２の途中に介装してある。つまり、電気導体２２であるコイルスプリングは途中で切断し、その間に両端に端子３１，３２を取付けた高圧ダイオード３０が筒形部材２１に挿入してあるので、頭部２３側のコイルスプリング２２ａは端子３１に、ブーツ側のコイルスプリング２２ｂは端子３２に夫々弾力的に接触する。これによって、一次電流の通電開始時に発生する正極性の電圧は点火プラグに印加されず、点火プラグには正規の点火タイミングで一次電流の遮断時に発生する負極性の高電圧のみを印加することができる。

【０００７】

【考案の効果】

本考案では高圧ダイオードをプラグソケットの筒形部材２１内に設けてある。従って、二次コイルのボビンに高圧ダイオードを取付ける必要がなくなるため、二次コイルの巻線工程が容易、且つ迅速に行えると共に、二次コイルの端末を高圧ダイオードのリード線に巻付けなくてよいので断線も無くなり、生産性は著しく向上し、不良の発生率も著減する。更に、製造状の不良で点火コイルを廃棄する場合も、高価な高圧ダイオードは点火コイルとは別体のプラグソケットに設けてあるので、点火コイルと一緒に廃棄することが免れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による点火コイル装置の断面図である。

【図２】図１の要部の拡大図である。

【符号の説明】

１０点火コイル１１一次コイル１２二次コイル１３鉄心１４高圧端子１５高圧タワー２０プラグソケット２１筒形部材２２電気導体２２ａ頭部側コイルスプリング２２ｂブーツ側コイルスプリング２３頭部２４端子２５ブーツ３０高圧ダイオード３１端子３２端子

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】高圧端子を有する点火コイルと、点火コ
イルの高圧端子を点火プラグに電気的に接続するプラグ
ソケットとからなる内燃機関用点火コイル装置におい
て、上記プラグソケット中に高圧ダイオードを電気的に
接続したことを特徴とする内燃機関用点火コイル装置。