JPH0742392Y2 - 便座用敷紙自動送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、洋式トイレの便座の上に敷く便座用敷紙供給
装置に係り、特に、ラックあるいはベルトを引くことに
より手を触れることなく便座上に敷紙ロールに巻いた敷
紙を適宜自動的に巻き出し便座の上に載置することので
きる便座用敷紙自動送り装置に関する。

【従来の技術】

近年の下水道の整備の徹底は、トイレの糞尿を浄化槽で
浄化して下水道に流す水洗式トイレの普及を促し、建設
資材の発達、住居用住宅の建設技術の発達は、トイレに
カラフルな新素材を使用し、従来の不潔なイメージを一
新し、清潔感を持たせている。 一方、高度経済成長の基に、食堂・レストラン等の外食
産業、ホテル、結婚式場等、不特定多数の人が出入りす
るサービス産業が乱立しており、これらレストラン、ホ
テル等の利用は、生活水準の向上に伴って増大してい
る。このような不特定多数の人が出入りするレストラ
ン、ホテル等のトイレは、衛生の面、清潔の面から従来
のバッチ式トイレから水洗式トイレに変わっている。 これら水洗式トイレも、連続して長時間に渡って使用す
るのに耐えられる便座に腰を掛けてする洋式が圧倒的に
多くなっている。このようなレストラン、ホテル等の洋
式トイレの便座は、利用する不特定多数の者が兼用で使
用することとなる。この便座に腰を掛けるタイプの洋式
トイレの便座は、便座の上に臀部を載せて使用するもの
であり、不特定人の人が利用するため、どのような人が
利用したか不明であり、不潔な場合もあり、特に病気の
感染等も考えられる。 そこで、最近では、便座の上を殺菌消毒するため、便座
の上を奇麗に拭き取る紙に薬液を染み込ませた便座除菌
クリーナーが開発され、一般に市販されている。しか
し、この便座除菌クリーナーは、便座の上を奇麗に拭き
取るようになっているため丈夫な紙を用いており、使用
後トイレに流すとトイレが詰まる等のトラブルを起こす
ことから別途処分しなければならないという手間を要し
ている。 また、この洋式トイレの便座は、通常硬質のプラスチッ
クが用いられている。このため、この硬質のプラスチッ
ク製の便座に直接座ると、冬期には、冷たく利用し難い
ものとなっている。特に便座除菌クリーナーによって便
座の上を奇麗に拭き取った後では、便座除菌クリーナー
に含まれていた薬液が便座の表面に付着し、余計に冷た
く甚だしく利用し難いものとなっている。 そこで、便座に直接肌が接触することによる不衛生さを
防止することと、冬期に便座に座ってもは、冷たさを和
らげるため、最近この洋式トイレの便座の上に便座用敷
紙を敷いて利用する方法が考えられるに至っている。こ
の便座用敷紙は、便座近辺に一枚一枚が重ねられて袋等
の収納体に収納し、この収納体から必要に応じて１枚づ
つ取り出して使用するようにしてあるか、便座用敷紙を
ロールに巻き付け連続的に供給できるようにして、この
ロールを収納できるように改造した特殊な便座を用いて
いる。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の便器の便座用敷紙の供
給にあっては、一枚一枚が重ねられて袋等の収納体に収
納し、この収納体から必要に応じて１枚づつ取り出して
使用するようにすると、狭いトイレのスペースにおいて
便座用敷紙を収納するための場所を取り、一度に多量の
敷紙をセットすることができないという問題点を有して
いる。 また、従来の便座用敷紙をロールに巻き付け連続的に供
給できるよう構成した便器にあっては、トイレを新築し
たり、便器を交換する等の改築する場合には、便座用敷
紙がセットできる特殊な便器を採用することによって使
用可能であるが、既設の便器には、全く使用できないと
いう問題点を有している。 さらに、従来の便座用敷紙をロールに巻き付け連続的に
供給できるよう構成した便器にあっては、既設の便器を
取外し改造された便器と交換しなければならず実行性が
薄いという問題点を有している。 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、既設
の便器に容易に取り付けることができ、使用する者がラ
ックあるいはベルトを引くことにより手を触れることな
く便座上に敷紙ロールに巻いた敷紙を適宜自動的に巻き
出し便座の上に載置することのできる便座用敷紙自動送
り装置を提供しようとするものである。

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における便座用敷紙
自動送り装置は、周端部に歯部の形成され表面に爪が設
けられている回転板と、該回転板の歯部に噛合するラッ
クと、便器に回転可能に取り付けられ前記回転板の爪と
噛み合い前記回転板の回動によって回転するラチェット
と、該ラチェットの回転を受けて回転する駆動歯車と、
互いに圧接し回転することにより便座用敷紙を挾んで便
座上に送り出す一対のローラと、該一対のローラの一方
のローラに取付けられ前記駆動歯車と回転自在な中間歯
車を介して噛み合う歯車とによって構成したものであ
る。 また、上記目的を達成するために、本考案における便座
用敷紙自動送り装置は、周端部に歯部の形成され表面に
爪が設けられている回転板と、該回転板の歯部に噛合す
るベルトと、便器に回転可能に取り付けられ前記回転板
の爪と噛み合い前記回転板の回動によって回転するラチ
ェットと、該ラチェットの回転を受けて回転する駆動歯
車と、互いに圧接し回転することにより便座用敷紙を挾
んで便座上に送り出す一対のローラと、該一対のローラ
の一方のローラに取付けられ前記駆動歯車と回転自在な
中間歯車を介して噛み合う歯車とによって構成したもの
である。 そして、ベルトの一端には把手を取付け、他端にはウェ
イトを取付けるのが好ましい。

【作用】

互いに圧接する一対のローラの間にロールに巻き付けら
れている便座用敷紙の一端を挿入し、この一対のローラ
の間から便座用敷紙を少し引き出して便器の蓋部を閉じ
る。便器の蓋部を開けて、便座後方に設けられている便
座用敷紙自動送り装置のラック又はベルトを手前に引く
と、ラックの固着されている又はベルトの巻き付けてあ
る回転板が回転し、この回転板に取り付けられている爪
が噛み合っているラチェットを押して回転させる。する
と、ラチェットの回転を受けて駆動歯車が回転し、この
駆動歯車の回転によって中間歯車が回転する。この中間
歯車の回転によって回転板の回転方向とは反対方向に歯
車が回転する。この歯車の回転によって一対のローラの
一方のローラが回転し、２つのローラ間に挾まれた便座
用敷紙が便座上に送り出される。 ラックを戻したり、あるいは引っ張っていたベルトを離
すと回転板がラック又はベルトを手前に引く場合とは反
対方向に回転する。この場合は、爪とラチェットとの噛
み合いがなく、空回りする。このためラチェットは回転
せず、２つのローラ間に挾まれた便座用敷紙の送り出し
とは逆に引っ込める方向に送り込むことはない。

【実施例】

以下、本考案の実施例について説明する。 第１の考案 第１図〜第３図には、本願第１の考案に係る便座用敷紙
自動送り装置の一実施例が示されている。 図において、１は、便器100の後部に取付けられる便座
用敷紙自動送り装置である。便器100は、一般によく知
られている洋式トイレで、本体110の開閉式の便座120
と、この便座120の上から蓋う開閉式の蓋部130とからな
る。便座120と蓋部130は、図示されていないが便器100
の本体110に開閉自在に取付けられている。 便座用敷紙自動送り装置１は、筺体２内に収納され、第
２図に示す如き構成を有している。 ３は、筺体２の前面から突出しているラックで、回転板
４の周端部に形成されている歯部５に噛合されている。
したがって、ラック３を第２図図示矢印Ａに示す方向に
引っ張ると、歯部５の噛合によって回転板４は、回転す
る。また、この回転板４は、第３図に示す如く、ローラ
６が嵌合している回転軸７に回転自在に取付けられてい
る。また、このローラ６は、回転軸７に回転自在に嵌合
されている。したがって、回転板４は、回転軸７が回転
しても、この回転軸７の回転によっては回転しない。ま
た、回転板４が回転してもローラ６を回転させることは
ない。ローラ６は、ゴム、合成樹脂等の弾性を有する材
料で形成されている。 ８は、回転板４の表面に形成される爪で、９は、爪８に
噛み合うラチェットである。ラチェット９は、筺体２の
内側に設けられ、ローラ６が嵌着している回転軸７に固
着されている。この爪８は、常時、図示されていない付
勢手段によってラチェット９に押接するように付勢され
ている。すなわち、この爪８は、通常、ラチェット９と
噛合した状態となっている。したがって、ラック３を第
２図図示矢印Ａに示す如く引っ張ることによって回転板
４を回転させると、回転板４に取付けられている爪８
は、噛合した状態のラチェット９を回転板４の回転方向
と同方向に回転させる。 また、回転板４の内側の回転軸７には、第３図に示す如
く、駆動歯車10が固着されている。したがって、この駆
動歯車10は、ラチェット９の回転を受けて、このラチェ
ット９の回転に同期して回転するようになっている。 11は、ローラ６に圧接するローラで、このローラ11の一
端には、歯車12が取付けられている。すなわち、ローラ
11は、歯車12が回転することによって、この歯車12と一
緒に回転する。したがって、ローラ６は、ローラ11が回
転することによって回転することになる。このローラ６
とローラ11の一対のローラは、敷紙ロール14に巻かれた
便座用敷紙15を挾み込み、ローラ11が回転することによ
ってローラ６と一緒になって定量送り出す作用を有して
いる。 また、この歯車12には、筺体２に回転自在に支持される
中間歯車13が噛合されており、この中間歯車13に駆動歯
車10が噛合されている。したがって、ローラ11を駆動す
るための歯車12は、中間歯車13を介して駆動歯車10に噛
合されている。この中間歯車13の作用によって、歯車12
の回転方向は、駆動歯車10の回転方向と同一方向に回転
する。したがって、ラック３を第２図図示矢印Ａに示す
如き方向に引っ張ると、ローラ11は、回転板４の回転方
向と同方向に回転し、ローラ６は、ローラ11とは反対の
方向に回転する。このローラ11の回転によってローラ６
とローラ11に挾み込れた便座用敷紙15を第２図図示矢印
Ｂに示す方向に定量送り出す。 次に、本実施例の動作について説明する。 まず、互いに圧接する一対のローラ６、11の間に敷紙ロ
ール14に巻き付けられている便座用敷紙15の一端を挿入
し、この一対のローラ６、11の間から便座用敷紙15を少
し引き出しておく。その後、便器100の蓋部130を第１図
図示矢印Ａに示す如く開けた後、ラック３を手前に引き
出す。すると、ラック３が噛合している回転板４が第２
図図示矢印Ｃに示す如く回転し、回転板４に取付けられ
ている爪８が、この爪８に噛み合っているラチェット９
を押して同方向に回転させる。このラチェット９の回転
を受けて駆動歯車10は回転し、この駆動歯車10の回転に
よって中間歯車13を介して歯車12が駆動歯車10の回転方
向と同一の回転方向に回転する。この歯車12の回転によ
って一対のローラ６、11の一方のローラ11が回転し、２
つのローラ６、11間に挾まれた便座用敷紙15が第２図図
示矢印Ｂに示す如く便座120上に送り出される。 また、ラック３を押し戻した場合は、爪８はラチェット
９のギヤの上を滑り、ラチェット９のギヤに噛み合うこ
とがないため、空回りする。すなわち、ラチェット９
は、爪８の作用によって回転することがない。このた
め、２つのローラ６、11間に挾まれた便座用敷紙15は、
２つのローラ６、11によって送り出される方向とは逆の
方向、すなわち引っ込める方向に送り込まれることがな
い。 第２の考案 第４図には、本願第２の考案に係る便座用敷紙自動送り
装置の一実施例が示されている。 図において、本実施例が第１図〜第３図に示される本願
第１の考案と異なる点は、本願第１の考案が回転板４の
周端部に形成されている歯部５に、ラック３を噛合し
て、このラック３を引き出すことによって回転板４を回
転させているのに対し、本実施例は、ラック３に代えて
先端にウェイトを取付け、後端に把手を取り付け、一方
の面に歯部の形成されているベルトを用い、このベルト
の歯部を回転板４の周端部に形成されている歯部５に、
噛合させて、このベルトを把手を持って引き出すことに
よって回転板４を回転させている点である。他は、本願
第１の考案の場合と同一である。 すなわち、第４図において、 20は、ベルトで、一方の面に歯部21が形成されている。
また、このベルト20の後端には、把手22が取付けられて
おり、先端には、ウェイト23が取付けられている。この
ベルト20の歯部21は、回転板４の周端部に形成されてい
る歯部５に噛合されている。他は、第２図、第３図と同
一に構成されているので説明を省略する。 したがって、本実施例によれば、第１図〜第３図図示第
１の考案と同一の効果が得られる。

【考案の効果】

本考案は、上述のように構成されているので、次に記載
する効果を奏する。 請求項１の便座用敷紙自動送り装置においては、周端部
に歯部の形成され表面に爪が設けられている回転板と、
該回転板の歯部に噛合するラックと、便器に回転可能に
取り付けられ前記回転板の爪と噛み合い前記回転板の回
動によって回転するラチェットと、該ラチェットの回転
を受けて回転する駆動歯車と、互いに圧接し回転するこ
とにより便座用敷紙を挾んで便座上に送り出す一対のロ
ーラと、該一対のローラの一方のローラに取付けられ前
記駆動歯車と回転自在な中間歯車を介して噛み合う歯車
とによって構成されているため、既設の便器に容易に取
り付けることができ、使用する者がラックを引くことに
より手を触れることなく便座上に敷紙ロールに巻いた敷
紙を適宜自動的に巻き出し便座の上に載置することがで
きる。 請求項２の便座用敷紙自動送り装置においては、周端部
に歯部の形成され表面に爪が設けられている回転板と、
該回転板の歯部に噛合するベルトと、便器に回転可能に
取り付けられ前記回転板の爪と噛み合い前記回転板の回
動によって回転するラチェットと、該ラチェットの回転
を受けて回転する駆動歯車と、互いに圧接し回転するこ
とにより便座用敷紙を挾んで便座上に送り出す一対のロ
ーラと、該一対のローラの一方のローラに取付けられ前
記駆動歯車と回転自在な中間歯車を介して噛み合う歯車
とによって構成されているため、既設の便器に容易に取
り付けることができ、使用する者がベルトを引くことに
より手を触れることなく便座上に敷紙ロールに巻いた敷
紙を適宜自動的に巻き出し便座の上に載置することがで
きる。 請求項３の便座用敷紙自動送り装置においては、ベルト
の一端に把手を取付け、他端にウェイトを取付けている
ため、ベルトを引っ張った後に手放すとベルトを自動的
に元の位置に戻すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本願第１の考案に係る便座用敷紙自動
送り装置の実施例を示したもので、第１図は便座用敷紙
自動送り装置の概観構成図、第２図は便座用敷紙自動送
り装置の筺体を外した状態の全体斜視図、第３図は便座
用敷紙自動送り装置の一部を断面した部分図、第４図は
本願第２の考案に係る便座用敷紙自動送り装置の実施例
を示したもので、便座用敷紙自動送り装置の筺体を外し
た状態の全体斜視図である。 １……便座用敷紙自動送り装置 ２……筺体 ３……ラック ４……回転板 5,21……歯部 6,11……ローラ ８……爪 ９……ラチェット 10……駆動歯車 12……歯車 13……中間歯車 14……敷紙ロール 15……便座用敷紙 20……ベルト 22……把手 23……ウェイト 100……便器 120……便座

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周端部に歯部の形成され表面に爪が設けら
   れている回転板と、該回転板の歯部に噛合するラック
   と、便器に回転可能に取り付けられ前記回転板の爪と噛
   み合い前記回転板の回動によって回転するラチェット
   と、該ラチェットの回転を受けて回転する駆動歯車と、
   互いに圧接し回転することにより便座用敷紙を挾んで便
   座上に送り出す一対のローラと、該一対のローラの一方
   のローラに取付けられ前記駆動歯車と回転自在な中間歯
   車を介して噛み合う歯車とからなる便座用敷紙自動送り
   装置。
2. 【請求項２】周端部に歯部の形成され表面に爪が設けら
   れている回転板と、該回転板の歯部に噛合するベルト
   と、便器に回転可能に取り付けられ前記回転板の爪と噛
   み合い前記回転板の回動によって回転するラチェット
   と、該ラチェットの回転を受けて回転する駆動歯車と、
   互いに圧接し回転することにより便座用敷紙を挾んで便
   座上に送り出す一対のローラと、該一対のローラの一方
   のローラに取付けられ前記駆動歯車と回転自在な中間歯
   車を介して噛み合う歯車とからなる便座用敷紙自動送り
   装置。
3. 【請求項３】上記ベルトの一端には把手が取付けられて
   おり、他端にはウェイトが取付けられたものである請求
   項２記載の便座用敷紙自動送り装置。