JPH0742097B2 - 合成多孔体 - Google Patents

合成多孔体

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JPH0742097B2
JPH0742097B2 JP4148060A JP14806092A JPH0742097B2 JP H0742097 B2 JPH0742097 B2 JP H0742097B2 JP 4148060 A JP4148060 A JP 4148060A JP 14806092 A JP14806092 A JP 14806092A JP H0742097 B2 JPH0742097 B2 JP H0742097B2
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拓道 林
嘉郎 小野寺
一雄 鳥居
貴裕 関本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細孔径がメソポア領域
でシャープな分布を有し、比表面積が大きく、耐熱性に
優れた合成多孔体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】20〜数百Åのメソポア領域の細孔径を有
する多孔体は、ビタミンや酵素等の生理活性物質の分離
材や、合成化学における触媒として新たな機能が期待さ
れている。しかし、従来の多孔体、例えばゼオライトで
は最大で9Åの細孔径のものしか得られず、また、シリ
カゲル、γ−アルミナあるいは活性炭は、メソポア領域
の細孔径を有する多孔体ではあるが、細孔径が数十〜10
00Åに渡っており、分離材や触媒に用いるには細孔径の
分布が広すぎるという欠点を有している。
【0003】近年、層間架橋多孔体を、触媒等に使用す
る試みがなされている。このような層間架橋多孔体とし
ては、膨潤性の層状ケイ酸塩であるスメクタイト又は合
成のスメクタイト類似構造をもつ層状化合物の層間に、
アルミニウムヒドロオキシドの多価カチオンを陽イオン
交換により導入した後、電気炉中で加熱処理し、アルミ
ニウムヒドロオキシドを脱水してアルミナの柱とした多
孔体が挙げられる。このようなアルミナ架橋スメクタイ
トの比表面積は、350 〜500m2/gである(例えば、遠藤
ら、Clay Science, 7, 59-72, 1988)。
【0004】しかしながら、このようにして得られた多
孔体は、層間に導入するアルミニウムヒドロオキシド溶
液の調製や、スメクタイトとアルミニウムヒドロオキシ
ドとを反応させるのに長時間を要し、また合成操作が煩
雑であるため、良好な再現性が得られ難いという欠点が
あった。
【0005】また、上記層間架橋多孔体は、耐熱性が層
間の柱となる物質の加熱挙動及びスメクタイト自体の耐
熱性に支配されており、通常、スメクタイト層は500 〜
700℃程度で構造水が脱水分解し、それ以前に層間物質
が完全に脱水し、多孔体としての性質が失われる。した
がって、全体としての耐熱性がせいぜい500 ℃程度であ
るため、高温で使用される触媒等への利用は困難であ
る。
【0006】これら以外にも、水熱法により合成したス
メクタイトにスメクタイト層と同じ組成の珪酸塩の柱を
有する多孔体、例えば、スメクタイトの一種であるヘク
トライトの組成に調製した原料ゲルを、約150 ℃で水熱
処理した後、乾燥、粉砕して得られるミクロ・メソポア
多孔体が知られている。しかしながら、ミクロ・メソポ
ア多孔体は、細孔径分布が広く、また耐熱性が500 ℃程
度と低い。
【0007】また、この上記ミクロ・メソポア多孔体を
原料に、カチオン性有機化合物をイオン交換により導入
した後、電気炉で加熱処理して得られたメソポア多孔体
が知られている。しかしながら、このメソポア多孔体
は、耐熱性を700 ℃程度まで向上させることができるも
のの(鳥居ら、Chemistry of Microporous Crystals, 8
1-88, Kohdansha, Tokyo, 1991)、スメクタイト様化合
物の合成、カチオン性有機化合物の導入及び加熱処理と
いう工程の煩雑さを伴うと共に、その工程の煩雑さによ
り、良好な再現性が得られ難いという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性が優れ、メソポア領域でシャープな細孔分布と大きな
比表面積を有する合成多孔体、及び特性の再現性が高
く、簡便な工程で該合成多孔体を得ることができる製造
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、一般式
(I) Si4-xAlxM2+ yO8-x/2+y-z/2(OH)z ・nH2O (I) (式中M2+ は、少なくとも1種の2価金属イオンを表わ
し、xは、0≦x≦0.8、yは、2.2 ≦y≦3、zは、
2.0 ≦z≦4.5 、nは、不定比の関係を満たす)で示さ
れる含水酸化物に、カチオン性有機化合物を水熱反応さ
せ、該反応生成物を加熱して得られる下記物性を有する
合成多孔体である。
【0010】非晶質又は低結晶性 比表面積:300 〜1000m2/g 細孔径:20〜100 Å 細孔容積:0.3 〜1.5ml /g
【0011】本発明の第二は、上記一般式(I)で示さ
れる含水酸化物に、カチオン性有機化合物を添加したス
ラリーを 100〜250 ℃で水熱反応させ、反応生成物を乾
燥した後、 100〜1000℃で加熱する合成多孔体の製造方
法である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
合成多孔体は、上記一般式(I)で示される含水酸化物
に、カチオン性有機化合物を、好ましくはカチオン性有
機化合物とリチウムイオン及び/又はフッ素イオンを
水熱反応させた反応物を加熱して得られる。
【0013】比表面積は300 〜1000m2/g、好ましくは50
0 〜1000m2/gであり、細孔径は20〜100 Å、好ましくは
30〜60Åであり、細孔容積は0.3 〜1.5ml /g 、好まし
くは0.5 〜1.0ml/g である。本発明に用いる含水酸化物
を示す一般式(I)中、M2+ は、少なくとも1種の2価
金属イオンを表わし、好ましくは、Mg2+、Co2+、Ni2+
Zn2+、Cu2+、Fe2+及びMn2+からなる群より選択した少な
くとも1種の金属イオンである。本発明の合成多孔体
は、次のような工程で製造することができる。
【0014】第1工程 先ず、ケイ酸及び2価金属塩、又はケイ酸、2価金属塩
及びアルミニウム塩を含有する水溶液を調製する。ケイ
酸は、ケイ酸ソーダに、硝酸、塩酸、硫酸等の鉱酸を混
合したケイ酸溶液(pH1〜2)として加えるのが好まし
い。ケイ酸ソーダは市販されている1号ないし4号の水
ガラス、メタケイ酸ソーダ等を用いることができる。
【0015】2価金属塩としては、マグネシウム、コバ
ルト、ニッケル、亜鉛、銅、鉄、マンガン等の塩化物、
硝酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。2価金属塩
は、一般式(I)を満足する値であれば、2種以上の2
価金属塩を組合わせて用いることができ、合成多孔体の
用途に応じ、適宜に選択することができる。
【0016】アルミニウム塩としては、アルミニウムの
塩化物、硫酸塩、硝酸塩等を挙げることができる。ケイ
酸、2価金属塩及びアルミニウム塩の混合割合は、一般
式(I)のx及びyの範囲を満足するように選択するこ
とができる。
【0017】次に、得られた水溶液にアルカリ溶液を加
え、含水酸化物を沈殿させた後、ろ別し、繰り返して水
洗し副生電解質を十分に除去する。アルカリ溶液として
は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、
アンモニア水等を用いることができる。アルカリ溶液
は、混合後のpHが10以上となるように添加するのが好ま
しい。
【0018】第2工程 第1工程で得た含水酸化物に、カチオン性有機化合物を
添加し、又は合成多孔体にリチウム及び/又はフッ素を
導入する場合には、更にリチウムイオン及び/又はフッ
素イオンを添加して原料スラリーを調製する。カチオン
性有機化合物としては、脂肪族又は芳香族の炭化水素基
を有する第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、
第1級アンモニウム塩、第3級アンモニウム塩、第4級
アンモニウム塩、金属イオン分析用発色試薬、色素、染
色剤及びこれらの混合物等を挙げることができる。
【0019】カチオン性有機化合物の配合量は、含水酸
化物に対して(x−2y−a+6)当量(式中、x及び
yは前記と同じであり、aは後述するリチウムイオンの
添加当量を表わす)である。この値は有効に作用しうる
最大量であり、一般的には水熱処理後の段階でも含水酸
化物は水酸基を含む状態にとどまるのでさらに少量でも
よい。また、カチオン性有機化合物の配合量は、最終生
成物の比表面積を制御する目的で、(x−2y−a+
6)の0.2 〜1.0 倍量が好ましい。
【0020】リチウムイオンは、水酸化リチウム、塩化
リチウム、炭酸リチウム等として添加する。中でも好ま
しいのは水酸化リチウムである。フッ素イオンは、フッ
化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウ
ム等として添加する。中でも好ましいのはフッ化水素酸
である。
【0021】リチウムイオンの添加量(a)は、上記含
水酸化物に対して0〜0.8 当量が好ましい。また、フッ
素イオンの添加量は、上記含水酸化物に対して0〜2.0
当量が好ましい。混合温度は、室温でよいが、カチオン
性有機化合物の粘度を下げ、より均一な混合物を得るた
めに、50〜90℃の範囲が好ましい。
【0022】第3工程 第2工程で得られた出発原料スラリーをオートクレーブ
等を用い水熱反応させる。水熱反応温度は、100 ℃〜25
0 ℃、好ましくは100 ℃〜200 ℃である。この段階で含
水酸化物の陰イオンのサイト数としては変化しないが、
次の反応により含水酸化物が陰電荷を帯びる。 2(OH)- →O2-+H2 O↑
【0023】すなわち、水熱反応温度が高温になるほど
陰電荷量が増加するため、含水酸化物に取り込まれるカ
チオン性有機イオン量は多くなるが、カチオン性有機化
合物は高温になるほど破壊され易いため、水熱反応温度
が前記上限値を超えると好ましくない。反応時間は、同
様の理由から短時間でよく、例えば150 ℃の温度では2
時間程度でよい。
【0024】水熱反応生成物は、水洗後、乾燥する。水
洗は最終生成物の均質性、特性の再現性に影響を与える
ため、50〜90℃の温水を用い、迅速に洗浄するのが好ま
しいが、洗浄工程を省くこともできる。乾燥は、一般的
な乾燥器や真空乾燥器を用い、常温から200 ℃で脱水乾
燥するか、あるいは凍結乾燥する。また必要により粉砕
してもよい。
【0025】第4工程 第3工程で得られた乾燥反応生成物を、電気炉等で100
〜1000℃、好ましくは400 〜900 ℃で加熱処理し、本発
明の多孔体を得る。加熱時間は2時間程度で十分であ
る。
【0026】この工程において、反応生成物中のカチオ
ン性有機イオンのC−C結合は大部分切断され炭化水素
ガスとして揮発する。この際、加熱処理を空気又は酸素
の流通下で行ったり、加熱処理雰囲気を調節することに
より、例えば、多孔体に酸化物を残留させ、得られる多
孔体の特性を制御することができる。このようにして得
られた合成多孔体は、化学分析、X線回折、赤外線吸収
スペクトル分析、比表面積測定、細孔径分布測定などに
よって評価することができる。
【0027】例えば、本発明の合成多孔体の生成は、X
線回折測定により容易に確認することができる。銅管
球、ニッケルフィルターを使用して測定した場合、同様
な組成の非晶質の場合、2θ=20°から25°にかけてブ
ロードな回折線が得られるのに対し、本発明の合成多孔
体では2θ=20°、35°及び60°附近にブロードな回折
が認められる。これらは類似組成をもつスメクタイトの
回折パターンに似るが、スメクタイトの場合には層に垂
直方向の回折線(00l 反射)が明瞭に認められるのに対
して、この場合には通常認められず、稀に2θ=2°〜
6°に弱くブロードな回折が認められる程度であり、非
晶質あるいは低結晶質の物質であると認められる。この
回折パターンは基本的に600 〜750 ℃程度の加熱温度ま
で保持されるが、2θ=2°〜6°に回折が認められる
ものでは、この部分は不明瞭となるため多孔体が生成し
ていることがわかる。
【0028】また、本発明製品の原料である一般式
(I)の含水酸化物中のOHと水の量は熱天秤によって含
水酸化物を脱水することによりその減量から計算するこ
とができる。例えば、Si4-xAlxM2+ yO8-x/2+yの分子量を
MW、室温から300 ℃までの加熱減量をW(H20)%、300 ℃
から1000℃までの加熱減量をW(OH) %とすると、次式に
示すように、水は低温、OHは高温で水として脱離する。
【0029】 Si4-xAlxM2+ yO8-x/2+y-z/2(OH)z ・nH2O →Si4-xAlxM2+ yO8-x/2+y{(H2O)z/2↑}(nH2O↑)
【0030】 すなわち、W(H2O)= (18n×100)/ (18n+9z+MW) (%)
及び W(OH)= (9z×100)/ (18n+9z+MW) (%) の式が成立する。この連立方程式をといて z=MW×W(OH)/[9×{100-W(H2O)-W(OH) ] n=MW×W(H2O)/[18×{100-W(H2O)-W(OH) ] となるため、OHのモル数zと水のモル数nを求めること
ができる。nは周囲の雰囲気によって変化するため不定
比であるが、zは2≦z≦4.5 の範囲であり、通常はz
=4程度の値となるため本発明の原料となる含水酸化物
であることが確認される。
【0031】多孔体としての機能は、窒素ガス吸着によ
る比表面積測定、あるいは窒素吸脱着曲線から求められ
た細孔径分布により確認することができる。また、高分
解能の走査電子顕微鏡を用いれば、細孔を視覚的に確認
することも可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明の合成多孔体は次の効果を奏す
る。 高温下においても有機物の一部が残存して陽イオンと
して機能するので、耐熱性に優れる。 スメクタイトでは必須成分であるナトリウム、カルシ
ウム等のアルカリあるいはアルカリ土類金属イオンが必
要ない。 従来の多孔体とは構造的に全く異なる非晶質あるいは
非常に低結晶質であるが、微細板状粒子の集合体であ
り、表面は陰電荷をもつため、用意に金属イオンを担持
させることができ、触媒担体として有用である。
【0033】簡便な工程で得ることができる。 細孔径が約20〜100 Åでシャープな分布を示し、細孔
容積が0.3 〜1.5ml /g程度と大きいので、ビタミンや
酵素等の生理活性物質をはじめ有機分子の分離や吸着剤
として有効である。 ニッケル等の2価重金属イオンを含有させることがで
きるため、触媒、触媒担体あるいは殺菌、抗菌、消毒な
どを目的とするフィルターや吸着剤などとして有用であ
る。 細孔を利用しての断熱材、除放剤や嵩高さを利用して
フィラー、樹脂安定剤等としても利用できる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1 蒸留水120ml に3号水ガラス(SiO2 28%、Na2O 9
%)25.83gを溶解し、これに16規定硝酸8mlを撹拌しな
がら急激に加え、ケイ酸溶液を調製した。このケイ酸溶
液に、蒸留水60mlに塩化アルミニウム6水和物特級試薬
(純度90%)3.28g と塩化マグネシウム6水和物特級試
薬(純度98%)20.65gを溶解した溶液を加え、これを、
蒸留水120ml にアンモニア水特級試薬(アンモニア29
%)80mlを加えた溶液中に撹拌しながら滴下した後、直
ちにろ過し、得られたゲル状物をアンモニア臭がなくな
るまで十分に水洗して含水酸化物を得た。含水酸化物の
組成は化学分析した結果、Si3.6Al0.4Mg3.0O8.8(OH)4.1
・6.4H2Oであった。
【0035】次に、ゲル状物を蒸留水500ml に分散させ
て70℃に加温し、これに、第4級アンモニウム塩(ライ
オン・アクゾ社製 2HT−75[アルキル基の平均炭
素数が17.5のジアルキル・ジメチル・アンモニウム・ク
ロライドを75%含有])9.4gを蒸留水200ml に加温溶解
した溶液(70℃)を混合して原料スラリーを調製した。
原料スラリーの陽イオン組成はSi3.6Al0.4Mg3.0 (第4
級アンモニウム)0.37であった。
【0036】次に、原料スラリーをオートクレーブに移
し、150 ℃で2時間水熱反応させ、得られた反応生成物
を冷却した後、余剰の第4級アンモニウム塩を温水で洗
浄除去し、80℃で乾燥した。これを粉砕後、電気炉を使
用し、600 ℃で1時間加熱して多孔体を得た。
【0037】得られた多孔体は、脂感のある白色を呈
し、X線粉末回折測定により4.55、2.56及び1.542 Åに
ブロードな回折が認められ、非晶質あるいは低結晶性の
物質であると考えられる。また、マイクロメリティクス
社製高速比表面積測定装置で窒素の脱着等温線を測定し
た結果、比表面積は772m2 /g であり、平均細孔直径は
35Åであり、細孔容積は0.68ml/g であった。
【0038】実施例2 3号水ガラス28.7g 及び塩化マグネシウム6水和物19.2
7gを用い、塩化アルミニウム6水和物を添加しなかった
他は、実施例1と同様にして含水酸化物を調製した。含
水酸化物の組成は、Si4.0Mg2.79O8.8(OH)4.0・5.8H2Oで
あった。この含水酸化物を用い実施例1と同様にして原
料スラリーを調製し、次いで水熱反応生成物を得、加熱
処理して多孔体を得た。なお、原料スラリーの陽イオン
組成はSi4Mg2.79 (第4級アンモニウム)0.37であっ
た。
【0039】得られた多孔体は、白色を呈し、X線粉末
回折測定により4.51、2.57及び1.506 Åにブロードな回
折が認められ、非晶質あるいは低結晶性の物質であると
考えられる。また、実施例1と同様にして窒素の脱着等
温線を測定した結果、比表面積は777m2 /g であり、平
均細孔直径は45Åであり、細孔容積は0.38ml/g であっ
た。
【0040】実施例3 3号水ガラス28.7g 及び塩化マグネシウム6水和物17.8
g を用い、塩化アルミニウム6水和物を添加しなかった
他は、実施例1と同様にして含水酸化物を調製した。含
水酸化物の組成は、Si4.0Mg2.57O8.4(OH)4.3・7.0H2Oで
あった。この含水酸化物を用い、第4級アンモニウム塩
溶液の他に水酸化リチウム1水和物特級試薬(純度95
%)0.58g を蒸留水20mlに溶解した溶液を加えたほか
は、実施例1と同様にして原料スラリーを調製し、次い
で水熱反応生成物を得、加熱処理して多孔体を得た。な
お、原料スラリーの陽イオン組成はSi4Mg2.57Li
0.39(第4級アンモニウム)0.39であった。
【0041】得られた多孔体は、白色を呈し、X線粉末
回折測定により4.53、2.58、1.73及び1.526 Åにブロー
ドな回折が認められ、非晶質あるいは低結晶性の物質で
あると考えられる。また、実施例1と同様にして窒素の
脱着等温線を測定した結果、比表面積は893m2 /g であ
り、平均細孔直径は32.4Åであり、細孔容積は0.72ml/
g であった。
【0042】実施例4 第4級アンモニウム塩として、アルキル基の平均炭素数
が12.8のジアルキル・ジメチル・アンモニウム・クロラ
イドを75%含有する第4級アンモニウム塩(ライオン・
アクゾ社 2C−75)7.2gを用いた他は実施例3と同
様にして多孔体を得た。
【0043】得られた多孔体は、透明感のある白色を呈
し、X線粉末回折測定により16、4.53、2.56、1.73及び
1.528 Åにブロードな回折が認められ、非晶質あるいは
低結晶性の物質であると考えられる。また、実施例1と
同様にして窒素の脱着等温線を測定した結果、比表面積
は638m2 /g であり、平均細孔直径は31.2Åであり、細
孔容積は0.51ml/g であった。なお、細孔容積のうち0.
04ml/g は20Å以下のミクロポアの寄与分と計算され
た。これは第4級アンモニウム塩のアルキル基の鎖長が
実施例3に比べて短いことによるものと考えられる。
【0044】実施例5 塩化マグネシウム6水和物19.27gに代えて、実施例2と
同様にして塩化ニッケル6水和物特級試薬(純度98%)
21.01gを用いた他は、実施例2と同様にして含水酸化物
を得た。含水酸化物の組成は、Si4.0Ni2.6O8.6(OH)4.1
・5.5H2Oであった。
【0045】この含水酸化物を用い、第4級アンモニウ
ム塩溶液の他に水酸化リチウム1水和物特級試薬(純度
95%)0.85g を蒸留水20mlに溶解した溶液を加えたほか
は、実施例2と同様にして原料スラリーを調製し、次い
で水熱反応生成物を得、加熱処理して多孔体を得た。な
お、原料スラリーの陽イオン組成はSi4Ni2.6Li0.4 (第
4級アンモニウム)0.37であった。
【0046】得られた多孔体は、淡緑色を呈し、X線粉
末回折測定により4.42、2.56及び1.526 Åにブロードな
回折が認められ、非晶質あるいは低結晶性の物質である
と考えられる。また、実施例1と同様にして窒素の脱着
等温線を測定した結果、比表面積は674m2 /g であり、
平均細孔直径は36.5Åであり、細孔容積は0.62ml/gであ
った。
【0047】実施例6 3号水ガラス28.6g 、塩化マグネシウム6水和物19.35g
を用いた他は、実施例1と同様にして含水酸化物を調製
した。含水酸化物の組成は、Si4.0Mg2.8O9.1(OH)3.5
3.9H2Oであった。
【0048】この含水酸化物を用い、第4級アンモニウ
ム塩溶液の他にフッ化水素酸特級試薬(純度55%)2.42
g を加えたほかは、実施例1と同様にして原料スラリー
を調製し、次いで水熱反応生成物を得、加熱処理して多
孔体を得た。なお、原料スラリーの陽イオン組成はSi4M
g2.8(第四級アンモニウム)0.37であった。
【0049】得られた多孔体は、600 ℃又は900 ℃に加
熱した後も白色を呈し、X線粉末回折測定により4.50、
2.57及び1.510 Åにブロードな回折が認められ、非晶質
あるいは低結晶性の物質であると考えられる。また、60
0 ℃又は900 ℃に加熱した後の多孔体について、実施例
1と同様にして窒素の脱着等温線を測定した結果、比表
面積は865 m2/g (600 ℃)、583m2 /g (900 ℃)で
あり、平均細孔直径は37.5Å(600 ℃)、49.8Å(900
℃)であり、900 ℃で加熱した後の細孔容積は500m2
g を超え、フッ素添加による耐熱性の向上が認められ
た。
【0050】比較例1 3号水ガラス28.7g 、塩化アルミニウム6水和物13.1g
及び塩化マグネシウム6水和物2.8gを用いた他は、実施
例1と同様にして含水酸化物を調製した。この含水酸化
物を用い、実施例1と同様にして原料スラリーを調製
し、次いで水熱反応生成物を得、加熱処理したが、マグ
ネシウムの含有量が少ないため、多孔体になり難かっ
た。なお、原料スラリーの陽イオン組成はSi4Al1.6Mg
0.4 (第4級アンモニウム)0.37であった。また、実施
例1と同様にしてX線粉末回折した結果、4.29Åと3.36
Åにブロードな回折が認められるのみであり、比表面積
も254m2 /g と低い値しか得られなかった。
フロントページの続き (72)発明者 鳥居 一雄 宮城県仙台市太白区西中田1丁目19番13号 (72)発明者 関本 貴裕 宮城県仙台市宮城野区田子字要害254の27 審査官 雨宮 弘治

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I); Si4-xAlxM2+ yO8-x/2+y-z/2(OH)z ・nH2O (I) (式中M2+ は、少なくとも1種の2価金属イオンを表わ
    し、xは、0≦x≦0.8、yは、2.2 ≦y≦3、zは、
    2.0 ≦z≦4.5 、nは、不定比の関係を満たす)で示さ
    れる含水酸化物に、カチオン性有機化合物を水熱反応さ
    せ、該反応生成物を加熱して得られる下記物性を有する
    合成多孔体。 非晶質又は低結晶性 比表面積:300 〜1000m2/g 細孔径:20〜100 Å 細孔容積:0.3 〜1.5ml /g
  2. 【請求項2】請求項1の含水酸化物に、カチオン性有機
    化合物と、リチウムイオン及び/又はフッ素イオンを添
    加して水熱反応させ、該反応生成物を加熱して得られ
    る、下記物性を有する合成多孔体。 非晶質又は低結晶性 比表面積:300 〜1000m 2 /g細孔径:20〜100 Å 細孔容積:0.3 〜1.5ml /g
  3. 【請求項3】請求項1記載の含水酸化物にカチオン性有
    機化合物を添加したスラリーを、100 〜250 ℃で水熱反
    応させ、反応生成物を乾燥した後、100 〜1000℃で加熱
    する合成多孔体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の含水酸化物に、カチオン性
    有機化合物と、リチウムイオン及び/又はフッ素イオン
    を添加したスラリーを水熱反応させ、反応生成物を乾燥
    した後、100 〜1000℃で加熱する合成多孔体の製造方
    法。
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