JPH0742092B2 - 可逆的化学反応による高温での酸素の回収方法 - Google Patents

可逆的化学反応による高温での酸素の回収方法

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JPH0742092B2
JPH0742092B2 JP2417651A JP41765190A JPH0742092B2 JP H0742092 B2 JPH0742092 B2 JP H0742092B2 JP 2417651 A JP2417651 A JP 2417651A JP 41765190 A JP41765190 A JP 41765190A JP H0742092 B2 JPH0742092 B2 JP H0742092B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学的吸収反応を利用し
て空気分離を行なう方法に関し、特にバナジウム青銅に
よる化学的吸収反応を利用して空気から酸素を回収する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気から酸素を分離するためにアルカリ
金属硝酸塩等の硝酸塩を含む酸素受容溶融塩流を使用す
ることは従来から知られており、これについては米国特
許第4132766号に詳細に述べられている。それに
よれば、少なくとも分離工程中に供給される空気圧縮エ
ネルギーの一部は、分離工程からの酸素減少ガスを膨張
させることによって回収される。
【0003】アルカリ金属硝酸塩および他の硝酸塩物質
を用いて化学的分離法によって比較的純粋な製品として
酸素と窒素を同時に得ることについても既に知られてい
る。
【0004】米国特許第4287170号においては、
酸素は継続的に上記のアルカリ金属塩と接触し、そして
残留する酸素を酸化マンガンのような吸収媒体を用いて
酸素を減少させたガスから一掃する。この場合において
空気を供給するための圧縮エネルギーは分離取得した窒
素を減圧させるための膨張を行なうことによって回収さ
れる。上記した米国特許第4132766号および第4
287170号による技術は酸素と窒素の高温生成流を
共生するために燃焼工程を伴った熱交換による独特の方
法を採るものではない。
【0005】米国特許第4340578号は溶融したア
ルカリ金属亜硝酸塩および硝酸塩を使用した化学吸収剤
による酸素の製造について開示しており、そこでは溶融
塩には少量の酸化物が添加されており、化学的分離によ
って得られた酸素減少ガスは燃料によって燃焼され、2
段階の膨張によってエネルギーの回収が行なわれてい
る。そして燃焼ガスは供給空気および製品酸素と熱交換
して、供給空気を吸収適合温度に上昇させる。次いで溶
融塩吸収剤を減圧することによって分離可能に含まれた
酸素を放出し、酸素製品を得ることができる。
【0006】この他アルカリ金属の亜硝酸塩および硝酸
塩を酸素分離のための化学的吸収剤として使用すること
に関する同様な先行技術としては、米国特許第4521
398号、第4526775号、第4529577号、
第4708860号および第4800070号等であ
る。
【0007】米国特許第3310381号には液体媒体
中に固体吸収剤を懸濁させた吸収剤と空気とを並流接触
させて空気からの酸素の分離回収を行なう方法について
開示されており、これに500℃以上にしたバリウム酸
化物およびバリウム過酸化物を使用することが述べられ
ている。この特許の方法は圧力と温度の振り子サイクル
を使ったプリン法による連続法であり、供給された空気
は外部の熱交換液と熱交換した吸収液中に懸濁させたバ
リウム酸化物/バリウム過酸化物と並流的に接触する。
吸収液の温度は凡そ600℃であり、また圧力は気圧よ
り若干高くしてある。酸化受容体はさらに加熱器中で約
800℃の温度に加熱される。高温の受容体は圧力を下
げられ、且つ720℃の温度に下げられ酸素を放出す
る。バリウム酸化物およびバリウム過酸化物が受容体中
に懸濁状態で存在するのであるから受容体中の酸素分圧
は温度のみによって決定される。
【0008】米国特許第4617182号では化学吸収
剤から酸素を放出することに影響を与えるために独立し
て行なわれる工程において、高温の熱を利用して空気か
らの酸素の化学的分離を行なう方法について述べてい
る。さらにこの特許においては同一サイクル内において
高温の化学吸収剤から低温の化学吸収剤へ熱を移動させ
るために塩−塩熱交換を使用することが述べられてい
る。
【0009】米国特許第4746502号においては化
学吸収剤を使用した酸素回収のための上記と似たような
空気分離システムが明らかにされている。そこでは塩−
塩熱交換は循環閉鎖システムにおける全て異なる部分に
おいて間接的に高温の吸収剤から低温の吸収剤に熱を間
接的に移動することによって行なわれる。
【0010】V2O5と金属オキシ酸からなる融体を冷却す
ることによって酸素の発生と固相の形成が同時に行なわ
れるのが観察されたことについてP.Hautefev
illeによってC.R.Acad.Sci.,60.
774(1880)に発表される。この反応はW.Pl
andlおよびH.Murschhauserによって
確認されZ.Anorg.Allg.Chem.,6
0,441(1928)に記載され、またG.Cann
eri.Gazzetta Chimica Ital
iana,58.6(1928)にも同趣旨が掲載され
ている。オキシ塩がNa2OまたはK2Oであって、金属オキ
シ塩対V2O5のモル比が約0.15対1であるときに最大
量の酸素が得られることが見出されている。
【0011】ここ30年前に至るまではバナジウム青銅
に関する固相についての発展的な研究はなされなかっ
た。E.BanksおよびA.Wolfによる見直しの
結果、バナジウム青銅および他の遷移金属の青銅につい
ての重要性が再確認され、それはE.Banksおよび
A.Wolfの研究報告「無機合成序論」“Prepa
rative Inorganic Synthesi
s”Vol.4,W.L.Jolly,editor.
Interscience,New York.196
8,pp.237−268に記載されている。
【0012】バナジウム青銅は、特にその有する物理
的、触媒的性質の故にさらに注目されている。これに関
する最近の論文は幾つかの触媒誌において言及されてお
り、例えばJ.Vandenbrug.H.A.Van
Dillenn,J.W.GensおよびM.C.S
tokesはBer.Bunsenges.Phys.
Chem.,87,pp120−123(1983)に
おいて、βK0.23V2O5青銅の生成中に発生する酸素の光
学顕微鏡による研究について記述している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の特許等
に例証された硝酸および亜硝酸のアルカリ金属塩を使用
した空気分離技術による連続的な循環工程において、周
知のバナジウム青銅を使用しながら他の好ましい独立工
程からの熱を利用してエネルギー効率高く空気からの酸
素と窒素の分離回収を行なう新規な方法を提供すること
を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の方法は次の如くである。
【0015】即ち、比較的高温での吸収と比較的低温で
の放出による可逆的な化学的吸収および放出によって空
気から酸素を連続的に分離回収する一連の工程であっ
て、 (a)MがAgであり、0<X1であるような関係を
有するMXV2O5の組成からなる酸素化学吸収剤の液状スラ
リーと空気を接触させ、該液状スラリーを630℃乃至
870℃の温度範囲に加熱して空気中の少なくとも一部
の酸素を吸収させ、液状スラリーをその大部分が液状Ag
2O/V2O混合物となるように酸化する工程: (b)酸化した液状混合物から酸素劣化空気を分離する
工程: (c)酸化した液状混合物を約370℃乃至500℃の
温度範囲に冷却した該液状混合物から空気を分離すると
ともに液状スラリーを再生する工程: (d)該液状スラリーから酸素を分離する工程: とからなることを特徴とするものである。
【0016】しかして、上記工程(a)における加熱はス
チームボイラー、または部分酸化ガス化装置、またはク
ラウス硫黄工場、または流動メタン変性装置、エチレン
工場、流動化触媒分解再生装置あるいは流動床燃焼装置
等からの排煙を間接熱交換することによって行なうこと
が好まし。
【0017】また工程(c)における酸化された液体の冷
却は、水から蒸気を得る場合に水と間接熱交換すること
によって行なうことが好ましい。さらに工程(a)におけ
る液体スラリーの吸収のための加熱の一部および工程
(c)における液状スラリーの放出のための冷却の一部
は、工程(a)を経た液状スラリーを工程(c)を経た液状ス
ラリーで間接熱交換することによって行なわれることが
好ましい。
【0018】より具体的には、工程における加熱は高温
のアルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩の稀少酸素溶融塩
を間接熱交換することによって行なわれ、また工程(c)
における冷却は低温のアルカリ金属硝酸塩および亜硝酸
塩の酸素富化溶融塩を熱交換することによって行なわれ
ることが好ましい。
【0019】また、工程に供給する空気は液状スラリー
に接触する前に加圧することが好ましく、その最適圧力
は約207kPaである。
【0020】
【作用】本発明は、酸素を含むガス、好ましくは空気か
ら熱を使用した可逆的な化学的酸素吸収反応によって酸
素と窒素を分離取得するに際しての発生する熱の効果的
な利用方法を提案するものである。
【0021】本発明においては、MがAgであり、Xが
0<X<1で示される化学式MXV2O5で表わされるバナジ
ウム青銅化合物をスラリー状態において使用する。この
バナジウム青銅化合物は下記反応式に示すような数式に
酸素と可逆的反応を生ずる。
【0022】
【数1】 上記の反応は370℃乃至870℃の範囲において可逆
的に起こる。バナジウム青銅は等式の右側で見られる還
元状態において、温度が630℃〜870℃の範囲のと
きに存在する酸素によって酸化される。同時に等式の左
側で見られる酸化されたM2O/V2O5混合物は約370℃〜
500℃の温度範囲において還元される。
【0023】M2O/V2O5混合物は完全に酸化された状態で
は、本発明の温度および圧力において完全に液化してい
る。しかしM2O/V2O5混合物が還元されると固体バナジウ
ム青銅が形成され、液体スラリーは固体バナジウムと液
体M2O/V2O5混合物の二相に分かれる。流れと温度と圧力
の諸条件が適切であれば、連続した空気分離工程を形成
するために液体と液体スラリー、若しくはどちらか一方
による閉鎖回路によるサイクル流を形成維持することが
可能となる。
【0024】この発明の工程における基本的概念は、吸
収のための可なりの高温と吸収物質の放出のための低温
とを使い分けることにある。これは吸収に低温を放出す
る高温を使用する一般の吸収放出サイクルとは全く逆の
ものである。本発明を実施するに当たっての必要な高温
はバナジウム青銅を含む化学的吸収剤の液体スラリーを
間接熱交換することによって得られる。
【0025】この間接熱交換には燃焼蒸気ボイラーの排
煙からの排出ガス、クラウス硫黄プラントからの排出ガ
ス、蒸気メタン再生器からの排出ガス、エチレンプラン
トからの排出ガス等が利用される。また液体スラリーを
流動触媒クラッカー発生器の流動床や流動床燃焼器を通
過させて間接熱交換を行なわせることも可能である。
【0026】本発明の工程においては、ボイラーにおけ
る放射と対流部では温度が1760℃から1205℃に
下げられ、またボイラーの対流部では1205℃から2
05℃に下げられるような他の独立の工程からの排出ガ
スが基本的に利用される。
【0027】このような排煙ガスからの熱は空気から酸
素を吸収するときに起こる吸熱反応を引き起こすために
用いられる。上記とは逆に化学的吸収剤を還元して、酸
素を放出分離するための反応は発熱反応であり、従って
酸素放出工程においては、熱を蒸気再生などのようなボ
トムサイクルまで取り除くことが必要である。
【0028】本発明において用いられる化学的吸収剤
は、MがAg金属であって、Xが0<X<1で示す原子
価を有するMXV2O5の組成からなるバナジウム青銅であ
り、酸素が可逆的に反応して高温では吸収、低温では放
出するように使用することが可能な複数種のバナジウム
青銅物質を吸収剤として幅広く含ませることができる。
【0029】
【実施例】本発明を実証するために銀バナジウム青銅を
使用したそれぞれ異なる熱流と異なるバナジウム青銅の
流速を有する3種類のシステムについて実施例を掲げ
る。
【0030】なお、何れのシステムにおいても、液体M2
O/V2O5を固体バナジウムに変換する反応率は100%以
下である。これは液状にしろ、スラリー状にしろサイク
ル内で成分を維持するための結果であって、完全な固体
バナジウム青銅相が形成されるような100%の転換反
応は起こり得ない。
【0031】実施例1における青銅−Aは500℃〜6
30℃の温度範囲で操業が行なわれるような銀バナジウ
ム青銅の組成を有しており、その反応率は56%であ
る。
【0032】実施例2における青銅−Bは500℃〜6
65℃の温度範囲で操業が行なわれるような銀バナジウ
ム青銅の組成を有しており、その反応率は64%であ
る。
【0033】実施例3における青銅−Cは500℃〜7
05℃の温度範囲で操業が行なわれるような銀バナジウ
ム青銅の組成を有しており、その反応率は73%であ
る。
【0034】実施例1 次に実施例1をその好ましい実施態様を示す図1に基い
て説明する。
【0035】最初はM2O/V2O5液体混合物のスラリーとし
て存在するライン10の銀バナジウム青銅化学吸収剤は
ポンプ12によって約207kPaに加圧される。
【0036】バナジウム青銅スラリーはライン14の空
気と混合され、ライン16に示すバナジウム青銅スラリ
ーとガス状空気とからなる通気性のある三相の液体流を
生ずる。
【0037】ライン16の流れには、約500℃の温度
から612℃乃至689℃の温度範囲までライン16の
流れを温度上昇させるために、サイクルの他の部分にお
けるM2O/V2O5からの熱を抽出する回収熱交換機が挿入さ
れている。これによって昇温されたライン20のバナジ
ウム青銅は、外部熱源即ち他の独立した工業の生産工程
で生じた排煙や流動床からの熱24による加熱熱交換機
に通される。
【0038】その温度が630℃〜750℃に到達する
と、バナジウム青銅化学吸収剤と混合されたガス状の空
気は、バナジウム青銅中の金属と反応して、空気中の酸
素がこれと結合し前記した反応式の左側に示した酸化さ
れた液体状態になる。
【0039】ライン26の酸化された化学吸収剤は次に
相分離器28に移され、そこで分離された市販純度の高
純度窒素を含む酸素減少空気はライン30から排出され
る。
【0040】また酸化されたM2O/V2O5混合液はライン3
2により回収熱交換機18中に入り約515℃の温度に
冷却される。ここで冷却されたライン34による酸化M2
O/V2O5混合液は間接熱交換機36中でボイラー供給水か
ら蒸気を生産しながら約500℃の温度に冷却されてラ
イン38により相分離器40に導入される。
【0041】相分離器40における減圧および降温操作
によって圧力は約17psiaに下げられ、酸素が分離
されて市販純度の高純度酸素としてライン10から排出
される。熱も相分離器40中に配備された冷却コイルに
よって蒸気を発生しながら取り除かれる。一方、還元さ
れたバナジウム青銅化学吸収剤はライン10においてス
ラリー相に戻る。ライン42に取得される酸素は少なく
とも商業的に純粋な純度のものであり、また熱は容器4
0中の冷却コイルを用いて蒸気を発生しつつ除去され
る。還元されたバナジウム青銅化学吸収剤はライン10
におけるスラリー相に戻される。
【0042】この工程は常に閉鎖回路サイクルによって
繰り返され、そこではバナジウム青銅を含む化学吸収剤
は酸素を吸収するために温度を上昇させ、供給された酸
素から分離した酸素を回収されるために酸素を放出する
ように温度を加工させることが繰り返される。なお、図
1に示したものにおいては、空気は温度上昇を行なう前
にバナジウム青銅化学吸収剤と混合されるようにしたも
のであるが、これはこのような加熱がバナジウム青銅化
学吸収剤の中に空気が入り込む前に起こる可能性がある
ことを考慮したものである。
【0043】実施例2 図2は本発明の他の実施態様についての実施例を示した
ものである。本実施例においては加熱および冷却の異な
る化学的空気分離技術を採用して閉鎖回路サイクルを構
成する。即ち酸素を低温で吸収し、高温で放出するとい
う実施例1とは逆の方式で酸素の吸収、放出を行なうア
ルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩を使用するものであ
る。このような逆方式の温度操作を採用することによっ
て前技術との二つの工程サイクルを並列的に操業するこ
とが可能となる。
【0044】なお、アルカリ金属の硝酸塩および亜硝酸
塩を用いる空気分離技術に関する先行技術としては、米
国特許第4132766号、第4287270号、第4
340578号、第4521398号、第442677
5号、第4529577号、第4565686号、第4
617182号、第4708860号、第474650
2号および第4800070号に記載されている。
【0045】図2に示す如く本実施例の閉鎖回路サイク
ルは図内で太字によって示されている。ライン212で
示される空気はバナジウム青銅化学吸収剤を含む210
の流れの中に導入され、ガスとスラリーの混合流214
となって熱交換機216に入り、ここでライン336に
よる還元された化学吸収剤のアルカリ金属硝酸塩および
亜硝酸塩によって、約515℃に加熱されライン218
となる。
【0046】ライン218の流れはさらに熱交換機22
0中で、図1の工程において示したような排煙や流動床
からの外部熱源222によって加熱され、化学吸収剤は
ライン224においては665℃〜705℃の温度範囲
となり、酸素は該化学吸収剤中のバナジウム青銅と酸化
反応して液状M2O/V2O5混合物が得られる。
【0047】ライン224の酸化された液状のM2O/V2O5
と酸素減少空気との混合流は、次に相分離器226にお
いて酸素減少空気、即ち窒素富化空気が分離され、該窒
素富化空気はライン228によって系外に排出される。
この排出空気は酸素捕集効率の如何によっては商業的に
純粋な窒素となる。一方、ライン230によるM2O/V2O5
液流は、熱交換器232の中でライン322のアルカリ
金属硝酸塩および亜硝酸塩化学吸収剤によって熱交換さ
れて500℃の温度まで冷却されて液中に酸素を放出す
る。
【0048】この冷却された酸素混合M2O/V2O5液はライ
ン234によって相分離器236に導かれ、ここで相分
離させて商業的に純粋な酸素をライン28に得るととも
に自らはスラリーに戻る。スラリー状のバナジウム青銅
化学吸収剤はライン240に排出されるが、それはポン
プ242によって117kPaの圧力から207kPa
の圧力へと増圧される。
【0049】図2に示されるように外側の循環工程回路
を形成するアルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩を使用し
併用的に行なわれる空気中酸素の化学吸収分離は、ライ
ン300によって分離装置310内に送り込まれた比較
的低温の還元状態のアルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩
の液体化学吸収剤を該装置内にライン312により導入
される空気と交流的に反応させることによって行なわれ
る。
【0050】酸素は化学吸収剤が亜硝酸塩から硝酸塩の
状態に変わるにつれて化学吸収剤に吸収され、そして酸
素の減少した空気は商業的に純粋な窒素となってライン
314により排出される。酸化されたアルカリ金属硝酸
塩および亜硝酸塩化学吸収剤はライン316によって除
去され、青銅Cのケースではポンプ318中で214k
Paに加圧される。その流れはライン322によって熱
交換器232に入り、そこでライン230からのM2O/V2
O5液によって熱交換されて、482℃から589℃乃至
688℃の温度範囲まで加熱される。
【0051】アルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩化学吸
収剤はさらにライン324によって熱交換器326に導
かれ、ここで熱源222と同様の、または他の外部熱源
によって加熱される。昇温されたライン330のアルカ
リ金属硝酸塩および亜硝酸塩化学吸収剤はバルブによっ
て減圧されて相分離器332に入る。
【0052】減圧された高温の還元アルカリ金属硝酸塩
および亜硝酸塩化学吸収剤は溶融状態でライン336を
通過して熱交換器212に入り、そこでライン214か
らのバナジウム青銅化学吸収剤を加熱して、自らは冷却
される。ここからライン338に排出されたアルカリ金
属硝酸塩および亜硝酸塩化学吸収剤は熱交換器340に
入り、ここでボイラー供給水によってさらに417℃に
冷却され、ライン342によってポンプ344に送られ
て約207kPaに再加圧される。
【0053】図2に示した実施例においては、第1のサ
イクルでは高温において酸素を吸収し、第2のサイクル
では高温において酸素を放出し、また第1のサイクルで
は温度を低下させることによって酸素を放出し、第2の
サイクルでは温度を低下させることによって酸素を吸収
するという二つの空気から酸素を分離するための化学吸
収分離技術による閉鎖回路を使用し、加熱と冷却との両
方を組み合わせて独自の効率的な空気分離を行なうこと
ができることについて立証したものである。
【0054】上記の組み合わせサイクル工程の実施によ
って、一つの工程サイクルによって使用した熱エネルギ
ーを他の工程サイクルに熱交換して利用する機会を生み
出すことができ、第2の工程において最終的に熱利用を
する前において、残留する熱を適当なボトムサイクルに
おいて効果的に利用することもできるであろう。
【0055】硝酸塩および亜硝酸塩による従来技術の工
程、実施例1によるバナジウム青銅−A、B、Cの各工
程およびこれらの各工程と硝酸塩および亜硝酸塩による
従来工程との組み合わせについての熱−物質収支につい
て表1に示す。
【0056】
【表1】 実施例1における図1の工程によれば、化学吸収剤の一
つの工程と逆の工程との間での熱交換を行なう熱交換器
18によって、銀バナジウム青銅化学吸収剤の工程にお
いては必要熱の85〜90%を回収することができるこ
とが判かる。そして、それによって熱負荷は従来のアル
カリ金属硝酸塩および亜硝酸塩を使用した化学吸収工程
において必要とされる熱の約半分に減らすことができ
る。しかし一方において融体の流動および熱交換のため
の装置は従来技術による場合の約2倍の規模のものが要
求される。
【0057】また、実施例2に見られるような従来のア
ルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩とバナジウム青銅の両
化学吸収剤を組み合わせた図2で示される工程による場
合には、従来のアルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩化学
吸収剤を単独使用の場合に比べて、融体の流動量および
熱交換器負荷は約35%増加するのみで、必要熱エネル
ギーを30%以上低減することができる。
【0058】
【発明の効果】以上のことから、本発明による可逆的な
化学的吸収反応による酸素分離システムは従来のアルカ
リ金属硝酸塩および亜硝酸塩を使用したシステムに比べ
て著しい熱エネルギー節減効果を有するものであり、ま
た従来のアルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩を使用した
化学吸収工程と結合させることによって、投下資本とエ
ネルギー必要量の組み合わせに応じて独特のエネルギー
節減効果を発揮することができることが判かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における好ましい実施態様を
示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例2における好ましい実施態様を
示すものであって、本発明と従来の化学吸収分離法とを
結合させたもののフローチャートである。
【符号の説明】
10、210 バナジウム青銅化学吸収剤 12、242、318、344 ポンプ 14、30、212、314 空気 16、214 バナジウム青銅・空気混合流 18、216 回収熱交換器 22、220、326 加熱熱交換器 26、224 加熱バナジウム青銅化学吸収剤 28、40、226、236、310、332 相分離
器 30、228、314 窒素 36、232、340 間接熱交換器 38、240 冷却バナジウム青銅化学吸収剤 42、234、334 酸素 300 硝酸塩・亜硝酸塩化学吸収剤 330 加熱硝酸塩・亜硝酸塩化学吸収剤 338 冷却硝酸塩・亜硝酸塩化学吸収剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード.トロッター.カーリン アメリカ合衆国.35405.アラバマ州.タ スカローザ.フォーティエイス.ストリー ト.イー.616.2201 (72)発明者 アンソニー.アンソニー.カッサーノ アメリカ合衆国.18104.ペンシルバニア 州.アレンタウン.ミニー.レーン.2274

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比較的高温での吸収と比較的低温での放出
    による可逆的な化学的吸収および放出によって空気から
    酸素を連続的に分離する工程であって、 (a)MがAgであり、0<X1であるような関係を
    有するMXV2O5の組成からなる酸素化学吸収剤の液状スラ
    リーと空気を接触させ、該液状スラリーを630℃乃至
    870℃の温度範囲に加熱して空気中の少なくとも一部
    の酸素を吸収させ、液状スラリーをその大部分が液状Ag
    2O/V2O混合物となるように酸化する工程: (b)酸化した液状混合物から酸素減少空気を分離する
    工程: (c)酸化した液状混合物を約370℃乃至500℃の
    温度範囲に冷却して該液状混合物から空気を分離すると
    ともに液状スラリーを再生する工程: (d)該液状スラリーから酸素を分離する工程: とからなることを特徴とする可逆的化学反応による高温
    での酸素回収方法。
  2. 【請求項2】工程(a)における加熱はスチームボイラ
    ー、または部分酸化ガス化装置、またはクラウス硫黄工
    場、または流動メタン変性装置、エチレン工場、流動化
    触媒分解再生装置あるいは流動床燃焼装置等からの排煙
    を間接熱交換することによって行なわれる請求項1記載
    の可逆的化学反応による高温での酸素回収方法。
  3. 【請求項3】工程(c)における冷却は水から蒸気を得る
    場合に間接熱交換することによって行なわれる請求項1
    記載の可逆的化学反応による高温での酸素回収方法。
  4. 【請求項4】工程(a)における加熱の一部および工程(c)
    における冷却の一部は、工程(a)を経た液状スラリーを
    工程(c)を経た液状スラリーで間接熱交換することによ
    って行なわれる請求項1記載の可逆的化学反応による高
    温での酸素回収方法。
  5. 【請求項5】工程(a)における加熱は高温のアルカリ金
    属硝酸塩および亜硝酸塩の稀少酸素溶融塩を間接熱交換
    することによって行なわれ、また、工程(c)における冷
    却は低温のアルカリ金属硝酸塩および亜硝酸塩の酸素富
    化溶融塩を熱交換することによって行なわれる請求項1
    記載の可逆的化学反応による高温での酸素回収方法。
  6. 【請求項6】空気を液状スラリーに接触する前に加圧す
    る請求項1記載の可逆的化学反応による高温での酸素回
    収方法。
  7. 【請求項7】空気の圧力は約207kPaである請求項
    6記載の可逆的化学反応による高温での酸素回収方法。
JP2417651A 1990-01-03 1990-12-28 可逆的化学反応による高温での酸素の回収方法 Expired - Lifetime JPH0742092B2 (ja)

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