【発明の詳細な説明】
二酸化硫黄源の硫酸への液相変換
発明の分野
本発明は、液相において二酸化硫黄源から硫酸を製造する方法に関する。
発明の背景
濃硫酸は、重工業からファインケミカル製造にわたる多様な産業に用いられる
主要な化学商品である。硫酸は、主に二つの異なる商業的製法により作られる。
通常、これらは鉛室法と接触法と称される。この二種類の製法のうちでより発展
したものは接触法である。接触法技術には米国特許第5,118,490号に記載されて
いるようにいくつかの進歩があり、ここでの製法は、三酸化硫黄気体に接触変換
される湿二酸化硫黄を処理可能である。水の存在下では、生じたSO3は硫酸を生
成する。湿二酸化硫黄気体の一つの源は、硫化水素の燃焼である。
硫化水素、およびSOx含有気体等、他の恐らく有害および/または価値のある
成分は、僅かに数例を挙げるだけでも、金属溶融、鉱石の湿式精練処理、炉によ
る鉱物酸化加熱、鉱石炉、熱電気発電所、粗製油のクラッキング、パルプおよび
紙の製造および鋼鉄製造により作られ得る。大気への排出前に少なくともH2Sが
ガス流から除去されることが重要である。多様な技術が、ガス流中のH2Sの存在
を処理するために開発されてきた。例えば、英国特許第1,376,830号は、水スク
ラビング法による鉱石炉からの硫化水素の除去を開示し、当方法における水は、
アンモニウム塩、硫化鉄、アルカリ性亜砒酸塩、アルカリ性砒酸塩またはナトリ
ウム砒酸塩、ならびに硫化水素を元素状の硫黄に変換するための触媒材料を含有
する。しかし、そのような技術は、その後に捨てなければならない硫化水素との
複合体を生じさせる。同様に、廃棄は、バナジウムおよび/または白金触媒を捨
てること
が困難である米国特許第5,118,490号の接触変換技術の問題を引き起こしている
。
硫化水素源の硫黄への変換のもう一つの例が、出願人自身の公開された国際出
願WO94/07796号に記載されている。この製法は、硫酸と硝酸の両方からなる液相
での反応を用いる硫化水素の硫黄への変換を記載する。
他の脱硫技術は、米国第4,714,598号に記載のものが挙げられる。硫化水素は
酸化セリウムと反応し、セリウム酸素硫黄化合物を形成する。このセリウム酸化
物は、硫化水素の変換において再使用するために、再生することができる。
カナダ特許第1,103,412号は、パルプの漂白プロセス中に生じる硫化水素排ガ
スの回収を記載する。この硫化水素排ガスを酸化してSO3を作り、これを水溶液
に溶解して硫酸生成物を得ることが一般的に述べられている。この生じた硫酸は
、次に製造プロセスに戻して二酸化塩素を作り、これを次にパルプの漂白プロセ
スに用いる。
硫酸の好ましい調製方法は接触法であり、この方法でSO2は気相でSO3に酸化さ
れ、つぎにこのSO3は水とともにH2SO4を作る。考慮される他の方法は、幾分独創
的なものであり、例えば、米国特許第2,342,704号は、硫酸マンガン、およびア
ルキルナフタレンスルホン酸とそのアルカリ金属塩からなる群から選択される物
質を含有する吸収剤水溶液流を、気体吸収領域に通すことにより、二酸化硫黄か
ら硫酸水溶液を製造することを記載している。前記の両成分は、比較的少量で存
在し、且つ作られる硫酸の水溶液の濃度に対する変換の最大速度に必要とされる
濃度で存在する。この方法は、二酸化硫黄および酸素を含有するガス流を前記領
域中の吸収剤水溶液流によく接触させて且つ向流で接触させ、約40重量%以下の
硫酸を含む水溶液を該領域から取り出すことにより達成される。そのような低い
重量パーセントの硫酸は有用なものではなく、大部分の主要な工業的応用での再
利用には通常は価値がないであろう。
米国特許第3,042,489号は、275℃から360℃までの温度で水性分散液中の硫黄
を
三酸化硫黄に酸化することにより、硫酸を高収率で製造する非接触法を記載する
。この反応は、液相中の一部の水を保持するために十分な圧力下に圧力容器中で
行われ、硫酸を酸化生成物から回収することにより実施される。そのような圧力
容器の収縮操作および維持は費用がかさみ、そして生成物の販売価格をより高価
とするであろう。
米国特許第1,810,253号には、鉛室法に対する改良であると発明者(ピーター
ソン)が考えることが記載されている。この改良法は、硫酸を約60重量%の濃度
または12mlにて作る。該特許はさらに高い濃度を記載しているが、鉛室法の熱力
学および速度論はさらに高い硫酸を作ることはできないことを当業者は知ってい
た。ピーターソンの方法は気相で行われるもので、すなわちSO2の気相を、硫酸
と硝酸とを含有する薄層の液相に接触させて、SO2を該薄層液と充填塔を通る大
容量の気相との界面でH2SO4に変換させる。鉛室法に対するピーターソンの貢献
は、非常に小さい塔充填物を設けることにより鉛室法での壁の表面領域を増加さ
せたことであった。該薄層液のこの増加表面領域は、それにより気相との界面を
増やして、SO2のH2SO4への変換を高めた。
どの硫酸製造方法も、典型的には80%を越える、好ましくは90%〜98%の範囲
のH2SO4濃度を有する濃硫酸を作ることが重要である。さらに、好適な方法は、
ガス流中、ppm量から40重量%までのH2S濃度を処理することができる。先行技術
の方法がこれを達成することは非常に困難であった。しかし、本発明によれば、
液相において、二酸化硫黄源を硫酸に変換する方法が今回提供される。本方法は
、溶融法またはH2Sかメルカプタンの燃焼により生じ得る希薄なものからかなり
濃い二酸化硫黄源を変換して、二酸化硫黄と多様な不活性物質を形成することが
できる。本発明のさらに別の利点と特徴は、二酸化硫黄源からの硫酸の製造が製
造プロセス中に硫黄を作らないことである。よって、どの処理装置にも固体硫黄
が問題を引き起こすことはない。
発明の要約
本発明の一つの側面によれば、二酸化硫黄源から液相中で濃硫酸を製造する方
法が提供される。本方法は、(i)(a)硫酸の最初の不存在下に二酸化硫黄の硫
酸への、酸素の存在下での液相変換を開始するのに十分な濃度の硝酸、または(
b)該変換により生じたか、または該変換の開始時に存在する硫酸の存在下に二
酸化硫黄の液相変換を維持するのに十分な濃度の硝酸(但し、硝酸および硫酸の
濃度は0.1M乃至16Mの範囲にあり、ここで硝酸の濃度は硫酸の最初の不存在下に
おいては少なくとも5Mである)からなる液相中で該二酸化硫黄源を硫酸に変換し
、そして(ii)該液相に、SO2のH2SO4への液相接触変換を提供するのに十分な濃
度の酸素源を導入することからなる。
本発明の好適な側面によれば、二酸化硫黄源が燃焼H2S液体または固体硫黄ま
たは硫黄含有有機物からのものである場合、硫酸を含有する得られた液相を必要
であれば燃焼熱を用いて濃縮して、90%以上の範囲の高濃度硫酸を作ることが好
ましい。
図面の簡単な説明
本発明の好適な側面が図1について説明され、図1は本発明の方法を実施して
、濃縮された形の硫酸を作る構成の一般的レイアウトを概略的に示している。
発明の好適な実施態様の詳細な説明
本発明による方法は、二酸化硫黄源、または二酸化硫黄に変換することのでき
るものを回収する装置を有する。二酸化硫黄源との用語は、二酸化硫黄を含有す
るガス流を含有するか、またはそれに変換することのできる固体、液体または気
体の形を包含することが意図される。したがって、この用語は、硫黄を含有する
単純な気体、固体または液体化合物等の源を包含することが意図され、なぜなら
ばそのような化合物の燃焼は二酸化硫黄を作るからである。それらの成分はガス
流から回収され、その回収は液相で行われて、該二酸化硫黄の価値のある生成物
(つまり硫酸)への変換を行う。この方法は、該変換が液相中で実施されること
により薄いレベルから濃いレベルまでの二酸化硫黄を有するガス流を処理するこ
とができる。他の二酸化硫黄源は、硫黄または硫黄を含有する有機物の燃焼を含
む。この硫黄は液流または固体流の形であってもよい。硫黄を含有する有機物と
してはメルカプタン類、ポリスルヒド類および硫黄含有アミン類が挙げられる。
H2Sの有毒性の少ない成分への変換に関連した先行技術は、通常は硫酸を作る
目的のために不要な硫黄の生産をもたらしたので、H2Sは本発明の方法にしたが
って処理される成分として特に好ましい。本方法にしたがって、H2Sを燃焼させ
てSO2を作り、そして液相変換のおかげで、硫酸は、価値のある再利用を提供す
る濃度で作ることができる。さらに、本方法を液相で実施することにより、先行
技術の接触法で用いられているようなV2O5または白金等の金属触媒を必要とせず
に、有毒成分の排出があったとしてもごく僅かである。このことは、バナジウム
および白金触媒の排出で非常に費用がかさみ環境に有害である先行技術の触媒酸
化法とは異なる。一方、混合酸から得られる可溶性の均一液相触媒は、完全に再
利用することができる。また、本発明の液相への導入前のH2Sの燃焼は、空気中
のH2Sの爆発性混合物の該変換システムへの供給を妨げる。その代わりに、該H2S
は、調節された方法で燃焼して爆発を妨げ、次に所望の二酸化硫黄源を作る。入
ってくる流れの中のH2S濃度が減少する(よって液相中へのSO2も減少する)にし
たがって、硫酸の生産においてSO2の適当な変換を行うために、酸素または酸素
に富む空気が、本方法の液相で必要とされ得ることを理解されたい。
本発明のいくつかの利点と特徴は、液相で、入ってくるSO2源の硫酸への液相
接触変換で達成される。本発明の好適な実施態様に従う方法は、元素状硫黄の形
成なしにH2SのH2SO4への変換を確実とし、特にH2Sを処理する場合に塔に入る爆
発性気体混合物の問題はなく、他のプロセスと比較した場合にかなり低い熱が物
質移
動塔内で生じ、一方、H2S燃焼の場合の熱の大部分は焼却炉で生じる。これによ
り当システムはかなり低い温度で操作可能となり、H2Sを燃焼させることが所望
とされる場合、液相で生じた硫酸をさらに濃縮するためにそのような焼却から得
られる熱を用いることができる点において顕著な利点が提供される。さらに、こ
の種類のシステムは、高温および通常は高圧接触法または鉛室法のための物理的
プラントを提供するコストよりもかなり低いコストですむ。本発明の物理的プラ
ントは、通常はボイラーの形の硫酸濃縮装置を備えて硫化水素、硫黄を含有する
有機物または硫黄の焼却炉、および好ましくは物質移動塔の形態の1以上の反応
器で、恐らくSO2のH2SO4への変換のために2以上の反応器を必要とするだけであ
る。塔中のトレイの最大数は大きく変わってもよいが、該塔は25トレイまでか、
またはそれに等しい物質移動交換トレイを持つことができる。さらに、H2Sの処
理ということになると、本発明の方法は元素状硫黄の形成を妨げるので、変換塔
の設計の際に、生じる固体の処置を考慮する必要がない。
かなりの実験的研究は、液相におけるSO2の硫酸への変換が本方法のスケール
アップで予見されない問題が発生することなく、思いのほかよく進むことを示し
た。反応器中で進められるにしたがって、液相は、酸素の存在下で二酸化硫黄の
硫酸への変換を開始するために十分な濃度の硝酸を有する。標準的な化学処理技
術にしたがって、過剰の酸素は液相中に提供され、入ってくる二酸化硫黄源の完
全な変換ではないにせよ実質的にすべての変換を確実にする。よって、本方法の
他の特徴に関して受容できる効率を所与のものとすれば、過剰の酸素は、通常は
、入ってくる二酸化硫黄の完全な変換を確実とする。
複数のトレイを有する塔の形態でもよい反応器は、大気圧条件の近くで操作す
ることができる。高価な圧力容器または塔の必要性はない。トレイ上の液体中を
上方に向かう気体の気泡が大気圧近くにできるように、SO2と酸素の一緒にした
ガス流または別々のガス流を塔に導入する。過剰な二つの気圧で気体を加圧する
必
要性のある先行技術の方法のように、気体を高いレベルまで加圧する必要はない
。本発明にしたがえば、塔は底部で周囲圧力、上部で6〜10インチの真空(水)
で実施することができるが、好ましくは底部は水の6〜10インチ(0.014気圧から
0.0245気圧)の圧力および上部は周囲圧力で操作する。2気圧を超えて操作する
と、その費用は、本発明の適度の操作圧力と温度に比較して少なくとも2倍とな
ることから、これは顕著な費用の節約である。基本的に周囲圧力である容器の費
用と維持における違いは、費用のかかる密閉装置、ガスケットおよび費用のかか
るパイプ、ポンプおよび圧力取付け部品のために、低圧力容器に比較して主要な
費用および維持においても少なくとも費用の半分は減少する。本発明の塔は、大
気の約1/100の圧力の最低圧および大気のおそらく1/2以下の最大圧で操作する
ことができる。
硫酸がはじめに存在しない場合、硝酸もまた、二酸化硫黄の変換を保持する十
分な濃度にある。変換により生じたか、または変換の開始時に存在する硫酸の存
在下では、硝酸および硫酸の一緒にした濃度は、5Mから16Mの範囲にあり、ここ
で硝酸の濃度は硫酸の最初の存在下では少なくとも約5Mである。状況が必要とす
る場合、液相における硝酸および硫酸の濃度は、約5M以上であってもよい。さら
に、硝酸の最小濃度は、本システム中に硫酸が最初に存在しない場合5M以上であ
ってもよい。反応システムの種類に依存しながら、硝酸および硫酸の相対的濃度
は、かなりの変化があってもよいことを理解されたい。例えば、撹拌連続反応器
では、硝酸および硫酸の濃度は、硫酸については10〜16Mの範囲そして硝酸につ
いては0.1〜5Mの範囲で最適濃度にあるだろう。相対的な濃度は、硫酸の連続的
発生のために変化するだろう。増加する硫酸濃度は、撹拌反応器から液相の一部
を除去するために激減または減少する。
変換が気体と液体との向流の流れを用いる塔で行われる場合、塔の上部におい
て、硫酸の最低濃度が存在するか、または恐らく硫酸はまったく存在しないこと
が理解されよう。逆に、塔の下部において、硫酸の濃度は最大となろう。塔の上
部から塔の下部までの硝酸の濃度は変化し、塔の上部で、酸素の存在下に二酸化
硫黄を硫酸に変換させるのに十分な硝酸濃度が存在し、それに応じてそのような
変換を維持するために塔の下部に硝酸の十分な濃度が存在し、ここに高い濃度の
硫酸が存在する。
それに代わる反応器の構成は、気相および液相の共同流が存在するプラグフロ
ー反応器である。プラグフロー反応器の入口で、硝酸は硫酸の不存在下で変換を
開始するのに十分な濃度にある。液体および気体相がプラグフロー反応器を通る
にしたがって、硫酸濃度は一定の割合で増加して、その硫酸濃度はプラグフロー
反応器の出口で硫酸濃度が最大、例えば16Mとなり、ここではプラグフロー反応
器全体にわたって、硝酸濃度が、変換を開始させるのみならず、硫酸の存在下で
変換を維持するレベルにあり続けた。
これらの反応器の構成で、二酸化硫黄の入ってくる流れは、酸素の存在下に液
相に導入される。実験的研究は明らかに変換が液相で起こることを示しているが
、一般的に化学量論的変換は全体的に次式:
SO2+1/2O2+H2O → H2SO4
により表わされることを述べる以外は、液相変換での中間段階の化学量論的分析
を提供することは困難である。
硝酸は、SO2のH2SO4への全体的変換でHNO2(亜硝酸)に還元され、この亜硝酸
はSO2のH2SO4への変換を高める点で非常に重要な役割を果たすと思われている。
HNO2に還元される際の硝酸は、変換を助けるようにこれらの濃度範囲で触媒とし
てよく働くか、または触媒を作るように働くと思われている。十分な硝酸の存在
下で、変換は20℃から150℃までの範囲の液相温度で起こり得る。優れた変換結
果が3M未満のHNO3濃度および50℃未満、好ましくは30℃から45℃までの温度で少
なくとも5Mの硫酸の存在下に得られた。HNO3の還元物により提供される触媒成分
の
性質は完全には理解されていない。しかし、この作られた亜硝酸はニトロシルイ
オン(NO+)を形成することが提案されている。この反応は次式:
HNO2 + H+ → (および←) NO++H2O
により表されると考えられ、強酸がこの反応の平衡を右側に進めるだろう。この
亜硝酸は次式:
SO2 + HNO3 + H2O →(および←) H2SO4+HNO2
により表わされるSO2のH2SO4(液相)への変換中に形成され、ここでSO2はHNO3
をHNO2へと還元する。よって、液相触媒NO+は、SO2の変換中にその場で形成され
る。このNO+はすぐにO2と反応して、次式:
2NO+ + O2 + 2H2O → 2HNO3+2H+
により表わされるように硝酸を形成する。
この循環式の触媒現象は、HNO3のHNO2への循環的な還元(該HNO2はNO+を作り、
次に酸化されてHNO3に戻る。)ために均一触媒現象として知られている。
本発明に従って液相での変換を実施することは、十分な液相触媒の液相中での
組み立てを提供して、SO2のH2SO4への活力のある変換を達成する。触媒のそのよ
うな組み立ては先行技術の気相反応の薄層液中では得ることはできない。酸素は
、SO2のH2SO4への変換を促進する液相中に存在しなければならず、ここで酸素は
、生じたNO-を硝酸に変換するのに重要な役割を演じると思われる。この液相反
応でのみ起こることができるが、先行技術の気相反応では起こらないこの均一触
媒系のためにごく僅かな硝酸を系に戻さなければならないことがわかった。硝酸
の所望の濃度は、0.5から5Mの間にある。しかし、この硝酸は全体として均一触
媒として働くので、本発明者らは、通常の操作条件中で液相中の硝酸濃度が0.1M
から16Mまでの範囲にあってもよいことを発見した。硫酸が存在しない場合、硝
酸の好ましい濃度は少なくとも5Mであり、恐らく16Mまでが変換を開始させる。
提案された反応機構に関して説明されたように、約5Mの最低の酸濃度がNO+イオ
ンの生産を駆
動させるために必要である。さもなければ、反応は迅速には進まない。反応は、
少なくとも5Mの硫酸の存在下に低濃度の硝酸で進行し、このことは、硝酸が全体
的な反応で触媒として働くこと、および硝酸の損失は主に精製ガス流または除去
された濃硫酸とともに運び出される気体状硝酸によることをよく示している。
H2SO4の不存在下に開始される多様な実験は、SO2をH2SO4に変換するように進
行した。十分に高いHNO3濃度で、O2の存在下に、該HNO3がなおもその変換を触媒
するように思われる。導入されるますます多くのSO2がH2SO4に変換されるにした
がって、最終的に、プロセスは、HNO3とH2SO4の濃度が所望の範囲にある通常の
操作条件に達する。
また、ガス流が、導入されるH2S成分を含有する場合、酸素は、勿論H2SのSO2
への燃焼または酸化に用いられる。全体として、該反応は、次式にしたがって進
行すると思われる。
H2S + 3/2O2 → SO2+H2O
したがって、本発明の方法は、150℃までの非常に経済的な温度と前記の非常に
低い圧力下に実施することができる。
硫酸と硝酸の濃度は比較的高く、製造設備の点で特殊な装置を必要とするであ
ろうが、いくつかの他の既存方法がこれらの濃度の硫酸および硝酸を扱っている
ことを理解されたい。好ましくは、本方法に用いられる硫酸濃度は、30℃から10
0℃の温度範囲で操作する場合、12Mから16Mであり、それに応じた硝酸の濃度は
好ましくは0.1Mから5Mまでの範囲にある。塔中で変換を行う場合であるが、濃縮
物を脱窒するように底部で130℃から150℃の範囲の温度を有することが好ましい
。硫酸の存在下の場合、3M未満および恐らくは0.1Mもの低い最低濃度の硝酸を用
いて減少温度で得られた変換結果を考慮すると、反応器の物理的プラントシステ
ムに対する物理的な要求は、あまり高価ではない材料を持ち得る。
反応を液相で実施するもう一つの利点は、H2Sの燃焼で作られた不活性物質、
ま
たはSO2流源中に生じるどの形の不活性物質も、SO2の硫酸への酸化と変換に干渉
することなく単に液相を通過することである。例えば、メルカプトン類の燃焼で
作られた二酸化炭素と一酸化炭素は、一酸化炭素が酸化されて二酸化炭素となる
以外の反応とは干渉することなくこのシステムを通過する。さらに、作られる気
体状アミン類もこの反応に干渉せずに酸と反応して最終生成物としてN2とCO2を
作り、これらはシステムを通ってH2Sおよび他のSOx成分のない精製された流れと
ともに運ばれる。勿論、どの硫黄含有アミン類も、さらに本発明の方法にしたが
って変換されるSO2に変換される。
硫酸を作るために接触法を用いれば、公知法の熱力学と該反応の反応速度論に
関して顕著な制限が存在することも理解されたい。本発明にしたがえば、一連の
物質移動界面プレートにわたる液相での反応は、酸濃度が存在する可能性があり
、導入される源中の酸素濃度がSO2流と完全に反応するのに十分であり、そして
方法が効果的である温度と圧力でのかなり広い範囲により証拠付けられるように
反応速度論的にも熱力学的にも制限を受けないように思われるが、一方、先行技
術の接触法と鉛室法はそのような制限を受ける。
本発明の方法は多様な異なる種類の化学処理物理プラントで実施してもよいこ
とは理解されたいが、図1は、本プロセスが実施される1つの示唆された物理プ
ラントの模式図である。物理プラント10は、焼却炉12、硫酸濃縮装置14、物質移
動カラム16、熱交換装置18およびポンプ20と22からなる。処理されるために入る
ガス流は、矢印24の方向で導管26に導入され、導管26は、オフセット'T'部分28
を有し、底壁部分30を通して焼却炉12に導かれる。入るガス流24がH2Sを含有す
る場合、H2Sを焼却炉12で燃焼させることが望ましい。入る気体は、燃焼を助け
るために十分な酸素を有してもよいことを理解されたい。しかし、酸素を有して
いない場合、空気を導管26に矢印32の方向に導入し、所望のSO2ガス流を形成す
る際にH2Sの燃焼を確実とするために必要とされる酸素の量に依存しながら、導
入流32は、
酸素を高めた空気または純粋な酸素であってもよい。燃焼は、底部領域34中の焼
却炉12内で支えられ、ここで燃焼は、矢印36の方向で続いて、SO2からなる排気
流を作り、これは矢印40の方向で導管38を経由して焼却炉から除去される。本発
明の好適な側面にしたがえば、焼却炉12は、その外側壁部分42内に硫酸濃縮装置
14を有する。硫酸濃縮装置14は、内部壁46を有する容器44からなる。容器の底50
への入口48は、矢印54の方向でライン52を通って塔16から引き出された液相の一
部を導入する。この液相は、議論される方法で塔16の底の部分から引き出される
。濃縮器14内の液相56は、入ってくるガス流の燃焼熱により加熱されて、水およ
び残っている硝酸および他の窒素成分が液相58から沸騰し、矢印62の方向でガス
流が排出導管60を出て行く温度まで液相を加熱する。液相56から水を除去するこ
とにより、液相から沸騰しない硫酸が、かわりに濃縮容器44内で濃縮され続けて
、硫酸はおそらく90%以上の所望の濃度、好ましくは98%以上に到達する。濃縮
装置14からの濃硫酸は、導管64を通って出て行き、矢印66の方向で移動し、ポン
プ22の吸引側面に導入される。ポンプ22は、濃硫酸を、冷却剤が68で導入され70
で出される熱交換体18を通して運び、濃硫酸の温度を150℃以下に下げる。濃硫
酸は次に矢印74の方向で導管72を経て熱交換体18を離れる。この濃縮された硫酸
の一部は、導管76を備えた'T'部分で方向が変わって、矢印78の方向でカラム16
へと導入される。何かの目的に供されるかまたは保存される濃硫酸の残りは、矢
印82の方向で導管80から出て行く。
物質移動カラム16より前に、処理すべきSO2源流は、導管38を通って、矢印40
の方向で入口86を通って塔16の低部84中に入る。この二酸化硫黄の入る流れは、
連結部88で、矢印90の方向で導管92に導入された酸素源と混合され、ポンプ20に
より所望の低圧まで圧縮されて、矢印94の方向で導管96を通して連結部88に向か
う。十分な酸素がSO2の導入流に供給されて、ニトロシル基を酸化して硝酸を再
生することによりSO2をH2SO4に確実に変換する。十分に低い圧力のガス流は、例
えば、
矢印100の方向で物質移動プレート98を通して上方に向かって泡立つ。物質移動
プレートの下方に移動する液相が、各プレートまたはトレイ98で102に模式的に
示されている。物質移動カラムを用いる通常の方法で、トレイ98は、開口104を
含むように孔が開けられ、下方に流れるかまたは向流で流れる液相102を通って
、気体が上方に向かって泡立つことができる。適当な降下管106が各トレイに設
けられ、液体が各トレイから次のトレイに流れることができる。さらに、降下管
の高さは、各トレイ上の液体の高さを決定する。
一つ以上の降下管が各トレイ上に設けられ、また各トレイ上の穿孔104の大き
さが選択され、開口を通さずにトレイ上の必要な量の液体を保ち、同時に液相10
2を通る気泡状の気体が反応してSO2から生じたSO3がH2SO4への変換を達成するた
めの十分な時間を可能とする。塔16は使用できる種類の物質移動塔の代表的な例
であるが、このシステムが構築材料および製造費用および設置費用の視点から好
ましい。他の種類の物質移動システム、例えば液体中に浸された充填物を有する
充填カラム、充填物とトレイ等の組合を用いてもよい。気体は、塔16を上方に流
れるにしたがって集められ、矢印112の方向で導管110の出口108から出て行く。
処理された気体の一部をリサイクルすることが望ましいので、ポンプ20の吸引面
に向けられた導管114は、リサイクルのために処理気体の一部を矢印116の方向で
吸引する。そのようなリサイクルされる気体およびおそらく蒸気の形の(酸濃度
を調節するために必要とされる)一部の補給水は、通常は既に記載のように大気
の1/4から1/2の範囲にある操作圧力までポンプ20により圧縮される前に、導管
92を経る酸素導入源と一緒にされる。
下に行く液体は、塔16の底で、好ましくは塔のウエル118に集められる。液体
は、ウエル118から液体出口120を通って引き抜かれ、矢印54の方向で導管52に運
ばれて濃縮装置14で濃縮される。
十分な補給硝酸は、代表的には矢印122の方向でカラム16の中央高さトレイの
一
つに導入される。さらに、低トレイでの反応は、SO2の最も高い濃度のために速
い速度で進行するために、低トレイから熱を除去する必要があろう。冷却は、代
表的な入口と出口の矢印124と126によって低トレイ上に示されている。
標準的な化学工学的な実施にしたがって、適当な質量バランスがシステムに適
用され、ここで塔16からの液体の引き出しは、いったんシステムが定常状態に達
すると、導管76を通って塔に導入される液体の速度と等しい。塔16への補給硝酸
は、矢印62の方向で濃縮装置14のスタック60を通って失われる硝酸の量に基づい
て決定してもよい。適当な熱交換体がライン60に設けられて、排ガスを濃縮して
、濃縮装置14で沸騰してなくなった液相補足硝酸に戻してもよいことを理解され
たい。この補足された硝酸は、リサイクルの目的のためにライン122を通って塔1
6に再度導入してもよい。補足されたNOxを硝酸に変換するために濃縮液体を処理
してから、SO3をH2SO4に変換し且つ液相で酸の適当な濃度を保持するために必要
とされる補給水とともにライン122を通して塔16に再度導入することも必要であ
るかもしれない。いったんシステムが定常状態に到達すると、ライン80から出て
行く硫酸の量は、流入SO2の硫酸への変換によって生じる量と等しいものである
ことを理解されたい。進行中のベースでは、硫黄成分を含有する排出流は、おそ
らく上記の採鉱、金属および紙生産プロセスなどの硫黄源をまず第一に作ってい
るシステムでの再使用のためにすぐ用いられるよう十分に高い濃度の硫酸に変換
することができる。
提案された反応式は、いくつかの実験により確証されている。酸素と一緒にし
たSO2源を、所望の濃度の硫酸および硝酸を含有する水相を泡立てて通した。本
発明者らは、液相中に触媒が十分に形成されるまではこのシステムからの排出気
体はSO2を含まずに、主に酸素により形成されており、触媒が十分に形成された
反応時点で、利用可能な酸素が用いられてSO2をH2SO4に変換することを発見した
。また、本発明者らは、組成物中の硫酸の濃度は泡立のプロセス中に徐々に増加
する
ことを発見した。水相中で所望のHNO3が維持されるように、酸素の存在下にSO2
の触媒的変換中に作られるNO+が硝酸に変換されることも理論化されている。実
施されてきたいくつかの操作によって、反応におけるHNO3の再生の均一な触媒的
性質が確認されている。
この反応を硝酸の存在下且つ硫酸の不存在下に始める実験を行った。酸素を二
酸化硫黄とともに液相に導入し、ここではまず第一に過剰量の5M、好ましくは7M
の範囲にある濃度の硝酸を用いた。この硝酸は尚もSO2のH2SO4への変換を触媒す
ることができた。このプロセスを続けていくと、液相中のH2SO4濃度は、10Mから
16Mの所望の範囲にある量に達するまで増加し続けた。硫酸の増加中、硝酸濃度
は時間とともに減少し続け約2Mの低濃度に達することが観察された。よって、所
望の濃度の硫酸が得られるまでの初期の相中、液相中の硝酸は基本的には硫酸の
生産により希釈されるが、硝酸はこのプロセスで消費し尽くされることはない。
さらに別の実験を0.1〜1Mの範囲の硝酸の減少濃度で、且つ少なくとも5Mの硫酸
の初期存在下に行った。これらの硝酸の低い濃度で、且つ室温か高温で、SO2のH2
SO4への変換が得られた。そのような実験において、硫酸の濃度は、最初、10M
の所望の最小濃度以下であってもよい。しかし、反応が進行し、好ましくは硫酸
の濃度は、硝酸濃度が最初に低い濃度にあるときは少なくとも5Mであるので、反
応は迅速に進み、硫酸の所望量までの増加が起こる。
さらに別の実験は、水の存在下でSO2のH2SO4への変換を達成するためには、0.
1Mもの低いHNO3が約30℃から35℃までの温度で要求されるすべてであることを示
した。そのような開始反応は、約45℃から50℃の温度で迅速に、そしてHNO3の3M
濃度以下でよく進むことが発見された。これらの実験が進むにしたがって、勿論
、硫酸の濃度が通常期待される量まで増加し始めた。これらの付加的な実験結果
は、物質移動塔の上部において、下方に流れる液体のみが硝酸を必要とし、且つ
硝酸濃度が5Mでしかない場合では温度が30℃から50℃の範囲にあることのみを必
要と
することを示している。塔の上部のいくつかのプレートの下では、温度は約45℃
から約90℃まで徐々に上昇しながら、塔の底部のプレートの温度は130℃乃至150
℃に近づく。実験は、完全な変換が恐らく15プレート以下またはそれに等価なプ
レートを備えた一つの塔で起こり得ることを示している。通常の化学工学的実施
にしたがって、このことは、トレイ上の液体の深さを変えることにより、下降管
のサイズを変えることにより、周囲への熱損失を変えることにより、および所望
の80%以上のH2SO4を与えるコンパクトな塔を提供する交換体による熱の移動に
より達成することができた。この範囲の温度では、塔の底のこの温かい領域は窒
素化合物のないH2SO4を残すに違いないので、塔の底にNOxのない硫酸濃度を提供
することも可能である。この変換が硫酸の不存在下に開始することができること
を示す実験を鑑みれば、塔の条件は、塔上部で下方に入る液体中に硝酸の存在を
必要とするだけであり、硫酸は必要としないと考えることができ、ここで硫酸濃
度は、変換のために、塔の上部の0Mから塔の底の所望の10M乃至16Mまで増加する
。
SO2の硫酸への変換が液体触媒反応であることを示すための実験も行った。変
換溶液は、硫酸および硝酸の両方を含有して作られ、ここで硝酸の濃度は約0.5M
であった。変換溶液を35℃で導入し、二酸化硫黄および酸素の混合気体を泡立て
て該変換溶液に通した。これらの一緒にした気体を該変換溶液に最大2.5日間泡
立てて通し、この2.5日の終わりでさえも、SO2の硫酸への変換は溶液中の硝酸濃
度の認められる変化なしに継続した。
また、溶液での迅速な反応が実際に存在することを示すために実験を行った。
変換溶液は約7Mの硫酸と3Mの硝酸を含有した。反応速度を確立するために、標準
的な気泡消失実験を行った。二酸化硫黄と酸素とを一緒にした気体を溶液中で泡
立て、その際にそれらの気泡は3乃至4mmの範囲の直径で導入した。これらの気泡
は、約80cmの高さから約0.25mmの直径を持つ変換溶液塔内ですぐに減少した。こ
の変換溶液塔を通る気泡の上昇速度は2秒から3秒であり、10cm上昇以内ですべて
の気泡の大きさの減少を鑑みると、90%を超える99%もの高い変換が実現した。
この反応が、固体表面上で薄層液を用いる先行技術の気相反応を実施する場合と
同じように分散コントロールされるとするならば、気泡が本発明の実験で実現さ
れる程度まで減少するには約1000倍も遠くまで上がらなければならなかったであ
ろう。この迅速な変換を鑑みれば、好ましくは約15プレートの高さのコンパクト
な塔の利用によって、変換塔の底に所望の量の硫酸を作るために必要な変換が提
供され、該塔はこの化学変換に必要な物質移動を提供する。さらに、液相中で実
施される反応を鑑みれば、気泡となって塔を上昇する気体を収容するために、塔
中に空間をほとんど必要としない。
本発明の好適な実施態様をここに詳細に説明してきたが、当業者は本発明の精
神または添付の請求の範囲から離れることなく多様な改良を行ってもよいことが
理解されよう。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年3月31日
【補正内容】
要性のある先行技術の方法のように、気体を高いレベルまで加圧する必要はない
。本発明にしたがえば、塔は底部で周囲圧力、上部で6〜10インチの真空(水)
で実施することができるが、好ましくは底部は水の6〜10インチ(0.03気圧から0
.05気圧)の圧力および上部は周囲圧力で操作する。2気圧を超えて操作すると
、その費用は、本発明の適度の操作圧力と温度に比較して少なくとも2倍となる
ことから、これは顕者な費用の節約である。基本的に周囲圧力である容器の費用
と維持における違いは、費用のかかる密閉装置、ガスケットおよび費用のかかる
パイプ、ポンプおよび圧力取付け部品のために、低圧力容器に比較して主要な費
用および維持においても少なくとも費用の半分は減少する。本発明の塔は、大気
の約1/100の圧力の最低圧および大気のおそらく1/2以下の最大圧で操作するこ
とができる。
硫酸がはじめに存在しない場合、硝酸もまた、二酸化硫黄の変換を保持する十
分な濃度にある。変換により生じたか、または変換の開始時に存在する硫酸の存
在下では、硝酸および硫酸の一緒にした濃度は、5Mから16Mの範囲にあり、ここ
で硝酸の濃度は硫酸の最初の存在下では少なくとも約5Mである。状況が必要とす
る場合、液相における硝酸および硫酸の濃度は、約5M以上であってもよい。さら
に、硝酸の最小濃度は、本システム中に硫酸が最初に存在しない場合5M以上であ
ってもよい。反応システムの種類に依存しながら、硝酸および硫酸の相対的濃度
は、かなりの変化があってもよいことを理解されたい。例えば、撹拌連続反応器
では、硝酸および硫酸の濃度は、硫酸については10〜16Mの範囲そして硝酸につ
いては0.1〜5Mの範囲で最適濃度にあるだろう。相対的な濃度は、硫酸の連続的
発生のために変化するだろう。増加する硫酸濃度は、撹拌反応器から液相の一部
を除去するために激減または減少する。
変換が気体と液体との向流の流れを用いる塔で行われる場合、塔の上部におい
て、硫酸の最低濃度が存在するか、または恐らく硫酸はまったく存在しないこと
請求の範囲(補正)
1.(i)液相中に二酸化硫黄の気体状源および酸素の気体状源を泡立てて通
し、
(ii)液相中で二酸化硫黄の該気体状源を硫酸に変換し、ここで該液相は、該液
相中で二酸化硫黄の気泡を硫酸に触媒的に変換する液相中でニトロシルイオンを
生じさせるのに十分な濃度の硝酸と硫酸(ここで、硝酸および硫酸の一緒にした
濃度は5M乃至16Mの範囲にあるが、但し、硝酸の最低濃度は0.1Mである。)から
なり、
(iii)酸素の該気体状源が、液相におけるSO2のH2SO4への接触変換を助けるの
に十分な量で該液相に導入され、該接触変換は、液相中の水の存在下にニトロシ
ルイオンを酸化することにより液相中で硝酸を再生することを含み、
(iv)該液相を20℃乃至150℃の範囲に保持することを含む、二酸化硫黄源から
液相中で濃硫酸を製造する方法。
2.上記SO2源が、硫黄源の燃焼からのものである請求項1記載の方法。
3.上記変換溶液の温度が、少なくとも5Mの硫酸および3M未満の硝酸の存在下
に、30℃乃至50℃の範囲にある請求項1記載の方法。
4.硫酸の上記濃度が少なくとも10Mであり、硝酸の上記濃度が0.5乃至5Mであ
る請求項2記載の方法。
5.上記SO2源が、H2S、液体硫黄、固体硫黄からなる群から選択される成分の
燃焼からのものである請求項1記載の方法。
6.上記SO2源が、メルカプタン類、ポリスルフィド類および硫黄含有アミン
類、固体スルフィドおよび固体ポリスルフィド類からなる群から選択される成分
の燃焼からのものである請求項1記載の方法。
7.上記SO2源が気相にあり、該気相が、泡立てられて物質移動塔に設けられ
た上記液相を通り、SO2を含有する該液相が、該塔の底部に導入され、該液相が
、
該塔の上部に導入され、該底部の該液相が、約10M乃至16Mの硫酸濃度を有する請
求項1記載の方法。
8.上記塔が、複数の物質移動トレイからなり、それぞれの該トレイ上に上記
液相が保持される請求項7記載の方法。
9.上記塔が、物質移動充填物で充填されており、該充填物中の上記液体相が
、SO2の硫酸への実質的に完全な変換を得るのに十分な高さを有する請求項7記載
の方法。
10.上記充填物が、間隔を持って離れた液体再分布プレートまたは物質移動
プレート上に支持される請求項9記載の方法。
11.1枚以上の上記トレイが、150℃未満の水相温度を保持するように冷却さ
れる請求項8記載の方法。
12.上記水相が、上記塔の上部から底まで20℃乃至150℃の温度に維持され
る請求項11記載の方法。
13.上記選択されたH2S液体または固体状硫黄の燃焼中の燃焼熱が、上記液
相の一部を蒸発させるためにボイラーに導かれて硫酸をさらに濃縮し、該液相の
該部分が取り出され、該ボイラー中で濃縮され、部分的に該液相中にリサイクル
され、残りがさらに濃縮された硫酸源として流れの方向が変えられる請求項5記
載の方法。
14.上記硫酸濃度が、さらに濃縮された硫酸の流れの方向が変えられた源中
で98重量%を超える請求項13記載の方法。
15.上記液相の上記部分の蒸発からの気体が凝集されて、NOx、HNO3および
それらの組合せを回収する請求項13記載の方法。
16.上記水相への導入前に、上記酸素源が圧縮されて、上記SO2源と混合さ
れる請求項2記載の方法。
17.上記気相が、上記塔の上記上部から排出されて、実質的にSO2のないガ
ス
流を生じる請求項8記載の方法。
18.酸素が、上記塔からの上記ガス流のリサイクルされた部分と一緒に圧縮
されて、上記液相への導入前に上記SO2源と混合される請求項17記載の方法。
19.補給硝酸が、上記塔中の中央高さのトレイに加えられる請求項8記載の
方法。
20.中央高さのトレイの上記水相中の硫酸濃度が、約14Mであり、上記硝酸
の濃度が、約3M以下であり、液相温度が、150℃未満である請求項19記載の方法
。
21.該液相反応が撹拌連続反応器中で行われ、硝酸の上記濃度が約3M以下で
あり、硫酸濃度が少なくとも5Mであり、上記液相温度が50℃未満の温度に保たれ
る請求項1記載の方法。
22.上記気体SO2源および上記気体O2が、別々の流れまたは単一の一緒にな
った流れで泡立てられ、液相中に入る請求項1記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,UZ,VN