JPH0742072A - ポリエステル繊維からなる繊維構造物の金属被覆加工方法 - Google Patents

ポリエステル繊維からなる繊維構造物の金属被覆加工方法

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JPH0742072A
JPH0742072A JP20562793A JP20562793A JPH0742072A JP H0742072 A JPH0742072 A JP H0742072A JP 20562793 A JP20562793 A JP 20562793A JP 20562793 A JP20562793 A JP 20562793A JP H0742072 A JPH0742072 A JP H0742072A
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textile structure
organic solvent
polyester
fiber
methyl alcohol
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JP20562793A
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Kiyoshi Ito
清 伊藤
Naoki Shiji
直樹 志治
Motoaki Aosaki
元昭 青崎
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Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステル繊維からなる繊維構造物表面に
無電解メッキ法により金属皮膜を形成する方法におい
て、無電解メッキに先立ち、該繊維構造物の重量に基い
て0.01〜5%の水酸化ナトリウムを含有する、沸点
が100℃以下の少なくとも1組の共沸混合物からなる
有機溶剤を用いて、該繊維構造物を精練、脱脂処理した
後、上記と同種の有機溶剤に溶解したウレタン系樹脂の
溶液で処理することからなるポリエステル繊維構造物の
金属被覆加工方法。 【効果】 ポリエステル繊維構造物表面に均一で密着性
の良好な金属皮膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル繊維からな
る繊維構造物の金属被覆加工方法に関し、さらに詳しく
は、ポリエステル繊維からなる繊維構造物表面に無電解
メッキ法により金属皮膜を形成するに際して、無電解メ
ッキに先立ち、該繊維構造物を予備処理することによっ
て、均一で密着性に優れた金属皮膜を形成する方法に関
する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、非導電性の繊維製品に導
電性を付与する方法としては、無電解メッキ法、スパッ
タリング法、金属蒸着法、金属細粉を含んだ樹脂をコー
ティングする方法、金属細線を混紡又は交織する方法等
が知られているが、これらの方法は装置、加工費、製品
品質、公害面、作業環境等の観点からみて一長一短があ
り、さらに改善が望まれている。
【0003】例えば金属細粉を含んだ樹脂をコーティン
グする方法は、導電性を良くするために金属細粉の含有
率を多くすることが必要であり、その上コーティング膜
厚が20ミクロン〜100ミクロンという厚さを要する
ため、通気性、風合、等が損なわれ繊維製品としての特
性が失われる。
【0004】スパッタリング法、金属蒸着法は高真空度
を維持する特殊な装置が必要である。例えば、特開昭6
3−35751号公報によれば、繊維基布の少なくとも
一表面を低温プラズマ処理後、処理した表面にイオンプ
レーティングを施して、繊維基布の表面に金属皮膜を形
成させる方法が開示されている。しかし、低温プラズマ
処理は、極く低圧下の密閉装置内で高電圧によりガスを
解離、イオン化させるため、高価な装置を要する。ま
た、密閉装置内での加工のため、操作性が低く、加工費
が高くなるという欠点がある。しかも、繊維製品の形態
によって加工不可能であるという制約もある。
【0005】無電解メッキ法により繊維製品に金属皮膜
を施す方法について、例えば、特公昭47−19600
号公報には、合成繊維、例えばポリエステル系、ポリア
ミド系、ポリアクリル系、ポリ塩化ビニール系、ポリ塩
化ビニリデン系、ポリオレフィン系等からなる織布、不
織布又は糸を適当な有機溶剤又は有機溶剤溶液により膨
潤処理を行い、次いで水洗し、重クロム酸と濃硫酸の混
合液にて表面をエッチングした後、化学メッキを行なう
方法が開示されている。しかし、この方法は、基材表面
を膨潤状態にして重クロム酸と濃硫酸の混合溶液で表面
を酸化粗化するものであって二工程の処理を要し、操作
上複雑であり、その上、重クロム酸は公害面から排水処
理及び排水処理から生じたスラッジの処分に問題があ
る。
【0006】また、特公昭46−13960号公報に
は、合成繊維フィラメントに脱脂、増感、活性化等の前
処理を行った後、無電解メッキ溶液に浸漬するに先立っ
て、予め細管等の断面積の小さい無電解メッキ浴中を通
過させることにより繊維表面に初期メッキ金属膜を付与
させ、しかる後、該フィラメントを再度無電解メッキ液
を通過させることにより、所望の厚さの金属膜を形成さ
せる方法が開示されている。しかし、この方法は、断面
積の小さい細管を有する特殊な装置を必要とし、経済的
に好ましい方法ではない。
【0007】一方、特公昭40−27400号公報、特
公昭46−22919号公報及び特公昭49−4351
9号公報などには、繊維材料を塩化パラジウム又は塩化
第一錫の水溶液により処理してから活性化し、或いは繊
維材料を先ず塩化第一錫水溶液で処理し、次に塩化パラ
ジウム水溶液で処理してから活性化し、この活性化され
た繊維材料に無電解メッキ処理を施す方法が開示されて
いる。しかしながら、上述の方法をポリエステル繊維含
有繊維材料に適用すると、得られる金属化繊維材料の導
電性は不満足なものであり、しかもその品質も不均一で
あるなどの問題点がある。
【0008】ポリエステル繊維材料に対して金属化処理
を施す場合、上記の問題点を解消するために、ポリエス
テル繊維材料に酸又はアルカリによるエッチング前処理
を施すことも知られている。例えば、特公昭46−22
919号公報、特公昭49−43518号公報及び特公
昭49−43519号公報には、ポリエステル繊維材料
を、80g/lの水酸化ナトリウム水溶液で50℃にて
1時間エッチング前処理する方法、或いは100g/l
の水酸化ナトリウム水溶液で60℃、30分間のエッチ
ング前処理を施す方法、及び1g/lの苛性ソーダと4
g/lのラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリ
ドとを含む水溶液で80℃、60分間のエッチング前処
理する方法が開示されている。これらのエッチング前処
理方法は、ポリエステル繊維基布の表面粗化に効果は認
められるが、しかし十分満足できるものではない。
【0009】更に、特開昭63−28975号公報に
は、ナイロン6やナイロン66で代表されるポリアミド
系合成繊維、ポリエチレンテレフタレートで代表される
ポリエステル系合成繊維、ポリアクリロニトリル系合成
繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維等の繊維材料に
対して、該繊維材料との親和性が高く繊維と強固に固定
する、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の樹脂の溶液に、塩化
チタン、塩化スズ、塩化アルミニウム等の金属塩化合物
を混合し、塗布することにより、通常の無電解メッキ用
塩化パラジウム等の触媒付与による活性化処理を省略す
ることのできる方法を開示している。この方法では、樹
脂を被処理物に1〜10%を均一に塗布することが必要
であり、しかも塗布樹脂中の金属塩の濃度を約1〜10
%とする必要があるが繊維材料に塗布する樹脂量を多く
すると、繊維の柔軟性が損なわれ、また、金属塩化合物
を樹脂中に10%混練することは、樹脂液の粘度が異常
に高くなり均一に塗布することが困難となるという欠点
がある。
【0010】本発明の主なる目的は、上記の如き現状に
鑑み、均一且つ密着性の良好な金属メッキを施すための
前処理方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリエ
ステル繊維からなる繊維構造物表面に無電解メッキ法に
より金属皮膜を形成する方法において、無電解メッキに
先立ち、該繊維構造物の重量に基いて0.01〜5%の
水酸化ナトリウムを含有する、沸点が100℃以下の少
なくとも1組の共沸混合物からなる有機溶剤を用いて、
該繊維構造物を精練、脱脂処理した後、上記と同種の有
機溶剤に溶解したウレタン系樹脂の溶液で処理すること
を特徴とするポリエステル繊維からなる繊維構造物の金
属被覆加工方法が提供される。
【0012】本発明の方法において使用される有機溶剤
は、親水性溶媒と親油性溶媒との共沸混合物からなるも
のであり、かかる共沸混合物を少なくとも1組又は2組
以上含有することができる。該有機溶媒は沸点が100
℃以下であり、好ましくは50〜90℃、さらに好まし
くは60〜80℃の範囲内にあることが望ましい。
【0013】しかして、本発明における有機溶剤に使用
しうる共沸混合物としては、例えば、アセトン−(n)
ヘキサン、アセトン−酢酸メチル、メチルアルコール−
ベンゼン、エチルアルコール−ベンゼン、エチルアルコ
ール(n)ヘキサン、メチルアルコール−(n)ヘキサ
ン、エチルアルコール−メチルエチルケトン、メチルア
ルコール−酢酸メチル、メチルアルコール−トルエン、
メチルアルコール−酢酸エチル等の組合わせを挙げるこ
とができる。これら共沸混合物を2組以上併用する場合
には、各共沸混合物の沸点は互に近接していることが望
ましい。
【0014】一方、上記有機溶剤に配合する水酸化ナト
リウムは、予め親水性溶媒、例えばメチルアルコールに
溶解して、精練、脱脂に使用する共沸混合物に添付する
ことにより、均一に溶解混合することができる。水酸化
ナトリウムの使用量は、処理すべき繊維構造物の重量の
0.01〜5%、好ましくは0.01〜4%、さらに好
ましくは0.02〜3%の範囲内とすることができる。
【0015】ここで、「ポリエステル繊維からなる繊維
構造物」には、ポリエステル、殊にポリエチレンテレフ
タレートからなる繊維で構成される織編物、メッシュ状
織物、テープ、紐、面状ファスナー、筒状編地等が包含
される。
【0016】上記水酸化ナトリウムを含有する有機溶剤
によるかかる繊維構造物の処理は、通常の繊維の精練、
脱脂操作と同様にして行なうことができ、例えば、冷却
器を備えた処理容器内に、繊維構造物と共沸混合物を仕
込み、さらに所定量の水酸化ナトリウム(予めメタノー
ルに溶解したものが好ましい)を加え、該共沸混合物の
沸点またはそれ以上の温度に加熱することにより行なう
ことができる。加熱下での処理時間は、有機溶剤の種
類、水酸化ナトリウムの添加量等により変えることがで
きるが、通常20〜120分間程度とすることができ
る。
【0017】この水酸化ナトリウム含有有機溶剤による
精練、脱脂処理によって、繊維構造物の繊維表面の付着
物のうち、親水性の付着物は親水性溶媒により、また水
に不溶性ないし難溶性の親油性の付着物(例えば油脂
類)は親油性溶媒によりそれぞれ溶解除去され、そして
該有機溶剤に含まれる水酸化ナトリウムによって、精
練、脱脂と同時に、繊維表面に微細孔が発現し繊維表面
が粗面化される。
【0018】この処理によって繊維構造物の重量は若干
減少するが、その減少率は大体0.3〜5%の範囲内に
なるようにするのが適当である。
【0019】以上に述べた如くして精練、脱脂処理され
た繊維構造物は、次いで、ウレタン系樹脂の溶液で処理
される。本発明において使用しうるウレタン系樹脂は、
芳香環を含むものが好ましく、例えば、芳香族ポリエス
テルポリオールと芳香族ポリイソシアネートとから製造
されるウレタン系樹脂、脂肪族ポリエステルポリオール
と芳香族ポリイソシアネートとから製造されるウレタン
系樹脂等が挙げられる。
【0020】上記芳香族ポリエステルポリオールとして
は、例えば、ブタンジオール/イソフタル酸ポリエステ
ルポリオール、ブタンジオール/アジピン酸ポリエステ
ルポリオール、ネオペンチルグリコール/テレフタル酸
ポリエステルポリオール、ネオペンチルグリコール/ア
ジピン酸ポリエステルポリオール、メチルペンタンジオ
ール/イソフタル酸ポリエステルポリオール、メチルペ
ンタンジオール/アジピン酸ポリエステルポリオール等
が挙げられ、また、脂肪族ポリエステルポリオールとし
ては、例えば、ポリブチレングリコールアジペート、ポ
リメチルペンタンジオールアジペート、ポリヘキサンメ
チレングリコールセバケート、ポリカプロラクトン等が
挙げられる。
【0021】これらポリオール成分と反応せしめられる
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニ
ルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
【0022】以上述べたポリオール成分とポリイソシア
ネート成分とから製造されるウレタン系樹脂は、一般
に、接着性能が良好で、しかも耐熱性、耐摩擦性、耐薬
品性、耐溶剤性、柔軟性等の物性に優れている。
【0023】上記ウレタン系樹脂は、前記の精練、脱脂
処理に用いたと同種の有機溶剤に溶解することにより樹
脂溶液とする。その溶液中におけるウレタン系樹脂の濃
度は、固形分濃度で、一般に5〜30重量%、好ましく
は10〜25重量%の範囲内が適当である。
【0024】該樹脂溶液には、必要に応じて、架橋、促
進剤(例えば、ジブチルチンラウレート、ジブチルチン
ジアセテート、ジブチルチンジマレエート、オクテン酸
鉛等を配合することができる。
【0025】ウレタン樹脂溶液による繊維構造物の処理
は、例えば、繊維構造物をウレタン樹脂溶液中に浸漬す
る方法、繊維構造物にウレタン樹脂溶液をスプレーする
方法等により、繊維構造物の繊維表面に樹脂溶液を付着
させた後、有機溶剤を除去し、必要に応じてさらに、約
70〜約110℃の温度に加熱することによりウレタン
系樹脂を架橋させることによって行なうことができる。
【0026】繊維構造物に対するウレタン系樹脂の付着
量は厳密には制約されないが、通常、繊維構造物の重量
を基準にして0.01〜10%、特に0.02〜5%の
範囲内が好適である。
【0027】本発明は、以上述べた如くして予備処理さ
れた繊維構造物表面に無電解メッキ法により金属皮膜が
形成せしめられる。
【0028】無電解メッキの方法は、特に制限されるも
のではなく、従来から、合成樹脂類や合成繊維類の金属
メッキのために使用されている無電解メッキ法がいずれ
も使用可能である。例えば、銅メッキの場合には、予備
処理した繊維構造物を塩化錫20g/l、塩化パラジウ
ム0.02g/l、塩酸35g/lの、25〜30℃の
水溶液に2分間浸漬し、常温で2分間水洗した後、硫酸
150g/lの45℃の水溶液に3分間浸漬して繊維構
造物表面のメッキ触媒を活性化させる。
【0029】次いで常温で2分間水洗し、硫酸銅10〜
20g/l、炭酸水素ナトリウム10〜12g/l、酒
石酸塩30g/l、38%ホルマリン液100ml/l
の、苛性ソーダでpH12に調整した30〜35℃の無
電解銅メッキ浴に4〜8分間浸漬し、常温で2分間水洗
した後、温風で乾燥することにより、均一な銅メッキ膜
を得ることができる。
【0030】本発明の方法によって形成しうる金属皮膜
としては、例えば、上に述べた銅メッキのほか、ニツケ
ルメッキ、銅の上にニツケルを複合メッキしたもの等が
挙げられる。
【0031】以上述べた本発明の方法によれば、ポリエ
ステル繊維からなる繊維構造物の表面に均一で密着性に
優れた金属皮膜を形成することができる。しかも、本発
明の方法によれば、複雑な形状のため通常の方法では実
施困難であった繊維構造物に対しても、容易に金属被覆
加工を施すことができる。
【0032】しかして、本発明により得られる金属被覆
されたポリエステル繊維構造物は、例えば、電磁波シー
ルド材、導電材、静電気防止材等の分野において有利に
使用することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、「部」及び「%」は特にことわらない
限り「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0034】実施例1 冷却器を備えた容器内に、ポリエステルフィラメント紗
(糸径45ミクロン、180メッシュ/インチ)並びに
メチルアルコール、72.4部とトルエン、27.6部
との共沸混合物及びメチルアルコール48.6部と酢酸
エチル51.4部との共沸混合物の混合溶剤を入れる。
【0035】次いで、ポリエステルフィラメント紗に対
して重量比で2%相当量の水酸化ナトリウムを少量のメ
チルアルコールで溶解し、上記容器に加え、外部から温
浴により上記溶剤の沸点63℃に90分間維持する。
【0036】90分後にポリエステル紗を容器より取り
出し乾燥後、重量減を求めた結果6%であった。
【0037】上記精練、脱脂に使用した共沸混合物と同
じ組成の溶剤で希釈したウレタン系樹脂(大日本インキ
製;クリスボンNX)0.5%と架橋促進剤(大日本イ
ンキ製;クリスボアクセルHM)0.03%とからなる
液に3分間浸漬した後、乾燥し70℃で20分間熱処理
した。
【0038】次に、メッキ触媒として塩化パラジウム液
(奥野製薬製;キャタリストA30)120mlと塩酸
160ml及び水720mlの混合液を調製した。
【0039】前記、精練・脱脂、減量を行ったポリエス
テルフィラメント紗を上記触媒液に25℃で2分間浸漬
後水洗し、10%硫酸水溶液中で45℃、3分間活性化
処理後水洗した。
【0040】その後、下記組成の無電解銅メッキ浴に3
0℃、4分間浸漬することにより、均一な銅メッキの金
属膜が得られた。
【0041】(銅メッキ浴組成) 硫酸銅 15g/l 炭酸水素ナトリウム 10g/l 酒石酸塩 30g/l 38%ホルマリン液 100g/l pH 11.5 形成された銅膜は15%owfで表面電気抵抗は0.4
Ω/cm以下であった。更に下記の測定方法により評価
した結果、剥離がなく密着性は良好であった。 (測定方法) ○ 学振式摩擦試験 :JISL0849。荷重200
gで50回摩擦した。 ○ セロハンテープ法:市販のセロハンテープを5〜7
cmにカットし、試験面に強く圧着する。10分後、そ
のセロハンテープを一気に剥離し、セロハンテープへの
転写の度合を肉眼で判定した。
【0042】実施例2 冷却器を備えた容器に、メチルアルコール48.6部と
酢酸エチル、51.4部との共沸混合物及びポリエステ
ル製面状ファスナー(クラレ製;ベルクロ)A面及びB
面を浴比1:30で浸漬する。
【0043】次いで、面状ファスナーに対し重量比で
0.1%の水酸化ナトリウムをメチルアルコールに溶解
した液を追加し、温水浴に上記容器を入れ、溶剤の沸点
62.1℃に90分間維持する。
【0044】その後、容器から面状ファスナーを取り出
し精練・脱脂、減量に使用した共沸混合物と同じ組成の
溶剤で希釈したウレタン系樹脂(大日本インキ製;クリ
スボンNX)0.5%と架橋促進剤(大日本インキ製;
クリスボンアクセルHN)0.03%とからなる液に3
分間浸漬後、温風にて乾燥し、次いで120℃で10分
間熱処理した。
【0045】その後、実施例1と同じ操作により銅メッ
キを行った結果、A面、B面とも均一な銅メッキ膜が得
られた。
【0046】形成された銅膜は17%owfで、表面電
気抵抗は0.5Ω/cm以下であった。更に実施例1と
同じ方法で密着性を調べた結果、剥離は認められず良好
であった。
【0047】なお、メッキしたA面とB面とを繰返し1
00回着脱させた結果、剥離は認められず、且つ表面電
気抵抗は0.5Ω/cm以下で金属膜の密着性が良好で
あることを確認した。
【0048】実施例3 ポリエステル製円筒状編紐(500d×2マルチフィラ
メント使い、編紐の直径1cm)を冷却器を備えた容器
に入れ、該容器にエチルアルコール68部とトルエン3
2部との共沸混合物を浴比1:30になるように入れ
る。
【0049】次いで、10%水酸化ナトリウムのエチル
アルコール溶液をポリエステル製円筒状編紐に対し20
%相当量で容器に追加する。
【0050】次いで、80〜85℃に維持した温水浴に
上記容器を入れ溶剤の沸点76.8℃に120分間維持
した。
【0051】溶剤から取り出したポリエステル製円筒状
編紐は、上記精練・脱脂、減量に使用した共沸混合物と
同じ組成の溶剤で希釈したウレタン系樹脂(大日本イン
キ製;クリスボンNX)0.5%と架橋促進剤(大日本
インキ製;クリスボンアクセルHM)0.03%とから
なる樹脂液に5分間浸漬後乾燥し、次いで130℃で3
分間熱処理した。
【0052】その後、触媒付与等を実施例1と同じ操作
で行い、次いで下記の組成のメッキ浴を用いて無電解ニ
ッケルメッキを行った結果、均一なニッケル膜が編紐表
面に形成された。
【0053】(ニッケルメッキ浴) 次亜リン酸ニッケル 28g/l ホウ酸 12g/l 硫酸アンモニウム 3g/l 酢酸ナトリウム 5g/l 温度 32℃ 6分間浸漬 ニッケル膜は15%owfで、表面電気抵抗は2Ω/c
m以下であった。
【0054】更に、実施例1と同じ操作でニッケル膜の
密着性を調べた結果は、剥離が認められず良好であっ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維からなる繊維構造物表
    面に無電解メッキ法により金属皮膜を形成する方法にお
    いて、無電解メッキに先立ち、該繊維構造物の重量に基
    いて0.01〜5%の水酸化ナトリウムを含有する、沸
    点が100℃以下の少なくとも1組の共沸混合物からな
    る有機溶剤を用いて、該繊維構造物を精練、脱脂処理し
    た後、上記と同種の有機溶剤に溶解したウレタン系樹脂
    の溶液で処理することを特徴とするポリエステル繊維か
    らなる繊維構造物の金属被覆加工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003080919A1 (en) * 2002-03-22 2003-10-02 Jong-Hak Lee Bio-sheet material and its manufacturing method and apparatus
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