JP2747321B2 - 金属被覆された合成樹脂製構造物の製造方法 - Google Patents

金属被覆された合成樹脂製構造物の製造方法

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JP2747321B2 JP1097397A JP9739789A JP2747321B2 JP 2747321 B2 JP2747321 B2 JP 2747321B2 JP 1097397 A JP1097397 A JP 1097397A JP 9739789 A JP9739789 A JP 9739789A JP 2747321 B2 JP2747321 B2 JP 2747321B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は合成樹脂製構造物表面の金属被覆方法に関
し、さらに詳しくは、合成樹脂製構造物表面に無電解メ
ツキ法により金属被膜を形成するに際して、無電解メツ
キに先立ちメツキすべき表面を無機過酸化物で諸多する
ことにより、均一で且つ密着性に優れた金属被膜を形成
する方法に関する。
一般に非導電性構造物の表面に無電解メツキを施すに
は、脱脂、触媒付与、活性化等の前処理を行った非導電
性構造物を無電解メツキ浴に浸漬するのが普通であり、
その際基材表面の濡れを良好にして、触媒の吸着及び付
着能力を向上させたり、或いは基材と金属との密着性の
向上を目的として、機械的エツチング、化学的エツチン
グ又は低温プラズマエツチング等の表面処理を併用する
ことも多く行われている。
現在、工業的に無電解メツキの対象とされている合成
樹脂としては、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等があげられる。その
理由は、これらの基材が化学エツチングされ易く、また
無電解メツキの密着性も比較的良好であるからである。
一方、メツキし難くい樹脂としては、ポリエステル系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等があ
げられる。
これらの樹脂の化学エツチングに関し、例えば、特公
昭47−19600号公報には、ポリアミド、ポリエステル、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフイン
等の樹脂のメツキに先立って、それぞれの樹脂に適した
有機溶剤たとえば、塩化ビニル系樹脂に対しては酢酸エ
チル、アセトン、ベンゼン、トリクレン等を、またポリ
エステル系樹脂に対してはm−クレゾール、o−フエノ
ールの10〜20%水溶液を、そしてポリプロピレンに対し
ては5%の苛性ソーダ水溶液に10〜20%のデカリン又は
テトラリン等の有機溶剤を混入し、さらに界面活性剤2
〜10g/lを加えてエマルジヨン化した浴等において50〜6
0℃で膨潤処理を行い、次いで、50〜60%硫酸水溶液に
重クロム酸カリ2〜5g/lを加えた浴において50〜70℃で
1〜2分間エツチングを行った後、無電解メツキする方
法が開示されている。しかし、この方法で樹脂を膨潤処
理した後に使われる化学エツチング剤の硫酸と重クロム
酸カリの混合液は、強い酸化力を有しており、樹脂の欠
損、物理的強力の低下等の問題を生ずる可能性がある。
その上、クロム酸が溶存した廃液は公害規制が厳しく排
水処理方法が複雑であり、更に沈澱回収したクロムを含
むスラツジの処理等に難問が多いという欠点がある。
他方、無電解メツキ金属皮膜の密着性を改良する方法
として、合成樹脂製構造物の表面に微細な凹凸を付与す
ることも考えられるが、プラスチツク成型品に対してし
ばしば行われているサンドブラスト法などの機械的粗化
方法は繊維のような構造物の場合には損傷が甚しく、ま
た複雑な形状のものには適用できず、実際上使用不可能
である。
また、特開昭60−181362号公報には、ポリエステル繊
維に化学メツキを施す改良法として、スルホン酸基及び
/又は金属スルホネート基を有する化合物を含むポリエ
ステル繊維を、アルカリ浴に浸漬及び/又は通過させる
ことにより、8〜30重量%の減量処理を施し、繊維表面
に金属スルホネート基を露出させた後、触媒付与、活性
化処理することにより無電解メツキ金属膜を形成させる
方法が開示されている。しかしながら、この方法では、
ポリエステル紡糸原料に金属スルホネート基を有する化
合物を共存させて溶融紡糸するために、紡糸原料段階か
ら特製しなければならず、一方、溶融紡糸時にポリエス
テル以外の化合物を共存させると、紡糸ノズルの摩耗又
は紡糸中の糸切れが起こり易い等の欠点がある。
更に、特開昭48−54299号公報には、ポリアミド繊維
の無電解メツキ方法が記載されておりこの方法は、ポリ
アミド繊維を物理的又は化学的にエツチングすることな
くN−アルコキシメチルナイロンのアルコール溶液をナ
イロン繊維に付着させ、次いで溶剤であるアルコールの
沸点以上の温度で急激に乾燥させるものであって、この
方法では乾燥時にアルコールが速やかに気化し、微細な
気泡となってN−アルコキシメチルナイロンの表面から
離脱し、N−アルコキシメチルナイロンがナイロン繊維
にしっかりと接着される。N−アルコキシメチルナイロ
ンの表面はアルコールの気化散逸により微細な凹凸状態
となるので、重クロム酸と硫酸の混合液による化学エツ
チングを行なう必要がなく、直接無電解メツキすること
により金属メツキ層を形成させることが可能となる。し
かし、この方法は、N−アルコキシメチルナイロンの溶
媒としてアルコールを使わなければならず、その上アル
コールの沸点以上に急激に加熱気化させる工程を必要と
するので、火災の危険性及び有機溶剤による環境汚染等
の欠点を有している。さらにこの方法は筐体や大型で複
雑な形状のものに適用するのが困難であるという問題も
ある。
更にまた、特公昭63−35751号公報によれば、繊維基
布の少なくとも1表面を低温プラズマで処理後、処理し
た表面にイオンプレーテイングを施こして、繊維基布の
表面に金属皮膜を形成させる方法が開示されており、そ
してそこには該低温プラズマ処理は、0.01〜10Torrの極
めて低圧下で、プラズマ重合性を有しないガス、例えば
ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素、酸素等を使い、高
電圧によりこれらガスを解離、イオン化させて該繊維基
布表面をスパツタリング効果によって凹凸を形成され、
且つ繊維表面がプラズマの高エネルギーで改質され、金
属との親和性が向上してイオンプレーテイングにより密
着した金属膜が形成されると記載されている。しかし、
上記低温プラズマ処理装置は高価であり、また高電圧に
より解離イオン化した原子は直進性のため、表面にのみ
パツタリング効果を発揮し、裏面又は繊維の重なりによ
り陰になった個所等は殆んど処理効果が認められない。
従って、繊維基布の表裏に低温プラズマ処理を施すに
は、表と裏を別個に処理する必要がある、即ち、同じ繊
維基布を表と裏別々に同じ工程を通して処理しなければ
ならないという経済的に不利な点がある。また、繊維基
布のように連続した大面積のものに、解離、イオン化し
た原子のスパツタリング効果を均一に付与することは極
めて困難であり、更に塩化ビニル系樹脂や塩化ビニリデ
ン系樹脂に適用すると、構成分子の一部が分解して塩素
ガスが発生するなどの欠点がある。
本発明の主たる目的は、合成樹脂製構造物の無電解メ
ツキにおける前記の如き欠点を解消すべく、無電解メツ
キすべき合成樹脂製構造物表面を簡単で且つ穏和な条件
下に活性化し、それによって合成樹脂製構造物の物理的
強度の低下や損傷などを生ぜしめることなく均一で且つ
堅固に密着した金属被膜を形成せしめる方法を提供する
ことである。
かくして、本発明によれば、合成樹脂製構造物表面に
無電解メツキ法により金属被膜を形成する方法におい
て、無電解メツキに先立ち、該合成樹脂製構造物の金属
被膜を形成すべき表面に、ヨウ素、ヨウ化物、臭素及び
/又は臭化物を付着せしめた後、上記構造物の該表面を
無機過酸化物と接触させることを特徴とする合成樹脂製
構造物表面の金属被覆方法が提供される。
本発明が処理の対象としている合成樹脂製構造物とし
ては、糸条(フイラメント、フアイバー、ヤーンな
ど)、綿状物、トウ、織物、編物、不織布などの繊維構
造物をはじめ、棒状、板又はフイルム状などが包含され
る。かかる構造物の材質は特に制限がなく、例えば、ポ
リアミド系、ポリオレフイン系、ポリエステル系、塩化
ビニル系、塩化ビニリデン系、ポリアクリル系、ポリカ
ーボネート系、ポリオキシメチレン系、ABS等の各種の
合成樹脂で構成されていることができる。
このような合成樹脂製構造物(以下、基材という)の
表面に無電解メツキを施すに際して、本発明の方法は、
メツキに先立ち、基材のメツキを施すべき表面に、ヨウ
素、ヨウ化物、臭素及び/又は臭化物(以下、便宜上ハ
ロゲン化合物という)を付着せしめた後、基材の該表面
を無機過酸化物と接触させることにより、基材表面を活
性化する点に特徴点がある。
基材に対してかかる活性化処理を行なう場合、該処理
に先立ち、合成樹脂製基材の無電解メツキにおいて通常
行なわれている前処理、例えば脱脂、精練等の処理を適
宜行なうことができる。例えば、基材を適当な界面活性
剤を含む水溶液中に加温下に浸漬することにより脱脂、
精練処理することができる。
このように適宜前処理した基材の表面には、本発明に
従い、先ずハロゲン化合物が付着せしめられる。ハロゲ
ン化合物としては、ヨウ素、ヨウ化物、臭素及び/又は
臭化物が用いられる。ヨウ化物としては例えばヨウ化カ
リウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム等が挙げら
れ、また、臭化物には例えば臭化カリウム、臭化ナトリ
ウム、臭化リチウム等が包含される。ヨウ素はヨウ化カ
リウムなどのヨウ化物と併用するのが好ましく、また、
臭素は単独で又は臭化カリウムなどの臭化物と組合わせ
て使用することができる。
これらハロゲン化合物の基材表面への付着は、該ハロ
ゲン化合物を含む溶液に浸漬した後、乾燥することによ
り行なうことができる。該溶液としては一般に水溶液が
用いられるが、ハロゲン化合物及び/又は基材の種類に
よってはアルコール、エチレングリコール、アセトンな
どの有機溶媒溶液又は水−有機溶媒混合溶液を用いても
よく、さらに有機溶媒として基材の合成樹脂を膨潤させ
る性質をもつものを用いることもできる。
上記溶液中における触媒化合物の濃度は特に制限され
ないが、一般には0.01〜50g/l、好ましくは0.05〜20g/l
の範囲内が好都合である。
さらに、該溶液には必要に応じて、カチオン系、ノニ
オン系、両性等の界面活性剤を含有せしめることによ
り、基材表面の濡れ性を向上させるようにしてもよい。
ハロゲン化合物を含有する溶液による処理時の温度は
通常、室温前後(約15〜約40℃)で十分であるが場合に
よっては約40℃までの加熱下に処理を行なってもよく、
また処理時間は大体20〜180分間程度とすることができ
る。
ハロゲン化合物を含有する溶液が付与された基材は常
法により溶媒を除去することにより、基材表面にハロゲ
ン化合物を付着析出せしめることができる。
本発明によれば、上記のハロゲン化合物の付着処理を
行なう前又は同時に、必要に応じて、基材表面を膨潤化
処理することにより、ハロゲン化合物の付着量及び/又
は付着力を向上させることができる。かかる膨潤化処理
は、基材のメツキすべき表面を、基材を構成する合成樹
脂に対する溶剤(良溶媒)を含む液体で処理する、例え
ば浸漬処理、噴霧処理、転写処理等の処理をすることに
より行なうことができる。そのような液体の具体例とし
て、基材がポリアミド系樹脂である場合にはギ酸水溶液
が、ポリエステル系樹脂である場合にはm−クレゾー
ル、o−クレゾール又はフエノールの10〜20%水溶液
が、ポリカーボネート系樹脂である場合にはジメチルホ
ルムアミド水溶液が、そして塩化ビニル系又は塩化ビニ
リデン系樹脂、ABSである場合にはテトラヒドロフラン
水溶液がそれぞれ好適なものとして例示することができ
る。
上記膨潤化処理は通常室温ないし約60℃の温度で行な
うのが適している。
前記の如く触媒化合物を付着せしめた基材は、次いで
無機過酸化物と接触せしめる。無機過酸化物としては、
例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸
ナトリウム等が挙げられる。これらは通常水溶液の形で
使用されるが、一般には、硫酸のような酸又は苛性ソー
ダ、苛性カリなどのアルカリと併用するのが好適であ
る。
水溶液中における無機過酸化物の濃度は厳密に制限さ
れるものではないが、一般には1〜100g/l、好ましくは
5〜50g/lの範囲内とすることができる。また、硫酸を
併用する場合、その濃度は通常1〜250g/l、特に5〜20
0g/lの範囲内とすることができ、また、アルカリを併用
する場合には、その濃度は一般に1〜150g/l、好ましく
は5〜100g/lの範囲内とすることができる。
ハロゲン化合物を付着せしめた基材と上記無機過酸化
物との接触は、例えば、無機過酸化物を上記の濃度で含
有する水溶液中に浸漬することにより行なうことができ
る。浸漬時の温度は一般に室温ないし約80℃、好ましく
は室温ないし約60℃の温度とすることができ、浸漬時間
は温度に依存し約20〜約180分間が適当である。
これにより、基材表面に付着したハロゲン化合物、例
えばヨウ素又は臭素は下記反応式: I2+5H2O2→2HIO3+4H2O 2HIO3+5H2O2→I2+6H2O+5O3 Br2+H2O2→2HBr+2O に示される如く過酸化水素のような無機過酸化物を激し
く分解し、発生機の酸素を生成し、基材表面を酸化分解
して基材表面に極めて微細な凹凸を形成する、所謂化学
的エツチングが生じ、基材表面が無電解メツキに対して
活性化される。その結果、本発明の方法に従い活性化さ
れた基材は、化学メツキ触媒の吸着性が向上し、無電解
(化学)メツキにより均一性及び密着性に優れた金属被
膜を形成せしめることができる。
以上述べた如くして活性化された基材表面への無電解
メツキはそれ自体既知の方法、例えば、「表面処理技術
総覧」(産業技術サービスセンター刊)等の文献に記載
の方法により行なうことができる。例えば、無電解銅メ
ツキはホルムアルデヒドなどの還元剤で溶液中の銅イオ
ンを該メツキ処理物の表面に金属として析出させること
により行なうことができる。
無電解銅メツキ析出の主反応はメツキ溶液中のCu2+
錯体を(Cu−キレート剤)と表すと、次式で表される自
己触媒反応である。
[Cu−キレート]+2HCHO+4OH-→Cu°+2HCOO-+H2
+2H2O+キレート剤 また、無電解ニツケルメツキの還元剤としては、次亜
リン酸塩が最も一般的である。
無電解ニツケルメツキの基礎反応式は次のようである
(酸性浴)。
次に実施例を掲げ、本発明の方法をさらに具体的に説
明する。
実施例1 ポリカーボネート・プレート(市販品:厚み2mm)を1
45℃で3分間熱処理後、ノニオン界面活性剤(XO−7;明
成化学製)5g/lの水溶液中で50℃にて30分間脱脂・精練
後、水洗し乾燥した。
次いで、85%ジメチルホルムアミド水溶液に30℃で60
分間浸漬し水洗後、臭素10g/l水溶液に25℃で60分間浸
漬し水洗した。
次に、苛性ソーダ10g/lと過酸化水素20g/lの混合物水
溶液に45℃で180分間浸漬し水洗した。
更に、臭素10g/l水溶液に25℃で60分間浸漬し水洗
後、硫酸50g/lと過酸化水素30g/lの混合水溶液に45℃で
60分間浸漬し、水洗し乾燥した。
メツキ触媒として塩化パラジウムと塩化錫との混合液
(キヤタリストOPC80;奥野製薬)50mlと塩酸160ml及び
水790mlの混合液を調製した。
前記処理したポリカーボネートプレートを、この溶液
に25℃で2分間浸漬後水洗し、次いで活性化として硫酸
50mlと水950mlの混合液に45℃で3分間浸漬して、塩化
パラジウムを樹脂構造物表面に固定させた。
その後、水洗して無電解ニツケルメツキを行った。
無電解ニツケルメツキの条件は次の通りである。
〈ニツケルメツキ浴組成〉 次亜リン酸ニツケル 28g/l ホウ酸 12〃 硫酸アンモニウム 3〃 酢酸ナトリウム 5〃 pH:6.0 ニツケルメツキ浴に33℃で6分間浸漬した結果、均一
な鏡面状ニツケル膜が形成された。析出したニツケルメ
ツキ量は28%OWfで、表面電気抵抗は1.5Ω/cmで導電性
の良好な樹脂構造物であった。
比較例1 ポリカーボネート(市販品:厚み2mm)を145℃で3分
間熱処理後、ノニオン界面活性剤(XO−7;明成化学製)
5g/lの水溶液中で50℃にて3分間脱脂・精練後、水洗し
乾燥した。
次いで、85%ジメチルホルムアミド水溶液に30℃で60
分間浸漬し、水洗した。
次に、苛性ソーダ10g/lと過酸化水素20g/lの混合物水
溶液に45℃で180分間浸漬し、水洗した。
更に硫酸5g/lと過酸化水素30g/lの混合水溶液に45℃
で60分間浸漬し、水洗し乾燥した。
その後、実施例1と同じ条件下で無電解ニツケルメツ
キを行った結果、均一なメツキ膜が得られた。
ニツケルメツキ膜の量は28%OWfで、表面電気抵抗は
1.5Ω/cmで良好な導電性金属化樹脂構造物であった。
実施例1で得た構造物の金属皮膜の密着強さを比較例
1で得た構造物の金属皮膜の密着強さと比べた結果は、
下記表1の通りであり、本発明の方法で得られたものの
方が密着強度が大であった。
〈測定法〉 はがし試験法:メツキした面に針で1mm間隔で長さ10mm
の平行横線を10本ひき、次に、横線に垂直に1mm間隔で
長さ10mmの平行の縦線をひくことによりゴバン目状にカ
ツトする。この上に、市販のセロハンテープを貼り一気
に剥がし、セロハンテープと共に剥離したゴバン目の数
を読み取る。
実施例2 ポリエステル製マジツクフアスナーA面とB面(クラ
レ製)を、ノニオン界面活性剤(WS−20;第一工業製
薬)3g/lの水溶液中で50℃にて6分間脱脂・精練後、水
洗し乾燥した。
次いで、30%ギ酸水溶液に25℃で30分間浸漬し、水洗
後、ヨウ素15g/lとヨウ化カリ25g/lの混合物水溶液に25
℃で60分間で浸漬し、水洗した。
次に、硫酸100g/lと過炭酸ソーダ20g/lの混合物水溶
液に45℃で180分間浸漬し、水洗し乾燥した後、実施例
1と同じ条件下に無電解ニツケルメツキを行った結果、
均一なメツキ膜が得られた。
ニツケルメツキ膜の量は25%OWf、表面電気抵抗1.5Ω
/cmで導電性は良好であった。
比較例2 実施例2で用いたと同様のポリエステル製マジツクフ
アスナー(クラレ製)を、ノニオン界面活性剤(WS−2
0;第一工業製薬)3g/lの水溶液中で50℃にて60分間脱脂
・精練後、水洗し乾燥した。
次いで、20%ギ酸水溶液に25℃で30分間浸漬し、水洗
後、硫酸100g/lと過炭酸ソーダ20g/lの混合物水溶液に4
5℃で180分間浸漬し、水洗し乾燥した後、実施例1と同
じ条件下にニツケルメツキを行った結果、均一なメツキ
膜が得られた。
メツキ膜の量は24%OWfで、表面電気抵抗は1.5Ω/cm
で導電性が良好であった。
メツキしたA面とB面を繰り返し50回着脱させた結果
は、下記表−2の通りであり、本発明に従う実施例−2
の方が優れている。
実施例3 ポリ塩化ビニリデンフイラメントメツシユ(糸径0.1m
m、60メツシユ/インチ)をノニオン界面活性剤(ノイ
ゲンWS−20;第一工業製薬)5g/l水溶液中で40℃にて60
分間脱脂・精練し、水洗した。
次いで、25%テトラヒドロフラン水溶液に25℃で60分
間浸漬し、絞液し、水洗した後、ヨウ素10g/lとヨウ化
カリ15g/lの混合物水溶液に25℃で60分間浸漬し、水洗
した。
次に、硫酸80g/lと過酸化水素(35%)15g/lの混合物
水溶液に45℃で180分間浸漬し、水洗し乾燥した後、次
の条件により無電解銅メツキを行った。
メツキ触媒として、塩化パラジウムと塩化錫との混合
液(キャタリストOPC80;奥野製薬)50mlと塩酸160ml及
び水790mlの混合液を調製した。
前記処理したポリ塩化ビニリデンフイラメントメツシ
ユを、この溶液に25℃で2分間浸漬後、水洗し、次いで
活性化浴として硫酸50mlと水950mlの混合液に45℃で3
分間浸漬して、塩化パラジウムを繊維に固着させた。
その後、水洗して下記組成の無電解銅メツキ浴に28℃
で3分間浸漬することにより、均一な銅メツキの膜が得
られた。
〈銅メツキ浴組成〉 硝酸銅 15g/l 炭酸水素ナトリウム 10〃 酒石酸塩 30〃 38%ホルマリン液 100ml/l pH:11.5 形成した銅層は25%OWfで、表面電気抵抗は0.5Ω/cm
以下で良好な金属皮膜であった。
比較例3 実施例3で使ったと同じポリ塩化ビニリデンフイラメ
ントメツシユ(糸径0.1mm、60メツシユ/インチ)を、
ノニオン界面活性剤(ノイゲンWS−20;第一工業製薬
製)5g/l水溶液中で40℃にて60分間脱脂・精練後、水洗
し乾燥した。
次いで、25%テトラヒドロフラン水溶液に25℃で60分
間浸漬し、絞液し水洗した。
その後、硫酸80g/lと過酸化水素(35%)15g/lの混合
物水溶液に、45℃で180分間浸漬し、水洗し乾燥した
後、実施例3と同じ条件下に無電解メツキ浴に28℃で3
分間浸漬し、均一な銅メツキ膜が得られた。
実施例3の製品の金属皮膜の密着強さを、比較例3の
製品の金属皮膜の密着強さと比べた結果は下記表−3の
通りであり、本発明の方法の製品の方が密着強力が大で
あった。
〈測定方法〉 学振式摩擦試験:JIS L 0849 荷重200gで50回摩擦した。
セロハンテープ法:市販のセロハンテープを5〜7cmに
カツトし、試験面に強く圧着する。
10分後、そのセロハンテープを一気に剥離し、セロハン
テープへの転写の度合いを評価した。
実施例4 ABS樹脂プレート(市販品、厚さ2mm)120℃で10分間
熱処理後、ノニオン界面活性剤(XO−7;明成化学)5g/l
の水溶液中で50℃にて30分間脱脂・精練後、水洗し乾燥
した。
次いで、テトラヒドロフラン10%水溶液に30℃で60分
間浸漬し、水洗後、ヨウ化カリウム10g/l水溶液に30℃
で60分間浸漬し、水洗した。
次に、硫酸100g/lと過硫酸アンモニウム20g/lの混合
物水溶液に45℃で180分間浸漬し、水洗し乾燥した。
その後、実施例3と同じ条件下に無電解銅メツキを行
った結果、均一な鏡面状の銅メツキ膜が得られた。表面
電気抵抗は0.5Ω/cmであった。
比較例4 実施例4と同じABS樹脂プレートを脱脂・精練後、テ
トラヒドロフラン10%水溶液に30℃で60分間浸漬し、水
洗後、硫酸100g/lと過硫酸アンモニウム20g/lの混合水
溶液に45℃で180分間浸漬し、水洗し乾燥した。
その後実施例3と同じ条件下に無電解銅メツキを行っ
た。その結果、鏡面状の銅メツキ膜が得られ、表面電気
抵抗は0.5Ω/cmであった。
メツキ膜の密着強さを実施例1に記載のはがし試験法
により、実施例4の製品と比較例4の製品について比べ
た結果は表4の通りであり、本発明に従う実施例4の製
品の方が密着強さは大であった。
実施例5 ポリオキシメチレン樹脂プレート(デユラコン、厚み
2mm;ポリプラスチツク製)を100℃で2分間熱処理後、
ノニオン界面活性剤(XO−7;明成化学製)5g/lの水溶液
中で、50℃にて30分間脱脂・精練後、水洗し乾燥した。
次いで、臭化カリ10g/l水溶液に40℃で60分間浸漬
し、水洗してから、苛性ソーダ10g/lと過酸化水素20g/l
の混合物水溶液に45℃で180分間浸漬後、水洗し乾燥し
た。
次に、実施例3と同じ条件下に無電解銅メツキを行っ
た。その結果、均一な銅メツキ膜の形成が得られた。
比較例5 実施例5と同じポリオキシメチレン(デユラコン)を
100℃で2分間熱処理後、ノニオン界面活性剤(XO−7;
明成化学製)5g/lの水溶液中で50℃にて30分間脱脂・精
練後、乾燥した。
次に、苛性ソーダ10g/lと過酸化水素20g/lの混合物水
溶液に45℃で180分間浸漬後、水洗し乾燥した。
実施例5と同様にして無電解銅メツキを行った結果、
不均一な銅メツキ膜が形成された。
銅メツキ膜の密着強さを実施例5と比較例5について
比べた結果は表−5の通りであり、本発明の方法で形成
した実施例5の製品のメツキ膜の方が大であった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製構造物表面に無電解メツキ法に
    より金属被膜を形成する方法において、無電解メツキに
    先立ち、該合成樹脂製構造物の金属被膜を形成すべき表
    面に、ヨウ素、ヨウ化物、臭素及び/又は臭化物を付着
    せしめた後、上記構造物の該表面を無機過酸化物と接触
    させることを特徴とする合成樹脂製構造物表面の金属被
    覆方法。
  2. 【請求項2】合成樹脂製構造物の金属被膜を形成すべき
    表面を、該付着処理の前又は同時に、該合成樹脂に対す
    る溶剤を含む液体で処理する請求項1記載の方法。
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