JPH0742017B2 - 抄紙機の巻取機における巻取方法および巻取制御装置 - Google Patents

抄紙機の巻取機における巻取方法および巻取制御装置

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JPH0742017B2
JPH0742017B2 JP2129587A JP12958790A JPH0742017B2 JP H0742017 B2 JPH0742017 B2 JP H0742017B2 JP 2129587 A JP2129587 A JP 2129587A JP 12958790 A JP12958790 A JP 12958790A JP H0742017 B2 JPH0742017 B2 JP H0742017B2
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一史 加地
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有限会社加地製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、抄紙機の巻取機における巻取方法および巻取
制御装置に関する。
抄紙機のすき網部、プレス部および乾燥部を経て抄紙さ
れた紙は、普通いったん巻取機に巻き取られ、その後ス
ーパー仕上、断裁、巻替などの二次工程に回される。本
発明は二次工程に回される前の巻き取り、すなわち抄紙
機の仕上部に設けられた巻取機における巻取方法とその
制御装置に関する。
[従来の技術] 従来より巻取機には、巻取軸を回転させて紙を巻取る軸
心式リールと、巻取軸に巻取られる紙を回転ドラムの表
面に接触させて巻取る表面式リール(ポープ式リールと
もいわれる)とがある。
このポープ式リールの従来例を第8図に基づき説明す
る。
1は抄紙機で抄紙された紙、2は回転ドラム、3は巻取
軸、4は巻取アーム、5は空気圧シリンダである。巻取
アーム4は傾動自在に支持されており、空圧シリンダ5
によって、巻取軸3上の紙1が回転ドラム2に接触させ
られている。この接触による摩擦伝動により巻取軸3に
紙1が巻取られる。そして、紙1の巻取径が増大するに
つれ、巻取アーム4は実線図示の状態から鎖線図示の状
態に傾動していく。この間、空圧シリンダ5のロッド側
画室5aのエアーを適宜排出させ、ピストン側画室5bにエ
アーを供給することにより、回転ドラム2に対する接触
圧は、実質的に一定に保たれるように構成されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが前記従来の巻取機では、接触圧が一定のため、
つぎのような問題があった。
まず、紙自体に弾力性があることなどにより巻取径の小
さい間は適切な巻取固さが得られるが巻取径が大きくな
ると充分な巻取り固さが得られないといった傾向があっ
た。このため、通常は最初から接触圧を高く設定し、巻
取径が大きくなっても、適切な巻取り固さが得られるよ
うにしてした。
しかしながら、こうすると巻取径の小さい領域での巻取
り固さがきつくなりすぎ、パルプ材の樹脂やその他の不
純物(以下、ピッチという)が表側や裏側に巻き付けら
れた紙に強く付着するという問題が発生していた。
そしてこのピッチ障害があると、巻取りを終えた後のス
ーパー仕上げ、断裁、巻替などの工程で紙が裏側または
表側に付着した紙と一緒に引っ張られ紙切れを引起こし
てしまうため、これまでその解消が強く要望されてい
た。
本発明は、かかる事情に鑑み、前述したピッチ障害の生
ずることがない巻取り方法を提供することを目的とす
る。
また本発明は上記巻取方法を適切に実現する巻取制御装
置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の巻取方法は、巻取軸に巻取られる紙を回転ドラ
ムの表面に接触させて巻取る方法、すなわちポープ式リ
ールを用いる方法であって、巻取軸上の紙の回転ドラム
に対する接触圧を巻取径の増大に応じて増加させること
を特徴とする。
本発明において接触圧の増大は、巻取径と線形の関係に
あるものも、非線形の関係にあるものも含まれる。また
直線的に増加するものも連続的に増加するものも含まれ
る。
本発明の巻取制御装置は、上記巻取方法を実現するため
の装置であって、巻取軸を傾動自在に支える巻取アーム
と、該巻取アームを傾動させるアクチュエータと、前記
巻取軸に巻取られた紙の巻取径を検出して、該検出値に
基づき、巻取軸上の紙の回転ドラムに対する接触圧を巻
き取り径の増大に応じて増加させるよう前記アクチュエ
ータの出力を調整する制御ユニットとを備えたことを特
徴とする。
本発明の巻取制御装置において、巻取径の検出は、接触
または非接触で直接検出してもよく、または巻取アーム
の傾動角などから間接的に検出してもよい。さらに、巻
取アームを傾動させるアクチュエータとしては、空圧シ
リンダや油圧シリンダなどの直線運動アクチュエータの
ほか、揺動モータなどの回転運動アクチュエータであっ
てもよい。
[作用] 本発明の巻取方法によれば、巻取径の小さい間は低めの
接触圧で巻き取られ、巻取径が大きくなると高目の接触
圧で巻取られる。したがって、巻取径の大きい領域でゆ
るみを生じさせることなく、巻取径の小さな領域でも適
切な巻取固さで、巻取ることができる。このため、従来
生じていたような巻取径の小さな領域でのピッチ障害の
生ずる余地はなくなり、二次工程において紙切れの発生
することが少なくなった。
また本発明の制御装置によれば、巻取径の検出値に基づ
いてアクチュエータの出力を調整するので、これにより
接触圧を調整することができる。そして、この調整は制
御ユニットにより自動的に行われるので、接触圧の制御
が正確に行われることになる。
[実施例] つぎに本発明の実施例を図面に基づき説明する。
第1図は本発明の一実施例にかかわる巻取制御装置の概
略図である。
1は抄紙機で抄紙された紙であり、公知の抄紙機のすき
網部、プレス部および乾燥部を通過し、巻取機に供給さ
れる部分のみが示されている。紙1自体はパージンパル
プから抄紙したものでもよいが、古紙パルプから抄造し
た紙の方がピッチ障害が発生しやすいので、本発明の適
用のメリットが大きい。
2は回転ドラムであり、通常、鋳鉄製の円筒である。そ
して、適宜の原動機に連結されて矢印a方向に回転させ
られている。
3は巻取軸であり、通常、鋼管製である。そして、紙1
の巻取軸3に端末をテープなどで止めておき、順次巻き
付けられていく。
4は巻取アームであり、その上端はフォーク状に形成さ
れ前記巻取軸3を支持している。また、その基端はピン
6で床上のブラケット7に回動自在に支持されている。
5は空圧シリンダであり、ピストンロッド8が前記巻取
アーム4にピン連結され、シリンダ9が床上のブラケッ
ト10にピン連結されている。この空圧シリンダ5によ
り、巻取軸3上の紙1を回転ドラムに押し付け、適宜の
接触圧Pを得ている。
以上の機械的構成により、巻取軸3に巻回された紙1が
回転ドラム2に接触され、接触時の摩擦伝動により、巻
取軸3状に紙1が順々と巻取られていくようになってい
る。そして、巻き取りが進むにしたがって、巻取軸3は
回転ドラム2に近い位置から遠ざかるように動いていく
が、この動きはガイドレール(図示されていない)によ
って案内されるようになっている。
つぎに、制御ユニットを説明する。
11は巻取アーム4の傾動角Θを検出するセンサで、公知
のポテンショメータなどをピン6に取り付けることによ
り構成しうる。なお、これ以外の手段によって傾動角Θ
を検出しても良いこともちろんである。この傾動角Θは
巻取軸3上の巻取径Dの変化に応じて変動するので、そ
の検出値は巻取径Dを表す変数である。そして、検出値
Θはコントローラ17に入力される。このコントローラ17
の詳細は後述する。
一方、前記空圧シリンダ5のロッド側画室5aにはエアー
供給ライン12が、ピストン側画室5bにはエアー供給ライ
ン13がけそれぞれ接続されており、各供給ライン12、13
には4方向2位置切替型の電磁弁14を介してエアーが給
排されるようになっている。
また前記エアー供給ライン12には電空変換器15と減圧弁
16が介装されている。電空変換器15はコントローラ17か
らの電気信号に応じて出力側のエアー圧を替えるもの
で、たとえば入力圧が5Kgf/cm2であれば、0.1〜5Kgf/cm
2の範囲内で出力圧を変更できるものなどが用いられ
る。減圧弁16は供給ライン12の二次圧上限値を設定する
ために設けられている。
前記コントローラ17は、公知のプログラマブルコントロ
ーラなどが好適に用いられるが、第2図にはマイクロコ
ンピュータを用いたコントローラの例が示されている。
このコントローラ17は、巻取径Dに対応する適切な接触
圧Pを記憶しているROMや演算の実行に必要なCPU、RAM
などを備えている。そして、センサ11の検出値Θを入力
ポートから取り込むと所要の演算を実行し、出力ポート
から電気信号Eを出力する。そして、電空変換器15では
電気信号Eに対応する圧力にエアー圧を調整して、空圧
シリンダ5のロッド側画室5aにエアーを供給するように
なっている。
以上のごとく、ロッド側画室5aに供給するエアーの圧力
を調整すれば、第1図から明らかなように、巻取軸3上
の紙1を回転ドラム2に押し付ける接触圧を調整するこ
とができるのである。
つぎに、接触圧の制御内容を説明する。
本発明における制御方法では、巻取径Dの増大に応じて
接触圧Pを実質的に増加させていくことを特徴とする
が、その増加させるパターンには種々のタイプを考える
ことができ、それらは紙1の種類や巻取径Dの初期値と
最終値などのパラメータによって、適宜選択されるもの
である。
以下に、その代表的なパターンを例示する。
第3図に示される例は、巻取径Dの初期領域IDでは接触
圧が初期圧IPのまま一定で推移し、中間領域でMDでは線
形で増加し、後期領域FDでは再び最終圧FDで一定に推移
するものである。つまり、この例では出力圧Pの折れ点
が2カ所セットされている。
第4図に示される例は、第3図における折れ点をなく
し、連続的に変化するようにしたものである。
第5図に示される例は、巻取の最初から最後まで、線形
で増加するようにしたものである。
第6図に示される例は、巻取りの初期領域IDのみ初期圧
IPで推移し、その後は最終巻取まで線形に増加するよう
にしたものである。
第7図に示される例は、巻取の初期領域IDと中間領域MD
は線形に増加し、後期領域FDでは最終圧FPで推移するよ
うにしたものである。
なお、上記各例において、線形に変化する部分をカーブ
を描くように非線形に増加させても、さらに第6〜7図
の折れ点を連続的に変化させるようにしてもよいもので
ある。
以上のごとく、本実施例によれば、巻取初期の接触圧P
を異常に高くしなくてよいので、巻取初期の領域におけ
る巻取固さが適正値におさまり、その結果、巻き取られ
た紙同志の間にピッチのなどの不純物が強くこびりつく
ピッチ障害を効果的に防止することができる。また、こ
のため二次加工において、巻取られた紙1を巻き替えす
る際に紙切れが生じにくくなり、紙加工の歩留りを高め
ることができる。
[発明の効果] 本発明によれば、巻き取りに際してピッチ障害が生じ
ず、巻取後の二次加工において紙切れなどが生じないの
で、紙加工の作業能率や歩留りを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例にかかわる巻取制御装置の概
略図、第2図はコントローラの一例を示すブロック図、
第3〜7図はいずれも本発明の制御内容を示す巻取径−
接触圧関連図、第8図は従来の巻取機の概略図である。 (図面の主要符号) 1:紙 2:回転ドラム 3:巻取軸 4:巻取アーム 5:空圧シリンダ 11:センサ 12、13:エアー供給回路 15:電空変換機 17:コントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取軸に巻取られる紙を回転ドラムの表面
    に接触させて巻取る方法であって、巻取軸上の紙の回転
    ドラムに対する接触圧を巻き取り径の増大に応じて増加
    させることを特徴とする抄紙機の巻取機における巻取方
    法。
  2. 【請求項2】巻取軸に巻取られる紙を回転ドラムの表面
    に接触させて巻取る巻取制御装置であって、巻取軸を傾
    動自在に支える巻取アームと、該巻取アームを傾動させ
    るアクチュエータと、前記巻取軸に巻取られた紙の巻取
    径を検出して、該検出値に基づき、巻取軸上の紙の回転
    ドラムに対する接触圧を巻き取り径の増大に応じて増加
    させるよう前記アクチュエータの出力を調整する制御ユ
    ニットと を備えたことを特徴とする抄紙機の巻取機における巻取
    制御装置。
  3. 【請求項3】巻取径を、巻取アームの傾動角から間接的
    に検出することを特徴とする請求項2記載の巻取制御装
    置。
  4. 【請求項4】前記アクチュエータが、空圧シリンダであ
    る請求項2記載の巻取制御装置。
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