JPH0742012A - 湿式紡糸法及びその装置 - Google Patents

湿式紡糸法及びその装置

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JPH0742012A
JPH0742012A JP7886294A JP7886294A JPH0742012A JP H0742012 A JPH0742012 A JP H0742012A JP 7886294 A JP7886294 A JP 7886294A JP 7886294 A JP7886294 A JP 7886294A JP H0742012 A JPH0742012 A JP H0742012A
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flow tube
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JP7886294A
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Ryuichiro Hirano
竜一郎 平野
Koichiro Mori
幸一郎 森
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物性の良好な糸切れの少ない長期に渡る紡糸
安定性に優れた高速湿式紡糸方法、及びその装置を提供
する。 【構成】 凝固液供給部と、この供給部から一定距離を
おいた下流側に設けられた円錐放射状に穿孔された紡糸
ノズルからなる紡糸装置により、走行する柱状の凝固液
流の周囲から紡糸原液を吐出させた紡糸方法。 【効果】 糸立て作業性に優れ、かつ単糸切断の少ない
長期に渡り紡糸安定性に優れた糸を安価に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿式紡糸法及びその紡糸
装置に係わり、高速化が容易であり、更に糸立て作業性
に優れ、糸切れが少なく、長期間紡糸安定性に優れ、か
つ得られる繊維の物性が良好な湿式紡糸方法及びその紡
糸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】湿式紡糸方法は紡糸ノズルに設けた細孔
(以下、紡孔)より直接、又は一旦空中を走行した後、
凝固液中に紡糸原液を吐出させ、凝固液との接触により
凝固、もしくは再生等の反応を行なわせた後に凝固液と
分離し、水洗、薬液処理等の工程及び乾燥工程、更に必
要ならば熱処理工程を通して製品とする方法が一般に採
用されている。従来から湿式紡糸法は溶融紡糸法と較べ
て紡糸速度が遅く、労働生産性や設備生産性が低いとい
う欠点があり、この欠点を解決するために種々の高速紡
糸法の開発が試みられている。
【0003】紡糸原液を凝固液に通す前に、一旦空気等
の流体抵抗の小さい非凝固性流体中に通過させる、いわ
ゆるエアギャップ式湿式紡糸法(又は、ドライジェット
湿式紡糸法、半乾半湿式紡糸法、乾湿式紡糸法等とも呼
ばれる)は、非凝固性流体中で吐出された紡糸原液が流
動延伸される為に高速化に適した紡糸方法である。ま
た、エアギャップ式湿式紡糸法は、流動延伸により細デ
ニール化しやすいことや、紡糸ノズルが凝固液に浸漬さ
れていない為に、各々を独立に温度設定できること、ま
た例えば、ポリ−パラフェニレンテレフタルアミド(P
PTA)の様な光学異方性ドープの場合には流動配向に
より高強度化できる等の利点を有している。
【0004】更に、このエアギャップ式湿式紡糸法の高
速化を更に助長する為に、濾斗、細管、または細孔等
(以下、流管と称する)を用い凝固液を糸条引き取り方
向と同方向に流動させる、いわゆる流管紡糸法と組み合
わせたエアギャップ流管紡糸法による高速化に関し、特
開昭53−78230号公報、特開昭53−78231
号公報、特開昭56−128312号公報、特開昭57
−121612号公報、特開昭59−21709号公
報、特開昭59−157316号公報、特開昭60−9
4617号公報、特開昭61−102413号公報、特
開昭61−47814号公報、特開平1−111005
号公報など数多く提案されている。尚、ここで言う糸条
とは、吐出された紡糸原液が凝固液と接し凝固され始め
た状態から、完全に凝固を終了した状態までのいずれを
も総称するものである。
【0005】また、通常の流管紡糸法に関しても、特開
昭59−47416号公報、特開昭61−19805号
公報などによる高速化が試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記、エアギャップ流
管紡糸法又は流管紡糸法等の、いわゆる流動浴化によ
り、目的とする高速化は達成できる。しかし、この様な
流管による流動浴化は、一般に高速化しても流管断面積
を小さくする事で使用する凝固液量をできるだけ増加さ
せない工夫をしている。これは、凝固液使用量というコ
スト上の問題だけでなく、高速化に伴い増加する糸条と
凝固液との分離抵抗を減少させるという点からも望まし
い方向である。しかし、流管断面積を小さくした結果、
次のような問題が生じてくる。まず、流管断面積が小さ
くなることで糸立て作業が難しくなる。すなわち、糸立
て時には、紡糸ノズルから吐出された紡糸原液が未延伸
状態のために紡糸ノズル表面で塊状となる。この塊をう
まく取り除きながら流管に導くが、その際流管断面積を
小さくする事で塊が流管に詰まる可能性が高くなり、糸
立て作業が難しく、糸立て作業に要する時間、労力が大
幅に増加する。また、PPTAなどの強酸性溶剤を使用
する場合は、作業上の安全性の面からも問題が大きい。
【0007】また、流管断面積を小さくする事は、紡糸
中に凝固液面の揺れや凝固液中の異物により簡単に流管
が塞がれ、糸切れを起こす危険性が高くなる。これは、
単にその錘の欠錘による生産性の低下だけでなく、エア
ギャップ流管紡糸法では紡糸装置より溢れた紡糸原液や
凝固液が周囲の錘の糸条に接触し、多錘の糸切れにつな
がる。また、流管紡糸法の様に流管のみが開放口である
様な紡糸法の場合には、流管の閉塞により、高圧で吐出
された紡糸原液が紡糸装置を破壊してしまうか、或いは
凝固液の配管中に逆流し配管内で固化し配管を塞いでし
まう。通常、凝固液の配管は主配管から多錘に分岐させ
ているため、発見が遅れると主配管まで紡糸原液が侵入
し、多錘の切れ糸を引き起こし大きな被害を与える危険
性が高い。この様に、流管断面積を小さくする事により
運転管理に特別な留意が必要となってしまう。
【0008】これらの問題に対して、流管内を糸条が通
らない紡糸方法がいくつか考案されている。例えば、特
公平3−59161号公報においては、一対のシート状
の凝固液流を交差させ、その交差地点にエアギャップゾ
ーンを経由して紡糸原液を導く方法が提案されている。
この方法により流管詰まりの問題は解決できる。しか
し、この様に一対のシート状凝固液流を一点で交差させ
る方法では、粘度の低いシート状の凝固液流速度を上昇
させるにつれて2つのシートの交差による衝撃で液乱れ
が増大し、ここに導入される紡糸原液細流に大きな損傷
を与えるようになる。そのため、この様な方法では高速
化の達成は困難である。
【0009】本発明者らは、広範囲な検討を行い、数多
くのアイデアを検証した結果、従来紡糸法に比べ、糸立
て作業が容易であり、かつ流管の詰まりによる糸切れ等
の問題が発生せず、長期に亘って安定紡糸が可能であ
り、更に良好な物性を有する糸条を安価に製造できる、
高速化に好適な湿式紡糸の方法並びに装置を見いだし、
本発明をなすに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、凝
固液流が柱状を形成するように流出させ、該凝固液流の
進行方向に対する下流側に該凝固液流から隔離して設置
された紡糸ノズルから、該凝固液流に向けて紡糸原液を
吐出させ、一旦空間を走行させた後、該凝固液流に合流
させることを特徴とする湿式紡糸法であり、また柱状に
凝固液流を供給する凝固液供給部と該凝固液流の下流に
該凝固液流から隔離されて設けられた、該凝固液流に向
かって吐出するごとく配置された紡糸ノズルからなる湿
式紡糸装置である。
【0011】以下、詳細に本発明を説明する。本発明に
いう柱状とは、流管を通して吐出された、液量、速度お
よび進行方向が制御された液流を総称するものである。
本発明の紡糸法の最も重要な技術上のポイントは、柱状
をなして流動する凝固液流に対し、該凝固液流の進行方
向に対する下流側に設置された紡糸ノズルに穿孔された
紡孔より吐出された紡糸原液細流を合流させる点にあ
る。
【0012】これを、実施態様の一例を示す図1を引用
し詳細に説明する。凝固液は凝固液供給部1より供給さ
れ、流管2より所望の速度に設定された柱状の液流とし
て吐出される。本発明にいう吐出角度θは、凝固液流6
の流れ方向と紡孔4の軸線方向がなす角度である。紡糸
原液は、流管2の下流側に設置された紡糸ノズル3の紡
孔4より吐出され、紡糸原液細流7として、一旦空間を
走行させた後、合流点8で凝固液流6に合流され、凝固
液流6と共に走行しつつ凝固、もしくは再生反応を受け
る。
【0013】本発明の凝固液流6は流管2を介して供給
されるが、該流管2の形状、寸法、材質には特別の制約
は無く、凝固液流6の所望速度、紡糸原液の性質、紡糸
速度、デニール等を勘案して適切なものを選べばよく、
後述の実施例が参考になる。また、流管2は管状でなく
液流の断面の大きさを規制するためのオリフィスであっ
てもよく、その断面は円はもちろん、正方形、長方形、
三角形、或いはスリット状等であってもよい。
【0014】流管2より吐出された凝固液流6は吐出さ
れた直後は連続した柱状をしていることが好ましいが、
徐々に断続化し、更に末端では液滴化する。流管2の下
流側に設けられた紡糸ノズル3からこの凝固液流6に向
かい紡糸原液細流7を合流させる際には、合流点8は凝
固液流6が実質的に連続柱状状態の位置であることが紡
糸原液細流7と凝固液流6の均一な接触を行なうために
必要であり、流管2の下端から合流点8までの距離が短
いほど好ましい。流管2から吐出された凝固液流6が実
質的に連続である距離は、凝固液粘度、凝固液速度等に
より変化するので、例えばストロボ発光器等を用いて液
流の連続化状態観察により距離を設定することができ
る。粘度1cpの水の場合、流速1000m/分では1
000mm位までは実質的に連続流である。
【0015】本発明による紡孔4は、凝固液流6に合流
すべく穿孔される。例えば、円上に配置される場合は、
図2(a)に示すように穿孔面が円錐面の内面を形成す
るように穿孔される。紡孔4の配列は、円状、正方形
状、長方形状、三角形状、あるいはそれらの多重穿孔
等、流管2の断面形状に合わせて選ばれればよい。ま
た、孔数は目的とする単糸数、デニールに応じて設定さ
れればよい。穿孔される紡孔4の断面形状は、円はもち
ろん異形糸製造用の異形断面でも構わない。円の場合の
紡孔直径は、紡糸原液の種類、原液濃度、延伸倍率など
により適切な値に設定されればよいが、紡糸時の孔詰ま
りなどの面から、30μm以上あることが好ましい。
【0016】更に、本発明の紡糸ノズル3は紡孔穿孔面
の上方部分に、凝固液流6を通過させるための開口部を
有した構造になっている。この開口部を通して、流動す
る凝固液流6に対し、紡孔4より吐出された紡糸原液細
流7は合流せしめられる。紡糸原液細流7の吐出線速度
は、設定紡糸速度、設定凝固液流速度、紡糸原液の種類
や粘度、また凝固液の粘度等により決めればよい。
【0017】次に、吐出角度θの大きさを選択する事に
より本発明の効果を更に高める事が出来る。すなわち、
紡孔4より吐出された紡糸原液細流7が柱状の凝固液流
6に合流される際に、θが小さいほど紡糸原液細流7の
凝固液流6方向の速度成分が大きくなり、糸物性及び高
速化に有利である。したがって、θは小さく設定する事
が好ましい。一方、θが90゜を超える場合、凝固液流
6の進行方向に逆行して紡糸原液細流7を吐出する事に
なり、好ましくない。したがって、θは上記の問題を考
慮して0゜<θ≦90゜の範囲で設定されることが好ま
しい。
【0018】また、紡孔4と合流点8の間の空間走行距
離は、θの大きさや紡孔4の穿孔位置に応じて選ばれる
が、孔数が多くなり、該距離が長くなる程、各孔から吐
出された紡糸原液細流7の進行方向のずれが拡大し、合
流点8のずれによる単糸間の物性ばらつきが生じ易いの
で、これらも勘案して条件設計するとよい。次に、本発
明の紡糸装置について説明する。
【0019】本発明になる装置においては、図1に示す
如く、凝固液流を供給するための凝固液供給部1が設置
され、該凝固液供給部1には流管2が付設される。更
に、凝固液流6の進行方向に対して下流側に紡糸ノズル
3が、凝固液流6を外周側から取り囲むように設けられ
る。紡糸ノズル3の縦断面図の一例を図2(a)に、ま
た該紡糸ノズル3の横断面図、および斜視図を(b)、
(c)に示す。紡糸ノズル3は凝固液流6を外周側から
取り囲むことができれば、図2のように一体化したもの
でもよく、また凝固液流6を取り囲むようにいくつかの
紡糸ノズルを組み合わせて構成してもよい。本発明の方
法の説明に記した如く選ばれればよい。流管2の形状、
紡糸ノズル3の設置距離、紡糸ノズル3の構造、紡孔4
の孔形状、孔配列、吐出角度θの設計については、本発
明になる湿式紡糸法に記載した内容に準ずる。
【0020】また、本発明に用いられる凝固液や紡糸原
液は公知の方法で製造されたものを用いることができ、
特に延伸倍率の少ないビスコースレーヨンなどに効果が
あり、組成、温度等の条件は常用される条件をとる事が
できる。
【0021】
【実施例】本発明を具体的な実施例で更に詳しく説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中特に断らない限り、百分率は重量に
よるものである。
【0022】
【実施例1】98.5%硫酸を用い、30℃、0.5g
/100ccで測定される固有粘度(ηinh )が7.0
5のポリ−パラフェニレンテレフタルアミドを、ポリマ
ー濃度が18.7%となる様に99.7%の濃硫酸に、
80℃に保ちながら溶解し、紡糸原液を調整した。この
紡糸原液は光学的異方性を示す事が、直交ニコル下の偏
光顕微鏡で確認された。この紡糸原液を真空下2時間静
置脱泡後紡糸に用いた。ギアポンプにてフィルターを経
て紡糸ノズル3に送り紡糸した。
【0023】フィルターはSUS316製の焼結不織布
であって、5μmまで濾別除去されるものを用いた。凝
固液は0℃の30%硫酸を用いた。図1に示す紡糸装置
を用い、紡糸ノズル3としてはタンタル製の直径0.0
7mmφの紡孔4が50個円周上に穿孔されており、吐
出角度θが30゜、紡孔4の穿孔された円の直径(図中
D1 )が15mmのものを用いた。また流管2としては
断面が円形であり、その内径3.0mmφのガラス管を
10mmに切断したものを用い、流管2下端から合流点
8までの距離は50mmとなる様に取り付けた。紡糸原
液の紡孔吐出速度を50m/分、凝固液流速度を400
m/分に設定し、合流点8より1000mm自由落下さ
せた後、凝固液流より糸条を引き出し、引き出された糸
条を、巻取り速度400m/分でステンレス鋼製ボビン
に巻取った。次いで得られた繊維をボビンに巻き付けた
まま流水中で一昼夜水洗した後、130℃のエアオーブ
ン中で一夜乾燥した。
【0024】得られた繊維は、75デニール、乾強度2
5.5g/d、乾伸度6.5%、初期モジュラス350
g/dという良好な値を示した。糸立て作業は容易であ
り、また、10錘で30日間連続で紡糸を行なったが、
安定した紡糸状態が維持され、糸切れは1錘も発生しな
かった。また、30日後の糸物性は殆ど悪化していなか
った。
【0025】
【実施例2】紡糸ノズル3の吐出角度θが45゜である
以外は実施例1と同じ条件で紡糸を行なった。得られた
繊維は、75デニール、乾強度25.0g/d、乾伸度
6.3%、初期モジュラス347g/dという良好な値
を示した。
【0026】
【実施例3】紡糸ノズル3の吐出角度θが60゜である
以外は実施例1と同じ条件で紡糸を行なった。得られた
繊維は、75デニール、乾強度24.8g/d、乾伸度
6.0%、初期モジュラス344g/dという良好な値
を示した。
【0027】
【実施例4】紡糸ノズル3の吐出角度θが90゜である
以外は実施例1と同じ条件で紡糸を行なった。得られた
繊維は、75デニール、乾強度24.0g/d、乾伸度
5.6%、初期モジュラス339g/dという良好な値
を示した。
【0028】
【比較例1】特開昭60−94617号公報の図1に記
載のエアギャップ流管紡糸用の紡糸装置を用い、ポリ−
パラフェニレンテレフタルアミドの紡糸を行なった。紡
糸原液、凝固液は実施例1と同一のものを使用した。紡
糸ノズルは直径0.07mmφの紡孔が50個穿孔され
たものを使用した。紡糸原液の吐出速度50m/分、凝
固液流速度400m/分に設定し、引き出された糸条
を、巻取り速度400m/分で巻取り、実施例1と同様
の後処理を行なった。
【0029】得られた繊維は、75デニール、乾強度2
2.0g/d、乾伸度5.5%、初期モジュラス300
g/dであり、本発明の実施例よりも低い値を示した。
また、この紡糸法による10錘での連続紡糸を行なった
が、15日目から、液面の乱れによる糸切れ、並びにそ
の際の紡糸原液による流管閉塞が発生し始めた。
【0030】
【実施例5】アクリロニトリル単独で常法に従って重量
平均分子量7万のホモポリマーを得た。ポリマー濃度を
18%とし、69%の硝酸水溶液に−3℃にて溶解し、
紡糸原液を作製した。凝固液は30%の硝酸水溶液と
し、温度を−1℃とした。SUS316製で、直径0.
1mmφの紡孔4を50個穿孔した以外は実施例1と同
仕様の紡糸ノズル3を用い、また流管2も実施例1と同
じ物を使用した。紡糸原液の吐出速度を55m/分、凝
固液流速度を100m/分に設定し、引き出された糸条
を緊張定長下にて水洗後、85℃の蒸気中で5倍に延伸
し500m/分で乾燥工程に送った。得られた繊維は、
100デニール、乾強度4.0g/d、乾伸度40%、
沸水収縮率0%という良好な値であった。
【0031】
【実施例6】通常のビスコース(水酸化ナトリウム6
%、セルロース8.5%、γ価40、粘度50秒)を凝
固液(硫酸120g/リットル、硫酸ナトリウム260
g/リットル、硫酸亜鉛15g/リットルを含む水溶
液、粘度3.5cp)中に紡糸した。
【0032】紡糸ノズル3としてはハステロイC製の
0.05mmφ直径の紡孔4が33個穿孔されている以
外は実施例1と同じものを使用した。ビスコース吐出速
度1000m/分、凝固液流速度600m/分の条件で
糸を引出し、800m/分の巻取り速度で巻取った。こ
のようにして得られた繊維は、75デニール、乾強度
1.85g/d、乾伸度20.0%、紡糸毛羽数5個/
106mという良好なものであった。次に、10錘で5
0日間連続して紡糸した。この間、糸切れによる欠錘は
皆無であった。50日後の繊維は、75デニール、乾強
度1.85g/d、乾伸度19.5%、紡糸毛羽数7個
/106mであり、50日間の連続紡糸による糸物性、
毛羽数の悪化も見られなかった。
【0033】
【実施例7】実施例6と同じビスコース、凝固液、紡糸
装置を用い、ビスコース吐出線速度1400m/分、凝
固液速度1000m/分の条件で糸を引出し、1600
m/分の巻取り速度で巻取った。この様にして得られた
繊維は、50デニール、乾強度2.21g/d、乾伸度
14.0%という良好なものが得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明の湿式紡糸法及びその装置は、所
望の速度に設定された実質的に連続状態の柱状の凝固液
流に対して周囲より紡糸原液を吐出させているので、高
速化が容易に行なえる。更に、本発明の紡糸法及びその
装置によれば、従来の流管紡糸法やエアギャップ流管紡
糸法等のような糸条が狭い流管内を通過する高速湿式紡
糸法が抱えていた糸立て作業性や流管詰まりに起因する
糸切れ等の問題が解決できる。この結果、本発明は、糸
物性に優れ、かつ長期間安定紡糸が可能な高速紡糸がで
きるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式紡糸法及びその装置の一実施態様
を模式的に示す断面図。
【図2】本発明の紡糸ノズル3の実施態様を示す縦断面
図(a)、横断面図(b)、斜視図(c)の一例(尚、
紡糸原液供給口は省略)。
【符号の説明】
1 凝固液供給部 2 流管 3 紡糸ノズル 4 紡孔 5 紡糸原液供給口 6 凝固液流 7 紡糸原液細流 8 合流点 10 凝固液供給口 θ 吐出角度 D1 紡孔配列円直径

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凝固液流が柱状を形成するように流出さ
    せ、該凝固液流の進行方向に対する下流側に該凝固液流
    から隔離して設置された紡糸ノズルから、該凝固液流に
    向けて紡糸原液を吐出させ、一旦空間を走行させた後、
    該凝固液流に合流させることを特徴とする湿式紡糸法。
  2. 【請求項2】 柱状に凝固液流を供給する凝固液供給部
    と該凝固液流の下流に該凝固液流から隔離されて設けら
    れた、該凝固液流に向かって吐出するごとく配置された
    紡糸ノズルからなる湿式紡糸装置。
JP7886294A 1993-05-28 1994-04-18 湿式紡糸法及びその装置 Withdrawn JPH0742012A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102505648B1 (ko) * 2021-09-24 2023-03-06 울산과학기술원 습식 방사 장치 및 그 습식 방사 장치를 이용한 습식 방사 방법

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KR102505648B1 (ko) * 2021-09-24 2023-03-06 울산과학기술원 습식 방사 장치 및 그 습식 방사 장치를 이용한 습식 방사 방법

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