JPH0741926B2 - 包装袋 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、食品等を収納して、電子レンジで調理可能
な包装袋に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

近年、電子レンジなどで再加熱するだけで、食卓に供す
ることができる調理済或は半調理済食品が増加してお
り、このような食品の味や品質の劣化を防ぐため、光や
空気、水分などに対してバリヤー性の優れたアルミニウ
ム箔などの金属薄膜層を含む包装材料で密封包装するこ
とが一般に行なわれている。

しかしながら、金属薄膜層は、マイクロ波を反射してし
まうため、上記のような包装形態のものをそのまま電子
レンジに投入しても、内容物を加熱することができず、
また電子レンジ自体の故障の原因にもなるため、包装体
を開封して内容物を取り出し、他の容器に移し換えて加
熱している。しかし、その場合も、容器をさらにラップ
フィルムで包む必要があり、非常に面倒である。

そこで、この発明の目的は、上記のような開封、移し換
え、加熱準備などの手間を省くため、金属薄膜層の部分
を手で除去することができ、従ってそのままで調理可能
な包装袋を提供することである。

〔目的達成の手段〕

上記の目的を達成するため、この発明の包装袋は、内面
が熱封緘可能な合成樹脂基材の外面に、接着剤層及びそ
れよりも接着強度の弱い樹脂層から成る易剥離接合層を
介して、金属薄膜層を含むガスバリヤー層が積層された
シートより成り、このシートの前記熱封緘可能な内面を
対向させてその周縁部が封緘された袋体の熱封緘部に、
少なくとも一方のシートの基材に達するハーフカットが
設けられていることを特徴とする。

〔作用〕

前記のシートで形成した包装袋の熱封緘部は、ハーフカ
ットが設けてあるため、折り曲げて切り目を拡げること
により、切り目の端面部で金属薄膜層を含むガスバリヤ
ー層が部分的に露出し、そしてこのガスバリヤー層は、
易剥離接合層を介して基材と積層されているため、手で
簡単に剥離でき、これを取り去ると、合成樹脂基材から
成る包装袋が残り、これはマイクロ波を透過するから、
そのまま電子レンジで調理することができる。

〔実施例〕

まず、袋体を形成するシートの構造について説明する。

第１図に示すように、シート１は、合成樹脂基材２の内
面に熱封緘層３、外面に、比較的接着強度の弱い樹脂層
４及び接着剤層５から成る易剥離接合層を介して、ガス
バリヤー層としての金属箔や金属蒸着フィルムのような
薄膜層６を積層したものである。なお、金属薄膜層６の
外面に表面保護層７を設けておくのがよい。この層７は
合成樹脂のコーティングや合成樹脂フィルムの貼り合せ
などによって形成する。また、金属薄膜層６の外面に印
刷層を設けておくことができる。

上記基材２には、ポリエステル、ナイロン（商品名）、
ポリプロピレンなどが好適であり、それらの単体、複合
体のいずれであってもよい。また、熱封緘層３として
は、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体な
どが用いられる。なお、基材２自体に熱封緘性があれ
ば、この層３を省略することができる。

前記樹脂層４は、比較的接着強度の弱い、例えばビニル
樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂やポリアミド樹脂な
どの単体或は混合物から成り、この樹脂のパートコート
によって形成されたものであって、そのパターンの一例
は、第３図（イ）、（ロ）、（ハ）に示すように、コー
トしない部分が点状、線状、格子状などの模様を形成す
るようにする。この樹脂層４を第１図とは逆に金属薄膜
層６に設けてもよい。また場合によっては、全面に塗布
することができる。

このように、接着剤層５とそれよりも接着強度の弱い樹
脂層４を接合界面に混在させることによって、通常の接
着剤層のみでは手で容易に剥離することができない接合
面の接着強度を弱め、手で容易に剥離できる程度に制御
することができる。

また、接着剤の種類に応じて樹脂層４の塗布密度を選択
することにより、接着強度を手で容易に剥離できる程度
に一定に保つことができる。

第２図に示すように、金属薄膜層６の内面に、補強層
６′を設けておくことができる。この層６′は、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ナイロン、エポキシ樹脂など
から成り、レトルト処理の際の金属薄膜層の腐食を防止
すると同時に、ガスバリヤー層としての厚みを増加せし
め、剥離を容易にするのにも役立つ。

第４図は、上記のようにシート１を用いて形成した袋体
の一例を示す。

まず、シート１を、熱封緘層３を内面にして、２つ折り
にして重ね合せ、その折目11を除く３方の周縁部を熱封
緘して、鎖線で示すような熱封緘部12を形成すると、袋
体10が出来上る。勿論、内容物は、袋体10の内部に封入
されている。

袋体10の形成方法は、上記に限らない。例えば、２枚の
シート１を重ね合せて、その周縁部を全周にわたって熱
封緘し、袋体10を形成してもよい。このような平袋のほ
か、自立袋など、袋の形態は任意である。

このような袋体10の熱封緘部12には、ハーフカット８が
施されている。このハーフカット８は、第５図に示すよ
うに、少くとも基材２に達する切り目であって、袋体10
の金属薄膜層６を剥離する手がかりになるものである。
即ち、この切り目に沿って、それが拡がるように折り曲
げると切り目の端面において金属薄膜層６と基材２が少
し分離するので、その部分をつまんで金属薄膜層６を剥
離していくことができる。

上記ハーフカット８は、第４図に示すように、袋体10の
隅角部に設けるのがよく、また、袋体10の両面から金属
薄膜層６を除去するため、一方のハーフカット８は、裏
面に設けておく。或は、第５図の鎖線で示すように、他
方のシートの金属薄膜層６まで達する深いハーフカット
８′を設けると、表面に設けたハーフカット８′で裏面
の金属薄膜層６を剥離する手がかりが得られる。

この袋体10を調理に供するには、まず、第４図に示すハ
ーフカット８に沿って、袋体10の隅角部を折り曲げる
と、切り目の端面では金属薄膜層６と基材２が分離して
いるので、金属薄膜層６を手でつまむことができる。そ
こを手がかりとして金属薄膜層６を表面保護層７と共に
引張ると、基材２から剥離される。袋体10の反対面も、
同様にして金属薄膜層６を剥離すると、合成樹脂基材２
から成る袋が残る。この袋を電子レンジに入れて調理す
ればよい。

なお、補強層６′が設けられている場合は、金属薄膜層
６と共に、上記の手順で剥離すればよい。

〔効果〕

この発明の包装袋は、以上のように、合成樹脂基材と金
属薄膜層との積層体より成るから、強靭でバリヤー性に
優れており、流通、保管などの取扱いに充分耐えること
ができ、かつ内容物の変質を防止することができ、また
金属薄膜層を容易に剥離可能に基材に積層しかつハーフ
カットを設けてあるので、電子レンジの加熱調理にも、
金属薄膜層を取り去るだけで、そのまま用いることがで
きる。

即ち、この発明の包装袋は、流通、保管、調理に至るま
で、一貫して使用することができるので、取扱いに非常
に便利で手間が省け、同時に資源の節約にも役立つとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの発明の包装袋用シートの断面
図、第３図は同上の間欠的樹脂層のパターンを示す平面
図、第４図は袋体の一例を示す平面図、第５図はハーフ
カットを施した部分の拡大断面図である。 １……包装体用シート、２……合成樹脂基材、３……熱
封緘層、 ４……樹脂層、５……接着剤層、６……金属薄膜層、 ６′……補強層、７……表面保護層、８、８′……ハー
フカット、 10……袋体、11……折目、12……熱封緘部。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−182076（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−32054（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−55432（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−109628（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭50−107582（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内面が熱封緘可能な合成樹脂基材の外面
   に、接着剤層及びそれよりも接着強度の弱い樹脂層から
   成る易剥離接合層を介して、金属薄膜層を含むガスバリ
   ヤー層が積層されたシートより成り、このシートの前記
   熱封緘可能な内面を対向させて周縁部が熱封緘された袋
   体の熱封緘部に、少くとも一方のシートの合成樹脂基材
   に達するハーフカットが設けられている包装袋。