JPH0741755B2 - ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法 - Google Patents

ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法

Info

Publication number
JPH0741755B2
JPH0741755B2 JP11761685A JP11761685A JPH0741755B2 JP H0741755 B2 JPH0741755 B2 JP H0741755B2 JP 11761685 A JP11761685 A JP 11761685A JP 11761685 A JP11761685 A JP 11761685A JP H0741755 B2 JPH0741755 B2 JP H0741755B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
painting
pattern layer
film
transfer film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11761685A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61275000A (ja
Inventor
治雄 宮下
隆至 樽谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP11761685A priority Critical patent/JPH0741755B2/ja
Publication of JPS61275000A publication Critical patent/JPS61275000A/ja
Publication of JPH0741755B2 publication Critical patent/JPH0741755B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラス質またはセラミツク質表面を有する基
材、すなわち、一般的にはガラス製品、または陶磁器
類,セメント成形品,ホウロウ製品,煉瓦等からなるセ
ラミツク成形品への絵付を行う方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付
けを行なう方法としては、着色ガラスフリツトを含有す
るインキで直接描画する方法や、焼成顔料を含有する印
刷用インキによる印刷模様層を有する転写用フイルムの
前記印刷模様層を転写する方法が存する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、前記絵付方法において、前者の直接描画する
方法は、同一規格品を大量に得ることができないばかり
か高価格になるという欠点を有するし、また、後者の転
写用フイルムを利用する方法では、絵付けされる面が平
坦でないと適用できないという欠点を有している。
これに対して、本発明のガラス質またはセラミツク質表
面を有する基材への絵付け方法は、前記従来の絵付け方
法における欠点を悉く解消するもので、絵付けされる面
の形状に制限を受けることがなく、しかも、絵付けされ
る基材表面と絵付け模様層との間の密着強度に優れた絵
付け模様の同一規格品を大量に得ることのできる方法を
提供し得たものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のガラス質またはセラミツク質表面を有する基材
への絵付け方法は、特定の成分を含有する印刷インキで
形成されている印刷模様層を有する転写用フイルムを得
た後、前記転写用フイルムにおける印刷模様層が乾燥し
て湿潤性を失う前に、水圧法により、前記印刷模様層を
基材表面に転移させ、次いで、絵付け用基材の表面であ
るガラス質またはセラミツク質表面に、前記印刷模様層
中の着色剤を強固に固定させるものである。
本発明のガラス質またはセラミツク質表面を有する基材
への絵付け方法は、水溶性もしくは水膨潤性フイルム
に、焼成顔料からなる着色剤と昇華性樹脂からなるベヒ
クルと遅乾性溶剤とを含有する印刷インキによる印刷模
様層を形成し、転写用フイルムを得ることからなる第1
工程と、前記第1工程で得られた転写用フイルムにおけ
る印刷模様層が乾燥して湿潤性を失う前に、該転写用フ
イルムの前記印刷模様層面が上面となるようにして前記
転写用フイルムを水面に浮かべる第2工程と、同じく前
記転写用フイルムにおける印刷模様層が乾燥して湿潤性
を失う前に、前記水面に浮かべてある転写用フイルムの
上面から絵付けされるガラス質またはセラミツク質表面
を有する基材を押し入れ、前記転写用フイルムを、絵付
け用基材のガラス質またはセラミツク質表面に、水圧に
より纏り付かせ、延展,密着させる第3工程と、前記転
写用フイルムにおける印刷模様層を、前記基材のガラス
質またはセラミツク質表面に転移させた後、前記転写用
フイルムにおける水溶性もしくは水膨潤性フイルムを除
去する第4工程と、絵付け面に前記印刷模様層が転移さ
れている前記絵付け用基材に付着している水分を除去す
る第5工程と、前工程で得られた基材の印刷模様層の付
着面に、ガラスフリツトスラリーからなるコーテイング
材によるコーテイング層を必要に応じて形成した後、前
記絵付け用基材の表面に付着している昇華性樹脂が昇華
する温度以上の温度で焼成することにより、絵付け用基
材の表面に、焼成顔料を固定する第6工程とを施すもの
である。
以上の通りの構成からなる本発明のガラス質またはセラ
ミツク質表面を有する基材への絵付け方法においては、
絵付けされる基材に対して直接本発明の前記諸工程を実
施しても良いが、絵付けされる基材のガラス質またはセ
ラミツク質表面に、ガラスフリツトスラリーを塗布,乾
燥したりあるいはスキージーオイルを塗布,乾燥する等
の絵付け用前処理を予め施したうえで、前記本発明の諸
工程を実施してもよい。
なお、ガラスフリツトスラリーの塗布,乾燥による前処
理は、本発明の絵付け方法において得られる絵付け品の
絵付け面を艶出し状態にするものである。このガラスフ
リツトスラリーの塗布,乾燥からなる前処理が絵付け用
基材の表面に予め施されている場合には、本発明の前記
第6工程中において所望に応じて実施されるコーテイン
グ剤の塗布工程を省略し得るし、この場合には、焼成温
度にもよるが、絵付け面が艶消し状態の絵付け品とな
る。
絵付けが施される絵付け用基材に対して所望に応じて実
施される前記前処理工程で使用されるスキージーオイル
は、鉱物油,植物油,合成乾性油,各種溶剤等に必要に
応じて可塑剤,樹脂類等を配合したもので、シルクスク
リーン版上に載置しただけでは版を通過することはない
が、スキージーでの加圧,摺動により版を通過する程度
の粘度を有する流動物質からなるものであり、例えば、
テレビン油,ブチルカルビトールアセテート,ソルベツ
ソ,キシレン,ブチルセロソルブ,タービネオイル,セ
ロソルブアセテート、各種アルキルアルコール,アセテ
ート,プロピオネート、高級アルキルエステル,松根油
等に必要に応じて、アクリル酸エステル系樹脂、メタク
リル酸系樹脂、これらの共重合樹脂、ブチラール樹脂、
セルロースアセテートブチレート,ニトロセルロース,
セルロースアセテート,セルロースアセテートプロピオ
ネート,エチルセルロース,メチルセルロース等のセル
ロース系樹脂,アルキツド樹脂,ポリエチレンオキサイ
ド,フエノール樹脂,ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリ
エステル,メラミン−アルキツド樹脂、ビニル系樹脂等
が添加されたものである。
また、絵付けが施される絵付け用基材に対して所望に応
じて実施される前処理工程の際に使用されたり、転写用
フイルムにおける印刷模様層を形成するための印刷イン
キ中に所望に応じて含有されたり、更には、第6工程に
おいて所望に応じて実施されるコーテイング剤の塗布工
程の際のコーテイング剤中に含有されたるするガラスフ
リツトは、例えば、PbO78%,SiO210%,B2O312%からな
る低融点ガラスや、PbO−B2O3系,PbO−B2O3−SiO2系,Pb
O−ZnO−B2O3系,SnO2−TiO2−SiO2−PbO−CdO系等のガ
ラスよりなる粒径2〜30μ程度のものが利用される。
更に、絵付けが施される絵付け用基材に対して所望に応
じて実施される前処理工程で使用されるガラスフリツト
スラリーは、前述のスキージーオイルもしくは水に前述
のガラスフリツトを添加,混練したもので、一般的には
スキージーオイル100重量部に対してガラスフリツト40
〜80重量部程度を混練したものが利用される。なお、絵
付けが施される絵付け用基材に対して所望に応じて実施
される絵付け用前処理たる前述のスキージーオイルの塗
布やガラスフリツトスラリーの塗布は、スプレー法,浸
漬法等で実施されるのが一般的であるが、絵付け用基材
がほうろう製品で、スラリーが水性の場合には電気泳動
法を利用することもできる。
次に、本発明方法で利用する転写用フイルムにおける水
溶性もしくは水膨潤性フイルムとしては、水面に浮かべ
ることにより吸水して膨潤する性質を有するとともに、
水面上より物体を押し入れることにより容易に延展して
物体の形状に沿つて変形し、なおかつ、通常の印刷工程
に付し得るものが利用される。具体的には澱粉系フイル
ム,ポリビニルアルコール樹脂フイルムないしポリビニ
ルアルコール樹脂を主体とする混合樹脂フイルム、例え
ばポリビニルアルコールと澱粉との混合系からなるフイ
ルム等の水膨潤性ないし水溶解性のフイルム、あるいは
前記各フイルムの原料を、紙,不織布,布,各種多孔質
フイルムなど、液体、特に水を浸透する性質を有する基
体シートにコーテイングするか、または前記水膨潤性な
いし水溶解性のフイルムを前記基体シートにラミネート
したラミネートシート等が利用される。
水溶性もしくは水膨潤性フイルムの表面に形成される印
刷模様層は、焼成顔料からなる着色剤と昇華性樹脂から
なるベヒクルと遅乾性溶剤とを必須の含有成分とし、場
合によつて無色もしくは着色ガラスフリツト等を含有す
る印刷インキによつて形成されるもので、前記水溶性も
しくは水膨潤性フイルムに仮接着し易く、さらに被転写
体の表面に対しての易接着性が発現されるような昇華性
樹脂をベヒクルとして含有する印刷インキが使用され
る。
なお、前記印刷インキ中の必須の含有成分たる焼成顔料
としては、例えば、 Fe,Cr,Znの酸化物 ……褐色 Zn,Co,Alの酸化物 ……青色 Ti,Zn,Co,Ni,Crの酸化物 ……緑色 Ti,Ba,Ni,Pb,Sb,Cdの酸化物 ……黄色 Cd,Se,Sの酸化物 ……赤色 Fe,Cu,Mn,Cr,Coの酸化物 ……黒色 をはじめ、CdS,CaO等が使用される。また、同じく必須
の含有成分たる昇華性樹脂からなるベヒクルとしては、
例えば、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸系樹
脂、これらの共重合樹脂、ブチラール樹脂、セルロース
系樹脂、アルキツド樹脂、ポリエチレンオキサイド、フ
エノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステ
ル,メラミン−アルキツド樹脂、ビニル系樹脂、マレイ
ン酸樹脂等が使用される。更に、前記印刷インキ中の必
須の含有成分たる遅乾性溶剤としては、絵付け用基材の
表面を構成しているガラス質またはセラミツク質を侵触
するようなことのない性質の溶剤、例えば、ペンタン,
ヘキサン,ヘプタン,オクタン等、あるいはこれらの混
合液であるガソリン,石油,ベンジン,ミネラルスピリ
ツト,石油ナフサ等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン,ト
ルエン,キシレン,シクロヘキサン,エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素類、トリクロルエチレン,バークロル
エチレン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素類、メチルアルコール,エチルアルコール,プロ
ピルアルコール,ブチルアルコール,アミルアルコー
ル,ベンジルコール,ジアセトンアルコール等の一価ア
ルコール類、エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,グリセリン等の多価アルコール類、アセトン,メチ
ルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキ
サノン,メチルシクロヘキサノン,イソホロン等のケト
ン類、エチルエーテル,イソプロピルエーテル,エチレ
ングリコール・モノ・メチルエーテル,エチレングリコ
ール・モノ・エチルエーテル,ジエチレングリコール・
モノ・メチルエーテル,ジエチレングリコール・モノ・
エチルエーテル,ジエチレングリコール・モノ・ブチル
エーテル,ジエチレングリコール・ジ・ブチルエーテル
等のエーテル類、エチレングリコール・モノ・メチルエ
ーテル・アセテート,エチレングリコール・モノ・エチ
ルエーテル・アセテート,ジエチレングリコール・モノ
・メチルアセテート,ジエチレングリコール・モノ・エ
チルエーテル・アセテート,ジエチレングリコール・モ
ノ・ブチルエーテル・アセテート等の酢酸エステル類、
酪酸エステル等のエステル類、ニトロ炭化水素類、ニト
リル類、アミン類、その他アセタール類、酸類、フラン
類等の単独あるいは混合溶剤等が使用される。
前記水溶性もしくは水膨潤性フイルムに前述の印刷イン
キにて、すなわち、焼成顔料からなる着色剤と昇華性樹
脂からなるベヒクルと遅乾性溶剤とを必須の含有成分と
して含有する印刷インキにて印刷模様層を形成する手段
は、例えば、凹版印刷方式、平版印刷方式、凸版印刷方
式、スクリーン印刷方式等のごとき印刷方法、はけ塗
り、へら塗り、吹付け塗り等のごとき塗布方法、その
他、手、筆等による描画方法等の公知の手段を使用し得
るが、印刷模様層を形成するための印刷インキ中にガラ
スフリツトが混入されている場合には、ドクターブレー
ドを摩耗される虞れがあるので、ドクターブレードを利
用する印刷手段を利用することは好ましくない。尚、印
刷模様層は、文字,図形,記号,絵柄等の任意の形状に
形成されるものである。
以下、本発明のガラス質またはセラミツク質表面を有す
る基材への絵付け方法の具体的な構成を図面に基づいて
説明する。
本発明のガラス質またはセラミツクス質表面を有する基
材への絵付け方法の第1工程は、水溶性もしくは水膨潤
性フイルム4に焼成顔料からなる着色材と昇華性樹脂か
らなるベヒクルと遅乾性溶剤とを必須の含有成分とする
印刷インキによる印刷模様層3を形成することによつ
て、転写用フイルム5を得るものである。
前記第1工程に引き続く第2工程は、前工程で得られた
転写用フイルムにおける印刷模様層3が湿潤性を消失す
る前、すなわち、印刷模様層3が乾燥,固化する前に、
該転写用フイルム5を、この転写用フイルム5における
印刷模様層3面が上面となるようにして、水面2に浮か
べるものである。この工程は、枚葉状の転写用フイルム
5を一枚ずつ水面に浮かべるものであるが、転写用フイ
ルム5と水面2との間に気泡が入らないように、かつ転
写用フイルム5に皺が寄らないようにして水面2に浮か
べることが必要である。
本発明方法の第3工程は、同じく前記転写用フイルムに
おける印刷模様層3が乾燥して湿潤性を失う前に、前記
第2工程における水面2上の転写用フイルム5の上方か
ら矢印方向に被転写体たる絵付け用基材6を下降させ、
該絵付け用基材6の表面に前記転写用フイルム5を水圧
により纏り付かせ、延展,密着させるものである。転写
用フイルム5を浮かべる際の水は、該フイルム5を構成
する水溶性もしくは水膨潤性フイルム4の性質により適
当な温度に調整される。たとえば、水溶性フイルムとし
て澱粉系フイルム(商品名:オブラート)を使つた場合
は水温は40〜60℃程度であることが望ましく、また該フ
イルムの除去の際の溶解を促進させるためにアミラーゼ
等を2〜4%程度添加しておくことが好ましい。
転写用フイルム5における印刷模様層3を被転写体たる
絵付け用基材6の表面に転移させた後、転写用フイルム
5における水溶性または水膨潤性フイルム4を除去する
第4工程が実施される。この転写用フイルム5における
水溶性もしくは水膨潤性フイルム4を除去するには、水
を用いて被転写体をシヤワー洗滌することが最も能率的
で好ましい方法である。これにより、付着したフイルム
4が完全に除去されるとともに、転写の際に生ずる汚れ
も洗滌される。この時、水温は用いた水溶性フイルム4
の材質などによつても異なるが、一般には15〜60℃が適
当であり、また、洗滌時間は1〜10分程度で十分であ
る。
尚、印刷模様層と基材との仮密着性が不足する場合に
は、前述のシヤワー洗滌により印刷模様層が脱落する虞
れがあるが、かかる際には温水浸漬のみを行うようにす
れば、前述の危惧が回避される。
引き続く第5工程で、被転写体たる絵付け用基材6を乾
燥し、水分を除去して、表面に印刷模様層3を有する絵
付け用基材6を得た後、前記絵付け用基材の前記印刷模
様層3面に、必要に応じて、ガラスフリツトスラリーか
らなるコーテイング剤によるコーテイング層を形成し、
更に、前記絵付け用基材6の表面に付着している昇華性
樹脂、すなわち、印刷模様層中のベヒクルたる昇華性樹
脂が昇華する温度以上の温度で焼成し、絵付け用基材6
の表面に焼成顔料を一体化、固定する第6工程を実施す
るものである。
尚、前記第6工程における焼成温度は、前記絵付け用基
材6の表面に付着している昇華性樹脂が昇華する温度以
上であれば良く、一般的には、基材6の絵付け面がガラ
ス質の場合は550℃程度、ほうろうの場合が800〜850℃
程度、陶磁器の場合が900〜1000℃程度の焼成温度が利
用される。また、この焼成処理に先立つて所望に応じて
実施されるガラスフリツトスラリーからなるコーテイン
グ剤によるコーテイング層の形成は艶出し効果を付与す
るものであるが、前記第1工程〜第6工程の実施例に先
立つて、絵付け用基材の絵付け面にガラスフリツトスラ
リーを塗布,乾燥することからなる絵付け用前処理が施
されている場合には、焼成工程前の前記ガラスフリツト
スラリーからなるコーテイング剤によるコーテイング層
の形成を省略しても何ら差し支えなく、また、前述のガ
ラスフリツトスラリーの塗布,乾燥からなる絵付け用前
処理が施されていない場合には、前記焼成工程前の前述
のコーテイング層の形成を実施するのが好ましい。な
お、ガラスフリツトスラリーによる絵付け用前処理が施
されている場合には、絵付け用基剤の表面が粗になり、
転写用フイルムによる転写時に転写抜けによるピンホー
ルが発生しやすく、またガラスフリツトスラリーを塗
布,乾燥しただけの状態は、ガラスフリツトスラリーに
よる塗布層と基材表面との密着力が弱いので、取り扱い
に注意を要する。
以上の第1工程〜第6工程に続いて、絵付け用基材6の
絵付け面に、昇華性樹脂とガラスフリツトとを含有する
コーテイング剤によるコーテイング層を形成し、更に、
該コーテイング層中における昇華性樹脂が昇華する温度
以上の温度で焼成して表面保護層を形成する後処理工程
を実施することにより、表面の艶を安定して一定化させ
ることが可能であり、陶器調の完全艶有りから艶消しの
ものまで自由に調整できる上、表面が耐摩耗性に優れた
ものを得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の絵付け方法の具体的な構成を実施例を以
つて説明する。
実施例1 厚さ30μのポリビニルアルコール系の枚葉フイルム〔日
合フイルム(株)製:ハイセロンC200〕の片面に、下記
組成の印刷インキ〔A〕にて、抽象模様の印刷模様層を
形成し、転写用フイルムを得た。
印刷インキ〔A〕 (1) エチルセルロース ……10重量% (2) アルキツド樹脂 …… 5重量% (3) 焼成顔料 ……30重量% (4) ブチルセルソルブ ……30重量% (5) ブチルカルビトールアセテート ……25重量% 次いで、前記得られた転写用フイルムを、直ちに、該転
写用フイルムの印刷模様層面が上面となるようにして水
温30℃の水面に浮かべ、50秒後に、ホーロー鉄板からな
る絵付け用基材を押し入れ、転写用フイルムを該基材上
に密着させ、印刷模様層を基材表面に転移させた。
しかる後に、前記絵付け用基材を水中から引き出し、50
℃の温水中に10分間浸漬した後、清水でシヤワーし、表
面のポリビニルアルコールフイルムを除去,乾燥後、82
0℃にて3分間の焼成処理を実施し、これを自然冷却
し、目的製品たる絵付け品を得た。
尚、前記実施例1で得られた絵付け品の絵付け面に、ニ
トロセルロースを含有するガラスフリツトスラリー(奥
野製薬製:ガラスペーストNo.785)をスプレー法で、厚
さ20μに塗布した後、100℃で10分間予備乾燥し、次い
で750℃で5分間焼成処理することにより、表面がミラ
ー状態の深みのある絵付け品を得た。
〔発明の作用および効果〕
本発明のガラス質またはセラミツク質表面を有する基材
への絵付け方法は叙上の通りの構成からなるものであ
り、印刷手段で形成されている転写用フイルム面の印刷
模様層を被転写体たるガラス質またはセラミツク質表面
を有する基材の前記ガラス質またはセラミツク質表面に
転写するものであるから、同一規格品の絵付け製品を大
量にしかも迅速に得ることができるという作用,効果を
奏するものである。
また、本発明方法では、転写用フイルム面の印刷模様層
をガラス質またはセラミツク質表面に転移させる工程
を、水面に浮かべてある転写用フイルム上に、ガラス質
またはセラミツク質表面を有する基材を押し付けること
によつて達成するものであるから、転写用フイルムの印
刷模様層が転移される基材の表面が平坦面以外の複雑な
形状を呈するものであつても、転写用フイルムが被転写
面に緊密に密接され、歪みのない整然とした転写印刷模
様をガラス質またはセラミツク質表面に形成することが
できるという作用,効果を奏するものである。
さらに、本発明方法では、焼成顔料をガラス質またはセ
ラミツク質表面で焼成することによつて絵付けを施すも
のであるから、焼成顔料がガラス質またはセラミツク質
表面に強固な接着力で固着している絵付け模様を得るこ
とができるという作用,効果をも有するものである。
また、本発明方法では、焼成顔料からなる着色剤と昇華
性樹脂からなるベヒクルと遅乾性溶剤とを含有する印刷
インキで水溶性もしくは水膨潤性フイルムに印刷模様層
を形成して転写用フイルムを得た後、前記転写用フイル
ムにおける印刷模様層が乾燥して湿潤性を失う前に、該
転写用フイルムの印刷模様層を被転写面に密接させ、転
移させるものであるから、通常の転写用フイルムにより
印刷模様層を転写,形成する場合のように、転写時の高
温,加熱したり、あるいは溶剤を付着して転写用フイル
ムの印刷模様層の活性を行つたりする必要が無く、転写
による絵付け工程が容易かつ簡単であるという作用,効
果も奏する。
【図面の簡単な説明】
図は本発明のガラス質またはセラミツク質表面を有する
基材への絵付け方法の途中工程を示す模型断面図であ
る。 1:水槽、2:水面、3:印刷模様層、4:水溶性もしくは水膨
潤性フイルム、5:転写用フイルム、6:被転写体たるガラ
ス質またはセラミツク質表面を有する基材。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼成顔料からなる着色剤と昇華性樹脂から
    なるベヒクルと遅乾性溶剤とを含有する印刷インキによ
    り、水溶性もしくは水膨潤性フィルムに印刷模様層を形
    成し、転写用フィルムを得る第1工程と、該転写用フィ
    ルムにおける印刷模様層が乾燥して湿潤性を失う前に、
    前記転写用フィルムを印刷模様層面が上面となるように
    して水面に浮かべる第2工程と、同じく該転写用フィル
    ムにおける印刷模様層が乾燥して湿潤性を失う前に、水
    面に浮かべてある転写用フィルムの上面から、絵付け用
    基材であるガラス質またはセラミック質表面を有する基
    材を押し入れ、水圧により、転写用フィルムを絵付け用
    基材のガラス質またはセラミック質表面に延展,密着さ
    せる第3工程と、転写用フィルムにおける印刷模様層
    を、絵付け用基材のガラス質またはセラミック質表面に
    転移させた後、転写用フィルムにおける水溶性もしくは
    水膨潤性フィルムを除去する第4工程と、表面に印刷模
    様層が転移している絵付け用基材に付着している水分を
    除去する第5工程と、絵付け用基材の表面に付着してい
    る昇華性樹脂が昇華する温度以上の温度で焼成すること
    により、絵付け用基材の表面に焼成顔料を固定する第6
    工程とを経ることを特徴とするガラス質またはセラミッ
    ク質表面を有する基材への絵付け方法。
  2. 【請求項2】水溶性もしくは水膨潤性フィルムに印刷模
    様層を形成する印刷インキが、ガラスフリットを含有す
    る印刷インキである特許請求の範囲第1項記載のガラス
    質またはセラミック質表面を有する基材への絵付け方
    法。
JP11761685A 1985-05-30 1985-05-30 ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法 Expired - Lifetime JPH0741755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11761685A JPH0741755B2 (ja) 1985-05-30 1985-05-30 ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11761685A JPH0741755B2 (ja) 1985-05-30 1985-05-30 ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61275000A JPS61275000A (ja) 1986-12-05
JPH0741755B2 true JPH0741755B2 (ja) 1995-05-10

Family

ID=14716164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11761685A Expired - Lifetime JPH0741755B2 (ja) 1985-05-30 1985-05-30 ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0741755B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITMO20030288A1 (it) 2003-10-23 2005-04-24 Viv Int Spa Metodo per decorare oggetti.

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61275000A (ja) 1986-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2970076A (en) Vitreous decalcomania and method of decorating ceramic articles
US5229201A (en) Wet printed decal on porous surfaces such as canvas
US5132165A (en) Wet printing techniques
CZ297494A3 (en) Transfer and process for producing thereof
US3894167A (en) Decalcomania for decorating ceramic ware
JP2001150889A (ja) 転写用有機溶剤の組成物およびこれを用いた外装材用転写フィルムの湿式転写方法
US3967021A (en) Decalcomanias employed in offset transfer process
US3489587A (en) Ceramic decalcomanias
EP0904205A1 (en) Method of making a transfer for use with ceramics
US5654036A (en) Method for painting the surface of substrates
JPH0741755B2 (ja) ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法
JP2903547B2 (ja) 陶磁器絵付け用転写シート
JPS6280100A (ja) ガラス質またはセラミツク質表面を有する基体への絵付け方法
US2700008A (en) Manufacture of decorated china
JPH0725240B2 (ja) ガラス質またはセラミツク質表面を有する基材への絵付け方法
JPS63185875A (ja) 化粧セラミツク体の製造方法
JPH0544359B2 (ja)
JPS6213400A (ja) 琺瑯成形体の表面にエンボス模様を形成する方法
JP3164613B2 (ja) 下絵付セラミック品の製造方法
JPH05310485A (ja) 凹凸を有するセラミック模様の形成方法
JP2790422B2 (ja) 描画方法
DE1947906A1 (de) Verfahren zur Herstellung von dekorierter keramischer Ware
JPH0725608B2 (ja) 陶磁器成形体への絵付け方法
JPS6119440B2 (ja)
DE1155051B (de) Verfahren zum Verzieren von Keramikware mittels Unterglasur-Abziehbilder