JPH0725608B2 - 陶磁器成形体への絵付け方法 - Google Patents

陶磁器成形体への絵付け方法

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JPH0725608B2
JPH0725608B2 JP63334867A JP33486788A JPH0725608B2 JP H0725608 B2 JPH0725608 B2 JP H0725608B2 JP 63334867 A JP63334867 A JP 63334867A JP 33486788 A JP33486788 A JP 33486788A JP H0725608 B2 JPH0725608 B2 JP H0725608B2
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glaze
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ceramic
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/4505Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements characterised by the method of application
    • C04B41/4511Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements characterised by the method of application using temporarily supports, e.g. decalcomania transfers or mould surfaces

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、釉薬処理が付されている陶磁器成形体の表
面、例えば、陶器,磁器,器,琺瑯製品,硝子製品等
の表面への絵付け方法に関するものである。
[従来の技術] 絵付けされている陶磁器成形体を得る方法には、 1) 素焼きされている成形体の表面に、顔料と有機質
バインダーとを含有する印刷模様層を転移させ、必要に
応じて、バインダーを焼成,昇華させた後に、前記転移
されている印刷模様層の全面を被覆するようにして釉薬
をかけ、これを焼成する下絵付け方法、 2) 焼成後の陶磁器成形体の釉薬層上に、有機質バイ
ンダーと焼成顔料とフリットあるいは硝子粒子とによる
絵柄印刷層を転移させ、釉薬層上で前記焼成顔料を燒結
させる上絵付け方法、 等が利用されている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、前記絵付けされている陶磁器成形体の製法に
おいて、前者の1)項の下絵付け法においては、釉薬の
焼成時に、通常1000〜1450℃というような高温が利用さ
れるため、前記焼成によっても変,褪色するようなこと
のない焼成顔料を利用しなければならなく、利用し得る
焼成顔料に己ずと制限があり、自由な色彩を表現するこ
とができないという欠点を有している。
また、後者の2)項の上絵付け法においては、下絵付け
法によって得られたものと比較して、絵柄における透明
感や立体感が十分でなく、また、釉薬層上に焼成顔料層
が露出していることにより、耐摩耗性等の表面物性も十
分でなく、さらには、フリットや硝子粒子を含有する印
刷インキによる印刷工程では、特に、グラビア印刷によ
る印刷工程では、ドクター筋が発生したり、また、前記
フリットや硝子粒子が印刷用インキの分離,沈降、およ
び、版摩耗等の原因となる等の欠点を有している。
これに対して本発明方法は、印刷模様層からなる絵柄層
を転移させた後の加熱温度が前述の下絵付け法に比較し
て低温であり、しかも、絵柄層の表面が釉薬で被覆され
た状態となる陶磁器成形体への絵付け方法を提供するも
のである。
さらに、シルクスクリーン印刷等を利用して得られると
ころの厚さ10μ以上の転写層を焼成する場合や、あるい
は生産性の観点から、転写層の焼成工程の昇温時間を比
較的短くする場合には、転写層中の樹脂成分が急激に気
化するために、焼成によって得られる印刷模様層にクレ
ーターが発生したりあるいは模様流れが発生することが
あるが、本発明方法は、これらの現象を回避し、厚さ10
μ以上の転写層を焼成する場合や、あるいは転写層の焼
成工程の昇温時間を比較的短くする場合においても、印
刷模様層にクレーターの発生や模様流れの発生のない品
質の良好な絵付け成形体が得られる陶磁器成形体への絵
付け方法を提供する。
[課題を解決するための手段] 本第1の発明の陶磁器成形体への絵付け方法は、焼成に
よって完全燃焼または昇華する性質を有するベヒクルと
焼成顔料とを含有している印刷模様層が、離型性表面を
有する基材シートの離型性面に形成されている転写用シ
ートを得る第1工程と、前記転写用シートにおける印刷
模様層を陶磁器成形体の釉薬層上に転移させる第2工程
と、300〜600℃、1〜10分間の加熱工程により、陶磁器
成形体の釉薬層上に転移されている転写層中の燃焼性ま
たは昇華性成分のみを徐々に完全燃焼または昇華させる
第1焼成工程と、該陶磁器成形体における釉薬の屈伏点
よりも150〜500℃高い温度で焼成して焼成顔料の焼き付
けを行なう第2焼成工程との2段階の焼成工程によっ
て、前記印刷模様層中の焼成顔料を陶磁器成形体におけ
る釉薬層中へ埋没させる第3工程とからなる。
本第2の発明の陶磁器成形体への絵付け方法は、焼成に
よって完全燃焼または昇華する性質を有するベヒクルと
焼成顔料とを含有している印刷模様層が、焼成によって
完全燃焼または昇華する性質を有する離型性物質からな
る剥離性層を具備する基材シートの剥離性層面に形成さ
れている転写用シートを得る第1工程と、前記転写用シ
ートにおける剥離性層と印刷模様層とを陶磁器成形体の
釉薬層上に転移させる第2工程と、300〜600℃、1〜10
分間の加熱工程により、陶磁器成形体の釉薬層上に転移
されている転写層中の燃焼性または昇華成分のみを徐々
に完全燃焼または昇華させる第1焼成工程と、該陶磁器
成形体における釉薬の屈伏点よりも150〜500℃高い温度
で焼成して焼成顔料の焼き付けを行なう第2焼成工程と
の2段階の焼成工程によって、前記印刷模様層中の焼成
顔料を陶磁器成形体における釉薬層中へ埋没させる第3
工程とからなる陶磁器成形体への絵付け方法からなる。
本第3の発明の陶磁器成形体への絵付け方法は、焼成に
よって完全燃焼または昇華する性質を有するベヒクルと
焼成顔料とを含有している印刷模様層と、焼成によって
完全燃焼または昇華する性質を有する熱融着型接着剤ま
たは焼成によって完全燃焼または昇華する性質を有する
粘着剤による接着剤層とが、離型性表面を有する基材シ
ートの離型性面に順次形成されている転写用シートを得
る第1工程と、前記転写用シートにおける接着剤層と印
刷模様層とを陶磁器成形体の釉薬層上に転移させる第2
工程と、300〜600℃、1〜10分間の加熱工程により、陶
磁器成形体の釉薬層上に転移されている転写層中の燃焼
性または昇華性成分のみを徐々に完全燃焼または昇華さ
せる第1焼成工程と、該陶磁器成形体における釉薬の屈
伏点よりも150〜500℃高い温度で焼成して焼成顔料の焼
き付けを行なう第2焼成工程との第2段階の焼成工程に
よって、前記印刷模様層中の焼成顔料を陶磁器成形体に
おける釉薬層中へ埋没させる第3工程とからなる陶磁器
成形体への絵付け方法からなる。
本第4の発明の陶磁器成形体への絵付け方法は、焼成に
よって完全燃焼または昇華する性質を有するベヒクルと
焼成顔料とを含有している印刷模様層と、焼成によって
完全燃焼または昇華する性質を有する熱融着型接着剤ま
たは焼成によって完全燃焼または昇華する性質を有する
粘着剤による接着剤層とが、焼成によって完全燃焼また
は昇華する性質を有する離型性物質からなる剥離性層を
具備する基材シートの剥離性層面に順次形成されている
転写用シートを得る第1工程と、前記転写用シートにお
ける接着剤層と印刷模様層と剥離性層とを陶磁器成形体
の釉薬層上に転移させる第2工程と、300〜600℃、1〜
10分間の加熱工程により、陶磁器成形体の釉薬層上に転
移されている転写層中の燃焼性または昇華性成分のみを
徐々に完全燃焼または昇華させる第1焼成工程と、該陶
磁器成形体における釉薬の屈伏点よりも150〜500℃高い
温度で焼成して焼成顔料の焼き付けを行なう第2焼成工
程との2段階の焼成工程によって、前記印刷模様層中の
焼成顔料を陶磁器成形体における釉薬層中へ埋没させる
第3工程とからなる陶磁器成形体への絵付け方法からな
る。
本第5の発明の陶磁器成形体への絵付け方法は、本第1
の発明〜第4の発明のいずれかの陶磁器成形体への絵付
け方法において、印刷模様層中の焼成顔料として平均粒
径が3μ以下のものを使用する陶磁器成形体への絵付け
方法からなる。
前記構成からなる本各発明の陶磁器成形体への絵付け方
法において使用される離型性表面を有する基材シート
は、該シートにおける少なくとも片面が離型性を有して
いれば良く、紙またはプラスチックフィルムに対して、
必要に応じて、すなわち、印刷模様層中のベヒクルとの
接着性の兼ね合いで、離型性塗料、例えば、前述の紙ま
たはプラスチックフィルムに対する接着適性を有する適
当なベヒクルとシリコーン樹脂やワックス等との混合物
を塗布したシート、あるいは、離型性を有する樹脂、例
えば、ポリエチレン,ポリメチルペンテン,ポリプロピ
レン等の離型性を有する樹脂を押し出しコートする等し
て得られる離型性層を有するシートが使用される。
なお、前述の離型性塗料または離型性を有するフィルム
による離型性層は、転写工程後においても、被転写体で
ある陶磁器成形体側へ転移することなく、転写用シート
における基材シート側に残留したままとなるものであ
る。
前記基材シートに使用される紙には、例えば、薄葉紙,
上質紙等が、また、プラスチックフィルムには、ポリエ
チレン,ポリプロピレン,ポリメチルペンテン等のポリ
オレフィン系樹脂フィルムをはじめ、ポリ塩化ビニル,
ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリエチレンテレ
フタレート,ポリエチレンテレフタレート−イソフタレ
ート共重合体,ポリブチレンテレフタレート,ナイロン
等のポリアミド,ポリアリレート,ポリエーテルエーテ
ルケトン,例えばポリメタクリル酸メチル等のアクリル
類,塩酸ゴム,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリ弗
化ビニリデン等の弗素系樹脂,さらには、アイオノマー
等によるプラスチックフィルムが利用される。
前記転写用シートにおける印刷模様層は、焼成によって
完全燃焼または昇華する性質を有するベヒクルと焼成顔
料とを含有しているものであり、前記ベヒクルと焼成顔
料と溶剤とによる印刷用インキによる印刷模様層として
形成されるもので、転写工程における剥離性向上のため
に、前記基材シートにおける離型性面に対して、焼成時
に完全燃焼または昇華する性質を有する樹脂、例えば、
アクリル系樹脂,セルロース系樹脂,ブチラール樹脂、
あるいは前記樹脂を主体とする混合樹脂等による剥離性
層を介して形成されるのが好ましい。
なお、前記剥離性層は、転写工程によって、印刷模様層
等と共に被転写体側へ転移するものであり、転写工程で
の転写用シートにおける層間剥離が、剥離性層と離型性
層との間で生ずるものである。
前記印刷用インキにおける焼成顔料には、通常、陶磁器
成形体の絵付けに使用される無機化合物が利用される
が、釉薬の屈伏点よりも150〜500℃高い温度での焼成工
程での変,褪色の少ないものを選択するのが好ましい。
なお、前述の焼成顔料は、焼成工程を経ることによって
得られた顔料という意味ではなく、焼成工程によって陶
磁器成形体の表面に定着し、目的の色彩の絵柄層を前記
陶磁器成形体の表面に現出させ得る作用を具備する顔料
のことであり、前記顔料が焼成工程によって得られてい
るか否かは全く問題ではない。
特に、グラビアインキによる印刷用インキの場合には、 黒…………Co,Fe,Crの酸化物 (平均粒径:1.7μ) 黄…………Ti,Ba,Niの酸化物 (平均粒径:0.9μ) 茶…………Fe,Cr,Znの酸化物 (平均粒径:1.1μ) 青…………Co,Al,Zn,Siの酸化物 (平均粒径:0.9μ) が利用される。
なお、前記焼成顔料の粉砕は、通常のパンミル,ロール
ミル,さらには、媒体分散機等を使用し、ベヒクル成分
をなす樹脂と共に湿式法によって粉砕するのが好まし
い。
印刷用インキ中における無機質成分は、前記焼成顔料の
単体でも良いが、焼成工程によって得られる釉薬層中へ
の顔料の埋没の程度のバラツキに基づく印刷模様層の光
沢や物性のバラツキを補正する目的で、フリットや硝子
粒子を混入しても良く、例えば、PbO78%,SiO210%,B2O
312%からなる低融点ガラスや、PbO−B2O3系、PbO−B2O
3−SiO2系、PbO−ZnO−B2O3系、SnO2−TiO2−SiO2−PbO
−CdO系等のガラスからなる粒径0.1〜10μ程度のものが
利用される。
しかしながら、前記印刷用インキ中へのフリットや硝子
粒子の添加は、特にグラビア印刷手法による印刷の際の
ドクター筋の発生、顔料の分離,沈降に伴なう色むら、
版摩耗等の原因となり、生産性低下の要因となるもので
あるから、不必要な添加は避けるべきである。
また、グラビア印刷でのドクター筋の発生を防止すると
ともに、印刷用インキ中の無機質成分の分離,沈降等を
防止し、さらには、釉薬層上での印刷模様層の焼成時に
おける大きな変,褪色を防止するために、前記印刷用イ
ンキ中における無機質成分には、粒径0.1〜10μ、より
望ましくは、1〜5μの範囲内にあるものを使用するの
が良い。
前記印刷用インキに使用される溶剤は、例えば、ペンタ
ン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン等、あるいはこれら
の混合液であるガソリン,ベンジン,ミネラルスピリッ
ト,石油ナフサ等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン,トル
エン,キシレン,シクロヘキサン,エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素類、トリクロルエチレン,パークロルエ
チレン,クロロホルム,四塩化炭素等のハロゲン化炭化
水素類、メチルアルコール,エチルアルコール,プロピ
ルアルコール,ブチルアルコール,アミルアルコール,
ベンジルアルコール,ジアセトンアルコール等の一価ア
ルコール類、エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,グリセリン等の多価アルコール類、アセトン,メチ
ルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキ
サノン,メチルシクロヘキサノン,イソホロン等のケト
ン類、エチルエーテル,イソプロピルエーテル,エチレ
ングリコール・モノ・メチルエーテル,エチレングリコ
ール・モノ・エチルエーテル,ジエチレングリコール・
モノ・メチルエーテル,ジエチレングリコール・モノ・
エチルエーテル,ジエチレグリコール・モノ・ブチルエ
ーテル,ジエチレングリコール・ジ・ブチルエーテル等
のエーテル類、エチレングリコール・モノ・メチルエー
テル・アセテート,エチレングリコール・モノエチルエ
ーテル・アセテート,ジエチレングリコール・モノ・メ
チルアセテート,ジエチレングリコール・モノ・エチル
エーテル・アセテート,ジエチレングリコール・モノ・
ブチルエーテル・アセテート等の酢酸エステル類、酪酸
エステル等のエステル類、ニトロ炭化水素類、ニトリル
類、アミン類、その他アセタール類、酸類、フラン類等
の単独あるいは混合溶剤である。
また、焼成によって完全燃焼または昇華する性質を有す
るベヒクル、すなわち、焼成によって残渣を残すような
ことのないベヒクルには、例えば、アクリル酸エステル
系樹脂、メタクリル酸系樹脂、これらの共重合樹脂、ブ
チラール樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リエチレンオキサイド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン−アル
ミッド樹脂、ビニル系樹脂、マレイン酸樹脂等が使用さ
れる。
さらに、前記転写用シートにおける前記印刷模様層は、
例えば、オフセット,活版,シルクスクリーン等の公知
の印刷手段によって形成されるが、特に連続階調再現性
において優れた性質を有するグラビア印刷法によって形
成されるのが好ましい。
本発明方法で利用される転写用シートにおける前記印刷
模様層は、必要に応じて、すなわち、絵付けされる陶磁
器成形体の釉薬層面に対する接着性との兼ね合いで、焼
成によって昇華する性質を有する熱融着型接着剤または
焼成によって昇華する性質を有する粘着剤による接着剤
層で被覆されているものである。
なおまた、前記接着剤層は、例えば、アクリル酸エステ
ル系樹脂、メタクリル酸系樹脂、これらの共重合樹脂、
ブチラール樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド樹脂、
ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール樹脂、ユリア
樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン−ア
ルミッド樹脂、ビニル系樹脂、マレイン酸樹脂等による
熱融着型接着剤、あるいは、例えば、アクリル系樹脂や
アクリル系樹脂を主体とする混合樹脂等による粘着剤に
よって、厚さ1〜10μ程度に形成されるものである。
絵付けされる陶磁器成形体の釉薬層上に前記転写用シー
トの転写層を転移させた後、該成形体に焼成を施すこと
によって、印刷模様層中の焼成顔料を陶磁器成形体にお
ける釉薬層中へ埋没させる工程は、300〜600℃、1〜10
分間の加熱工程により、陶磁器成形体の釉薬層上に転移
されている転写層中の燃焼性または昇華性成分のみを徐
々に完全燃焼または昇華させる第1焼成工程と、該陶磁
器成形体における釉薬の屈伏点よりも150〜500℃高い温
度で焼成し、焼成顔料の焼き付けを行なう第2焼成工程
との2段階の焼成工程からなる。
本発明の陶磁器成形体への絵付け方法においては、上記
のように、陶磁器成形体の釉薬層上に転移させた転写層
の焼成を、300〜600℃、1〜10分間の加熱工程により、
陶磁器成形体の釉薬層上に転移されている転写層中の燃
焼性または昇華性成分のみを完全燃焼または昇華させる
第1焼成工程と、該陶磁器成形体における釉薬の屈伏点
よりも150〜500℃高い温度で焼成する第2成形工程との
第2段階の焼成工程によって行なう。
このため、第1焼成工程では、転写層中の樹脂成分が徐
々に昇華または完全燃焼することから、シルクスクリー
ン印刷等を利用して得られるところの厚さ10μ以上の転
写層を焼成する場合や、あるいは生産性の観点から、第
1焼成工程の昇温時間を比較的短くする場合において
も、転写層中の樹脂成分が急激に気化することがなく、
印刷模様層にクレーターや模様流れが発生するのを回避
することができる。
第1焼成工程に続く第2焼成工程は、焼成顔料の焼き付
けを行なうものであり、このときの焼成温度は、使用さ
れる陶磁器成形体における釉薬の屈伏点よりも150℃以
上高くする。第2焼成工程での焼成温度がこれよりも低
い場合には、印刷模様層中の焼成顔料の釉薬層への埋没
度が不十分である。また、第2焼成工程の焼成温度を、
陶磁器成形体における釉薬の屈伏点よりもさらに500℃
を超える高温にすると、釉薬層の流動による柄流れが発
生したり、また、焼成顔料が変色したり褪色したりする
不都合が発生する虞れがある。
本発明の陶磁器成形体への絵付け方法における第3工程
である焼成工程によって、転写層における印刷模様層中
の焼成顔料を陶磁器成形体における釉薬層中へ埋没させ
得る程度は、印刷模様層の厚さ、印刷模様層中に使用さ
れている焼成顔料の粒径、釉薬の屈伏点、第2焼成工程
での焼成温度、第2焼成工程の焼成時間等に組み合わせ
に左,右される。
因みに、グラビア印刷適性を有する印刷用インキ、すな
わち、粒径0.1〜10μの焼成顔料を50重量%以下の範囲
で含有している印刷用インキによる厚さ1〜10μの印刷
模様層を焼成する場合には、使用される陶磁器成形体に
おける釉薬の屈伏点よりもさらに150〜500℃高い温度で
焼成する第2焼成工程を、昇温および降温時間をそれぞ
れ10〜20分、定値温度加熱時間を15〜30分の範囲内に設
定することによって、品質の良好な絵付け成形体が得ら
れることが確認されている。
[実 施 例] 以下、本発明の陶磁器成形体への絵付け方法の具体的な
構成を、実施例に基づいて説明する。
実施例1 厚さ25μのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、
ブチラール樹脂による剥離性層を、版深45μのベタ版に
よるグラビア印刷法によって形成した後、次いで、下記
の配合組成物(1)からなる印刷用インキによるグラビ
ア印刷法によって、木目模様を表現する印刷模様層を形
成することにより、転写用シートを得た。
配合組成物(1) (1)メタクリル酸エステル系・アクリル酸エステル系
共重合樹脂……15重量部 (2)焼成顔料……25重量部 (3)溶剤……60重量部 なお、焼成顔料は、 黒……Co,Cr,Fe,Niの酸化物 黄……Zn,Si,Prの酸化物 茶……Fe,Ni,Crの酸化物 青……Co,Al,Crの酸化物 を、上記のインキベヒクル成分をなす樹脂と共に、3本
のロールミルによって平均粒径1〜3μに粉砕して使用
した。
次いで、ゲーゼル錐屈伏点595℃の釉薬層(厚さ2mm)が
表面に形成されている軟鋼板琺瑯板を50〜60℃に加熱し
た後、この軟鋼板琺瑯板の表面に対して、前述の転写用
シートを270℃のゴムローラーを使用して熱圧着するこ
とにより、転写用シートにおける剥離性層と印刷模様層
とを、転移させた。
続いて、400℃、5分間の第1焼成工程からなる予備焼
成を行なうことにより、転写層中の樹脂成分を徐々に燃
焼・昇華させた後、さらに850℃、5分間の焼成により
焼成顔料の焼き付けを行なう第2焼成工程を付し、室温
で急冷することにより、目的とする絵付けされた陶磁器
成形体を得た。
得られた絵付け成形体には、木目模様が忠実に現出され
ており、また、この木目模様は転写用シートにおける印
刷模様層と比較して変色や褪色がなく、しかも木目模様
による絵柄層が釉薬層中に埋没しているため、絵柄層に
深みと透明感とが具備されていた。
また得られた絵付け成形体は、厚みの大きな転写層を焼
成したものであるにも拘らず、印刷模様層にクレーター
や模様流れの発生がなく、品質において優れた特性を有
していた。
[発明の作用,効果] 本発明の陶磁器成形体への絵付け方法は、焼成によって
完全燃焼または昇華する性質を有するベヒクルと焼成顔
料とを含有している印刷模様層を有する転写用シートを
利用し、該転写用シートにおける印刷模様層を陶磁器成
形体の釉薬層上に転移させた後、これを300〜600℃、1
〜10分間の加熱工程に付し、陶磁器成形体の釉薬層上に
転移されている転写層中の燃焼性または昇華性成分のみ
を徐々に完全燃焼または昇華させる第1焼成工程と、該
陶磁器成形体における釉薬の屈伏点よりも150〜500℃高
い温度で焼成し焼成顔料の焼き付けを行なう第2焼成工
程との2段階で焼成し、前記印刷模様層中の焼成顔料を
陶磁器成形体における釉薬層中へ埋没させるものであ
る。
しかして、本発明の陶磁器成形体への絵付け方法におい
ては、予め釉薬の焼成工程が終了している陶磁器成形体
に対して、ベヒクルと焼成顔料とを含有している印刷模
様層を転移させた後、これを300〜600℃、1〜10分間の
加熱工程に付し、陶磁器成形体の釉薬層上に転移されて
いる転写層中の燃焼姓または昇華性成分のみを徐々に完
全燃焼または昇華させる第1焼成工程と、該陶磁器成形
体における釉薬の屈伏点よりも150〜500℃高い温度で焼
成し焼成顔料の焼き付けを行なう第2工程との2段階で
焼成するものである。
そして、第1焼成工程では、転写層中の樹脂成分が徐々
に昇華または完全燃焼するために、シルクスクリーン印
刷等を利用して得られるところの厚さ10μ以上の転写層
を焼成する場合や、あるいは生産性の観点から、第1焼
成工程の昇温時間を比較的短くする場合においても、転
写層中の樹脂成分が急激に気化することがなく、印刷模
様層にクレーターや模様流れが発生することがなく、高
品質の陶磁器絵付け成形体が得られる。
また、釉薬の焼成工程が終了している陶磁器成形体に対
して、該陶磁器成形体における釉薬の屈伏点よりも150
〜500℃高い温度で焼成顔料の焼き付けを行なう焼成を
施すものであるため、釉薬層の流動による柄流れが発生
したり、しかも、焼成顔料が変色したり褪色したりする
ことがなく、さらに、利用し得る焼成顔料の制限が少な
く、自由な色彩を現出し得る。
さらに本発明の陶磁器成形体への絵付け方法によれば、
絵柄層が陶磁器成形体の釉薬層中に埋没した状態、すな
わち、絵柄層の表面が釉薬で被覆されている状態の絵付
け成形体が得られるため、絵柄層に深みと透明感とが具
備され、しかも、絵柄層の耐摩耗性、耐薬品性に優れた
効果が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼成によって完全燃焼または昇華する性質
    を有するベヒクルと焼成顔料とを含有している印刷模様
    層が、離型性表面を有する基材シートの離型性面に形成
    されている転写用シートを得る第1工程と、前記転写用
    シートにおける印刷模様層を陶磁器成形体の釉薬層上に
    転移させる第2工程と、300〜600℃、1〜10分間の加熱
    工程により、陶磁器成形体の釉薬層上に転移されている
    転写層中の燃焼性または昇華性成分のみを徐々に完全燃
    焼または昇華させる第1焼成工程と、該陶磁器成形体に
    おける釉薬の屈伏点よりも150〜500℃高い温度で焼成し
    て焼成顔料の焼き付けを行なう第2焼成工程との2段階
    の焼成工程によって、前記印刷模様層中の焼成顔料を陶
    磁器成形体における釉薬層中へ埋没させる第3工程とか
    らなることを特徴とする陶磁器成形体への絵付け方法。
  2. 【請求項2】焼成によって完全燃焼または昇華する性質
    を有するベヒクルと焼成顔料とを含有している印刷模様
    層が、焼成によって完全燃焼または昇華する性質を有す
    る離型性物質からなる剥離性層を具備する基材シートの
    剥離性層面に形成されている転写用シートを得る第1工
    程と、前記転写用シートにおける剥離性層と印刷模様層
    とを陶磁器成形体の釉薬層上に転移させる第2工程と、
    300〜600℃、1〜10分間の加熱工程により、陶磁器成形
    体の釉薬層上に転移されている転写層中の燃焼性または
    昇華性成分のみを徐々に完全燃焼または昇華させる第1
    焼成工程と、該陶磁器成形体における釉薬の屈伏点より
    も150〜500℃高い温度で焼成して焼成顔料の焼き付けを
    行なう第2焼成工程との2段階の焼成工程によって、前
    記印刷模様層中の焼成顔料を陶磁器成形体における釉薬
    層中へ埋没させる第3工程とからなることを特徴とする
    陶磁器成形体への絵付け方法。
  3. 【請求項3】焼成によって完全燃焼または昇華する性質
    を有するベヒクルと焼成顔料とを含有している印刷模様
    層と、焼成によって完全燃焼または昇華する性質を有す
    る熱融着型接着剤または焼成によって完全燃焼または昇
    華する性質を有する粘着剤による接着剤層とが、離型性
    表面を有する基剤シートの離型性面に順次形成されてい
    る転写用シートを得る第1工程と、前記転写用シートに
    おける接着剤層と印刷模様層とを陶磁器成形体の釉薬層
    上に転移させる第2工程と、300〜600℃、1〜10分間の
    加熱工程により、陶磁器成形体の釉薬層上に転移されて
    いる転写層中の燃焼性または昇華性成分のみを徐々に完
    全燃焼または昇華させる第1焼成工程と、該陶磁器成形
    体における釉薬の屈伏点よりも150〜500℃高い温度で焼
    成して焼成顔料の焼き付けを行なう第2焼成工程との第
    2段階の焼成工程によって、前記印刷模様層中の焼成顔
    料を陶磁器成形体における釉薬層中へ埋没させる第3工
    程とからなることを特徴とする陶磁器成形体への絵付け
    方法。
  4. 【請求項4】焼成によって完全燃焼または昇華する性質
    を有するベヒクルと焼成顔料とを含有している印刷模様
    層と、焼成によって完全燃焼または昇華する性質を有す
    る熱融着型接着剤または焼成によって完全燃焼または昇
    華する性質を有する粘着剤による接着層剤とが、焼成に
    よって完全燃焼または昇華する性質を有する離型性物質
    からなる剥離性層を具備する基材シートの剥離性層面に
    順次形成されている転写用シートを得る第1工程と、前
    記転写用シートにおける接着剤層と印刷模様層と剥離性
    層とを陶磁器成形体の釉薬層上に転移させる第2工程
    と、300〜600℃、1〜10分間の加熱工程により、陶磁器
    成形体の釉薬層上に転移されている転写層中の燃焼性ま
    たは昇華性成分のみを徐々に完全燃焼または昇華させる
    第1焼成工程と、該陶磁器成形体における釉薬の屈伏点
    よりも150〜500℃高い温度で焼成して焼成顔料の焼き付
    けを行なう第2焼成工程との2段階の焼成工程によっ
    て、前記印刷模様層中の焼成顔料を陶磁器成形体におけ
    る釉薬層中へ埋没させる第3工程とからなることを特徴
    とする陶磁器成形体への絵付け方法。
  5. 【請求項5】印刷模様層中の焼成顔料の平均粒径が3μ
    以下である特許請求の範囲第1項〜第4項のうちのいず
    れかの1項に記載の陶磁器成形体への絵付け方法。
JP63334867A 1988-12-28 1988-12-28 陶磁器成形体への絵付け方法 Expired - Lifetime JPH0725608B2 (ja)

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