JPH0741691B2 - 提げ手の取り付け装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ストックされている提
げ手を袋体の開口部へ運び、その開口部の縁に予め形成
された取り付け孔に提げ手両端部の嵌合片を嵌合させて
取り付けるための装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の提げ手の取り付けは、紙袋等か
らなる手提げ袋を製造する場合などに必要となる。従
来、手提げ袋を製造するには、取り付け部に必要な補強
が施され、また取り付け孔を開口した紙袋類に、提げ手
の嵌合片を一つずつ嵌め合わせなければならない。その
ため提げ手の取り付け作業は機械化の出来なかった部分
であり、作業性の向上に限界があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の実情に
鑑みなされたもので、その課題とするところは、袋体に
提げ手を取り付ける工程が自動的に行なえるようにする
ことであり、それにより提げ手取り付けの作業性を根本
的に向上させることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め本発明は、提げ手Ａを取り上げ、傾斜設置されている
滑り杆２へ提げ手Ａの嵌合片部分を吊り下げて１本ずつ
送り出すための送り出し機構１と、滑り杆２の先方に位
置し、提げ手Ａを横向きの略Ｕ字形に曲げるため、嵌合
片Ｄを袋体Ｂへ取り付ける間隔で平行に設けられた上下
の定規面１１、１２を有する曲げ型部材１３に当てが
い、提げ手の中間部分を外側から押し当てるための内面
１４、１５を有する曲げ枠機構１０と、曲げ枠機構１０
において横向きの略Ｕ字型に曲げられた提げ手両端部の
嵌合片近くを前記取り付け間隔を保って側方から保持す
るクランプ２１、２２を有し、曲げ枠機構１０から離れ
て提げ手Ａを下向きの略Ｕ字型の姿勢に変える中継機構
２０と、側方から保持されている提げ手Ａの嵌合片の一
部を上方かつ袋体Ｂの内方から爪片により保持し、中継
機構２０から離れて提げ手Ａを下向きＵ字型のまま袋体
Ｂの開口部上へ移し、さらに開口部内へ降下して開口部
の縁の両側に嵌合片Ｄを位置させるセット機構３０及び
開口部内にあるセット機構３０に対して外方から接近
し、嵌合片Ｄを加圧するピストンシリンダ４１、４２を
有する加圧機構４０とによって、提げ手の取り付け装置
を構成するという手段を講じたものである。

【０００５】

【実施例】以下図面を参照して説明する。図１に本発明
に係る装置の全容が工程を追って機構ごとに示されてお
り、提げ手Ａは装置の一方のストック部３に多数ストッ
クされている。各提げ手Ａは、袋体Ｂの開口の前後の縁
に各１個、つまり１袋につき２個ずつ取り付けられる
が、前後の別はなく同一のものである。提げ手Ａの形状
は図４に示されているように、帯状で、プラスチック成
形されており、両端部に袋体開口縁を挾むため袋体内外
に夫々配置される内側片ｄと外側片ｅが設けられ、両片
ｄ、ｅは突軸とその嵌合が可能な孔とからなる嵌合手段
ｆを有する。ｇ、ｇ′は袋体開口部の綴じ手段で、内側
片ｄに内向きに設けられている。

【０００６】前記の提げ手Ａはストック部３に縦にほぼ
向きをそろえて並べられており、ストック部３に設けら
れた吸盤４を有する取り上げ部材５が、提げ手Ａの帯状
部の表面に吸着して取り上げ、そこへ受け継ぎ部材６が
移動して来て帯状部中央部をクランプ７により保持して
前端部へ搬送し、そこに設けられた平行な左右各一対の
レールからなる滑り杆２へ端部の嵌合片Ｄの部分で係止
させる。ストック部３から滑り杆２へ提げ手Ａが渡され
る途中で、向き判別機構８により嵌合片Ｄの綴じ手段
ｇ、ｇ′がどちらを向いているかを判別することが行な
われる。図３において、８ａは嵌合片から突出した綴じ
手段ｇ（ｇ′）を配置する窓口、８ｂは綴じ手段ｇにビ
ーム光を当てる検知部であり、嵌合部Ｄの一面を窓口８
ａに当てたとき綴じ手段ｇの突起がビーム光を遮ったと
き（または遮られなかったとき）を正しい向きとして判
別する（図３）。向きが異なるときは、逆向きに直し
て、滑り杆２へ係止させる。

【０００７】滑り杆２の先方に曲げ枠機構１０が設置さ
れる。曲げ枠機構１０へ滑り杆２から提げ手Ａを渡すた
めに、ハンド９が設けられており、該ハンド９により提
げ手Ａは滑り杆２上の位置よりも内方へ移動させられ
る。曲げ枠機構１０は、提げ手Ａを横向きの略Ｕ字形に
曲げるため、嵌合片Ｄを袋体Ｂへ取り付ける間隔で平行
に設けられた上下の定規面１１、１２を有する曲げ型部
材１３と、提げ手の中間部分を外側から前記定規面１
１、１２へ押し当てて曲げるための内面１４、１５を有
する曲げ枠１６とからなる。図４中、１７は曲げ枠１６
を進退させるためのピストン軸でそのシリンダ１８は曲
げ型部材１３に取り付けられており、ガイドロッド１９
により平行に進退する。

【０００８】曲げ枠機構１０で横向き略Ｕ字型に曲げら
れた提げ手Ａの両端部Ｄは曲げ型部材１３より前方へ突
出しており、その状態で嵌合片近くが外側方からクラン
プ２１、２２により保持され、提げ手Ａは中継機構２０
に渡される（図５）。中継機構２０は滑り杆２の前方に
設置されたレール２３上を往復可能な移動台２４と、そ
れに横向き乃至上向きに回動可能な回動台２５とを有
し、回動台２５上に一定の間隔の前記クランプ２１、２
２が取り付けられている。

【０００９】故に提げ手Ａは横向き略Ｕ字型の姿勢で中
継機構２０に渡されたあと、下向きの略Ｕ字型姿勢に変
換され、レール２３により前方へ運ばれる（図６）。２
６は各クランプ２１、２２の開閉のための駆動部を示
す。

【００１０】中継機構２０のレール２３の先端には、レ
ール方向と概ね直交する方向から送られて来る袋体Ｂへ
の提げ手取り付け位置Ｆが設定されており、レール先端
から提げ手取り付け位置Ｆへ提げ手Ａを運ぶために、セ
ット機構３０が設けられている。セット機構３０は、先
端部が前記レール先端と提げ手取り付け位置Ｆとの間を
往復回動可能なアーム３４を有しており、嵌合片Ｄの内
側片ｄを上方かつ袋体Ｂの内側から保持するための一対
の爪片３１、３２が前記アーム３４に昇降可能に取り付
けられている。３３はその昇降を行なうシリンダピスト
ン、３５は昇降ガイドロッドを示す。前記の保持用の爪
片３１、３２は、嵌合片Ｄの両側がおさまる溝を形成す
る上下方向の突条３６、３６に開閉可能に設けられてい
る。３７は嵌合片Ｄの保持ヘッドであり、アーム３４に
昇降可能に取り付けられた基材３８の左右に設けられて
いる。

【００１１】故に提げ手Ａは、レール２３の先端部で、
下降したセット機構３０に受け取られ、そのアーム３４
が回動することにより提げ手取り付け位置Ｆへ運ばれ、
その位置Ｆで袋体Ｂの開口部まで降ろされる。

【００１２】提げ手取り付け位置Ｆには、開口部に降ろ
されたセット機構３０に対して接近し、嵌合片Ｄを加圧
するシリンダ４１、４２を有する加圧機構４０が設けら
れている。ピストンシリンダ４１、４２は、袋体Ｂの移
動を妨げないように左右にて上下方向へ回動可能に設け
られた支持部材４３、４４に装着されており、夫々のピ
ストン先端に設けられた加圧板４５が嵌合片Ｄを保持ヘ
ッド３７へ向かって加圧する（図８）。袋体Ｂの提げ手
取り付け箇所には、予め取り付け孔Ｃが形成されてお
り、嵌合片Ｄの内側片ｄは袋体内に、また外側片ｅは袋
体外に夫々配置され、両側片ｄ、ｅに形成されている嵌
合手段ｆの突軸が取り付け孔Ｃを通過して嵌合孔へ嵌合
し、開口部の袋体を挾んで取り付けられる。

【００１３】上述した本発明に係る装置において、滑り
杆２、曲げ枠機構１０、中継機構２０のクランプ２１、
２２、セット機構３０の爪片３１、３２及び加圧機構４
０は袋体Ｂの前後の面に夫々同時に提げ手Ａを取り付け
ることができるように構成される（図８参照）。また、
各機構１０〜４０を作動させるための駆動源には空圧が
用いられ、ストック部３から提げ手取り付け位置へ至各
部は提げ手Ａを１個ずつ（前後各々に着目すれば２個ず
つ）送るために連鎖的に作動するように構成される。然
し、提げ手Ａの向きの判別その他人手による補助を加え
得る箇所では、任意に手操作を行なって良い。

【００１４】このように提げ手Ａは、多数のストックさ
れている位置から、それを略Ｕ字形に折り曲げられ、そ
の姿勢を保って提げ手取り付け位置まで運び込まれ、同
位置で嵌合片Ｄが袋体Ｂに取り付けられる。なお、袋体
Ｂへの提げ手Ａの取り付けは短時間で済むが、それが終
ったあと、袋体Ｂは提げ手取り付け位置から前進し、次
の袋体Ｂが同位置へ移動し、取り付け完了までの短時間
停止する。

【００１５】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成されかつ作用す
るものであるから、手提げ袋を生産する工程中最も手間
取る提げ手の取り付けが自動化され、極く短時間で行な
えると同時に、出来上がりの品質も一定に維持され商品
価値を高めることができ、特に提げ手の滞貨をなくすこ
とができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る提げ手の取り付け装置の全容を示
す側面説明図。

【図２】提げ手をストック部から取り上げる工程を示す
横断説明図。

【図３】提げ手の向きを判別する機構の断面説明図。

【図４】曲げ枠機構の部分の拡大側面図。

【図５】中継機構部分の拡大側面図。

【図６】中継機構からセット機構への受け渡し工程を示
す拡大側面図。

【図７】提げ手取り付け位置へ向かってセット機構を降
下させる状態の拡大側面図。

【図８】提げ手取り付け状態を示す袋体前後方向の説明
図。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 提げ手Ａを袋体Ｂの開口部へ運び、その
   開口部の縁に予め形成された取り付け孔に提げ手両端部
   の嵌合片Ｄを嵌合させて取り付けるための装置であっ
   て、提げ手Ａを取り上げ、傾斜設置されている滑り杆２
   へ提げ手Ａの嵌合片部分を吊り下げて１本ずつ送り出す
   ための送り出し機構１と、滑り杆２の先方に位置し、提
   げ手Ａを横向きの略Ｕ字形に曲げるため、嵌合片Ｄを袋
   体Ｂへ取り付ける間隔で平行に設けられた上下の定規面
   １１、１２を有する曲げ型部材１３に当てがい、提げ手
   の中間部分を外側から押し当てるための内面１４、１５
   を有する曲げ枠機構１０と、曲げ枠機構１０において横
   向きの略Ｕ字型に曲げられた提げ手両端部の嵌合片近く
   を前記取り付け間隔を保って側方から保持するクランプ
   ２１、２２を有し、曲げ枠機構１０から離れて提げ手Ａ
   を下向きの略Ｕ字型の姿勢に変える中継機構２０と、側
   方から保持されている提げ手Ａの嵌合片の一部を上方か
   つ袋体Ｂの内方から爪片により保持し、中継機構２０か
   ら離れて提げ手Ａを下向きＵ字型のまま袋体Ｂの開口部
   上へ移し、さらに開口部内へ降下して開口部の縁の両側
   に嵌合片Ｄを位置させるセット機構３０及び開口部内に
   あるセット機構３０に対して外方から接近し、嵌合片Ｄ
   を加圧するピストンシリンダ４１、４２を有する加圧機
   構４０とからなることを特徴とする提げ手の取り付け装
   置。
2. 【請求項２】 提げ手Ａは２個並行して送り出し機構１
   からセット機構３０までの機構により袋体Ｂの開口部上
   へ移動させられ、袋体開口部前後の対向した取り付け孔
   に同時的に取り付けられるように、送り出し機構１乃至
   加圧機構４０が２組ずつ設けられている請求項第１項記
   載の提げ手の取り付け装置。