JPH0741439A - モノアルケニルベンゼン類の精製法 - Google Patents

モノアルケニルベンゼン類の精製法

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JPH0741439A
JPH0741439A JP5188217A JP18821793A JPH0741439A JP H0741439 A JPH0741439 A JP H0741439A JP 5188217 A JP5188217 A JP 5188217A JP 18821793 A JP18821793 A JP 18821793A JP H0741439 A JPH0741439 A JP H0741439A
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Akio Hashimoto
晃男 橋本
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實 高川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】側鎖のα位に1個以上の水素原子が結合してい
る芳香族炭化水素化合物の側鎖をジオレフィンでアルケ
ニル化してモノアルケニルベンゼンを合成した後に、反
応生成液から高純度及び高回収率を以てモノアルケニル
ベンゼンを精製取得する方法を開発する。 【構成】反応生成液中に含まれるアルカリ金属系担持触
媒を、空気、酸素、二酸化炭素、水蒸気等と接触させ、
失活及び除去した後に蒸留することによるモノアルキル
ベンゼンの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、側鎖のα位に1個以上
の水素原子が結合している芳香族炭化水素化合物の側鎖
を炭素数4又は5の共役ジエン類を用いてアルカリ金属
系触媒によりアルケニル化してモノアルケニルベンゼン
類を製造した後、反応生成液からのモノアルケニルベン
ゼン類の精製法に関する。モノアルケニルベンゼン類
は、高分子モノマー、医薬品を始めとする種々の有機化
合物の中間原料として有用であり、例えば、O−キシレ
ンと1,3−ブタジエンから製造される5ー(O−トリ
ル)ー2ーペンテンは閉環後、脱水素、異性化、酸化し
て工業的に有用な2、6ーナフタレンジカルボン酸に変
換することができる。
【0002】
【従来技術】芳香族炭化水素化合物の側鎖を炭素数4又
は5の共役ジエン類を用いてアルケニル化してモノアル
ケニルベンゼン類を製造するための触媒としては、ナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属及びそれらの合金を
用いる方法、塩基性カリウム化合物とアルミナとの混合
物を焼成して得られる担体に、不活性気体下、金属ナト
リウムを加え熱処理して得られる混合物を用いる方法、
アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物に金属
ナトリウム又は金属カリウムを担持して用いる方法等が
知られている。 これらの触媒のうち、ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属及びそれらの合金を用いて得ら
れた反応生成液からモノアルケニルベンゼン類を分離回
収する場合に、反応終了後、生成液を冷却、静置し、デ
カンテーションまたはロ過により触媒と目的物を含む液
相とに分離し、蒸留によりモノアルケニルベンゼン類を
分離回収する手法を採るときには、モノアルケニルベン
ゼン類の変質が起り、高い回収率で高純度のモノアルケ
ニルベンゼンを得られないことが知られている。
【0003】そこで、このような問題を解消する為の種
々の処理方法が提案されている。特開昭51−4127
では蒸留原料とする炭化水素中のアルカリ金属と有機ア
ルカリ金属化合物の合計の濃度を、炭化水素相1kg当
りアルカリ金属成分0.09〜15ミリグラム原子の範
囲にするという提案がなされている。しかし、この方法
ではアルカリ金属触媒成分を全てを取り除いたわけでは
なく、その一部が可溶性のアルキルもしくはアルケニル
錯体として液相に混入する。この生成液がそのまま蒸留
塔に導入されると、活性な触媒の共存によりモノアルケ
ニルベンゼン類が未反応のアルキルベンゼン類及びモノ
アルケニルベンゼン類自体と更に反応して高分子量の副
生物を生成したり、逆反応により原料であるアルキルベ
ンゼン類に戻ったり、二重結合の移動により目的のモノ
アルケニルベンゼン以外の異性体を生成したりする。
【0004】アルカリ金属と有機アルカリ金属化合物の
合計の濃度を低くするのは、その程度を少なくするだけ
であり、全く変質をおこさないようにすることはできな
い。又、蒸留塔を長期に亘り運転した場合には、蒸留塔
で微量のアルカリ金属と有機アルカリ金属化合物の濃縮
が起り、終には高純度のモノアルケニルベンゼン類を得
ることができなくなり、回収率も低下してしまう。モノ
アルケニルベンゼンの変質は、蒸留温度を低くしてやる
ことによりある程度抑制することができるが、その為に
は減圧状態で蒸留を実施する必要があり、又、モノアル
ケニルベンゼンの変質を全く起らないようにするには高
真空を必要とし、工業的な経済プロセスとはならない。
【0005】又、特開昭49ー70929では反応生成
液より触媒を分離除去した後、二酸化炭素で処理し蒸
留、又は反応生成液を二酸化炭素で処理した後、触媒を
分離除去し蒸留する方法が提案されている。この方法で
は、アルカリ金属と有機アルカリ金属化合物が二酸化炭
素処理で完全に失活し、蒸留においてモノアルケニルベ
ンゼンの変質を防ぐことができるが、生成したアルカリ
炭酸塩、アルカリカルボン酸塩等のアルカリ塩の一部は
有機溶剤に可溶であり蒸留塔に導入される。そして蒸留
において未反応の芳香族炭化水素を留出させた場合に、
溶解度以上のアルカリ塩は固体として析出し蒸留塔内部
に蓄積してくる。そのため蒸留塔内での気液接触が低下
し蒸留効率が低下するに止まらず、最終的には蒸留塔が
閉塞し蒸留操作を行うことができなくなる。 即ち、ア
ルカリ金属成分を完全に除去してやらないと安定的に蒸
留塔を運転し、高純度のモノアルケニルベンゼン類を得
ることができなくなる。
【0006】又、特公昭57ー26489ではアルケニ
ルベンゼンと水とを接触させて、次いで水をpH6以下
としアルカリ金属触媒を水溶性化してから分離する方法
が提案されている。しかし、この方法は反応生成液を水
と接触させる場合、多量の反応熱発生があることに加え
て発火の危険性がある。接触させる水もしくは反応生成
液の量で反応をある程度コントロールすることもできる
が、工業的規模で実施の場合には、処理時間に長時間を
必要とし設備も大規模となり実用的ではない。又、US
P3,244,758では予め蒸留前にイソプロパノー
ルを加え生成液中に含有されているアルカリ金属やアル
カリ金属化合物を不活性化することにより、蒸留中に好
ましくない副反応を起るのを防いでいる。 この方法で
は水を接触させる場合に起る多量の反応熱発生及び発火
の危険性は回避できるが、失活したアルカリ金属触媒は
有機溶剤に可溶のアルカリ金属アルコラートとして蒸留
塔に導入され、前述のような問題を起こし好ましくな
い。
【0007】一方、これらアルカリ金属あるいは合金以
外に担体にアルカリ金属を担持した触媒がアルケニル化
反応に有効であることが判っている。そして各種担持ア
ルカリ金属触媒のうち、以下の処理により調製された触
媒はアルケニル化反応に非常に高い活性を示すと同時に
発火性が著しく低いことが見出されている。 即ち、カ
リウムの水酸化物とアルミナ水和物との混合物を焼成し
て得られる担体、塩基性カリウム化合物とアルミナとの
混合物を焼成して得られる担体、カリウム化合物を含有
するアルカリ土類金属酸化物担体、カリウム化合物を含
有するジルコニウム酸化物担体、そして、これら担体を
不活性気体下、金属ナトリウムを加え熱処理して得られ
るアルカリ金属系担持触媒を用いた場合、アルケニル化
反応に非常に高い活性を示す。 これらアルカリ金属系
担持触媒を用いた場合の処理方法については、未だ何ら
提案なされていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、アルカ
リ金属系担持触媒を使用して得た反応生成液について、
静置し濾過により触媒と目的物を含む液相とに分離した
後、蒸留によりモノアルケニルベンゼン類を分離回収す
る精製方法を採ったところ、蒸留工程において目的とす
るモノアルケニルベンゼン類の変質が起り、高純度で回
収率よくモノアルケニルベンゼン類を得ることができな
かった。また、蒸留塔内で不溶性化合物の蓄積が起り、
ひいては蒸留塔閉塞の為に蒸留操作を行うことができな
くなった。即ち、反応生成液を静置しロ過により触媒と
目的物を含む液相との分離を試みたが、ロ過だけでは微
粒子の触媒を完全に取り除くことができず、またアルカ
リ金属の一部が可溶性のアルキルもしくはアルケニル錯
体として液相に混入する。この生成液がそのまま蒸留塔
に導入されると、活性な触媒の共存によりモノアルケニ
ルベンゼン類が未反応のアルキルベンゼン類及びモノア
ルケニルベンゼン類自体と更に反応して高分子量の副生
物を生成したり、逆反応により原料であるアルキルベン
ゼン類に戻ったり、二重結合の移動により目的のモノア
ルケニルベンゼン以外の異性体を生成したりする。その
為、高純度のモノアルケニルベンゼン類を得ることがで
きなくなり回収率も低下してしまう。
【0009】このモノアルケニルベンゼンの変質は、蒸
留温度を低くしてやることによりある程度抑制すること
ができるが、そのためには減圧状態で蒸留を実施する必
要があり、モノアルケニルベンゼンの変質がまったく起
らないようにするには高真空を必要とし工業的に装置、
運転コストがかさみ現実的でない。 またアルカリ金属
の一部は有機溶剤に可溶性のアルカリ塩としても蒸留塔
に導入され、蒸留において未反応の芳香族炭化水素を留
出させた場合、溶解度以上のアルカリ塩は固体として析
出し蒸留塔内部に蓄積してくる。そのため蒸留塔内での
気液接触が低下し蒸留効率が低下するだけにとどまら
ず、最終的には蒸留塔が閉塞し蒸留操作を行うことがで
きなくなってしまう。即ち、蒸留の運転条件だけでこの
問題を回避することはできない。本発明の目的は、この
ような事実に鑑み、側鎖のα位に1個以上の水素原子が
結合している芳香族炭化水素化合物の側鎖を炭素数4ま
たは5の共役ジエン類を用いてアルカリ金属系担持触媒
によりアルケニル化してモノアルケニルベンゼン類を製
造するに際して、該反応生成液からモノアルケニルベン
ゼン類を高純度で回収率高く分離回収する方法を開発す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、芳香族炭
化水素化合物のα位を炭素数4又は5の共役ジエン類を
用いてアルカリ金属系担持触媒によりアルケニル化して
モノアルケニルベンゼン類を製造し、該反応生成液から
モノアルケニルベンゼン類を分離回収する方法について
鋭意検討を重ねた結果、反応生成液からアルカリ金属系
触媒を失活及び/又は除去した後、蒸留でモノアルケニ
ルベンゼン類を分離回収することにより高純度、高回収
率でモノアルケニルベンゼン類を精製できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明に用いる側鎖のα位に1個以上の水素原子が結合し
ている芳香族炭化水素化合物としては次のような化合物
が用いられる。単環芳香族炭化水素としては、トルエ
ン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロ
ピルベンゼン、nーブチルベンゼン、sec−ブチルベ
ンゼン、イソブチルベンゼン等のモノアルキルベンゼン
類、o−,m−およびp−キシレン、o−,m−および
p−エチルトルエン、o−,m−およびp−ジエチルベ
ンゼン等のジアルキルベンゼン、メシチレン、プソイド
クメン等のトリアルキルベンゼン類、1,2,3,5ー
テトラメチルベンゼン、1,2,4,5ーテトラメチル
ベンゼン、ペンタメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼ
ン等のポリアルキルベンゼン類が用いられ、また多環芳
香族炭化水素としては1ーおよび2ーメチルナフタレ
ン、ジメチルナフタレン類、テトラヒドロナフタレン、
インダン等が用いられる。 一方の原料となる炭素数4
または5の共役ジエン類としては、1,3ーブタジエ
ン、1,3ーペンタジエン、イソプレンが用いられる。
【0012】本発明に用いられるアルカリ金属系担持触
媒としては、カリウムの水酸化物とアルミナ水和物との
混合物を350゜C〜700゜Cで焼成して得られる担
体、塩基性カリウム化合物とアルミナとの混合物を35
0゜C〜700゜Cで焼成して得られる担体、カリウム
化合物を含有するアルカリ土類金属酸化物担体、カリウ
ム化合物を含有するジルコニウム酸化物担体、そして、
これら担体を不活性気体下、100゜C〜300゜Cで
金属ナトリウムを加え熱処理して得られる混合物があ
る。これらの触媒を反応に使用するに当っては、種々の
反応方式が採られるが一般的には原料の一方である芳香
族炭化水素類を共役ジエン類に対して過剰に存在させる
方法がモノアルキルベンゼン類への選択率を向上させる
ことができる。そのためにはセミバッチ方式で共役ジエ
ン類を連続的に反応系に供給する方法が好ましい。また
完全混合方式や固定床流通方式等で反応を連続的に実施
する場合には反応器を多段に分け、各段に共役ジエン類
を供給する等共役ジエン類の反応器中での濃度を下げる
ことが可能な反応方式を採用する方が高選択率を得るこ
とができ好ましい。
【0013】本発明方法における反応温度は100〜2
00゜Cの範囲である。これより低い場合にも反応は起
るが充分な反応速度が得られず、また選択率が低下する
傾向にある。これより温度が高い場合にはタール分等の
副生物が多くなり好ましくない。本発明は、原料芳香族
炭化水素、および生成物が実質的に液体状態にある条件
下で反応を行う。反応圧は、原料芳香族炭化水素、およ
び生成物が実質的に液体として存在するに充分な圧力で
あれば良く、特に制限はないが、絶対圧で0.05〜5
気圧、好ましくは0.1〜2気圧の範囲である。 本発
明方法のおける原料芳香族炭化水素に対する一方の原料
である炭素数4または5の共役ジエンの比は、一般には
モル比で0.01〜1、好ましくは0.03〜0.5の
範囲である。これよりもジエンが多い場合には生成した
モノアルケニルベンゼンが更にジエンと反応して芳香族
炭化水素1分子にジエンが2分子以上付加した化合物の
生成が多くなり、またジエンの重合も起り易く選択率が
低下するので好ましくない。 本発明方法において用い
る触媒の量は、原料の芳香族炭化水素に対して重量で
0.01%以上、好ましくは0.05%以上である。本
発明方法は、バッチ方式、セミバッチ方式、完全混合流
通方式等の反応方式が採用されるが、バッチ方式、セミ
バッチ方式での反応時間または完全混合流通方式での滞
留時間として0.1〜10時間が採用される。固定床流
通方式の場合には、 通常芳香族炭化水素のLSVとし
て0.1〜10h-1 が採用される。
【0014】触媒を懸濁させて反応を行う場合、通常反
応後、生成液を静置し触媒の大部分をまず沈降させる。
次に生成液を反応槽から抜出し処理を行う。この時、一
つの方法としては、まず5ミクロン以下のフィルターを
用い濾過しアルカリ金属系担持触媒の大部分を除去す
る。これ以上の目の粗いフィルターを用いた場合微粒子
状の触媒の一部が回収生成液中に含まれ蒸留工程でモノ
アルキルベンゼンの変質を起こし好ましくない。また、
5ミクロン以下のフィルターを用いアルカリ金属系担持
触媒をロ過し除去しても、アルカリ金属の一部が可溶性
のアルキルもしくはアルケニル錯体またはアルカリ塩と
して液相に混入する。この生成液がそのまま蒸留塔に導
入されると、活性な可溶性触媒により、モノアルケニル
ベンゼンの変質を起こさせる。可溶性触媒の量は決して
多いものではないが、蒸留塔滞留液に濃縮され長期の運
転を行う場合、モノアルケニルベンゼンの変質は無視で
きないほど増加する。その為、活性な可溶性触媒は蒸留
塔に生成液が導入される前に失活させる必要がある。
もう一つは、まず微粒子状の不溶性アルカリ金属系担持
触媒と可溶性のアルキルもしくはアルケニル錯体または
アルカリ塩を含む生成液から、アルカリ金属触媒成分を
失活させた後、5ミクロン以下のフィルターを用いアル
カリ金属系担持触媒をロ過し除去する方法である。上記
いずれの方法も用いることができるが、はじめの方法を
用いた場合、フィルター上に補集された活性なアルカリ
金属系触媒はフィルター上でモノアルケニルベンゼンの
変質を起こさせ高分子量のモノアルケニルベンゼンのポ
リマーを生成し、フィルターの目詰りを起こす場合があ
る。よって、後者の方法がより好適に使用される。 ア
ルカリ金属系担持触媒の担体の一部は、微粒子と成って
生成液中に含まれ、沈降だけではその全量を除去するこ
とはできないので、フィルターによる固体の除去操作は
必ず行う必要がある。
【0015】触媒を失活させるには、空気、酸素、水蒸
気、二酸化炭素、二酸化炭素と酸素の混合ガス、二酸化
炭素と水蒸気の混合ガス等のガスと生成液を接触させ、
活性なアルカリ金属系担持触媒をアルカリ酸化物、アル
カリ水酸化物、アルカリ炭酸塩に変換する方法が採用さ
れる。 空気、酸素および水蒸気を使用する場合、カリ
ウム、ナトリウム、又はその合金を触媒として用いる
と、失活時に多量の反応熱発生や発火の危険性があるの
で適時、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体で希
釈する必要があるが、アルカリ金属系担持触媒を用いる
と、必ずしも不活性気体で希釈する必要はない。 これ
は、担体上でのアルカリ金属の反応性に起因するものと
考えられ、取扱が有利に行える。また、ガス導入速度で
失活反応をコントロールすることもできるが、カリウ
ム、ナトリウム、又はその合金を触媒として用いる場合
に比べて大きな導入速度を選択できる。
【0016】接触時間は特に制限はなく、活性なアルカ
リ金属系担持触媒を失活させるに充分な時間であればよ
い。接触温度は室温から原料芳香族炭化水素の沸点の広
い範囲で選択できるが室温で充分である。 接触方式と
してはバッチ方式、セミバッチ方式、完全混合流通方式
等の反応方式が採用されるが、いずれの方式でも気液接
触が充分であれば問題ない。もし、空気、酸素、水蒸
気、二酸化炭素、二酸化炭素と酸素の混合ガス、二酸化
炭素と水蒸気の混合ガス等のガスと生成液を接触させ、
活性なアルカリ金属系担持触媒を失活し、フィルターを
用いアルカリ金属系担持触媒をロ過し除去する方法で完
全にアルカリ金属成分を除去しきれない場合には、更に
水、酸水溶液、アルコール等の液体、固体酸、炭素材
料、陽イオン性イオン交換樹脂等の固体を用いてアルカ
リ金属系担持触媒を失活及び除去する方法を併用しても
よい。
【0017】
【発明の効果】上記のように、アルカリ金属系担持触媒
を失活および、または除去させたアルケニルベンゼン生
成液から蒸留によりアルケニルベンゼンを分離回収した
場合には、常圧蒸留によっても変質は起らず、高純度の
アルケニルベンゼンを高回収率で得ることが出来、また
安定的に蒸留塔を運転出来、その工業的意義は極めて大
きい。
【0018】
【実施例】以下に、実施例、及び比較例にて本発明の方
法を詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施例の範囲
に限定されるものではない。実施例1 KOH 2.09kgを含有する水溶液にAl2 3
末(水沢化学製DN−1A)5.8kgを加え、室温で
1時間撹拌し混合した。115゜Cで一晩乾燥後、更に
空気中500゜Cで焼成した。この混合焼成品500g
を窒素雰囲気下150゜Cで撹拌し、金属Na60gを
加えた後、30分撹拌した。このようにして得られた触
媒粉末にモレキュラーシーブを用いて脱水したO−キシ
レン100kgを窒素気流中で加え、140゜Cに加熱
した。 常圧下、撹拌しながら1,3−ブタジエン7.
0kgを1時間で導入して反応させた。反応後、撹拌を
停止し静置、降温し生成液を抜出した。この生成液の一
部を採りガスクロマトグラフィーにより分析した。 結
果を表1に示した。1,3−ブタジエン基準の5−(O
−トリル)−2−ペンテン選択率は83.0%であっ
た。この反応生成液に空気をバブリングさせ、アルカリ
金属系担持触媒を完全に失活させた後、生成液を1ミク
ロンの細孔径を有するステンレス焼結金属フィルターを
通しオルソキシレン回収塔に10kg/hrの速度で導
入した。常圧において、釜温度230゜Cでオルソキシ
レン回収塔を運転した場合の塔頂液、釜出液の組成およ
び重量を表2に示す。目的生成物である釜出液中の5−
(O−トリル)−2−ペンテンの変質は認められなかっ
た。 次に、5−(O−トリル)−2−ペンテン精製塔
を常圧下、釜温度250゜Cで運転し、塔頂より5−
(O−トリル)−2−ペンテンを回収した。純度は9
9.8%であり、回収率は98.5%であった。
【0019】実施例2 アルカリ金属系担持触媒の失活を窒素で希釈した水蒸気
で行った以外は、実施例1と同様に行った。 5−(O
−トリル)−2−ペンテン純度は99.7%であり、回
収率は98.4%であった。実施例3 アルカリ金属系担持触媒の失活を二酸化炭素と空気の混
合ガスで行った以外は実施例1と同様に行った。 5−
(O−トリル)−2−ペンテン純度は99.6%であ
り、回収率は98.3%であった。実施例4 アルカリ金属系担持触媒の失活を二酸化炭素と水蒸気の
混合ガスで行った以外は、実施例1と同様に行った。
5−(O−トリル)−2−ペンテン純度は99.5
%であり、回収率は98.5%であった。
【0020】実施例5 KOH 2.09kgを含有する水溶液にCaO 5.
8kgを加え、室温で1時間撹拌、混合し,115゜C
で一晩乾燥後、更に空気中500゜Cで焼成した担体を
用いた以外は、実施例1と同様に行った。 5−(O−
トリル)−2−ペンテン純度は99.5%であり、回収
率は98.3%であった。実施例6 KOH 2.09kgを含有する水溶液にZrO2 5.
8kgを加え、室温で1時間撹拌、混合し、115゜C
で一晩乾燥後、更に空気中500゜Cで焼成した担体を
用いた以外は、実施例1と同様に行った。 5−(O−
トリル)−2−ペンテン純度は99.8%であり、回収
率は98.1%であった。
【0021】比較例1 実施例1において、アルケニル化反応後の生成液を静置
し降温後抜出した。この生成液をフィルターに通さず
に、そのままオルソキシレン回収塔に10kg/hrの
速度で導入した。常圧において、釜温度230゜Cでオ
ルソキシレン回収塔を運転した場合の塔頂液、釜出液の
組成及び重量を表2に示す。目的生成物である釜出液中
の5−(O−トリル)−2−ペンテンの変質が起り5−
(O−トリル)−2−ペンテンとオルトキシレンの更に
反応した高沸成分、アルケニル化反応の逆反応によるオ
ルトキシレンの増加、5−(O−トリル)−2−ペンテ
ンの二重結合の移動による異性体である5−(O−トリ
ル)−3−ペンテン、5−(O−トリル)−4−ペンテ
ンの生成が認められた。
【0022】比較例2 実施例1において、アルケニル化反応後の生成液を静置
し降温後、反応生成液を1ミクロンの細孔径を有するス
テンレス焼結金属フィルターを通し抜出した。この生成
液をアルカリ金属触媒成分の失活を行わず、そのまま2
0mmHgの減圧下、釜温度120゜Cの条件で運転し
ているオルソキシレン回収塔に10kg/hrの速度で
導入した。 オルソキシレン回収塔運転1日後の塔頂
液、釜出液の組成および重量を表2に示す。 5−(O
−トリル)−2−ペンテンの変質量は減少したが副生物
を抑えることはできなかった。比較例3 比較例2において、さらにオルソキシレン回収塔を5日
間運転後の塔頂液、釜出液の組成及び重量を表2に示
す。 5−(O−トリル)−2−ペンテンの変質量は増
加した。アルカリ金属系触媒の濃縮が蒸留塔内で起り、
蒸留塔の運転条件だけでは5−(O−トリル)−2−ペ
ンテンの変質量を減らし高回収率で精製することができ
なかった。比較例4 比較例2において、更にオルソキシレン回収塔を10日
間運転したが、蒸留塔フィード段付近で固形物が析出
し、生成液の供給が困難となり運転を停止した。
【0023】
【表1】 ────────────────────────── オルソキシレン 81.87wt% OTP−2 16.10wt% OTP−3 0.003wt% OTP−4 0.016wt% C20H 0.071wt% その他高沸副生物 2.03wt% ────────────────────────── OTP−2;5−(O−トリル)−2−ペンテン。 OTP−3;5−(O−トリル)−3−ペンテン。 OTP−4;5−(O−トリル)−4−ペンテン。 C20H ;5−(O−トリル)−2−ペンテンとオル
ソキシレンが反応して生成した分子量266の化合物。
【0024】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例1 比較例1 比較例2 比較例3 ──────────────────────────────────── 塔頂液 重量 kg/hr 8.19 8.28 8.21 8.31 組成 wt% オルソキシレン 99.99 99.99 99.99 99.99 OTP−2 0.001 0.001 0.001 0.001 ──────────────────────────────────── 釜出液 重量 kg/hr 1.81 1.72 1.79 1.69 組成 wt% オルソキシレン 0.001 0.001 0.001 0.001 OTP−2 88.36 71.46 85.43 60.45 OTP−3 0.015 0.71 0.14 0.83 OTP−4 0.088 4.73 0.95 6.28 C20H 0.39 2.67 0.53 4.06 その他高沸副生物 11.15 20.42 12.95 28.38 ──────────────────────────────────── OTP−2;5−(O−トリル)−2−ペンテン。 OTP−3;5−(O−トリル)−3−ペンテン。 OTP−4;5−(O−トリル)−4−ペンテン。 C20H ;5−(O−トリル)−2−ペンテンとオル
ソキシレンが反応して生成した分子量266の化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高川 實 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖のα位に1個以上の水素原子が結合し
    ている芳香族炭化水素化合物の側鎖を炭素数4又は5の
    共役ジエン類を用いてアルカリ金属系担持触媒によりア
    ルケニル化してモノアルケニルベンゼン類を製造するに
    際して、該反応生成液からアルカリ金属系担持触媒を失
    活及び/又は除去させた後、蒸留によりモノアルケニル
    ベンゼン類を分離回収することを特徴とするモノアルケ
    ニルベンゼン類の精製法。
  2. 【請求項2】反応生成液を5ミクロン以下のフィルター
    を用いて濾過し、アルカリ金属系担持触媒を除去する請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】空気、及び酸素、又は酸素含有不活性ガス
    と接触させることによるアルカリ金属系担持触媒を失活
    させる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】水蒸気、又は水蒸気含有不活性ガスと接触
    させることによるアルカリ金属系担持触媒を失活させる
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】二酸化炭素、又は酸素及び/又は水蒸気と
    の混合気体と接触させることによるアルカリ金属系担持
    触媒を失活させる請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】カリウムの水酸化物とアルミナ水和物との
    混合物を350゜C〜700゜Cで焼成して得られる化
    合物に、不活性気体下にて金属ナトリウムを加え、10
    0゜C〜300゜Cで熱処理して得られる混合物をアル
    カリ金属系担持触媒とする請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】塩基性カリウム化合物とアルミナとの混合
    物を350゜C〜700゜Cで焼成して得られる化合物
    に、不活性気体下にて金属ナトリウムを加え、100゜
    C〜300゜Cで熱処理して得られる混合物をアルカリ
    金属系担持触媒とする請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】カリウム化合物を含有するアルカリ土類金
    属酸化物と金属ナトリウムを不活性気体下で熱処理して
    得られる混合物を、アルカリ金属系担持触媒とする請求
    項1記載の方法。
  9. 【請求項9】カリウム化合物を含有するジルコニウム酸
    化物と金属ナトリウムを不活性気体下で熱処理して得ら
    れる混合物を、アルカリ金属系担持触媒とする請求項1
    記載の方法。
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