JPH0741384A - 低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法および装置 - Google Patents

低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法および装置

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JPH0741384A
JPH0741384A JP10842294A JP10842294A JPH0741384A JP H0741384 A JPH0741384 A JP H0741384A JP 10842294 A JP10842294 A JP 10842294A JP 10842294 A JP10842294 A JP 10842294A JP H0741384 A JPH0741384 A JP H0741384A
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melt
crystal
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JP10842294A
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Yasuyuki Seki
康之 関
Katsumi Nishizaki
克己 西崎
Hiroshi Kaneda
洋 金田
Kazuhiko Echizenya
一彦 越前谷
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チョクラルスキー法を用いた低酸素濃度シリコ
ン単結晶の製造方法および装置を提供する。 【構成】メルト11およびルツボ1を保温する炉壁断熱
材8および単結晶10を囲繞する上部断熱材16を配設
すると共にメルト液面を所定温度となるようルツボを昇
降させる昇降手段(図省略)を設けることによって、ル
ツボ壁の高さ方向温度勾配を緩和し、ヒータ3の温度を
下げてルツボ壁温度を低下させ、ルツボからメルト11
に溶込む酸素量を抑制する。なお、2はサセプタ、4は
ヒートパック、5はリングトップを示す。本発明によれ
ば、酸素濃度が27ppma以下のシリコン単結晶を製
造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法を
適用した低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法および装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チョクラルスキー法による単結晶製造
は、ルツボ内に収容した原料をヒータによって加熱溶融
させ、その融液に浸した種結晶を回転させながら上昇さ
せ、種結晶下端に単結晶を成長させる技術である。製造
装置内は、図14に示すように、原料メルト(融液)1
1を収容したルツボ1、このルツボ1を支えるサセプタ
2、ルツボを同軸に囲繞するヒータ3が設けられ、ま
た、熱損失を抑えるためにヒータ3の周りにヒートパッ
ク(断熱材)4およびヒータ3の上部にリングトップ
(断熱材)5が配設されている。
【0003】ここで、結晶中の酸素濃度は、メルトと接
するルツボ壁の温度と密接に関係し、ルツボ壁の温度が
高くなればルツボから溶出する酸素が多くなり結晶中の
酸素濃度も高くなる。また、逆に温度が低くなれば結晶
中の酸素濃度も低くなる。従って、低酸素濃度の結晶引
上げを行うにはルツボ壁の温度を下げる必要がある。し
かし、従来の装置では、ルツボ壁を囲繞するように炉壁
が配設されているために、放射率は低いが低温である炉
壁にルツボの熱が逃げるので、ルツボ壁は冷え易く、ま
た、溶出酸素量を低下させようとしてヒータパワーを下
げ過ぎると、ルツボ壁部からメルトが凝固するという問
題が発生するので、十分にルツボ壁温度を低下させるこ
とはできない。そのために、メルトへの酸素の溶込みを
抑制できず、結晶中の酸素濃度を目標値まで下げられな
いという欠点があった。
【0004】また、図15に示すように、ガスの流れの
制御を目的として、Arパージチューブ12をリングト
ップ5の上に配置することもあった。しかし、Arパー
ジチューブ12は高熱伝導率・高放射率の炭素製である
ためにルツボ1の保温効果がなく、Arパージチューブ
12を用いない時と同様の欠点があった。この対策とし
て、内表面にSi34 膜を被覆したルツボ1を使用す
ることによってルツボからの酸素の溶出を抑制し、結晶
中の酸素濃度を低減する方法(特開昭54−15777
9号公報)や、メルト11に磁場を印加してメルトの対
流を抑制し、ルツボ壁とメルトとの境界部に形成される
酸素濃度境膜層の厚さを厚くすることで、ルツボからの
酸素の溶出を抑制し、結晶中の酸素濃度を低減する方法
(特開昭61−53188号公報)が知られている。
【0005】また、酸素濃度の低減が目的ではないが、
メルトやルツボの冷却を抑制する方法としては、金属製
或はカーボン製の輻射スクリーンを用いる方法(特公平
2−31040号公報、特公昭57−40119号公
報)が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した、特開昭54
−157779公報のように、内表面にSi34 膜を
被覆したルツボを用いる方法は、Si34 膜を被覆す
る工程に高い費用がかかり、ルツボの単価が高くなる
上、ルツボは通常1バッチ毎に交換しなければならない
ので非常にコストがかかるという問題がある。また、窒
素が溶出するので、結晶中にも窒素が取り込まれ結晶品
質が変化するという問題もある。
【0007】また、特開昭61−53188公報の、メ
ルトに磁場を印加してメルトの対流を抑制する方法で
は、磁場発生装置が新たに必要となるため設備費が余分
に掛かる。また発生させる磁場強度が強いことと、装置
の重量を軽減させる必要があることから、磁場発生装置
には超電導マグネットを用いるのが通常であるが、超電
導マグネットは液化Heを使用するのでランニングコス
トが高いという問題がある。金属製或はカーボン製の輻
射スクリーンを用いる方法(特公平2−31040号公
報、特公昭57−40119号公報)は、目的が異なる
ので、十分な酸素低減効果が得られないのは当然である
が、その理由は以下の通りである。すなわち、輻射スク
リーンを用いれば、メルトやルツボの冷却を抑制できる
が、ヒータに対するメルトの高さ方向の位置が適正な範
囲に保たれていないと、ルツボからの酸素の溶出を抑制
できないからである。
【0008】本発明は、上述の諸問題を解決して、通常
の引上げ法に比較して大幅にコストアップすることなく
安価に、しかも酸素濃度以外の結晶品質を変化させるこ
となく結晶中の酸素濃度を低減する低酸素濃度シリコン
単結晶の製造方法および装置を提供することを課題とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するもので、 (1)方法発明は、チョクラルスキー法により低酸素濃
度シリコン単結晶を製造するに際し、結晶原料融液を収
容するルツボの開口部近傍のルツボ壁およびルツボ上部
空間を囲繞すると共に結晶の引上げを妨げない位置に保
温手段を設けてルツボの放熱を防止し、ルツボ壁の高さ
方向の温度勾配も緩やかとなるように保温しながらシリ
コン単結晶を引上げることを特徴とする低酸素濃度シリ
コン単結晶の製造方法である。
【0010】結晶原料融液の自由表面位置を、ヒータの
高さ方向温度分布がヒータの最高温度の95%以上とな
る位置以内に調整してシリコン単結晶を引上げるとよ
い。 (2)装置発明は、結晶原料融液を収容するルツボと、
該ルツボの加熱手段と、該ルツボの放熱を防止する保温
手段と、該融液から単結晶を引上げる引上げ手段を備え
た低酸素濃度シリコン単結晶の製造装置に適用され、次
の技術手段を採った。すなわち、該結晶原料融液の自由
表面位置を所定位置に設定する該ルツボの昇降手段を備
え、該保温手段は、該ルツボの開口部近傍の該ルツボ壁
および該ルツボ上部空間を囲繞すると共に結晶の引上げ
を妨げないよう炉壁と該ルツボ壁間に配設されたおよび
/または該単結晶を囲繞して配設された断熱材、熱反射
板或はこれらの複合材からなることを特徴とする低酸素
濃度シリコン単結晶の製造装置である。
【0011】該複合材はルツボの加熱ヒータより上部の
炉壁を囲繞する炉壁断熱材と、該ルツボの上端より低い
該ルツボ内にストリングにより吊下され該ルツボ壁、該
ルツボと融液表面との接触領域および融液表面に反斜面
が対向するリング状の熱反射板とから構成される。該リ
ング状の熱反射板に替えて、該単結晶を囲繞する円筒形
断熱材或は逆円錐台形反射板を設けると共に、該断熱
材、熱反射板はカーボンフェルト製、モリブデン製、又
はカーボンフェルトとモリブデンの複層構造或はカーボ
ンフェルトとグラファイトとの複層構造の何れかで構成
することが望ましい。
【0012】
【作用】図12は、Arパージチューブを用いない場合
の従来技術を示したものである。この従来技術は、ルツ
ボ壁に対向する面は水冷されている低温の炉壁7である
ので、ルツボ壁からの熱はこの炉壁7に逃げてしまう。
実測した結果では、メルト11表面より上部のルツボ壁
部分から放射される熱量は、低温の炉壁7から60%程
度が逃げている。
【0013】また、図13に示す、Arパージチューブ
12を用いた場合の従来技術でも、チューブはグラファ
イト製で高放射率・高熱伝導率であるために輻射熱は殆
ど透過することとなり、ルツボ壁から放射される熱量の
60%程度が低温の炉壁に逃げている。なお、図12、
図13に示す(1) は従来技術におけるルツボ温度の高さ
方向温度分の説明グラフである。
【0014】従って、従来技術においてはルツボ1は冷
え易くなっており、ルツボ壁の高さ方向の温度勾配が大
きくなっている。すなわち、メルト11面を境として上
方は温度が低下する傾向に、また下方は温度が上昇する
傾向にある。従って、メルトと接するルツボ壁の温度を
高く保たないと、メルト表面でルツボ壁側からメルトが
凝固するという問題がある。
【0015】同様に、メルトの自由表面からも、放射率
は低いが低温の炉壁に熱が逃げて、メルトが冷え易かっ
た。その結果、結晶成長部以外でメルトが凝固しない温
度に保って引上げを行うためには、ルツボ近傍の温度を
高くする必要があった。ここで、結晶中の酸素濃度は、
メルトと接するルツボ壁の温度と密接に関係し、ルツボ
壁の温度が高くなるとルツボ壁から溶出する酸素が多く
なり、結晶の酸素濃度も高くなる。逆に、温度が低くな
れば結晶の酸素濃度も低くなる。
【0016】よって、従来技術においては、ルツボ壁温
度を高く保たねばならず、ルツボ壁からメルトへの酸素
の溶出を抑えられないので、結晶中の酸素濃度を目標値
まで下げることはできなかった。これに対して、本発明
の装置によれば、図1に示すように、炉壁7とルツボ壁
1間に、ルツボ1の開口部近傍のルツボ壁およびルツボ
上部空間を囲繞する炉壁断熱材8を設けたため、従来は
ルツボ壁から炉壁7側に放射され或は透過していた熱が
炉壁断熱材8により熱伝導を妨げられるので、ルツボ壁
が保温される。
【0017】また本発明では、従来例に比較して、同一
のヒータパワーでもルツボ壁温度は高くなっており、従
ってルツボ壁が冷えにくく、高さ方向の温度勾配も緩や
かとなっている。すなわち、メルト11表面でルツボ壁
部から凝固することなく、メルト11と接するルツボ壁
の温度を従来技術に比べて低下させることができる。そ
のため、ルツボからメルトへ溶出する酸素量を少なくで
き、結晶中の酸素濃度を低減することができる。
【0018】図3は、図1の炉壁断熱材8に替えて輻射
熱を反射する熱反射板13を設けたものであるが、従来
はルツボ壁から炉壁7側に放射され或は透過していた熱
が熱反射板13により反射されるので炉壁側へは逃げ
ず、ルツボ壁が保温される。従って、図1に示した場合
と同様結晶中の酸素濃度を低減することができる。ま
た、図4は図1の炉壁断熱材8に加えて、リング状反射
板14をストリング15により吊下してルツボ壁を保温
するものである。すなわち、ルツボ壁、ルツボとメルト
表面との接触領域およびメルト表面から低温の炉壁への
熱輻射が防げるためにルツボ壁上部およびメルト表面が
保温される。
【0019】このルツボ壁上部の保温がルツボ壁の高さ
方向の温度勾配を緩くし、ルツボ壁の平均温度を低下さ
せることを可能とする。リング状反射板14はストリン
グ15によって吊下しているので、引上げられた結晶か
らの輻射放熱は妨げられることはなく、結晶中の温度勾
配を過度に緩くすることがないので、結晶を安定して成
長させることができる。なお、図4の右側に示すグラフ
は、(1) は従来と同一のヒータパワーをかけたときの温
度分布であり、(2) はメルト表面温度を結晶成長に適し
た温度に制御するためにヒータパワーを下げることを示
し、(3) は本発明の結晶成長時の温度分布を示す。
【0020】図5においては、図1の炉壁断熱材8に加
えて、中空円板と円筒形からなる上部断熱材16を設け
たものであり、ルツボ壁およびメルトが保温される。さ
らにメルトの自由表面位置をヒータの高温部近くまで下
げることにより、メルトと接触しているルツボ壁部の温
度を低くでき、結晶の酸素濃度を低減することができ
る。
【0021】また、図6は逆円錐台形反射板17と熱吸
収材18を設けたものである。メルト表面より上のルツ
ボ壁部分では、炉壁および結晶への輻射による熱伝導が
減少し保温されるため、温度は低下せず、高さ方向の温
度勾配は緩和される。従って、メルト表面より下のルツ
ボ壁部分では、上方への伝導による熱の逃げが小さくな
り、高さ方向の温度勾配は緩和され同一のヒータパワー
に対して温度が高くなる。なお、図6の右側に示すグラ
フは、図4の場合と同じである。
【0022】図9は従来の引上げにおけるヒータ高さ方
向の温度分布の測定結果であり、ヒータの温度が最高温
度より約100℃低い位置にメルト表面が位置してい
た。このような状態では、如何にルツボ、メルトを保温
してもヒータの温度勾配に起因した温度勾配がルツボ壁
部に生じ、ルツボ壁部の温度を十分には下げられなかっ
た。これに対して、本発明装置は、結晶原料メルトの自
由表面位置を所定位置に設定するルツボの昇降手段を設
けている(図示は省略)ので、図8に示すように、メル
トの自由表面の位置をヒータの高温部近くまで下げる
と、ヒータの温度勾配が緩いので、ルツボ壁の温度を低
くできるようになる。その結果ルツボからの酸素溶出が
抑制され、結晶の酸素濃度が低くなる。
【0023】メルトの自由表面の位置と結晶の酸素濃度
との関係を調査した結果、ヒータの最高温度の95%以
上の温度位置にメルトの自由表面を保てば、酸素の低減
効果が得られることが分かった。以上の本発明の作用を
まとめると、 1)メルトおよびルツボの冷却が抑制される。
【0024】2)ヒータの最高温度の95%以上の温度
位置にメルトの自由表面を保つことによりヒータの温度
勾配に起因するルツボ壁温度の温度勾配が緩和される。 3)上記1)、2)の効果により、メルト全体の温度が
均一化され、その結果ルツボ壁の温度を低くできる。 4)ルツボからの酸素溶出が抑制され、結晶の酸素濃度
が低くなる。
【0025】以上のように、本発明の装置は特殊なルツ
ボや設備を用いないので結晶製造の経費は高騰しない。
むしろ、上部への熱の放散が少ないためにヒータの加熱
効率が向上するので電力費を削減でき、経済的な結晶製
造が可能となる。
【0026】
【実施例】以下、本発明方法を好適に実施する装置を図
面に基づき具体的に説明する。図1は本発明の第1の実
施例であり、本結晶製造装置の主要な構成部分は、新た
に加えた炉壁断熱材8と、ルツボ1、サセプタ2、ヒー
タ3およびリングトップ(断熱材)5からなり、炉壁断
熱材8はヒータ3の上のリングトップ5の上部に設け
た。
【0027】炉壁断熱材8の材質として、本実施例では
カーボンフェルトを用いたが、高温に耐えることがで
き、かつ熱伝導率の低い材質であればよい。この炉壁断
熱材8は、高温に耐えられ反射率の高い材質を用いて熱
反射板としてもよいし、さらに表面を熱反射板、内部を
断熱材とした複層構造としてもよい。本実施例では、炉
壁断熱材8の形状を、高さ:220mm、内径:575
mm、厚さ:50mmとしたが、ルツボ壁から炉壁が直
接見えないように覆う形状であればよい。
【0028】図2は本発明装置の第2の実施例であり、
図1の炉壁断熱材8の外に、結晶の引上げを妨げないよ
うに、断熱材9を炉壁断熱材8と炉壁7の天井の間に設
けたものである。このように構成すれば、さらに効果的
である。図11は、結晶直胴部育成時のヒータパワーの
比較であり、本発明では全般にわたって低くなってい
る。
【0029】図3は、本発明装置の第3の実施例であ
り、炉壁断熱材8に替えて輻射熱を反射する熱反射板1
3を設けたものである。図4は第4の実施例であり、図
1の炉壁断熱材8の他に、ストリング15により吊下れ
たリング状反射板14を設けたものである。リング状反
射板14・ストリング15は共に材質はモリブデンであ
り、ストリング15は直径2mmφのワイヤである。リ
ング状反射板14の形状は断面L型、大きさは内径25
0mmφ、外径400mmφ、高さ70mmである。設
置場所は、反射板14の下端がメルト表面から100m
mの位置に吊り下げた。
【0030】ただし、反射板の材質、形状、設置場所と
しては、上記条件に限定されず、耐熱性があり、ルツボ
壁、ルツボとメルト表面との接触領域、メルト表面から
の輻射を妨げ保温するものであればよい。なお、リング
状反射板14の形状は断面L型に限定されず、図7
(a)〜(f)に示す形状に形成することができる。図
5は第5の実施例であり、炉壁断熱材8の他に、上部断
熱材16を設けた。本実施例では、上部断熱材16はカ
ーボンフェルトを用いたが、高温に耐え、熱伝導率の低
い材質であればよい。また、高温に耐え、反射率の高い
材質(例えばモリブデン)を用いて熱反射板としてもよ
く、さらにカーボンフェルトと、モリブデン或はグラフ
ァイト等の複層構造としてもよい。
【0031】上部断熱材16は内径250mmの中空円
筒と外径675mmのつばを組合わせたものであり、高
さ340mm、厚さは25mmである。本実施例では、
メルトの自由表面位置はヒータの上端から150mm下
の位置に保持した。比較のために従来技術による引上で
は、メルトの自由表面位置は、ヒータの上端から90m
m下の位置に保持した。そして、本実施例、比較例とも
18吋径のルツボに原料として多結晶Siを45kgチ
ャージして融解させ、ルツボ回転数6rpmとして直径
6吋の単結晶を育成した。
【0032】図10は本実施例と従来例の単結晶引上げ
において、結晶中の酸素濃度の比較を示したものであ
る。本発明においては、従来例より、結晶の上端から尾
部まで酸素濃度を低減できることが明白である。図6は
第6の実施例であり、炉壁断熱材8の他に、逆円錐台形
の反射板17、および熱吸収材18を設けた。反射板1
7はモリブデン製とし炉壁断熱材8に載置した。熱吸収
材18は多孔質のカーボン製とし炉壁7と反射板17の
間に配設した。本実施例では、反射板17の厚さを2m
m、熱吸収材18の厚さを30mmとした。
【0033】本発明によれば、直径6吋で、〔Oi〕:
目標酸素濃度が27ppma(old ASTM)の結
晶の製造が可能となった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、容易に結晶中の酸素濃
度を低減でき、目標酸素濃度が27ppma(old
ASTM)以下の結晶製造を可能とすると共に、結晶製
造時のヒータ用電力を少なくできるので、経済的な結晶
製造が行えるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1の実施例の断面の説明図であ
る。
【図2】本発明装置の第2の実施例の断面の説明図であ
る。
【図3】本発明装置の第3の実施例の断面の説明図であ
る。
【図4】本発明装置の第4の実施例の断面の説明図であ
る。
【図5】本発明装置の第5の実施例の断面の説明図であ
る。
【図6】本発明装置の第6の実施例の断面の説明図であ
る。Arパージチューブを用いた従来例の作用説明図で
ある。
【図7】本発明装置の第6の実施例に用いるリング状反
射板の形状例の断面の説明図である。
【図8】本発明方法によるメルト表面位置の適正範囲の
説明図である。
【図9】従来技術のメルト表面位置の説明図である。
【図10】本発明と従来例における、結晶中の酸素濃度
の比較グラフである。
【図11】本発明と従来例における、結晶直胴部育成時
のヒータパワーの比較グラフである。
【図12】従来例の作用説明図である。
【図13】Arパージチューブを用いた従来例の作用説
明図である。
【図14】従来例の断面の説明図である
【図15】Arパージチューブを備えた従来例の断面の
説明図である。
【符号の説明】
1 ルツボ 2 サセプタ 3 ヒータ 4 ヒートパッ
ク 5 リングトップ 7 炉壁 8 炉壁断熱材 9 断熱材 10 結晶 11 メルト 12 Arパージチューブ 13 熱反射板 14 リング状反射板 15 ストリング 16 上部断熱材 17 反射板 18 熱吸収材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 洋 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 越前谷 一彦 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法により低酸素濃度シ
    リコン単結晶を製造するに際し、結晶原料融液を収容す
    るルツボの開口部近傍のルツボ壁およびルツボ上部空間
    を囲繞すると共に結晶の引上げを妨げない位置に保温手
    段を設けてルツボの放熱を防止し、ルツボ壁の高さ方向
    の温度勾配も緩やかとなるように保温しながらシリコン
    単結晶を引上げることを特徴とする低酸素濃度シリコン
    単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 該結晶原料融液の自由表面位置を、ヒー
    タの高さ方向温度分布がヒータの最高温度の95%以上
    となる位置以内に調整してシリコン単結晶を引上げる請
    求項1記載の低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 結晶原料融液を収容するルツボと、該ル
    ツボの加熱手段と、該ルツボの放熱を防止する保温手段
    と、該融液から単結晶を引上げる引上げ手段を備えた低
    酸素濃度シリコン単結晶の製造装置において、 該結晶原料融液の自由表面位置を所定位置に設定する該
    ルツボの昇降手段を備え、該保温手段は、該ルツボの開
    口部近傍の該ルツボ壁および該ルツボ上部空間を囲繞す
    ると共に結晶の引上げを妨げないよう炉壁と該ルツボ壁
    間に配設されたおよび/または該単結晶を囲繞して配設
    された断熱材、熱反射板或はこれらの複合材からなるこ
    とを特徴とする低酸素濃度シリコン単結晶の製造装置。
  4. 【請求項4】 該複合材がルツボの加熱ヒータより上部
    の炉壁を囲繞する炉壁断熱材と、該ルツボの上端より低
    い該ルツボ内にストリングにより吊下され該ルツボ壁、
    該ルツボと融液表面との接触領域および融液表面に反斜
    面が対向するリング状の熱反射板とからなる請求項4記
    載の低酸素濃度シリコン単結晶の製造装置。
  5. 【請求項5】 該リング状の熱反射板に替えて、該単結
    晶を囲繞する円筒形断熱材或は逆円錐台形反射板を設
    け、該断熱材、熱反射板はカーボンフェルト製、モリブ
    デン製、又はカーボンフェルトとモリブデンの複層構造
    或はカーボンフェルトとグラファイトとの複層構造の何
    れかである請求項4または5記載の低酸素濃度シリコン
    単結晶の製造装置。
JP10842294A 1993-05-24 1994-05-23 低酸素濃度シリコン単結晶の製造方法および装置 Withdrawn JPH0741384A (ja)

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