JPH0741361A - 回転蓄熱式熱交換器用セラミックス焼結体 - Google Patents

回転蓄熱式熱交換器用セラミックス焼結体

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JPH0741361A
JPH0741361A JP15883793A JP15883793A JPH0741361A JP H0741361 A JPH0741361 A JP H0741361A JP 15883793 A JP15883793 A JP 15883793A JP 15883793 A JP15883793 A JP 15883793A JP H0741361 A JPH0741361 A JP H0741361A
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JP
Japan
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heat exchanger
ceramic sintered
sintered compact
type heat
rotary
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Pending
Application number
JP15883793A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Tsunoda
英雄 角田
Junichi Miyagawa
純一 宮川
Takafuru Kobayashi
敬古 小林
Toshiji Nakamura
利治 中村
Kiyohiko Chijiiwa
清彦 千々岩
Iwao Kawajiri
巌 川尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Iwao Jiki Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Iwao Jiki Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力損失の小さい回転蓄熱式熱交換器に使用
する耐食性の優れたセラミックス焼結体に関する。 【構成】 化学組成が重量割合で、SiO2 :70%以
上、Al2 3 :5%以下、アルカリ分としてK2 O,
Na2 Oの合計量が1〜5%で構成されるハニカム形状
セラミックス焼結材料において、その結晶相の主成分が
石英もしくはクリストバライトであり、結晶相の構成に
アルカリ成分を含まない回転蓄熱式熱交換器用セラミッ
クス焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱交換効率に優れ、圧力
損失の小さい回転蓄熱式熱交換器に使用する耐食性の優
れたセラミックス焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転蓄熱式熱交換器材料は炭素鋼
系の金属材料やその表面をエナメルで覆ったエナメル被
覆鋼が使用されている。しかし、これらの材料は燃料中
の硫黄分が硫酸に変化して発生する低温腐食に対して充
分とは言えない。すなわち、腐食物の生成で差圧が上昇
したり、材料が消耗し熱交換効率が低下するという問題
があった。そこで、これまでコージェライトやβ−スポ
ジュメン等のような低熱膨張率系のセラミックス材料が
検討されてきたが、現実には、これらの材料で硫酸露点
腐食を防止することは困難であり全く使用されていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低熱膨張率系のセラミ
ックスであるコージェライト(2MgO・2Al2 3
・5SiO2 )、β−スポジュメン(Li2 O・Al2
3 ・4SiO2 )は耐熱衝撃性の優れた材料として注
目され、熱交換器への適用が検討されてきたが、実機で
はことごとく失敗し全く使用されていない。これらの材
料は従来の金属系の熱交換体の選定で行なわれている硫
酸液中での浸漬試験では腐食損傷を表す重量減少が金属
の1/10以下で優れた値を示すが、実機では損傷が酷
く金属と比較しても短時間で破損する。
【0004】これは、これらの材料の損傷形態が金属の
ような腐食損耗ではなく、セラミックス内部に侵入した
硫酸により結晶破壊と反応生成物が生じ、これにより体
積膨張して破壊に至ることによるメカニズムの違いによ
るものである。例えば、β−スポジュメンの場合、第一
段階としてLi2 Oが硫酸によって脱落し、水とイオン
交換したケアタイト(H2 O・Al2 3 ・4Si
2 )を生じる。次いで、第二段階としてAl2 3
硫酸と反応して硫酸アルミニウム{Al2 (S
43 }が生成する。この硫酸アルミニウムは室温で
水和物が安定であり、{Al 2 (SO4 3 ・18H2
O}になる。この状態は、この種の熱交換器でしばしば
行なわれる水洗浄によって発生する。
【0005】従って、従来のこの種の材料の欠点はアル
カリ成分であるLi2 OやMgOが結晶相を構成するこ
とによる欠点であり、本発明はこの欠点を解消し、回転
蓄熱式熱交換器にて使用できるセラミックスを提供しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は化学組成が重量
割合で、SiO2 :70%以上、Al2 3 :5%以
下、アルカリ分としてK2 O,Na2 Oの合計量が1〜
5%で構成されるハニカム形状セラミックス焼結材料に
おいて、その結晶相の主成分が石英もしくはクリストバ
ライトであり、結晶相の構成にアルカリ成分を含まない
ことを特徴とする回転蓄熱式熱交換器用セラミックス焼
結体である。
【0007】
【作用】セラミックスの場合も酸に対する特性は元素の
性質で決定する。硫酸に対しては、Siの酸化物である
SiO2 が基本的に酸性であるため最も優れ、次いで中
性に属するAl2 3 が優れる。前述したLi2 O,M
gO、K2 O,Na2 O等のアルカリ性の材料は容易に
腐食される。従って、純粋なSiO2 のみで構成した材
料が最も優れた耐食性を示す。しかし、熱交換器として
使用するためには、構造体としての空隙を高くして差圧
を小さくし熱交換する表面積を大きくする必要がある。
そこで、ハニカム形状に成形することが絶対条件であ
る。その意味で、SiO2 のみの材料は旨く成形できな
い。また、例え成形焼結できたとしても、緻密な焼結体
を得ることが困難であり多孔質の材料になる。多孔質の
場合、前述したエレメント自身の腐食膨張による破損は
ないが、熱交換器の上流側で生成した硫酸鉄などの腐食
物が侵入し、結果的にエレメント自身の腐食破損と同様
な損傷が生じる。従って、成形性を改善するため、より
成形性の高い原料の選定が必要である。そこで、滑り性
のよい粘土を使用せざるを得ない。また、本発明セラミ
ックス焼結体は前述したとおり、熱交換器の使用条件下
ではそれ自身が腐食しなくても上流から来た腐食反応物
が露点域に配置される熱交換器部で侵入する恐れがあ
る。これを防止するためには、吸水率をある程度小さく
する必要がある。そこで、長石等アルカリ分を含む材料
を配合して焼結性を改善して2%以下の空隙に抑えた。
【0008】これらの要求を達成する手段として、本発
明セラミックス焼結体は化学組成が重量割合で、SiO
2 :70%以上、Al2 3 :5%以下、アルカリ分と
してK2 O,Na2 Oの合計量が1〜5%で構成される
ハニカム形状セラミックス焼結材料において、その結晶
相の主成分が石英もしくはクリストバライトであり、結
晶相の構成にアルカリ成分を含まない条件を満たす材料
である。
【0009】SiO2 量が70未満の場合には充分な耐
食性を確保できない。そこで、SiO2 源として溶融石
英のような高いSiO2 含有量のものを使用する。ま
た、Al2 3 はその量が多いとムライトとして結晶を
構成し、アルカリ成分含有結晶ほど酷くはないが長期的
には耐食性が低下する。その量を粘土等の成形性を得る
ために必要な原料から混入する5%以下に限定する。5
%以下にすることにより、耐食性低下を最小限にとどめ
ることができる。また、本発明では前述したアルカリ分
に起因する損傷と相反して、アルカリ分であるK2 O,
Na2 Oを1〜5%の範囲で使用する。アルカリ分が硫
酸と反応しやすいことは明らかであるが、前述した吸水
率を小さくするためには焼成温度を高くするか、硝子成
分で表面を緻密にする手段しかない。しかし、前者の方
法では全体の収縮量が大きくなるため、変形が大きく安
定した寸法の製品が得られない。また、必要な表面層の
みの緻密化ではなく全体的に緻密化するため剛性の高い
材料になり熱応力による損傷を起こし易い。これに対し
て、後者のアルカリ分を添加する方法の場合、温度の高
い表面層のみが硝子化による緻密化効果が大きく全体の
空隙率を低下させずに、吸水率を小さくすることが可能
である。そのために、最低1%の添加が必要である。但
し、添加量が5%以上の場合、正長石(K2 O・Al2
3 ・4SiO 2 )やソーダ長石(Na2 O・Al2
3 ・4SiO2 )等の結晶を構成しやすく、この場合は
従来のセラミックスと同様に腐食を生じる。すなわち、
本発明でのアルカリ成分の役割はガラス相の形成による
表面緻密化に関する効果である。従って、添加したK2
OやNa2 OがX線回折法で測定される結晶構成物の中
に認められてはならない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 (焼結体の製作)熱交換器用セラミックス材料の製作は
石英、アルミナ、ムライト、長石、陶石、粘土等を所定
の割合に配合したセラミックス原料に水を加えてハニカ
ム形状に押出成形した後、乾燥工程をへて1250℃以
上の温度で焼成する方法で行なった。後記の表1は焼成
後の化学成分及び後述する評価結果と合わせてまとめた
ものである。この表1には本発明セラミックス焼結体範
囲の他に比較例として従来セラミックス材料及び本発明
の組成範囲外の成分についても合わせて示した。
【0011】(焼結体の評価)焼結体の評価はアルキメ
デス法で計測した吸水率、60%硫酸水での96時間の
煮沸浸漬試験後水洗して反応生成物を除去して重量減少
を求めた腐食量、所定温度に加熱後圧縮空気を吹き付け
割れや亀裂の発生する温度差を示す熱衝撃性、X線回折
で焼成体の結晶相を判定した結晶構成で行なった。その
結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】本発明範囲の材料はSiO2 の増加に伴い
吸水率が増加し腐食量が若干増加する傾向が見られる。
しかし、SiO2 量が最も多いNo.1でも比較材であ
る結晶相にアルカリ系のβ−スポジュメンを含むNo.
6と比較すると僅かであり実用上は問題ない範囲であ
る。但し、No.5の比較材から明らかなようにAl2
3 量を多くすると、Al2 3 自身がSiO2 と比較
すると耐食性が劣るため腐食量が増加する。また、結晶
構成からアルカリ系結晶生成による腐食への影響が最も
大きいが、本発明範囲内ではこの結晶の生成は認められ
ず、耐食性が高い。
【0014】なお、本発明セラミックス焼結体は熱衝撃
性が比較材と比較して劣る。耐熱衝撃性は熱交換体とし
て重要な性質であり、これを追及することでコージェラ
イトやβ−スポジュメン系のアルカリ結晶を含む低熱膨
張率材料が開発されてきた経緯がある。特に、直交型の
クロスフローハニカムでは熱流と冷流がハニカム内で交
差するため発生熱応力が大きく、本発明材の適用は困難
である。しかし、回転蓄熱式熱交換器の場合、装置が回
転するためハニカムとしての熱応力は小さく本発明材が
充分に適用できる。また、腐食が問題となるのは低温部
であり、発生熱応力は高温と比較して更に小さく本発明
製品の適用にあたっての問題は全くない。
【0015】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の回転蓄熱式熱交換器用のセラミックスは特に、硫酸に
よる低温部露点腐食の解決に有効で、メンテナンスフリ
ーの回転蓄熱式熱交換器の実現が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 敬古 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社本社内 (72)発明者 中村 利治 佐賀県西松浦郡有田町1288番地 岩尾磁器 工業株式会社内 (72)発明者 千々岩 清彦 佐賀県西松浦郡有田町1288番地 岩尾磁器 工業株式会社内 (72)発明者 川尻 巌 佐賀県西松浦郡有田町1288番地 岩尾磁器 工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成が重量割合で、SiO2 :70
    %以上、Al2 3:5%以下、アルカリ分としてK2
    O,Na2 Oの合計量が1〜5%で構成されるハニカム
    形状セラミックス焼結材料において、その結晶相の主成
    分が石英もしくはクリストバライトであり、結晶相の構
    成にアルカリ成分を含まないことを特徴とする回転蓄熱
    式熱交換器用セラミックス焼結体。
JP15883793A 1993-06-29 1993-06-29 回転蓄熱式熱交換器用セラミックス焼結体 Pending JPH0741361A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130199231A1 (en) * 2010-10-12 2013-08-08 Mitsubishi Electric Corporation Heat medium relay unit and air-conditioning apparatus equipped with same

Cited By (2)

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US20130199231A1 (en) * 2010-10-12 2013-08-08 Mitsubishi Electric Corporation Heat medium relay unit and air-conditioning apparatus equipped with same
US9631849B2 (en) * 2010-10-12 2017-04-25 Mitsubishi Electric Corporation Heat medium relay unit and air-conditioning apparatus equipped with same

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Effective date: 20000829