JPH0741207Y2 - 電圧制御発振器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、誘電体共振器を用いた電圧制御発振器（以下
VCOと称す。）に関し、詳しくは収納ケースへ共振器を
組み込む構造に関するものである。

［従来の技術］ 衛星通信機器に多く用いられるVCOは誘電体共振器を用
いており、その一例を第６図を参照して次に示す。上記
誘電体共振器（１）は、例えばセラミック等の誘電体を
直方体状に成形し、その対向側面（1a）（1a）間を貫い
て所定径の横孔（1b）を穿設する。そして、1/2波長で
は横孔（1b）内周面と、側面（1a）（1a）を除く外周面
（1c）…とに銀メッキ（２）を施している。

上記共振器（１）をVCO回路に組み込むに際しては、ま
ず第７図及び第８図に示すように、横孔（1b）の両開口
端より一対のリード端子（３）（３）を導出し、その足
部（3a）（3a）と底面の外周面（1c）とを他のVCO回路
部品と共にプリント基板（４）の表面の配線パターン上
にそれぞれ半田（５）で接続する。そして、第９図に示
すように、上方開口の金属（亜鉛）筺体からなる収納ケ
ース（６）に上記プリント基板（４）を収納して蓋板
（図示せず）を被せると、VCOが形成される。ところ
が、この時、上記共振器（１）によれば、一対のリード
端子（３）（３）を外部に長く導出しているため、そこ
から異常発振や発振停止を生じたり、また、リードの部
分も周波数に利くため、Ｑが低下したり、それを見込ん
で周波数を設定しなければならないという不具合があっ
た。

そこで、従来、第10図に示すように、リード端子（３）
（３）に代えてその根元部のみ端子片（７）（７）とし
て導出してＱを高めると共に、プリント基板（４）側に
穿設した貫通窓（4b）に共振器（１）を嵌装し、端子片
（７）（７）を配線パターン（4a）で係止して半田付け
する。一方、第11図に示すように、収納ケース（６）の
筺体内底部に凹部（6a）を刻設し、プリント基板（４）
を収納ケース（６）に収納してその裏面より下方に突出
した共振器（１）を凹部（6a）に更に収納し、かつ、そ
の下面外周面（1c）を凹部（6a）上に半田付けして蓋板
（８）を被せる。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、上述した第11図に示すVCOによれば、プリン
ト基板（４）を収納ケース（６）に収納し、その裏面よ
り突出した共振器（１）を凹部（6a）に更に収納してそ
の上に半田付けしている。この時、上記凹部（6a）はそ
の製造上の簡便さより比較的、粗い寸法精度で繰りぬい
て形成しているため、共振器（１）を凹部（6a）に収納
した際、その周りに余分の空間（6ab）が生じる。

そのため、振動や衝撃が加わると、共振器（１）が揺れ
て発振周波数が変動（マイクロフォニックノイズ）する
不具合があった。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、直方体状誘電体からなる共振器と、VCO回路
部品を組み付けると共に、所定位置に穿設した矩形状貫
通窓に上記共振器を嵌装してその端子片を表面側で係止
したプリント基板と、蓋板を有する上方開口の金属筺体
内部の底面に、上記プリント基板裏面より下方に突出し
た共振器が略隙間なく嵌合する凹部を刻設し、プリント
基板と共に非揺動状態で共振器を収納する収納ケースと
を具備したことを特徴とする。

［作用］ 上記技術的手段によれば、収納ケースの金属筺体内部底
面の凹部に、上記プリント基板裏面より下方に突出した
共振器を略隙間なく嵌合させ、プリント基板と共に非揺
動状態で共振器を収納ケースに収納する。

［実施例］ 本考案の実施例を第１図乃至第５図を参照して以下に説
明する。第10図及び第11図に示す符号と同一参照符号は
同一物を示しその説明を省略する。相違する点は、第１
図に示すように、上方開口の金属（亜鉛）筺体からなる
収納ケース（９）の内部底面に、プリント基板（４）裏
面より下方に突出した共振器（１）が略隙間なく嵌合す
る凹部（9a）を刻設し、プリント基板（４）と共に非揺
動状態で共振器（１）を収納したことである。

即ち、まず第２図に示すように、従来と同じく、プリン
ト基板（４）にVCO回路部品を組み付けると共に、所定
位置に穿設した矩形状貫通窓（4b）に共振器（１）を嵌
装してその端子片（７）（７）を表面側で係止して配線
パターン（4a）に半田付けする。次に、第１図に示すよ
うに、共振器（１）と共にプリント基板（４）を収納ケ
ース（９）に収納し、更にプリント基板（４）裏面より
下方に突出した共振器（１）を略隙間なく凹部（9a）に
嵌合させて収納する。同時に、第３図及び第４図に示す
ように、共振器（１）の側面（1a）（1a）を除く外周面
（1c）…でプリント基板（４）裏面より下方に突出した
部分及びプリント基板（４）の裏面全面を収納ケース
（９）の内面に半田（５）にて接続する。この時、プリ
ント基板（４）裏面より下方に突出した共振器（１）と
凹部（9a）との間に隙間が生じた場合、半田（５）の量
を調節して隙間をなくせばよい。

そこで、収納ケース（９）に蓋板を被せると、プリント
基板（４）と共に共振器（１）が非揺動状態で、かつ、
確実にアース接続して収納ケース（９）に収納され、外
部よりケースに振動や衝撃が加わっても、共振器（１）
は揺れることなく、従って、発振周波数の変動も生じな
い。

尚、第５図に示すように、上記矩形の貫通窓（4b）を一
辺が開口した貫通窓（4b′）に形成してもよく、又、共
振器（１）の品種が変わると、それに応じて凹部（9a）
の寸法を変えればよい。

［考案の効果］ 本考案によれば、誘電体共振器を用いたVCOにおいて収
納ケースへ共振器を非揺動状態で収納したから、外部よ
り振動や衝撃が加わっても、発振周波数の変動がなくな
り、又、C/Nも良好になって性能が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本考案に係るVCOの実施例を示す部分
分解斜視図とそのプリント基板の斜視図、第３図と第４
図は第１図VCOの共振器の収納状態を示す異なる方向か
ら見た各側断面図、第５図は本考案に係るプリント基板
の他の実施例を示す平面図、第６図は誘電体共振器の一
具体例を示す斜視図、第７図と第８図と第９図は従来の
VCOの一具体例で、第６図共振器のプリント基板への取
り付け状態を示す側面図と平面図と収納ケースへの組み
込み状態を示す斜視図、第10図と第11図は従来のVCOの
他の具体例で、第６図共振器のプリント基板への取り付
け状態を示す斜視図と収納ケースへの組み込み状態を示
す側断面図である。 （１）……誘電体共振器、（1a）……側面 （1b）……横孔、（２）……銀メッキ （４）……プリント基板、（７）……端子片 （９）……収納ケース、（9a）……凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】直方体状誘電体からなる共振器と、電圧制
   御発信回路部品を組みつけると共に、所定位置に穿設し
   た矩形状貫通窓に上記共振器を嵌装してその端子片を表
   面側で係止したプリント基板と、 蓋板を有する上方開口の金属筺体内部の底面に、上記プ
   リント基板裏面より下方に突出した共振器が略隙間なく
   嵌合する凹部をこの底面の一部をくりぬいて刻設し、プ
   リント基板と共に非揺動状態で共振器を収納する収納ケ
   ースとを具備したことを特徴とする電圧制御発振器。