JPH0740812U - 埋込用インサート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビル等の建築工事でコンクリートにボルト用
ナットを埋め込むため使用されるインサートにおいて、
作業効率良く木枠への取付ができ、木枠を外したときに
釘処理が不要でかつ製造コストが安い埋込用インサート
を提供すること。 【構成】 金属製の筒型のアンカーナット１４と、該ア
ンカーナット１４の外周部に嵌合する筒型のマーカー１
６と、該マーカー１６の孔１９と薄膜２０で一体に形成
され、アンカーナット１４のナット部１７に差し込まれ
る釘受けピン１８とからなり、該薄膜２０はピン１８差
し込み時の加圧で破れることを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ビル等の建設工事において、コンクリートにボルト用ナットを埋込 むため使用されるインサートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、図６に示すように、金属製の筒型高ナット２と該ナット２の外周部 と嵌合する樹脂製の筒型マーカー３とからなり、マーカー３の外周部に釘受部４ を形成して、高ナット２とマーカー３を嵌合させた後、釘受部４を通して釘５を 打ち込むだけで木枠６への固定ができるインサート１がある。マーカー３は着色 されていて、木枠６を外したとき、色の確認をすることにより識別できるように している。 しかしこのものは、木枠への取付が釘を打ち込むだけででき、かつ２部材であ るから製造コストが安いという長所がある反面、木枠を外した後、釘５がコンク リート面から外へ出ているため危険であり、釘を曲げる等の後作業を必要とした 。 そこで、この欠点を改良するため図７に示すようなものがある。図７に示した ものは、金属製の筒型高ナット８と、筒型の釘受治具９と、高ナット８の外周部 に嵌合されかつ釘受治具９の頭部に嵌まる筒型のマーカー１０とからなるもので 、木枠１１とともに釘受治具９と釘１２が外れるようにして釘処理を不要にした インサート７があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このものは、インサート７を木枠１１に取りつけるには、釘受治具９ を通して釘１２を木枠１１に打ち込んでから、マーカー１０を嵌合した高ナット ８を釘受治具９の頭部に嵌合させなければならなかったので、作業効率が悪く、 かつ３部材となるため製造コストが高いという欠点があった。 本考案は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、作業効率良 くインサートの木枠への取付ができるとともに、木枠を外したときに釘が木枠と ともに外れるようにして釘処理を不要にし、かつ製造コストが安いインサートを 提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、その目的を達成するため次のような構成を採用している。 つまり、筒状のアンカーナットと、該アンカーナットの外周部に嵌合する孔を 設けた筒状のマーカーと、マーカーの孔に沿い薄膜でマーカーの孔と一体に形成 され、アンカーナットのナット部に差し込まれる釘受ピンからなり、該釘受ピン は外向きにマーカーの端面に直行して立設され、該薄膜は釘受ピン差込時の加圧 で破れるとともに前記釘受ピンにはピン軸の周りに少なくとも１個のリブが突設 されてなるものである。

【０００５】

【作用】

この考案によれば、アンカーナットとマーカーとを嵌合させた後、加圧するこ とにより薄膜を破断して釘受ピンをアンカーナットのナット部に差し込んでおけ ば、釘受ピンを通して釘を打ち込むだけでアンカーナットを木枠に固定すること ができる。木枠に固定した後、コンクリートを流し込んでも、釘受ピンに突設し たリブによりナット部が密封されるから、コンクリートがナット部に流れ込むこ とがない。コンクリートを流し込んだ後、木枠を外すと、釘と釘受ピンが木枠と ともに外れるから釘処理は不要となる。また、マーカーと釘受ピンは薄膜で繋い で射出成形により一体成形できるから製造コストが高くなることはない。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は本考案の埋込用インサートの一実施例を示す分解斜視図である。図２は 同インサートの一実施例を示す釘受けピン差し込み前の一部破断の正面図である 。図３から図５はインサートの一実施例の使用状態を示す正面図であって、図３ は組立後を、図４はコンクリート固定時を、図５は木枠を取り外した状態を示す 。

【０００７】 この埋込用インサート１３は、金属製で端部にフランジ１５を有する筒状のア ンカーナット１４と、該アンカーナット１４のフランジ１５と反対側から差し込 まれてアンカーナット１４の外周部に嵌合する孔１９を設けた筒状のマーカー１ ６と、マーカー１６の孔１９に外周に沿い薄膜２０で孔１９と一体に成形され、 アンカーナット１４のナット部１７に差し込まれる釘受ピン１８とからなり、該 薄膜２０は加圧時に破れることからなる。

【０００８】 前記マーカー１６の孔１９のアンカーナット挿入口２１と反対側には、フラン ジ２２とアンカーナット１４をマーカー１６に差し込んだときにストッパーとな る縮径部２３を形成している。 前記釘受けピン１８は、外向きにマーカー１６のフランジ２２と反対側の端面 に直行して立設し、一端にストッパーとなるフランジ２４を有し、該フランジ２ ４と反対側にピン軸の回りに少なくとも１つのリブ２５を突設し、フランジ２４ と最も離れたリブ２５とマーカー１６の孔１９の縮径部２３とを薄膜２０で一体 に形成している。マーカー１６と釘受ピン１８は薄膜２０で繋いでいるから合成 樹脂（ポリプロピレン、ポリアミド等）で射出成形で一体成形することにより効 率良く生産できる。釘受ピン１８はフランジ２４と反対側を開口部２６として、 フランジ２４側を閉塞部２７とし、閉塞部２７は開口部２６から差し込まれた釘 ２８を木枠２９に打ち込むときに簡単に破れる程度の厚みにしておくことが望ま しい。

【０００９】 続いて本考案の埋込用インサートの使用方法を説明する。 図２に示したように、まずマーカー１６の孔１９に挿入口２１からアンカーナ ット１４の外周部を差し込んで嵌合させる。 次に、釘受ピン１８を加圧して薄膜２０を破断してアンカーナット１４のナッ ト部１７に差し込む。 この状態からアンカーナット１４を木枠２９に固定する場合は、図３に示した ように釘２８を釘受ピン１８の孔部３０に通してから釘２８を打ち込むだけで木 枠２９に固定できる。 木枠２９に固定した後、コンクリート３１を流し込んでも、釘受ピン１８のリ ブ２５がナット部１７を密封しているので、コンクリート３１がナット部１７に 流れ込むことがない。 コンクリート３１を流し込んだ後、木枠２９を外すと釘受ピン１８は釘２８で 固定されているから、釘１８と釘受ピン２８が木枠２９とともに外れて釘２８は コンクリート３１に残らないので、釘処理は不要となる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は上記のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。 ２部材で構成されているから製造コストが安く、釘を打ち込む作業だけで木枠 にアンカーナットを固定できるから作業効率が良く、かつコンクリートを流し込 んだ後、木枠を外すと釘は木枠とともに外れるから、釘処理が不要となるインサ ートを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す分解斜視図である。

【図２】本考案の一実施例を示す釘受けピン差し込み前
の一部破断の正面図である。

【図３】本考案の一実施例の使用状態を示す組立後の正
面図である。

【図４】本考案の一実施例の使用状態を示すコンクリー
ト固定時の正面図である。

【図５】本考案の一実施例の使用状態を示す木枠を外し
た時の正面図である。

【図６】従来例を示す正面図である。

【図７】別の従来例を示す正面図である。

【符号の説明】

１３ 埋込用インサート １４ アンカーナット １６ マーカー １７ ナット部 １８ 釘受ピン ２０ 薄膜 ２８ 釘 ２９ 木枠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状のアンカーナットと、該アンカーナ
   ットの外周部に嵌合する孔を設けた筒状のマーカーと、
   マーカーの孔に沿い薄膜でマーカーの孔と一体に形成さ
   れ、アンカーナットのナット部に差し込まれる釘受ピン
   からなり、該釘受ピンは外向きにマーカーの端面に直行
   して立設され、該薄膜は釘受ピン差込時の加圧で破れる
   とともに前記釘受ピンにはピン軸の周りに少なくとも１
   個のリブが突設されてなることを特徴とする埋込用イン
   サート。