JPH0740479B2 - イオン注入方法 - Google Patents

イオン注入方法

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JPH0740479B2
JPH0740479B2 JP60258356A JP25835685A JPH0740479B2 JP H0740479 B2 JPH0740479 B2 JP H0740479B2 JP 60258356 A JP60258356 A JP 60258356A JP 25835685 A JP25835685 A JP 25835685A JP H0740479 B2 JPH0740479 B2 JP H0740479B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、イオン注入方法に関し、特に、立上げ時の
精度を向上し、立上げ時間を短縮できるような自動立上
げの機能を有するイオン注入方法に関する。
[従来の技術] イオンソースで発生する不純物イオンを高電界で加速し
て半導体基板内に打ち込むイオン打ち込み装置として、
例えばフリーマン形で代表される熱陰極形のイオンソー
スを有するイオン注入装置がある。これは、イオンが安
定な状態で発生すること、メンテナンスが容易であるこ
となどから半導体製造装置用のイオン注入装置として広
く用いられている。
第5図(a)は、このような従来のフリーマン形のイオ
ン注入装置の一例を示すものであって、第5図(b)
は、そのイオンソースの説明図である。
1は、イオンソースであり、イオンソース1から正イオ
ンが一定のエネルギーでイオン引出し前段加速部として
の引き出し電極2により引き出され、質量分析部として
の質量分析器3により質量分析される。そしてスリット
4で完全に分離した所望のイオンが加速管5で最終エネ
ルギーまで加速される。
次に、イオンビームは、レンズ系としての4極レンズ6
により基板面12に収束点を持つよう収束されて、ビーム
偏向部としての走査電極及び偏向電極のうちの走査電極
7,8により基板に一様に打ち込み量が分布するように制
御され、偏向電極9により曲げられて,ターゲット部と
してのマスク10,ファラデーカップ11を経て基板12に至
る。
ここで、ファラデーカップ11は、イオンビームの制御が
目標通りに行われているかを検出するために設けられて
いるものであって、コーナファラデーカップ,固定ファ
ラデーカップ,可変ファラデーカップ等からなり、ファ
ラデーカップ11で一次イオがカップのエンドプレートと
壁に衝突すると二次電子と二次正イオンが生成されるの
で、これを測定することでビーム電流が測定される。な
お、この精度を上げるためにファラデーカップ11の前面
にマスク10を設けて、一次イオンの入射角を一定値に制
限している。そしてこれらが検出器として作用し、これ
ら検出器から検出されたイオンビーム電流は、オシロス
コープ上に表示され、オペレータが調整を行う際の基準
データとして使用される。
そして、オシロスコープに表示されるビーム電流波形
は、通常、ファラデーカップの構造上(第5図の構造は
簡略化されている)からX方向またはY方向にスキャン
させたときに中央部分に谷を持つ特性の電流値を発生す
る双山の形状になる。
ところで、ドーピング濃度を制御するドーズ量は、次の
ように定義される。
ここで、Iはビーム電流[μA],tは時間[s],Aは走
査面積[cm2]である。
一方、イオンは、第5図(b)に見るように、真空引き
されて1×10-7torr程度の真空度となったイオンソース
チャンバ22内でイオン化されて、そこに配置された棒状
フィラメント21と直角方向にイオンビームとして引き出
される。
なお、20はイオンソースハウジングであり、23,23は電
磁石、24は接地電極、25はスリット、26はガス導入口、
27はイオンビームである。
さて、このようなイオン注入装置の日常の立上げ及び設
定値の変更としては、オペレータがオシロスコープの波
形を観察して適正値になるように調整を行っているが、
これは、まず、X,Y方向のスキャンを止めてビーム電流
の最小値を求め、この値を記憶しておき、実稼働時にそ
のデータに近似させることにより行なわれる。
[解決しようとする問題点] 一般に、前記ビーム電流の最小値としては、ビームを少
しずつ移動して二次曲線を求めておいてから、その最小
点となる値を求めることにより行われる。しかしこのよ
うな方式では、実稼働時においてビームスキャンした時
と等価性となる保証がなく、十分な精度が確保できない
という問題点がある。
また、このようなビーム電流の最小値を求める近似操作
は、熟練したオペレータの操作が必要であり、この操作
は、いわゆるオープンループの制御であることから装置
になんらかの条件変更があったときには、それを判別で
きず、最適値に設定されているかどうかの保証がなく、
問題である。
また、イオン注入装置の日常の立上げ及び設定値の変更
のたびにオペレータがオシロコープの波形を観察して適
正値になるように調整を行わなければならず、その時間
は、約10分程度を要し、ばらつき、精度の管理が難しい
というのが現状である。
[発明の目的] この発明は、前記従来技術の問題点を解決するととも
に、従来人手により調整されていたイオン注入装置の自
動立上げを行い、その調整工数の削減及び立上げのばら
つきを低減し、その精度の向上を図ることができるイオ
ン注入方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] このような目的を達成するためのこの発明のイオン注入
方法の特徴は、ファラデーカップがビーム電流をX方向
またはY方向にスキャンさせたときに中央部分に谷を持
つ特性の電流値を発生する構造のものであり、イオン注
入装置を立ち上げるときに、演算処理装置の制御によ
り、記憶装置に記憶された各種制御値を目標値としてイ
オン注入装置に各種制御値を与えて制御し、このイオン
注入装置の現在の各種制御値が目標値に対して許容範囲
に入ったか否かを判定してイオン注入装置に与えている
現在の各種制御値を許容範囲内に設定する制御値設定段
階と、 この制御設定段階の後に演算処理装置の制御により、ビ
ーム電流をX方向またはY方向にスキャンさせてフアラ
デーカップを介して得られる測定手段からの電流値の、
走査方向に対応する測定波形についてその最初の立上が
り部分、中央部の立下がりその後立ち上がる部分、そし
て最後の立下がり部分の各積分値を得てこれらの積分値
が最小値になるようにイオン注入装置に与えている現在
の各種制御値を制御する調整段階とを備えるものであ
る。
[作用] 通常、各種制御値を目標値に自動的に設定すれば、最適
値に設定されるのが、通常の製造装置一般的であるが、
ビーム電流のフォーカシングを伴うイオン注入装置で
は、装置の動作環境に応じてこれが変化するので固定的
な目標値で設定することはできない。
しかも、ビーム電流の形態は、可変設定可能な制御値の
いずれを変えても変化し、相互に影響し合うので手作業
で最適値に調整するのは、非常に時間がかかる。
そこで、前記のように制御値設定段階で目標となる制御
値を利用して目標値の近傍に設定しておけば、許容範囲
があるので、動作環境に応じて変化する程度の範囲まで
絞り込みができる。
この絞り込みの後に調整段階において、ビーム電流の測
定波形において、最初の立上がり部分、中央部の立下が
りその後立ち上がる部分、そして最後の立下がり部分の
各積分値をパラメータとしてビーム電流のフォーカシン
グを主体とする最適調整に入る。
このように制御値設定段階と調整段階との2段階に分け
て最適値を求めることにより、最適値又は最適値に近い
値から最適値に微調整することが容易となり、短時間に
最適値で稼働することが可能である。
その結果、作業効率を向上させることができる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例について図面を用いて詳細に
説明する。
第1図は、この発明を適用したイオン注入システムのブ
ロック図であり、第2図は、その立上げ処理の流れ図、
第3図は、その処理に必要な検索テーブルの説明図、そ
して第4図は、観測波形の説明図である。
第1図に見るように、このイオン注入システム100は、
イオン注入装置30と自動立上げ制御装置31と、制御デー
タ測定回路32と入出力制御回路33とからなり、イオン注
入装置30は、第5図(a)に対応する装置であって、第
1図では、その内部の構成をブロックとして示してい
る。
ここで、イオン注入装置30は、イオンソース(イオン
源)41と、イオン引出し前段加速部42、これらイオンソ
ース41とイオン引出し前段加速部42を制御するイオンソ
ース制御部43とを有していて、指定されたガスの選択,
ガス流量制御,フィラメント電流,ソースマグネット電
流,アーク電流等がイオンソース制御部43により、選択
又は制御され、所定量のイオンビームが質量分析部44へ
と送られる。そしてこのイオンビームがアナライザマグ
ネット制御部45の制御の下で制御されて、必要なイオン
のみ90゜偏向されて取り出される。
次に、イオンビームのうち選別されたイオンは、後段加
速部46に送られて、ビームエネルギー制御部47の制御の
下に、例えば10kV〜200kV程度で加速制御され、レンズ
系48においてレンズ制御部49の制御により焦点制御さ
れ、ビーム偏向部50に入る。そしてビーム偏向部50で
は、X−Yスキャンオフセット制御部51によりX方向及
びY方向にビームが走査され、かつ中性化したビームを
除くためにDCオフセット電圧が与えられる。
ところで、ビームのX−Y走査と中性化したビームの取
除きは、イオン種,ビームエネルギー,ビーム電流値等
の影響を受けることから、その設定値を適正なものに選
択して、ターゲット上のウエハに対してセンタリングを
する。また、過度のオーバスキャンとならないようにX,
Yスキャン電圧を調整する。
このようにして制御されたイオンビームは、ターゲット
部52に照射されることになるが、ターゲット部52を制御
するターゲット制御部53では、メインファラデーで測定
される電流値をX又はYスキャン走査を行なって自動立
上げ制御装置31の演算処理装置35を介してそのディスプ
レイ36により第4図のようなオシロスコープ観測波形を
表示する。
なお、ターゲット制御部53は、メインファラデー制御部
53a及び試料であるウエハの切り替えを行うエンドステ
ーションを制御するエンドステーション制御部53bから
なる。
また、ドーズプロセッサ54は、ウエハ上に当たるイオン
ビーム電流を計測し、あらかじめ設定されたドーズ量に
なるまでイオン注入を継続(通常は、約10秒程度で終了
する値)し、イオンビーム電流の積分値が目的とするド
ーズ量に達するとエンドステーション制御部35bを介し
てウエハの切り替えを行う。
制御データ測定回路32は、イオンソース制御部43、アナ
ライザマグネット制御部45、ビームエネルギー制御部4
7、レンズ制御部49、X−Yスキャンオフセット制御部5
1、メインファラデー制御部53a、そしてエンドステーシ
ョン制御部53bに現在の制御値をそれぞれ検出又は測定
して、各検出値又は測定値を入出力制御回路31を介して
自動立上げ制御装置31の演算処理装置35に送出する。
ここに、検出値又は測定値としては、第3図に見る制御
データテーブル60の欄62に見るようにフィラメント電流
値,アーク電流値,ソースマグネット電流値,アナライ
ザ電流値,レンズ調整値,XYスキャン電圧値,オフセッ
ト値(OFFSET値),ビーム電流値(最大値),観測波形
に対する判定値A,B,C等である。
自動立上げ制御装置31は、入出力制御回路33がバス34を
介して演算処理装置35に接続されていて、この演算処理
装置35は、イオンソース制御部43、アナライザマグネッ
ト制御部45、ビームエネルギー制御部47、レンズ制御部
49、X−Yスキャンオフセット制御部51、メインファラ
デー制御部53a、そしてエンドステーション制御部53bに
現在の稼働状態に対応する各制御値を制御データ測定回
路32を介して入出力制御回路33から得る。また、演算処
理装置35は、イオン注入装置30の真空値とか、密閉状態
を確認するために各開閉ドア等の開閉状態信号,その他
イオン注入装置30に関する各種状態情報を入出力制御回
路33を介してイオン注入装置30から得る。そして最適制
御値を入出力制御回路33を介してイオン注入装置30の前
記の各制御部に対してそれぞれ送出する。
入出力制御回路33は、D/A変換・リレー切り替え制御回
路等を備えていて、A/D変換回路は、各制御部から得ら
れる電圧値や電流値等の制御アナログデータをデジタル
値に変換して演算処理装置35へと転送する。同様に、そ
のD/A変換回路は、演算処理装置35側から送出されたデ
ジタル値の制御値をアナログ値に変換して各制御部に送
出するものである。
また、リレー切り替え回路は、演算処理装置35からの指
令に基づいてイオン種を選択切り替えするための制御信
号をイオンソース制御部43に対し送出するためのもので
ある。
さて、自動立上げ制御装置31の演算処理装置35は、マイ
クロプロセッサとメモリとを備えていて、メモリに格納
された各プログラムにより実現されて次のような手段か
ら構成されている。すなわち、演算処理装置35は、制御
値判定手段35aと、制御値出力手段35bと、制御データ検
索手段35cと、観測データ発生手段35dと、動作状態監視
手段35eと、試行最適制御データ記憶手段35fと、作業条
件演算判定手段35gと、最適波形制御手段35h,ビーム電
流積分値演算手段35iとを備えている。
そして、ターゲット制御部53から得た検出データに基づ
き観測データ発生手段35dが観測表示データを合成し、
ディスプレイ36に送出して第4図に見るような観測波形
を図形表示する制御をするとともに、キーボード37から
入力された作業名に応じて制御データ検索手段35cが外
部記憶装置であるディスク(ハードDK)38を検索してそ
の制御データテーブル60(第4図参照)の欄61のレシピ
名(作業名)を検索してその一致を見る。そして同一作
業名があるときには、それが以前に試行されたか否かを
欄62のフラグ等により判定して、以前に試行されたもの
であれば、その作業名からその作業名に対応する制御デ
ータテーブル60を取り出して、演算処理装置35のメモリ
に読込む。
次に、その欄63の作業条件と欄64の各種制御値を得て、
イオンソース制御部43、アナライザマグネット制御部4
5、ビームエネルギー制御部47、レンズ制御部49、X−
Yスキャンオフセット制御部51、メインファラデー制御
部53a、そしてエンドステーション制御部53bに対する各
制御値を所定の順序で読出して、制御値判定手段35aに
送出する。
ここに、作業条件としては、第3図に見るように、制御
データテーブル60のレシピ名の対応の欄63に見るよう
に、打ち込みエネルギ[kV],ビーム電流[μA],ド
ーズ量[イオン数/cm2],イオン種[B,P,As等]であ
る。
また、イオン注入装置30に対する制御パラメータとして
の各種制御値としては、制御データテーブル60の欄62に
見るようにフィラメント電流値,アーク電流値,ソース
マグネット電流値,アナライザ電流値,レンズ調整値,X
Yスキャン電圧値,オフセット値(OFFSET値),ビーム
電流値(最大値),観測波形に対する判定値A,B,C等で
ある。なお、前記Aは、第4図に見る観測波形の最初の
立上がり部分のビーム電流の積分値であり、Bは、中央
部の立下がり部分+次の波形の立上がり部分のビーム電
流の積分値であり、Cは、次の波形の後ろ側の立下がり
部分のビーム電流の積分値である。ここにこれらの各値
は、観測データ発生手段35dからのデータに基づきビー
ム電流積分値演算手段35iにより算出される。
なお、第4図の観測波形は、横軸にXまたはY方向の走
査に対応するスキャン電圧を採り、縦軸にメインファラ
デー53で測定される測定ビーム電流値を採ったものであ
る。例えば、X方向の走査(走査時間)に対応してビー
ム電流値を測定した場合に、符号aは、マスク10から外
れたオーバスキャン領域に当たり、最初の符号bは、ビ
ーム電流がマスク10からメインファラデー53へと走査す
るまでの領域に当たり、これが立上がり領域に対応して
いる。この領域の電流積分値が積分値Aになる。符号c
は、ビーム電流がメインファラデー53を走査する領域に
当たる。符号dは、メインファラデーの中心の穴の部分
を走査する領域に当たる。そこで、これがX方向の走査
に対応して立下がりそして再び立ち上がる領域に対応し
ている。この領域の電流積分値が積分値Bになる。最後
の符号bは、ビーム電流がメインファラデー53からマス
ク10へと走査するまでの領域に当たり、これが立下がり
領域に対応している。この領域の電流積分値が積分値C
になる。
一方、制御値判定手段35aは、各制御部に対応するこれ
らの制御値(ただし、判定値A,B,Cを除く)を制御デー
タ検索手段35cから順次得て、これらを目標値とし、入
出力制御回路33から得られる各制御部からの測定制御デ
ータと前記目標値とを比較し、その差値に対応する制御
データを順次各制御値として制御値出力手段35bに送出
する。
制御値出力手段35bは、制御値判定手段35a及び後述の最
適波形制御手段35hから送出される制御データを入出力
制御回路33へと送り、順次イオンソース制御部43、アナ
ライザマグネット制御部45、ビームエネルギー制御部4
7、レンズ制御部49、X−Yスキャンオフセット制御部5
1、メインファラデー制御部53a、そしてエンドステーシ
ョン制御部53bに送出して、作業名で示される制御値に
なるように制御して行う。
また、作業条件演算判定手段35gは、イオン注入装置30
の各制御部から測定されるデータを入出力制御回路33か
ら得て、これらから作業条件である打ち込みエネルギ
[kV],ビーム電流[μA],ドーズ量[イオン数/c
m2]を演算して、これらの各演算値が制御データ検索手
段35cから得た第3図の制御データテーブル60の欄63に
おける打ち込みエネルギ[kV],ビーム電流[μA],
ドーズ量[イオン数/cm2]の各値に対して所定の制御範
囲又はこれらに一致するか否かを判定して、これら目標
値に対して許容範囲に入ったときに最適制御となった信
号を発生し、これを試行最適制御データ記憶手段35fに
送出する。
試行最適制御データ記憶手段35fでは、前記最適制御信
号と後述する最適波形制御手段35hからの最適制御信号
とのAND条件により、特定の作業名で入力された作業条
件(対称制御値)に対応して、制御データテーブル60に
最適調整されたときの各制御値(フィラメント電流値,
アーク電流値,ソースマグネット電流値,アナライザ電
流値,レンズ調整値,XYスキャン電圧値,オフセット値
(OFFSET値),ビーム電流値(最大値)を入出力制御回
路33から得、さらにビーム電流積分値演算手段35iから
観測波形に対する判定値(A,B,C等)をそれぞれ得て、
その作業名に対応した制御データテーブル60の欄64に記
憶する。
また、最適波形制御手段35hは、制御信号を制御値出力
手段35bに送出して、フィラメント電流値とアーク電流
値,ソースマグネット電流値,アナライザ電流値とを微
調整制御し、入出力制御回路33を介して制御データ測定
回路32から得たビーム電流測定値からそのピーク値を検
出し、かつビーム電流積分値演算手段35iから現在の判
定値A,B,Cを得て、これと制御データ検索手段35cから得
た制御データテーブル60の判定値A,B,Cとを比較して一
致するか(又は所定の許容範囲に入るか否か)を判定す
る。そしてこの判定の結果、これら判定値の差に応じた
制御信号を微調整制御のために制御値出力手段35bに送
出する。また、この判定の結果一致した(又は許容範囲
に入った)ときには、最適制御信号を試行最適制御デー
タ記憶手段35fに送出する。
さらに、最適波形制御手段35hは、前記のビーム電流値
及び目標判定値A,B,Cに対応する波形ディスプレイ36に
送出して図形の形でディスプレイ36に表示するととも
に、ピーク値又は最大値を作業条件演算判定手段35gに
送出して、それが制御データテーブル60に記憶された値
と一致しているか否か(又は所定の制御範囲に入るか否
か)を判定させる。
ところで、この実施例では、2段階の制御により精度を
向上させかつ立上げ時間を短縮するものであって、その
第1段階は、前記最適波形制御手段35hにより、X,Yの片
方のみ交互にスキャンして、波形のシャープな部分(第
4図の積分領域A,B,C)で最適値を求めて制御する。そ
してその第2段階では、試行最適制御データ記憶手段35
fにより、実行後の調整値をレシピ名単位に保管し、次
回の立上がりデータとするものである。
次に、このような自動立上げ制御の全体的な処理につい
て第2図に従って説明する。
ステップでイオン注入装置30及び自動立上げ制御装置
31の電源を投入し、ステップでレシピ名(作業名)を
キーボード37から入力して演算処理装置35が入力された
レシピ名に従ってディスク38から対応するレシビ名の第
3図に見る制御データテーブル60をメモリに転送する。
次のステップでは、イオン注入装置30の各制御部の現
在制御値を制御データ測定回路32を介して得、さらに真
空値,ドアの開閉状態等に状態信号を入出力制御回路33
から得て、その動作モードの確認し、装置を立上げるた
めの固定値のセットをする。
この場合の固定値としては、制御イオン種の選択、ガス
流量のセット、ビームを立上げるためのビームエネルギ
ー,レンズ制御部に対する制御値,オフセット制御部に
対する制御値等のあらかじめ定められたものである。
そして、次のステップでビームを立上げて、ステップ
で過去の試行制御データがあるか否かを判定する。こ
の判定は、制御データテーブル60の試行データ有無の欄
62のフラグを参照して判定する。この判定の結果、試行
データ有りのフラグが立っていれば、ステップで、作
業条件対応の制御データテーブル60に示されたデータに
従って、目標制御値としての制御イオン種の選択、ガス
流量のセットを再び行い、イオンビームを立上げるため
のビームエネルギー,レンズ制御部49,オフセット制御
部51に各対応する制御値を再び順次セットし、さらに制
御データテーブル60に示された制御データに従って、フ
ィラメント電流値とアーク電流値,ソースマグネット電
流値,アナライザ電流値とを監視しながらゆっくりと上
昇させて行き、これらの各制御値を前記制御データテー
ブル60の欄64に示されたデータに一致させ、又はそれを
目標値として所定の制御範囲入るように制御して行く。
そしてビーム電流のピーク値を検出する。なお、この検
出は、イオン種によりあらかじめ求められた値であり、
最初はこれより小さい値にセットされるように制御され
て、上昇させながらビームが最大値を採るように各制御
値が調整される。
次に、ステップにて、微調整及びチェックが行われ
る。
微調整の内容としては、 Iオフセット微調整 一般にX方向のみ行い、第4図の観測波形でl1≒l2とな
る値にオフセットLOWアジャスト,オフHIGHアジャスト
を調整する。
IIレンズ微調整 X,Yの片方のみ交互にスキャンして、波形のシャープな
部分(第4図の積分領域A,B,C)で最適値を求めて制御
するものであって、Xスキャン,Yスキャン両方に対して
レンズTRIM(レンズトリマ),レンズバランス,レズLO
Wアジャスト,レンズHIGHアジャストを調整し、第4図
の波形のA,B,C部分のビーム電流積分値が最小となる値
にする。
IIIオーバスキャン微調整 Xスキャン,Yスキャン両方に対してX,Yスキャンを調整
し、第4図の波形がスキャン範囲全体に対して15%にな
る値に調整する。
IVチェック 前回試行されたデータ内にある判定値データA,B,Cを基
準にして、レンズ調整値(A,B,C)minの判定及びl1
l2,a部が全体の20%以内に入るか否かの判定を行う。
そして、次のステップでは、試行データが記憶装置に
記憶される。
この記憶は、試行最適制御データ記憶手段35fにより行
われ、前記ステップで微調整された結果のデータを入
力されたレシピ名テーブルとして第3図に見る制御テー
ブル60の形態を記憶する。なお、すでに記憶された制御
データがあることきには、それを更新して最新の制御デ
ータが記憶される。
ここで、記憶される制御データは、次のようなものであ
る。
a)フィラメント電流値,b)アーク電流値,c)ソースマ
グネット電流値,d)アナライザマグネット電流値,e)レ
ンズ調整値(レンズTRIM,レンズバランス,レンズLOWア
ジャスト,レンズHIGHアジャスト),f)オフセット調整
値(オフセットLOWアジャスト,オフHIGHアジャスト),
g)X−Yスキャン電圧値,h)ビーム電流値,i)判定値
(A,B,C)。なお、A,B,Cは、それぞれ最小値(min)で
ある。
このようにして実行後の調整値をレシピ各単位に保管
し、次回の立上がりデータとする。そしてこのような制
御データが記憶されると、次のステップにてドーズプ
ロセッサ54に起動をかけてウエハヘイオン注入を開始さ
れる。
一方、先のステップの判定で試行データがない場合に
あっては、ステップaで加速電圧を制御してビームエ
ネルギーが指定された[keV]値になるようにする。こ
の時の監視データは、加速電圧が設定値通りになったか
どうかを判断するだけである。このようにしてビームエ
ネルギーの設定する。
次に、ステップaであらかじめイオン種及び加速電圧
に応じた値を求めておき、オフセットLOWアジャスト
値,オフHIGHアジャスト値のセットをする。そしてX,Y
共にスキャンを止めて、メインファラデーに流れる電流
が最小になる値にオフセットLOWアジャスト,オフHIGH
アジャストを調整してオフセット調整を行う。
次のステップaであらかじめイオン種及び加速電圧に
応じた値を求めておき、レンズTRIM,レンズバランス,
レンズLOWアジャスト,レンズHIGHアジャストの各値を
セットする。そしてX,Y共にスキャンを止めてメインフ
ァラデーに流れる電流が最小になる値にレンズバランス
を調整してレンズ系の調整を行う。
次のステップaでは、X,Yのスキャンを止めてオーバ
スキャンを行う際の目標電流値を計算する。
目標値=ビーム値×(1−R) ただし、ビーム値はスキャンさせない状態での測定値で
あり、Rは、オーバスキャン比である。そして目標ビー
ム値になるようにX,Yスキャンを調整してオーバスキャ
ナ調整を行う。
次のステップaでは、ドーズプロセッサ54へドーズ量
をセットするドーズレベル設定を行い、ステップaで
ビーム電流が指定値になるようにアーク電流を制御して
ビーム電流設定を行い、ステップ以降の最適制御値を
求める処理に入る。なお、ステップa,ステップa
は、作業名を変更する場合の処理ルーチンであり、ステ
ップへと入る。
以上説明してきたが、実施例では、制御データテーブル
に示されたデータに従って可変設定値として、フィラメ
ント電流値,アーク電流値,ソースマグネット電流値,
アナライザ電流値,レンズ調整値,XYスキャン電圧値,
オフセット値でレンズ調整値等を挙げているが、制御値
は、これらすべてに適用しなくてもよく、また、作業条
件である打ち込みエネルギ,ビーム電流値,ドーズ量,
そしてイオン種等のうちのいくつかを制御値に含ませて
もよい。
[発明の効果] 以上の説明から理解できるように、この発明にあって
は、少なくともビーム電流等の制御に関するイオン注入
装置における可変設定値に対応する制御値を作業条件に
対応して記憶する記憶装置と、制御値及びターゲット部
のビーム電流を測定する測定手段と、演算処理装置と、
イオン注入装置とを備えていて、演算処理装置が、イオ
ン注入装置を稼働した場合の最適制御値を前記測定手段
を介して得て、そのときの作業条件に対応して記憶装置
に記憶し、イオン注入装置を立上げる際に、立上げる際
の作業条件に対してこれと同様な作業条件における最適
制御値を記憶装置から読出し、最適制御値に基づきイオ
ン注入装置を制御して測定手段から得られるビーム電流
からビーム波形データを発生させて、このビーム波形が
最適となるように立上げるものであるので、最適値又は
最適値に近い値から最適値に微調整することが容易とな
り、短時間に最適値で稼働することが可能である。
その結果、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明を適用したイオン注入システムのブ
ロック図であり、第2図は、その立上げ処理の流れ図、
第3図は、その処理に必要な検索テーブルの説明図、第
4図は、観測波形の説明図、第5図(a)は、従来のイ
オン注入装置のブロック図、第5図(b)は、そのイオ
ンソースの説明図である。 30……イオン注入装置、31……自動立上げ制御装置,32
……制御データ測定回路,33……入出力制御回路,34……
バス、35……演算処理装置、35a……制御値判定手段、3
5b……制御値出力手段、35c……稼働データ検索手段、3
5d……観測データ発生手段、35e……動作状態監視手
段、35f……試行最適制御データ記憶手段、35g……作業
条件演算判定手段、35h……最適波形制御手段、35i……
ビーム電流積分値演算手段、36……ディスプレイ、37…
…キーボード、38……ディスク、41……イオンソース、
42……イオン引出し前段加速部、43……イオンソース制
御部、44……質量分析部、45……アナライザマグネット
制御部、46……後段加速部、47……ビームエネルギー制
御部、48……レンズ系、49……レンズ制御部、50……ビ
ーム偏向部、100……イオン注入システム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンビームの制御に関するイオン注入装
    置における可変設定値に対応する各種制御値を作業条件
    に対応して記憶する記憶装置と、前記各種制御値及びタ
    ーゲット部のファラディカップを介してビーム電流を測
    定する測定手段と、演算処理装置と、イオン注入装置と
    を備え、 前記ファラディカップは、前記イオンビームをX方向ま
    たはY方向にスキャンさせたときに中央部分に谷を持つ
    特性の電流値を発生する構造のものであり、 前記イオン注入装置を立ち上げるときに、前記演算処理
    装置の制御により、前記記憶装置に記憶された前記各種
    制御値を目標値として前記イオン注入装置に各種制御値
    を与えて制御し、前記イオン注入装置の現在の各種制御
    値が前記目標値に対して許容範囲に入ったか否かを判定
    して前記イオン注入装置に与えている前記現在の各種制
    御値を前記許容範囲内に設定する制御値設定段階と、 この制御設定段階の後に前記演算処理装置の制御によ
    り、前記ビーム電流をX方向またはY方向にスキャンさ
    せて得られる前記測定手段からの電流値の、前記走査方
    向に対応する測定波形についてその最初の立上がり部
    分、中央部の立下がりその後立ち上がる部分、そして最
    後の立下がり部分の各積分値を得てこれらの積分値が最
    小値になるように前記イオン注入装置に与えている前記
    現在の各種制御値を制御する調整段階とを備えることを
    特徴とするイオン注入方法。
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