JPH0739780A - 粉砕設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来より粉砕効率を向上し得る粉砕設備を提
供する。 【構成】 竪型ミル６（予備粉砕機）内で粗粉砕されて
搬送空気１９により空気式分級機１０に導入された粉粒
体７が、精粉８を分離されて空気式分級機１０から予備
粉砕物９として機械式振動篩５５へ投入されると、該機
械式振動篩５５にて前記予備粉砕物９が篩目の大きさに
応じて篩分けされ、所定粒径以下の予備粉砕物９だけが
ボールミル３９（本粉砕機）へと送られ、残りの予備粉
砕物９は竪型ミル６へと戻される。これによって、ボー
ルミル３９には所定粒径以下の粒の揃った予備粉砕物９
が投入されることになり、機械式振動篩５５の篩目によ
って把握される予備粉砕物９の粒径に対応した最適な設
定で本粉砕を行うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は予備粉砕装置と本粉砕装
置とからなる粉砕設備に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２および図３は原料を粉砕するための
粉砕設備の一例の概略を示すもので、予備粉砕装置１と
本粉砕装置２とにより二段階に分けて原料粉砕を行うこ
とによって粉砕効率を向上し得るようにしたものであ
る。

【０００３】予備粉砕装置１は、原料ホッパ３から原料
供給フィーダ４等を介して原料５の供給を受けて予備粉
砕を行なう竪型ミル６（予備粉砕機）と、該竪型ミル６
により予備粉砕した粉粒体７を受け精粉８と予備粉砕物
９とに分級する空気式分級機１０と、前記精粉８を吸引
して製品として回収する精粉捕集装置１１とにより構成
されている。

【０００４】前記竪型ミル６の詳細は図３に示す通りで
あり、ミルケーシング１２の下部に設けた駆動装置１３
により回転駆動される粉砕テーブル１４と、該粉砕テー
ブル１４上に圧接されつつ粉砕テーブル１４の回転に追
従して回転する粉砕ローラ１５と、前記原料供給フィー
ダ４を介して供給される原料５を前記粉砕テーブル１４
上へ導く為にミルケーシング１２の上部に所要の傾斜角
度をもって設けられた原料供給管１６と、ミルケーシン
グ１２頂部に設けられた上部出口１７と、該上部出口１
７に接続し上方へ延びる所定長さの上昇管１８と、粉砕
テーブル１４周囲に環状に開口された搬送空気１９を吹
き出す為のエアポート２０と、該エアポート２０からミ
ル底部５２に落下した粗粒物２１を掻き集めて前記ミル
底部５２の周方向所要位置に設けられた排出ノズル５４
から排出し得るよう粉砕テーブル１４に一体に備えられ
たスクレーパ５３と、前記排出ノズル５４から排出され
た粗粒物２１を竪型ミル６に再投入するバケットエレベ
ータ３８とを備えている。

【０００５】更に、空気式分級機１０は前記上昇管１８
を介して竪型ミル６の上方に接続されており、前記空気
式分級機１０の分級機ケーシング２３は、前記上昇管１
８上部を所要の間隔を隔てて包囲した状態で複数の固定
部材２２により上昇管１８の上端に固定されている。

【０００６】前記分級機ケーシング２３内の上部には、
下端を下側板２４上面外周に等間隔で取付けられ且つ上
端を開口部２５を有する上側板２６により一体に連結さ
れた複数枚の分級羽根２７が、駆動モータ２８にトルク
伝達可能に接続された駆動シャフト２９により回転可能
に支持されており、上昇管１８から搬送されてきた粉粒
体７を回転する分級羽根２７間を通過せしめることによ
り分級する、即ち前記回転する分級羽根２７により比較
的粒径の大きな粉粒体７の通過を阻み、精粉８のみを通
過させ得るようにしてある。

【０００７】また、前記下側板２４の下方位置には、逆
錐状に形成された整流体３０が配設されており、前記上
側板２６より上方の分級機ケーシング２３頂部には、バ
グフィルタ３２と吸引ファン３３とからなる精粉捕集装
置１１が吸引管３４を介して接続されている。

【０００８】更に、前記分級機ケーシング２３の下部に
は、所要の傾斜角度で傾斜して前記上昇管１８の外周面
を気密に包囲する回収傾斜面３５と、該回収傾斜面３５
の下端部に設けた傾斜取出し管３６とからなる粉砕物取
出し部３７が設けられている。

【０００９】一方、本粉砕装置２は、前記空気式分級機
１０から粉砕物取出し部３７を介して予備粉砕物９の供
給を受けて本粉砕を行なう２台のボールミル３９（本粉
砕機）と、該ボールミル３９により粉砕した本粉砕物４
０を分級するサイクロン４１と、該サイクロン４１によ
り分級された精粉８を吸引して製品として回収する精粉
捕集装置４２とにより構成されている。

【００１０】ボールミル３９は、略水平に延びる軸を中
心に回転し且つ内部に多数の鋼球が詰められている円筒
体４３と、該円筒体４３の軸方向一方の端部に設けられ
前記空気式分級機１０の粉砕物取出し部３７に連通する
粉砕物導入口４４と、ボールミル３９内で粉砕された本
粉砕物４０を排出するため円筒体４３の軸方向他方端部
に設けられた出口チャンバ４５とにより構成されてい
る。

【００１１】サイクロン４１は、前記ボールミル３９の
出口チャンバ４５にバケットエレベータ、エアスライド
などの搬送装置４６を介して接続され、大気或いは熱ガ
スを一部吸引して気体の循環を行なう循環ファンによる
循環ガスを利用して本粉砕物４０を精粉８と戻し粉４７
とに分級するようになっている。

【００１２】更に、前記サイクロン４１には、前記予備
粉砕装置１の空気式分級機１０の上方に設けた精粉捕集
装置１１と略同様のバグフィルタ４８と吸引ファン４９
とからなる精粉捕集装置４２が吸引管５０を介して接続
されている。

【００１３】尚、５１はサイクロン４１により分級され
た戻し粉４７をボールミル３９へ還流させるため、サイ
クロン４１の下部とボールミル３９の粉砕物導入口４４
とを接続するエアスライドである。

【００１４】而して、原料５を原料ホッパ３から原料供
給フィーダ４により切り出し、原料供給管１６を介して
竪型ミル６へ供給し、粉砕テーブル１４を駆動装置１３
により回転させた状態で、精粉捕集装置１１の吸引ファ
ン３３を駆動すると、前記原料５は、前記粉砕テーブル
１４と粉砕ローラ１５とによって粗粉砕され、該粗粉砕
により得られた粉粒体７は、エアポート２０からの搬送
空気１９により上部出口１７から上昇管１８へと送出さ
れる。

【００１５】上昇管１８内を上昇する粉粒体７中の粗粒
物２１は、搬送空気１９の上昇気流の中で重力により効
果的に分離されることにより竪型ミル６内へ落下して再
粉砕され、上昇管１８中で粗粒物２１を分離された残り
の粉粒体７は空気式分級機１０に流入される。

【００１６】空気式分級機１０に流入した粉粒体７は、
回転する分級羽根２７により精粉８と比較的大きな粉粒
体７とに分級され、分級された比較的大きな粉粒体７は
前記分級羽根２７により外側に弾かれて搬送空気１９の
上昇流から逸脱し、分級機ケーシング２３の内周面に沿
って下降し、該分級機ケーシング２３下端の粉砕物取出
し部３７の回収傾斜面３５へ落下し、該回収傾斜面３５
に連続する傾斜取出し管３６を介し予備粉砕物９として
本粉砕装置２のボールミル３９へ投入される。

【００１７】一方、精粉８は空気式分級機１０の上部に
接続されている吸引管３４を介して精粉捕集装置１１の
吸引ファン３３により吸引され、精粉捕集装置１１のバ
グフィルタ３２により捕集されて製品として回収され
る。

【００１８】予備粉砕物９をボールミル３９の粉砕物導
入口４４を介して円筒体４３内へ投入し、円筒体４３を
軸を中心に回転させた状態で、精粉捕集装置４２の吸引
ファン４９を駆動すると、前記予備粉砕物９は、円筒体
４３の回転に伴って衝突を繰り返す鋼球によって微粉砕
され、ボールミル３９の他端に設けた出口チャンバ４５
から排出される。

【００１９】ボールミル３９により微粉砕され出口チャ
ンバ４５から排出された本粉砕物４０は、搬送装置４６
により上方へ搬送されサイクロン４１へ導かれる。

【００２０】サイクロン４１へ流入した本粉砕物４０
は、大気或いは熱ガスを一部吸引して気体の循環を行な
う循環ファンによる循環ガスにより精粉８と戻し粉４７
とに分級される。

【００２１】サイクロン４１によって分級された前記精
粉８は、サイクロン４１の上部に接続されている吸引管
５０を介して精粉捕集装置４２の吸引ファン４９によっ
て吸引され、バグフィルタ４８により捕集されて製品と
して回収される。

【００２２】また、前記サイクロン４１によって精粉８
を分離された残りの戻し粉４７は、エアスライド５１を
介して前記ボールミル３９の粉砕物導入口４４に循環搬
送され、ボールミル３９により再度粉砕される。

【００２３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た如き従来の粉砕設備では、竪型ミル６から吹き上げら
れて空気式分級機１０まで到達し得た粉粒体７のうち、
回転する分級羽根２７を通過可能な精粉８を除く比較的
粒径の大きな粉粒体７は何の制限もなく全て予備粉砕物
９としてボールミル３９に供給されていた為、該ボール
ミル３９に供給される予備粉砕物９の粒径のばらつきが
大きく、ボールミル３９内の鋼球サイズに合わない粗い
予備粉砕物９も一緒に本粉砕しなければならないことか
らボールミル３９の粉砕効率が低下するという不具合が
あった。

【００２４】即ち、上昇管１８を上昇させる間に粉粒体
７中の特に大きな粗粒物２１を重力により分離すること
ができるとしても、斯かる重力を利用した分離過程によ
って、空気式分級機１０からボールミル３９に供給され
る予備粉砕物９を前記ボールミル３９内の鋼球サイズに
適した比較的小さな粒径に揃えることは到底不可能であ
り、しかもボールミル３９側では、どの程度まで大きな
粒径の予備粉砕物９が供給されるのかを確実に把握する
ことが困難であった為、ボールミル３９内の鋼球サイズ
を最適な値に設定すること自体が困難なことであった。

【００２５】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもの
で、従来より粉砕効率を向上し得る粉砕設備を提供する
ことを目的としている。

【００２６】

【課題を解決するための手段】本発明は、原料を粗粉砕
して空気搬送する予備粉砕機と、該予備粉砕機により粗
粉砕された粉粒体を導いて精粉と予備粉砕物に分級する
空気式分級機と、該空気式分級機により分級された予備
粉砕物を導いて微粉砕する本粉砕機とを備えた粉砕設備
において、前記空気式分級機と本粉砕機との間に、空気
式分級機からの予備粉砕物を篩分けして所定粒径以下の
予備粉砕物だけを本粉砕機に送り且つ残りの予備粉砕物
を予備粉砕機に戻す機械式振動篩を設けたことを特徴と
するものである。

【００２７】

【作用】従って本発明では、予備粉砕機内で粗粉砕され
て搬送空気により空気式分級機に導入された粉粒体が、
精粉を分離されて空気式分級機から予備粉砕物として機
械式振動篩へ投入されると、該機械式振動篩にて前記予
備粉砕物が篩目の大きさに応じて篩分けされ、所定粒径
以下の予備粉砕物だけが本粉砕機へと送られ、残りの予
備粉砕物は予備粉砕機へと戻される。

【００２８】これによって、本粉砕機には所定粒径以下
の粒の揃った予備粉砕物が投入されることになり、機械
式振動篩の篩目によって把握される予備粉砕物の粒径に
対応した最適な設定で本粉砕機による本粉砕を行うこと
が可能となる。

【００２９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。

【００３０】図１は本発明の粉砕設備の一実施例を示す
もので、図中図２及び図３と同一の符号を付した部分は
同一物を表わしている。

【００３１】前述した図２及び図３の粉砕設備と略同様
に予備粉砕装置１と本粉砕装置２とを備えた粉砕設備に
おいて、竪型ミル６（予備粉砕機）により粗粉砕された
粉粒体７を導いて精粉８と予備粉砕物９に分級する空気
式分級機１０とボールミル３９（本粉砕機）との間に、
空気式分級機１０の粉砕物取出し部３７からの予備粉砕
物９を篩分けして所定粒径以下の予備粉砕物９だけをボ
ールミル３９の粉砕物導入口４４に送り且つ残りの予備
粉砕物９を竪型ミル６に戻す機械式振動篩５５を設け
る。

【００３２】更に、本実施例では、粉砕が十分でないま
ま竪型ミル６の排出ノズル５４から排出された粗粒物２
１を、バケットエレベータ３８等を介して前記機械式振
動篩５５に導き、前記空気式分級機１０の粉砕物取出し
部３７からの予備粉砕物９と一緒に篩分けを行い得るよ
う構成してある。

【００３３】而して、竪型ミル６内で粗粉砕されて搬送
空気１９により空気式分級機１０に導入された粉粒体７
は、回転する分級羽根２７（図３参照）間を通過可能な
精粉８を分離され、空気式分級機１０の粉砕物取出し部
３７から予備粉砕物９として機械式振動篩５５へ投入さ
れる。

【００３４】機械式振動篩５５では前記空気式分級機１
０からの予備粉砕物９が篩目の大きさに応じて篩分けさ
れ、所定粒径以下の予備粉砕物９だけがボールミル３９
の粉砕物導入口４４へと送られ、残りの予備粉砕物９は
竪型ミル６へと戻される。

【００３５】これによって、ボールミル３９には所定粒
径以下の粒の揃った予備粉砕物９が投入されることにな
り、ボールミル３９内の鋼球サイズも機械式振動篩５５
の篩目によって把握される予備粉砕物９の粒径に対応し
た最適な値に設定することが可能となるので、ボールミ
ル３９の能力を最大限に生かして粉砕効率を従来より大
幅に向上することができる。

【００３６】また、本実施例の如く、竪型ミル６の排出
ノズル５４から排出された粗粒物２１を前記機械式振動
篩５５に導いて前記空気式分級機１０からの予備粉砕物
９と一緒に篩分けを行うようにすれば、十分に粉砕がな
されているにも拘らず粗粒物２１中に混在して排出ノズ
ル５４から排出されてしまった粉粒体７を機械式振動篩
５５にて分離することができ、竪型ミル６に再投入され
る粗粒物２１中から粉粒体７を取り除くことができるの
で、竪型ミル６での無駄な過粉砕がなくなり、竪型ミル
６の粉砕効率も大幅に向上することができる。

【００３７】尚、本発明の粉砕設備は、上述の実施例に
のみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。

【００３８】

【発明の効果】本発明の粉砕設備によれば、本粉砕機に
所定粒径以下の粒の揃った予備粉砕物が投入することが
でき、機械式振動篩の篩目によって把握される予備粉砕
物の粒径に対応した最適な設定で本粉砕機による本粉砕
を行うことができるので、本粉砕機の能力を最大限に生
かして粉砕効率を従来より大幅に向上することができる
という優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の粉砕設備の一実施例を示す系統図であ
る。

【図２】従来の粉砕設備の一例を示す系統図である。

【図３】図２の粉砕設備における竪型ミルと空気式分級
機の詳細を示す断面図である。

【符号の説明】

５ 原料 ６ 竪型ミル（予備粉砕機） ７ 粉粒体 ８ 精粉 ９ 予備粉砕物 １０ 空気式分級機 ３９ ボールミル（本粉砕機） ５５ 機械式振動篩

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原料を粗粉砕して空気搬送する予備粉砕
   機と、該予備粉砕機により粗粉砕された粉粒体を導いて
   精粉と予備粉砕物に分級する空気式分級機と、該空気式
   分級機により分級された予備粉砕物を導いて微粉砕する
   本粉砕機とを備えた粉砕設備において、前記空気式分級
   機と本粉砕機との間に、空気式分級機からの予備粉砕物
   を篩分けして所定粒径以下の予備粉砕物だけを本粉砕機
   に送り且つ残りの予備粉砕物を予備粉砕機に戻す機械式
   振動篩を設けたことを特徴とする粉砕設備。