JPH0739423B2 - ピリミドベンゾチアジン誘導体を含む抗炎症剤 - Google Patents

ピリミドベンゾチアジン誘導体を含む抗炎症剤

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JPH0739423B2
JPH0739423B2 JP3012268A JP1226891A JPH0739423B2 JP H0739423 B2 JPH0739423 B2 JP H0739423B2 JP 3012268 A JP3012268 A JP 3012268A JP 1226891 A JP1226891 A JP 1226891A JP H0739423 B2 JPH0739423 B2 JP H0739423B2
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稔 榊原
貴子 早川
祐二 宍戸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リポキシゲナーゼ酵素
の作用を阻害することによって、炎症性疾患、アレルギ
ーおよび循環器系疾患の治療または症状の軽減に寄与す
ることが可能なピリミドベンゾチアジン誘導体有効成分
とする抗炎症剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アラキドン酸は、いくつかの内因性代謝
産物群、プロスタサイクリンを含めたプロスタグランジ
ン(PG)、トロンボキサン(TX)、及びロイコトリ
エンの生物学的前駆物質であることが知られている。
【0003】アラキドン酸代謝の第1段階は、ホスホリ
パーゼA2 の作用による細胞膜リン脂質の加水分解であ
る。この加水分解によって、膜リン脂質からアラキドン
酸と関連不飽和脂肪酸とが遊離する。この遊離されたア
ラキドン酸の代謝経路は、シクロオキシゲナーゼによっ
て代謝されてエンドペルオキシド(PGG 2 )に変わる
代謝経路と、リポキシゲナーゼによって代謝されて5−
ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸(5−HPET
E)に変わる代謝経路とに二分される。PGG 2 は、さ
らに3つの異なった経路を介して代謝されることによっ
て、プロスタサイクリン(PGI2 ),PGF2 ,PG
2 ,TXA2 またはTXB2 となる。一方、5−HP
ETEはロイコトリエンに変わる。
【0004】このような代謝経路によって産生された物
質は、種々の生理作用を有する。例えば、プロスタグラ
ンジン(PG)は多種多様な生理的作用(レニン分泌刺
激、FFA放出調整、血管収縮および拡張、神経伝達、
その他)を示す。このPGの作用は多くの場合において
細胞内サイクリックAMP濃度の増減に関与することに
よってなされるものと考えられている。また、トロンボ
キサンは血小板で合成され、血管収縮と血小板凝集を引
き起こすことが知られている、さらに、ロイコトリエン
はアレルギー反応と炎症の媒介物質と考えられており、
例えば特定のアレルゲンが肥満細胞表面の免疫グロブリ
ンE(IgE)抗体に結合した時にロイコトリエンの遊
離が引き起こされる。また、ロイコトリエンは気管支収
縮、細動脈収縮、血管透過性の亢進をもたらすほか、好
中球と好エオシン球とを炎症の場所に引き寄せることも
知られている。
【0005】このようなロイコトリエンが関与する病態
生理的変化は、慢性関節リュウマチ、痛風、虚血性再還
流障害、乾せん、炎症性腸疾患を含めた炎症性疾患の患
者に認められる。例えば、リュウマチ性関節症の患者の
関節液中には正常値よりも高いロイコトリエン含有量が
認めら、IgGとリュウマトイド因子からなる免疫複
合体やこれを貧食した多核球が見られる。
【0006】このリュウマチ性関節炎の治療方法として
は、薬物投与、血漿交換、理学療法および外科的療法が
知られており、なかでも薬物投与に関しては速効性とい
う点で、副腎皮質ステロイドと非ステロイド性抗炎症剤
(インドメタシンなど)が優れている。
【0007】しかし、副作用や離脱の困難さを考慮すれ
ば、ステロイドはなるべく使用しないことが望ましく、
使用するとしても、ごく短期間の使用や局注を行なう方
が良いと思われる。なぜなら、ステロイド性抗炎症剤、
例えばデキサメタソンは細胞質内のレセプタータンパク
質と結合してホスホリパーゼA2 の作用を阻害するの
で、膜リン脂質からのアラキドン酸遊離が阻害され、結
果的にアラキドン酸代謝産物のシクロキシゲナーゼ生成
物(PGおよびTX)およびリポキシゲナーゼ生成物
(LT)の生成が阻害されることになる。一方、非ステ
ロイド性抗炎症剤はシクロキシゲナーゼの作用を阻害す
ることによってアラキドン酸からエンドペルオキシドが
生成される過程を阻害するが、ステロイド性抗炎症剤と
同様にプロスタグランジンおよびトロンボキサンの生成
を結果的に阻害することになる。
【0008】ヒトでは、プロスタグランジンの主な前駆
体がアラキドン酸であることから、アラキドン酸代謝の
阻害はプロスタグランジンによる生体内部環境の恒常性
維持(ホメオスタシス)を不安定なものにさせると思わ
れ、そのことが副腎皮質ステロイドまたは非ステロイド
性抗炎症剤投与によって生ずる副作用の一因と考えるこ
とが可能であろう。
【0009】そこで、従来よりプロスタグランジンおよ
びトロンボキサンの生成を阻害することなく、ロイコト
リエンの生成を特異的に阻害する化合物の開発が求めら
れてきた。
【0010】従来から既知のリポキシゲナーゼ阻害剤に
関しては、すでにいくつかの総説に報告されているが
〔マサムネ(H.Masamune)と、メルビン
(L.S.Melvin,Sr)によるアニュアル レ
ポート イ メディシナル ケミストリー(Annu
al Report in Medicinal ch
emistry)24(1989)71〜80頁(アカ
デミック(Academic));フィッツシモンズ
(B.J.Fitzsimmons)とロカチ(J.R
okach)によるューコトリエンズ アンド リポ
キシゲネーシイズ(Leukotriens and
Lipoxygenases)(1989)427〜5
02頁(エルセヴィール(Elsevier))を参
照〕、従来のリポキシゲナーゼ阻害剤では臨床上の適用
範囲が限定されると思われることから、新たなリポキシ
ゲナーゼ阻害剤の開発が求められてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、請求項
1に記載の一般式()および(II)で示されるピリミ
ドベンゾチアジン誘導体が、リポキシゲナーゼ活性を阻
害することによって、炎症性疾患、アレルギーおよび循
環器系疾患の治療または症状の軽減に有効であることを
見出した。ピリミドベンゾチアジン誘導体は、生体内の
重要な補酵素であるフラビンの母の化学構造であるこ
とが知られており、フラビンの反応機作を解明するため
に合成方法が確立され、研究に用いられている。しか
し、ピリミドベンゾチアジン誘導体が抗炎症剤としての
薬理作用を持つことは知られていなかった。
【0012】そこで、本発明はリポキシゲナーゼの作用
を阻害するピリミドベンゾチアジン誘導体を有効成分と
して含む抗炎症剤を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の一般式
(I)および(II)で示されるピリミドベンゾチアジン
誘導体、またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分と
して含有する抗炎症剤に関する。
【0014】一般式:
【0015】
【化2】
【0016】〔式中、R1 とR2 は、それぞれ独立して
水素またはメチル基を表す〕ここで、「薬学的に許容し
うる塩」とは、無毒のカチオンまたは無毒の酸性塩を意
味するものである。この無毒のカチオンは、ナトリウ
ム、リチウム、カルシウムおよびマグネシウムのような
アルカリ金属およびアルカリ土金属と、アンモニアおよ
びアミンからなる有機のカチオンなどが含まれるもの
で、また無毒の酸性塩は、例えば、塩化水素酸、臭化水
素酸、硫酸もしくは重硫酸、リン酸、酸性リン酸、酢
酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、マレイン
酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルフォン酸、ベンゼン
スルフォン酸、トルエンスルフォン酸、ギ酸などからな
る酸により構成されるものである。
【0017】また、本発明には、薬剤学的に許容性のあ
る担体または希釈剤と、本発明にもとづく化合物または
それらの薬剤学的に許容性のある塩とを含み、哺乳類動
物の炎症性疾患、アレルギーおよび循環器系疾患の治療
または症状の軽減に寄与することが可能な薬剤学的組成
物も含むものである。
【0018】式(I)および(II)の化合物は多くの合
成法によって調製されうる。そのうちの一つを下記の図
式および記述に例示する。
【0019】一般的合成工程
【0020】
【化3】
【0021】5−ヒドロキシピリミジン−2,4(1
H,3H)−ジオン誘導体(III) で冷却したピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオ
ン誘導体1)(IV)の水溶液または水懸濁液に、溶液が淡
黄色に着色するまで臭素を滴下した。反応液に氷冷飽和
NaHCO3 溶液を注意深く加えた。このアルカリ性溶
液を十分な時間還流した。溶媒を除去した後、残渣を適
当な溶媒から再結晶するか、あるいはシリカゲルでのク
ロマトグラフィーを行って5−ヒドロキシピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオン誘導体(III)を得た。
【0022】1,5−ジヒドロ−2H−ピリミド〔4,
5b〕〔1,4〕ベンゾチアジン−2,4(3H)−ジ
オン誘導体 2) (I) 5−ヒドロキシピリミジン−2,4(1H,3H)−ジ
オン誘導体のエタノール溶液または懸濁液に、N−ブロ
モスクシンイミドを室温で分けて加えた。5−ヒドロキ
シピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン誘導体が
消失するまで、混合液を撹拌した。2−アミノベンゼン
チオール誘導体3)を加えて、混合液を十分な時間還流下
加熱した。沈澱を集めて1,5−ジヒドロ−2H−ピリ
ミド〔4,5b〕〔1,4〕ベンゾチアジン−2,4
(3H)−ジオン誘導体を得た(I)。沈澱が得られな
い場合には、クロマトグラフィーによる分離を実施し
た。
【0023】2H−ピリミド〔4,5b〕〔1,4〕ベ
ンゾチアジン−2,4(3H)−ジオン誘導体(II) 1,5−ジヒドロ−2H−ピリミド〔4,5b〕〔1,
4〕ベンゾチアジン−2,4(3H)−ジオン誘導体
(I)のアセトニトリル溶液または懸濁液にジエチルア
ゾジカルボキシレート4)を室温で滴下した。混合液を十
分な時間撹拌した。生じた沈澱を集め、ジエチルエーテ
ルで洗浄して2H−ピリミド〔4,5b〕〔1,4〕ベ
ンゾチアジン−2,4(3H)−ジオン誘導体(II)を
得た。沈澱が得られない場合には、溶媒を除去して残渣
をジエチルエーテルで摩砕し濾過した。
【0024】1)種々のウラシル誘導体は下記の本に記
載された方法によって合成しうる。例えば、ブラウン
“ヘテロサイクリック・コンパウンド16,ザ・ピリミ
ジン・サプルメントII”表LVIII ,728頁、インタ
ーサイエンス出版,ジョン・ウィリー・アンド・サン
ズ,ニューヨーク,1985(D.J.Brown“H
eterocyclic compounds 16,
The pyrimidine supplement
II”,Table LVIII ,p728,An In
terscience Publication,Jo
hn Willy &Sons,New York,1
985)。
【0025】2)本工程はマキ法の類似である。サコ、
ニワ、ヒロタ、およびマキ(M.Sako,T.Niw
a,K.Hirota,and Y.Maki)Che
m.Pharm.Bull.,32,2474,(198
4)。
【0026】3)いくつかの2−アミノベンゼンチオー
ル誘導体は市販されており、2−アミノベンゾチアゾー
ル誘導体の加水分解によって合成される。ミタールおよ
びジェイン(R.L.Mtal and S.K.J
ain),J.Chem.Soc.(c),2148,
(1969)。
【0027】4)種々の酸化剤を使用しうる。例えば、
1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジ
シアノ−1,4−ベンゾキノン、酸素など。
【0028】本発明の化合物の薬剤学的に許容される塩
は、非毒性陽イオンの場合には水溶液中または適当な有
機溶媒中で適当な金属水酸化物またはアルコキシドまた
はアミンの、あるいは非毒性塩の場合には水溶液または
適当な有機溶媒中で適当な無機酸または有機酸を上記の
化合物に接触させることによって容易に調製される。目
的とする塩は沈澱あるいは溶媒の溜去によって得られ
る。
【0029】本発明の一般式(I)および(II)で示さ
れる化合物のリポキシゲナーゼ阻害効果を検定した。後
述の5つの実施例の中の代表的な化合物に対して、下記
のアッセイを用いて試験を行なった。それらの結果は、
下表に示した。
【0030】RPC(ラットの腹腔内常在性細胞)アッ
セイ 雑誌「炎症」(Jap.J.Inflammatio
n)7:145〜150,1987,「腹腔マクロファ
ージによるロイコトリエンの産生」に記載の方法を用い
て、本発明の化合物のリポキシゲナーゼ阻害活性を測定
した。
【0031】PAF(血小板活性化因子)致死アッセイ 雑誌「プロスタグランジン」(Prostagland
ins)30(4):545〜551,1985に記載
の方法を用いて、本発明の化合物のリポキシゲナーゼ阻
害効果を検定した。
【0032】y−RFE(酵母誘導性ラット足浮腫)ア
ッセイ 雑誌「バイオケミカルファーマコロジー」(Bioch
em.Pharmcol.)36:547,1987に
記載された方法を用いて、本発明の化合物のリポキシゲ
ナーゼ阻害効果を検定した。
【0033】
【表1】
【0034】これらの試験の結果、RPCアッセイにお
いては、1.4〜5.3μMの範囲の低いIC50値を示
した。ここでいうIC50値とは、リポキシゲナーゼの酵
素活性を50%阻害するのに必要な本実施例の化合物の
濃度を意味する。また、PAF致死アッセイにおいて
は、実施例5の化合物が69%という高い生存率を示し
た。ここでいう生存率とは、PAF投与で活性化された
リポキシゲナーゼ系の代謝産物によって引き起こされる
マウスのショック死を抑制する効果を意味している。さ
らに、実施例5の化合物についてはy−RFEアッセイ
を行なったところ69%という高い浮腫抑制率を示し
た。ここでいう浮腫抑制率とは、ラットの足に酵母懸濁
液を注射した時にみられる炎症性の浮腫の体積増加を抑
制する効果の事を意味している。
【0035】マウスを用いて実施例5の化合物を経口投
与して7時間後の急性毒性を調べたが、少なくとも60
0mg/kgの投与、すなわち、PAF致死アッセイのED
50値(51mg/kg)の10倍量以上の投与では急性毒性
は見られなかった。以下に急性毒性の実験条件を示す。
【0036】実験動物:ICRマウス(チャールズリバ
ージャパン)雄、5週齢、平均体重28g。 投与量 :600mg/kg これらの化合物が、リポキシゲナーゼ活性阻害能を持つ
ということは、本発明の化合物が哺乳動物においてアラ
キドン酸から生ずる内因性代謝産物によって引き起こさ
れる症状の治療に有用であることを示す。このため、此
等の化合物は、アラキドン酸代謝産物の蓄積によって起
こる、例えばアレルギー性気管支喘息、皮膚障害、慢性
関節リュウマチ、変形性関節症、血栓症のような疾患状
態の予防と治療に有用である。
【0037】したがって、本発明の化合物およびその薬
剤学的受容性のある塩は、リポキシゲナーゼ酵素の阻害
に加えて、ヒトを対象とした炎症性疾患、アレルギー、
心血管疾患の治療又は軽減に特に用いられる。
【0038】上述した種々の疾患の治療のために、本発
明の化合物およびその薬剤学的受容性のある塩は、単独
でもしくは好ましくは標準的な薬剤学的方法による薬剤
学的組成物として、薬剤学的に受容されうる担体(キャ
リア)もしくは希釈剤と組み合わせてヒトを対象として
投与することができる。本発明の化合物は、経口投与、
非経口投与さらには吸入による方法を含めた通常用いら
れる投与経路により投与される。本発明の化合物を、経
口投与する場合の投与量の範囲は、一回もしくは分割投
与量において、治療対象の体重1kg、1日当たり0.1
〜20mg、好ましくは0.1〜5.0mgである。非経口
投与が好ましい場合、有効投与量は、治療対象の体重1
kg、1日当たり0.1〜1.0mgである。投与量は、個
々の患者の年令、体重、反応、ならびに患者の症状の重
症度および投与すべき特定化合物の効力に応じて必然的
に変化するものであり、場合によっては上記範囲外の投
与量を用いることが必要である。
【0039】経口投与のためには、本発明の化合物もし
くはこれらの薬剤学的受容性を有する塩は、例えば錠
剤、粉剤、トローチ剤、シロップもしくはカプセル剤と
して、又は水溶液もしくは懸濁液として投与することが
できる。経口用錠剤の場合に、通常用いられるキャリア
としてはラクトースとコーンスターチがある。さらに、
例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤が一般
に添加される。カプセル剤の場合は、有用な希釈剤とし
てはラクトースと乾燥コーンスターチが用いられる。経
口投与用に水性の懸濁液が必要な場合は、活性成分を乳
化剤および懸濁化剤と組み合わせて用いる。必要であれ
ば、ある種の甘味剤や風味剤を加えることも可能であ
る。筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内投与用として用
いる場合には、通常活性成分の無菌溶液が調整される。
この場合、溶液のpHは適当に調節され、緩衝剤で処理
される必要がある。静脈内投与用の場合は、溶質の総濃
度を制御して、等張とする必要がある。
【0040】以下、本発明を実施例を用いて説明する。
なお、本発明は、これらの実施例において細部にわたっ
て特定された事項に限定されるものではない。実施例で
用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(NMR)
は、特に指示がないかぎり、パージュテロジメチルスル
ホキシド(DMSO−d6 )の溶液で、270MHz にて
測定されたものである。また、ピーク位置は、テトラメ
チルシランから下流へのずれを100万分の1単位(pp
m)で表現する。ピーク形状は次のように表す。s:単
線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重
線、br:広幅。
【0041】
【実施例】実施例1:1,5ジヒドロ−2H−ピリミド
〔4,5b〕〔1,4〕ベンゾチアジン−2,4(3
H)−ジオン 構造式:
【0042】
【化4】
【0043】融点:300℃以上 IR: NMR:(DMSO−d6 )δ:11.28(1H,
s),11.02(1H,s),7.52(1H,
s),6.91−6.98(3H,m),6.75(1
H,m),3.29(3H,s) 合成法:5−ヒドロキシピリミジン−2,4(1H,3
H)−ジオン(市販品)(1.025g)のエタノール
溶液(60ml)中にN−ブロモスクシンイミド(1.5
66g)を室温で加えた。混合液を30分間撹拌した
後、2−アミノベンゼンチオール(1.502g)を加
えて1時間還流加熱した。冷却後、沈澱を濾取して、
1,5−ジヒドロ−2H−ピリミド〔4,5b〕〔1,
4〕ベンゾチアジン−2,4(3H)−ジオン(1.4
4g,収率77%)を得た。
【0044】実施例2:1,5−ジヒドロ−3−メチル
−2H−ピリミド〔4,5b〕〔1,4〕ベンゾチアジ
ン−2,4(3H)−ジオン 構造式:
【0045】
【化5】
【0046】融点:300℃以上(分解) IR: NMR:(DMSO−d6 )δ:11.5(1H,
s),7.56(1H,s),6.92−7.00(3
H,m),6.74(1H,m),3.14(3H,
s) 合成法:実施例2の化合物は、5−ヒドロキシ−3−メ
チル−ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンと2
−アミノベンゼンチオールから実施例1の手順に従って
調製された。
【0047】実施例3:1,5−ジヒドロ−1,3−ジ
メチル−2H−ピリミド〔4,5b〕〔1,4〕ベンゾ
チアジン−2,4(3H)−ジオン 構造式:
【0048】
【化6】
【0049】融点:227℃(分解) IR: NMR:(DMSO−d6 )δ: 合成法:実施例3の化合物は、5−ヒドロキシ−1,3
−ジメチル−ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオ
ンと2−アミノベンゼンチオールから実施例1の手順に
従って調製された。
【0050】実施例4:2H−ピリミド〔4,5b〕
〔1,4〕ベンゾチアジン−2,4(3H)−ジオン 構造式:
【0051】
【化7】
【0052】融点:209℃(分解) IR: NMR:(DMSO−d6 )δ:11.72(1H,
s),8.13(1H,dd,8Hz,1.5Hz),7.
97(1H,dd,8Hz,1.5Hz),7.81(1
H,dt,1.5Hz,8Hz),7.73(1H,dt,
1.5Hz,8Hz),3.33(3H,s) 合成法:実施例4の化合物は、実施例1の化合物に酸化
剤を作用させることによって調製された。
【0053】実施例5:3−メチル−2H−ピリミド
〔4,5b〕〔1,4〕ベンゾチアジン−2,4(3
H)−ジオン 構造式:
【0054】
【化8】
【0055】融点:270℃(分解) IR: NMR:(DMSO−d6 )δ:8.17(1H,d,
8Hz),8.00(1H,dd,1.4Hz,8Hz),
7.73−7.85(2H,m),3.26(3H,
s) 合成法:実施例5の化合物は、実施例2の化合物に酸化
剤を作用させることによって調製された。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、R1 とR2 は、それぞれ独立して水素またはメ
    チル基を表す〕で示されるピリミドベンゾチアジン誘導
    体、またはその薬剤学的に許容しうる塩を有効成分とし
    て含有する抗炎症剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示されるピリミドベンゾ
    チアジン誘導体、またはその薬剤学的に許容しうる塩を
    有効成分として含有する請求項1の抗炎症剤。
  3. 【請求項3】 一般式(II)で示されるピリミドベンゾ
    チアジン誘導体、またはその薬剤学的に許容しうる塩を
    有効成分として含有する請求項1の抗炎症剤。
  4. 【請求項4】 R1 とR2 がそれぞれ水素である、請求
    項2に記載の抗炎症剤。
  5. 【請求項5】 R1 とR2 がそれぞれメチルである請求
    項2に記載の抗炎症剤。
  6. 【請求項6】 R1 がメチル、R2 が水素である、請求
    項2に記載の抗炎症剤。
  7. 【請求項7】 R1 が水素である、請求項3に記載の抗
    炎症剤。
  8. 【請求項8】 R1 がメチルである、請求項3に記載の
    抗炎症剤。
  9. 【請求項9】 薬剤学的に許容される担体を含む請求項
    1の抗炎症剤。
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