JPH0739270B2 - 車両の車速決定方法 - Google Patents

車両の車速決定方法

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JPH0739270B2
JPH0739270B2 JP60291157A JP29115785A JPH0739270B2 JP H0739270 B2 JPH0739270 B2 JP H0739270B2 JP 60291157 A JP60291157 A JP 60291157A JP 29115785 A JP29115785 A JP 29115785A JP H0739270 B2 JPH0739270 B2 JP H0739270B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は車両の車速決定方法に関するものである。
従来技術 車速に基づいて走行運動を制御する形式の車両が考えら
れている。たとえば、車速に基づいて後輪舵角を制御す
る4輪操舵車両、車速に基づいて操舵反力を制御するパ
ワーステアリング車両、車速に基づいてサスペンション
の強さを制御する形式の車両などがそれである。斯かる
車両においては、車輪の回転速度を直接にまたは間接的
に検出するための車速センサが設けられ、その車輪の回
転速度に基づいて車速が逐次決定されて運動制御のため
の車速が更新されるとともに、その車速に基づいて制御
が実行される。このような形式の車両においては、回転
センサの故障、速度信号が供給されるインターフェース
回路の故障などに起因して検出される車速が大きく変化
する場合があり、その結果、実際の車速に基づいて走行
中の運動が制御されなくなるという問題がある。
このような課題を解決するために、回転センサから得ら
れた信号の変化量が所定範囲を越えている車速検出の異
常が判定された場合には、車速の更新を停止されて運動
制御のための車速を固定することが考えられる。たとえ
ば、特願昭60−102672号の明細書(特開昭61−261166号
公報)に記載されたものがそれである。これによれば、
回転センサの異常または車輪のロックなど車速センサか
ら得られた信号の変化量を基準変動巾と比較し、それが
所定範囲を越えた変化である場合には車速検出異常と判
定されて、車速の更新を停止させることにより運動制御
のための車速が固定されるので、旋回走行中に車両の運
動が運転者の意に反した方向へ制御されることが解消さ
れる。
発明が解決すべき課題 しかしながら、このような技術では、車速センサの異常
など車速検出異常が継続する間は、車両が旋回走行であ
るかまたは非旋回走行であるかに拘わらず、その固定さ
れた車速に基づいて運動が制御されるので、車速検出異
常の継続中、再び旋回走行を行うときに実際の車速が固
定された車速と大きく異なると、車両の運動が運転者の
意に反した方向へ制御されることは避けられない。
課題を解決するための手段 本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、
その要旨とするところは、車速を求めるために前輪およ
び後輪のいずれかの回転を検出する車速センサを備え、
予め定められた関係から前記車速に基づいて走行中の運
動を制御する形式の車両の車速決定方法であって、
(a)前記車速センサにより検出された車輪の回転速度
に基づいて前記車速を逐次求めてその車速を更新するこ
とにより、運動制御のための前記車速を決定する車速決
定工程と、(b)前記車両の旋回走行を検出する旋回走
行検出工程と、(c)前記車速センサの異常などの継続
的な車速検出異常を判定する車速検出異常判定工程と、
(d)前記車両の旋回走行が検出され且つ前記車速検出
異常が判定されたときには、前記車速決定工程における
車速の更新を停止させて運動制御のための前記車速を固
定する車速固定工程と、(e)前記車両の旋回走行が検
出されず且つ前記車速検出異常が判定されたときには、
広範囲な車速において前記運動制御に適用可能な予め設
定された値を、その運動制御のための前記車速として設
定する車速設定工程と、を含むことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、旋回走行検出工程により車両の旋回
走行が検出され且つ車速検出異常判定工程により車速セ
ンサの異常などの継続的な車速検出異常が判定されたと
きには、車速固定工程により車速の更新が停止されて運
動制御のための車速が固定されるので、旋回走行中に車
速検出異常が判定されることにより車両の運動が運転車
の意に反した方向へ制御されることが解消される。ま
た、旋回走行検出工程により車両の旋回走行が検出され
ず且つ車速検出異常判定工程により断続的な車速検出異
常が判定されたときには、車速設定工程により広範囲な
車速において運動制御に適用可能な予め設定された値
が、運動制御のための車速として設定されるので、旋回
走行から直進走行へと移行した後の車両の走行において
は、その予め設定された値により運動が制御されること
から、再び旋回走行を行うときの車速が固定された車速
と大きく異なっていても、車両の運動が運転者の意に反
した方向へ制御されることが解消される。
実施例 以下、本発明の一実施例を示す図面に基づいて詳細に説
明する。
第1の実施例 第1図に示す車両10は所謂4輪操舵(4WS)形式のもの
であって、車両10の前部には図示しないステアリングホ
イールにより操舵可能な左右一対の車輪12、14が設けら
れており、車両10の後部にも前輪12、14の操舵と関連し
て自動的に操舵される左右一対の後輪16、18が設けられ
ている。本実施例では、トランスミッション20の出力が
その出力軸26、プロペラシャフト22、および差動歯車装
置24を介して後輪16、18へ伝達されるようになってお
り、上記トランスミッション20の出力軸26近傍にはその
回転速度を検出するための回転センサ28が配設されてい
る。
回転センサ28は、第2図に示すように、出力軸26に固定
された速度検出用歯車30の外周部に多数形成された歯の
通過を検出し、単位時間あたりの通過歯数に対応した周
波数のパルス信号PV0を出力する。第3図に示すよう
に、回転センサ28からのパルス信号PV0は車速Vnを逐次
決定するための演算装置34のI/Oポート36へ波形整形器4
4を介して供給される。この演算装置34は、所謂マイク
ロコンピュータであって、通常、後輪の舵角制御装置を
兼ねている。演算装置34は、データバスラインを介して
互いに接続されたCPU、ROM、RAMなどを備えており、CPU
はRAMの記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプロ
グラムに従って入力信号を処理して車速Vnを算出する。
一方、前記車両10には、その前輪12、14の操舵角を検出
するための前輪舵角センサ46が設けられており、前輪1
2、14の舵角δfを表す信号Sδfがその前輪舵角セン
サ46から前記I/Oポート36に供給される。また、車両10
には、ブレーキペダルの操作を検出するためのブレーキ
ペダルスイッチ48が設けられており、そのブレーキペダ
ルスイッチ48からブレーキ操作信号BRがI/Oポート36に
供給される。また、エンジン50には、エンジン回転速度
を検出するためのエンジン回転センサ52、およびスロッ
トル弁開度を検出するためのスロットルセンサ54がそれ
ぞれ設けられており、エンジン回転信号SEおよびスロッ
トル信号THがI/Oポート36に供給される。
前記CPUはROMに予め記憶された関係から、実際の車速Vn
および前輪の操舵角δfに基づいて、後輪16、18の前輪
12、14に対する操舵方向および操舵角を決定し、この操
舵方向および操舵角が得られるように、後輪用操舵アク
チュエータ38を作動させるための駆動信号DDをI/Oポー
ト36からD/A変換器39および後輪転舵用の増幅器40を介
して油圧制御装置42へ供給する。これにより油圧制御装
置42内に設けられた制御弁が作動させられて後輪用操舵
アクチュエータ38に作動油圧が供給され、後輪用操舵ア
クチュエータ38により後輪16、18の舵角が変更される。
以下、本実施例の作動を第4図および第5図のフローチ
ャートに従って説明する。
先ず、ステップSR1が実行されて初回のサイクルか否か
が判断される。初回でなければステップSR2が経ること
なくステップSR3が実行されるが、初回であればステッ
プSR2が実行されて各カウンタおよびフラグがクリアさ
れた後ステップSR3が実行される。ステップSR3では、前
記パルス信号PV0に基づいて車速v0が次式(1)に従っ
て算出される。
v0=f・2πr/G・H ・・・(1) 但し、fはパルス信号PV0の周波数、Hは速度検出用歯
車30の歯数、Gは差動歯車装置24の変速比、rは車輪の
半径である。
ステップSR4が、車両10の低速走行を検出するために、
ステップSR3で算出された車速V0(n・Δt)が予め定
められた一定の小さな値Va、たとえば5km/hよりも大き
いか否かが判断される。Δtは車速算出周期であり、n
は今回の周期を示す整数である。上記ステップSR4にお
ける判断が否定された場合には後述のステップSR14以下
が実行される。すなわち、ステップSR14では車速Vnの値
が前記Vaに置換されるとともに、ステップSR15ではこの
小さな車速Vaに基づいて後輪舵角が変更され、そしてス
テップSR16にて時間Δtだけ待機させられた後前記ステ
ップSR3以下が繰り返し実行される。なお、上記ステッ
プSR15では、たとえば第6図に示す予めROMに記憶され
た関係が用いられて、先ず、この関係から車速Vnに基づ
いて後輪16、18の前輪12、14に対する操舵率を示す係数
Kが求められるとともに、その後、入力信号Sδfに基
づいて決定された前輪舵角δfと上記係数Kとから次式
(2)にしたがって後輪舵角δrが求められる。この係
数Kはその正負により操舵方向を、その値により操舵割
合を示す。そして、この後輪舵角δrが得られるように
駆動信号DDがD/A変換器39および増幅器40を介して油圧
制御装置42へ供給されるのである。
δr=K(Vn)・δf ・・・(2) 前記ステップSR4における判断が肯定された場合、すな
わち車速v0(n・Δt)が予め定められた一定の小さな
値Vaよりも大きい場合には、ステップSR5において車輪
のスピンの有無が判断される。この車輪のスピンは車輪
の回転加速度、すなわち今回のサイクルにおいて求めら
れた車速と前回のサイクルにおいて求められた車速との
差〔v0(n・Δt)−v0{(n−1)・Δt}〕が予め
定められた一定の値αよりも大きいことをもって判断
される。この値αは車輪と路面との滑りが生じない範
囲における最大回転加速度と同等以下の回転加速度に決
定されている。上記ステップSR5において車輪のスピン
が検出されない場合にはステップSR6が実行されて車輪
のロックの有無が判断される。この判断は車輪の回転加
速度〔v0{(n−1)・Δt}−v0(n・Δt)〕が予
め定められた一定の値βよりも大きいことをもって判
断される。この値βは車輪と路面との滑りが生じない
範囲における最小回転加速度と同等以上の回転加速度に
決定されている。
上記ステップSR5およびステップSR6において車輪のロッ
クおよびスピンが検出されない場合には、車輪の回転が
正常な場合であるので車速制限手段に対応するステップ
SR7が実行されて今回のサイクルにおいて算出されたv0
(n・Δt)が仮車速Vn′として採用されるとともに、
ステップSR8が実行されて車速Vnが決定される。この車
速Vnの決定は、仮車速Vn′と、前回の車速Vn-1に車速の
最大変化値αmax・Δtを加えた値と前回の車速Vn-1
車速の最小変化値αmin・Δtを加えた値とからなる3
種類の値から中間値を選択することによって実行され、
車速Vnが新たな選択値に更新される。上記αmaxおよび
αminは車輪と路面との滑りが生じない範囲における車
両の最大加速度および最小加速度であり、上記車速の最
大変化値および最小変化値は車輪と路面との滑りが生じ
ない状態における時間Δtあたりの車速の最大変化幅お
よび最小変化幅である。この結果、回転センサ28や速度
検出用歯車30の故障等により異常に大きい値或いは異常
に小さい値の車速v0(n・Δt)が算出されても、車速
Vnが現実にあり得る最大値或いは最小値に制限されるの
で、車速Vnに基づいて行われる制御の異常動作が防止さ
れる。
前記ステップSR5において車輪のスピンが検出された場
合には、ステップSR9が実行されて仮車速Vn′(=Vn-1
+αmax・Δt)が決定された後、前記ステップSR8以下
が実行される。また、前記ステップSR6において車輪の
ロックが検出された場合には、ステップSR10が実行され
て車速Vn(=Vn-1)が決定された後、前記ステップSR15
が実行され、その車速Vnに基づいて後輪の舵角が制御さ
れる。このように、ステップSR5において車輪のスピン
が検出された場合には、仮車速Vn′が現実にあり得る最
大値(=Vn-1+αmax・Δt)に制限されるので、車輪
のスピンのような車輪の異常回転時でも安定した後輪舵
角制御が得られる。また、ステップSR6において車輪の
ロックが検出されたときは車速Vnが前サイクルにて採用
された車速Vn-1とされるので、車輪のロックのような車
輪の異常回転時でも安定した後輪舵角制御が得られる。
前記ステップSR8において車速Vnが決定された後には、
ステップSR11が実行されることによりその車速Vnがそれ
以前に決定された仮車速Vn′と同一であるか否かが判断
される。同一であれば正常な状態であるので、ステップ
SR12が実行されてフラグFTaが零にクリアされるととも
に、ステップSR13が実行されて車速Vnが前記Vaよりも小
さいか否かが判断される。この判断が肯定された場合に
は低速走行であるので前述のステップSR14以下が実行さ
れるが、否定された場合にはステップSR15以下が実行さ
れることにより、ステップSR8において決定された車速V
nに基づいて後輪の舵角が決定される。
しかし、前記ステップSR11において、ステップSR8にお
いて決定された車速VnがステップSR7において決定され
た仮車速Vn′と同じでないと判断された場合には、算出
された車速v0(n・Δt)が現実にあり得る車速の最大
値(=Vn-1+αmax・Δt)から最小値(=Vn-1−αmin
・Δt)に至る範囲を超えている状態、換言すれば算出
された車速の変化率〔v0(n・Δt)−Vn-1〕が車両の
最大加速度αmaxから最小加速度αminに至る範囲を超え
ている異常状態であるので、この異常状態の持続時間に
よって車速検出の異常が判断される。すなわち、ステッ
プSR17においてタイマカウンタT1の内容に1が加算され
た後、ステップSR18においてタイマカウンタT1の内容が
予め定められた一定の値Taを超えたか否かが判断され
る。この一定の値Taはたとえば20秒程度の時間に対応す
る値である。
ステップSR18の判断が否定された場合には、車輪のホッ
プなどに起因する一時的なものであるので前記ステップ
SR13以下が通常と同様に実行される。しかし、ステップ
SR18の判断が肯定された場合には、前記速度検出用歯車
30の破損、回転センサ28の故障などによる車速検出の異
常と判断することができるので、ステップSR19が実行さ
れてフラグFTaが1にセットされるとともに、図示しな
い表示装置に車速検出の異常を表す表示が行われる。
続くステップSR20では車両10が旋回走行中、すなわちコ
ーナリング中であるか否かが判断される。この判断は信
号Sδfが表す前輪舵角δfが予め定められた一定値δ
を超えたか否かによって行われる。この一定値δ
たとえばステアリングホイールの45度の操作角に対応す
る前輪舵角である。上記ステップSR20において車両10が
旋回走行中であると判断された場合には、ステップSR21
が実行されて前サイクルにて採用された車速Vn-1(車速
検出異常前の車速)が今回の連速Vnとされるが、旋回走
行中でないと判断された場合には、ステップSR22が実行
されることにより今回の車速Vnが予め定められた一定の
車速V0、たとえば100km程度の値に固定される。上記ス
テップSR21またはSR22が実行された後は前記ステップSR
15以下が実行されて後輪の舵角が制御される。このよう
に、車速検出の異常が生じても車両10のコーナリング中
である場合には車速の更新が中止されるので、運転者の
予期しない後輪の舵角変更が防止される。また、車速検
出の異常時であって車両10のコーナリング中でない場合
には車速Vnが一定の車速V0とされるので、後輪の操舵操
作が広範囲の車両速度に適用が可能な一定の係数K(10
0)にて実行される。
後輪舵角制御装置を備えた車両では、低速走行時はコー
ナリングの小回り性向上のために後輪は逆相に転舵され
る一方、中速以上での走行時はコーナリングの安定性重
視のために後輪は同相に転舵されるが、本実施例によれ
ば、車両10のコーナリング中では、車速検出の異常が生
じても前サイクルにて採用された車速Vn-1が今回の車速
Vnとされることにより固定されるので、車両の旋回走行
中では後輪舵角制御のため車速の更新が中止されて運転
者の予期しない後輪の舵角変更が防止されることにな
り、車両の運転性が損なわれない利点がある。また、車
両10がコーナリングから直進走行へと移行した後の走行
においては、後輪の操舵動作が広範囲の車両速度に適用
が可能な一定の係数Kにより運動が制御されることか
ら、低速走行時に車速検出異常が発生すると中速以上の
車速で再び旋回走行を行うときには逆相状態が維持され
ることにより安定性が低下したり、また、中速以上で走
行時に車速検出異常が発生すると低速で再び旋回走行を
行うときには同相状態が維持されることにより小回り性
や回頭性が低下するといったことがなくなるので、運転
者の予期しない後輪の舵角変更が防止されることによ
り、車両の運転性が損なわれない利点がある。
第2の実施例 次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、前述の実
施例と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略す
る。
本実施例では、第7図および第8図に示すように、車両
10には更に左右の前輪12、14の回転速度を直接的に検出
するための回転センサ60および62が設けられており、そ
れら回転センサ60および62から回転信号PV1およびPV2
I/Oポート36へ出力されるようになっている。
本実施例の演算装置34では、第9図、第10図、第11図、
および第12図に従って車速Vnが決定され、且つその車速
Vnで後輪舵角が制御されるようになっている。
先ず、ステップSS1が実行されて初回のサイクルか否か
が判断される。初回でなければステップSS2を経ること
なくステップSS3が実行されるが、初回であればステッ
プSS2が実行されて各カウンタおよびフラグがクリアさ
れた後ステップSS3が実行される。ステップSS3では、前
記パルス信号PV0、PV1、PV2に基づき、車速v0が前式
(1)にしたがって、車速v1、v2が次式(3)に従って
それぞれ算出される。
vi=f・2πr/H ・・・(3) 但し、fはパルス信号PViの周波数、Hは車輪に設けら
れた速度検出用歯車の歯数、rは車輪の半径、iはvの
添字である。
ステップSS4では、ステップSS3で算出された車速v0(n
・Δt)、v1(n・Δt)、v2(n・Δt)の平均値
〔=(2v0+v1+v2)/4〕が予め定められた一定の小さ
な値Va、たとえば5km/hよりも大きいか否かが判断され
る。Δtは車速算出周期であり、nは今回の周期を示す
整数である。上記ステップSS4における判断が否定され
た場合には後述のステップSS21以下が実行される。すな
わち、ステップSS21では車速Vnの値がVaに置換されると
ともに、ステップSS22ではこの小さな車速Vaに基づいて
後輪舵角が変更され、そしてステップSS23にて時間Δt
だけ待機させられた後前記ステップSS3以下が繰り返し
実行される。なお、上記ステップSS22では、たとえば第
6図に示す予めROMに記憶された関係が用いられて、先
ず、この関係から車速Vnに基づいて後輪16、18の前輪1
2、14に対する操舵率を示す係数Kが求められるととも
に、その後、入力信号Sδfに基づいて決定された前輪
舵角δfと上記係数Kとから前式(2)にしたがって後
輪舵角δrが求められる。そして、この後輪舵角δrが
得られるように駆動信号DDがD/A変換器39および増幅器4
0を介して油圧制御装置42へ供給されるのである。
前記ステップSS4における判断が肯定された場合、すな
わち車速v0(n・Δt)が予め定められた一定の値Vaよ
りも大きい場合には、ステップSS5において車両10がコ
ーナリング状態であるか否か、すなわち旋回走行中であ
るか否かが判断される。この判断は信号Sδfが表す前
輪舵角δfが予め定められた一定値δを超えたか否か
によって行われる。この一定値δたとえばステアリン
グホイールの45度の操作角に対応する舵角である。上記
ステップSS5において車両がコーナリング中でないと判
断された場合には、ステップSS6においてコーナリング
フラグFcがリセットされるとともに、ステップSS7が実
行されて車輪のスピンの有無が判断される。この車輪の
スピンは後輪(駆動輪)の回転加速度、すなわち今回の
サイクルにおいて求められた車速と前回のサイクルにお
いて求められた車速との差〔v0(n・Δt)−v0{(n
−1)・Δt}〕が予め定められた一定の値αよりも
大きいことをもって判断される。この値αは車輪と路
面との滑りが生じない範囲における最大回転加速度と同
等以下の回転加速度に決定されている。上記ステップSS
7において車輪のスピンが検出されない場合にはステッ
プSS8が実行されて車輪のロックの有無が判断される。
この判断は、信号PV0に基づく回転加速度〔2v0{(n−
1)・Δt}−2v0(n・Δt)〕、信号PV1に基づく回
転加速度〔v1{(n−1)・Δt}−v1(n・Δ
t)〕、信号PV2に基づく回転加速度〔v2{(n−1)
・Δt}−v2(n・Δt)〕の平均値が予め定められた
一定の値βよりも大きいことをもって判断される。こ
の値βは車輪と路面との滑りが生じない範囲における
最小回転加速度と同等以上の回転加速度に決定されてい
る。
上記ステップSS7およびステップSS8において車輪のロッ
クおよびスピンが検出されない場合には、ステップSS9
が実行されて今回のサイクルにおいて算出された3種の
車速データv0(n・Δt)、v1(n・Δt)、v2(n・
Δt)の内の中間値が仮車速Vn′として採用される。そ
して、それら3種の車速データを相互に比較し、一つの
車速が仮車速Vn′、換言すれば各車速の中間値よりも予
め定められた一定の割合をこえたことをもって車速検出
の異常が判断される。すなわち、ステップSS10において
レジスタiの内容から1が減算され、且つステップSS11
においてレジスタiの内容に1が加算された後、ステッ
プSS12が実行されてレジスタiの内容が3に到達したか
否かが判断される。当初は到達しないのでステップSS13
が実行されて車速検出が異常状態であるか否かが判断さ
れる。この判断には次式(4)が用いられる。但し、γ
はたとえば0.1(10%)程度の値が用いられる。
|vi−Vn′|>γ ・・・(4) 当初はレジスタiの内容が0であるのでステップSS13に
おける判断にはv0が用いられる。この判断が否定される
とステップSS14においてフラグFTbがリセットされた
後、再びステップSS11が実行されてレジスタiの内容に
1が加算されて今度はステップSS13における判断にはv1
が用いられる。この判断が否定されると上記と同様にレ
ジスタiの内容が2とされてステップSS13における判断
にはv2が用いられる。このようにして各車速データの中
間値に対するばらつきが一定の範囲内にあると判断され
るとステップSS11においてレジスタiの内容が3とされ
るので、ステップSS12における判断が肯定され、ステッ
プSS15においてレジスタiの内容から1が減算された
後、ステップSS16が実行される。
ステップSS16では車速検出が異常であることを表すフラ
グFTa1であるか否か、すなわちフラグFTaがセットされ
ているか否かが判断される。車速検出が異常でなければ
ステップSS17が実行されて車速Vnが決定される。この車
速Vnの決定は、仮車速Vn′と前回の車速Vn-1に車速の最
大変化値αmax・Δtを加えた値と、前回の車速Vn-1
車速の最小変化値αmin・Δtを加えた値とからなる3
種類の値から中間値を選択することによって実行され、
車速Vnが新たな選択値に更新される。上記αmaxおよび
αminは車輪と路面との滑りが生じない範囲における車
両の最大加速度および最小加速度であり、上記車速の最
大変化値および最小変化値は車輪と路面との滑りが生じ
ない状態における時間Δtあたりの車速の最大変化幅お
よび最小変化幅である。この結果、回転センサ28の故障
等により異常に大きい値或いは異常に小さい値の車速v0
(n・Δt)が入力されても、車速Vnが現実にあり得る
最大値或いは最小値に制限されるので、車速Vnに基づい
て行われる制御の異常動作が防止される。
そして、ステップSS18が実行されることによりその車速
Vnがそれ以前に決定された仮車速Vn′と同一であるか否
かが判断される。同一であれば正常な状態であるので、
ステップSS20が実行されて車速Vnが前記Vaよりも小さい
から否かが判断される。この判断が肯定された場合には
前述のステップSS21以下が実行されるが、否定された場
合にはステップSS22以下が実行されることにより、ステ
ップSS17において決定された車速Vnに基づいて後輪の舵
角が決定される。
しかし、前記ステップSS18において、ステップSS17にお
いて決定された車速VnがステップSS9において決定され
た仮車速Vn′と同じでないと判断された場合には、異常
状態であるので、ステップSS19が実行されて車速Vnが制
限される。すなわち、こ時点で現実にあり得る最大車速
(=Vn-1+αmax・Δt)と、最小車速(=Vn-1+αmin
・Δt)と、〔Vn-1+min*(Δv0,Δv1,Δv2)〕との
値の内の中間値が選択される。このmin*(Δv0,Δv1,
Δv2)は各車速の変化量Δv0,Δv1,Δv2の値の中で前記
ステップSS13において(4)式から異常と判定されたも
のを除いた残りの中間値を示すものである。
前記ステップSS13における判断が肯定された場合には、
ステップSS24が実行されてタイマカウンタT2の係数内容
に1が加算されるとともに、ステップSS25が実行されて
タイマカウンタT2の内容が予め設定された一定の値Tbに
到達したか否かが判断される。この一定の値Tbはたとえ
ば10秒に相当する値である。ステップSS13において車速
検出の異常値が判定されても10秒間接続しない間はステ
ップSS25に於ける判断が否定されるので、正常時と同様
にステップSS11以下が実行される。10秒間持続した場合
にはステップSS25に於ける判断が肯定されるので、ステ
ップSS26が実行されてフラグFTbがセットされ、その後
ステップSS27において車速検出の異常値が判定されてか
ら20秒間接続したかが判断される。未だ20秒間持続しな
い場合にはステップSS28においてフラグFTaがリセット
された後、正常時と同様にステップSS11以下が実行され
る。しかし、この場合には、前記のようにステップSS19
が実行されて異常値が除かれた状態で車速Vnが決定さ
れ、この車速Vnで後輪舵角の制御が実行される。
ステップSS27の判断が肯定された場合には、車速検出の
異常値が判定されてから20秒間持続した状態であるの
で、回転センサの破損などの車速検出の異常と判断され
る。このため、ステップSS29が実行されて車速検出の異
常を表す警報表示が図示しない表示器において行われる
とともに、その異常を示すフラグFTaがセットされる。
この場合には、前記ステップSS16における判断が肯定さ
れるので、ステップSS30が実行されてコーナリングフラ
グFcに基づいて車両10がコーナリング中であるか否かが
判断される。車両10がコーナリング中でない場合には、
ステップSS31において車速Vnを予め定められた一定の車
速V0に置換する。この一定の車速V0はたとえば100km/h
であり、このようにすることによって車速検出常時の後
輪舵角制御の異常動作を防止する。しかし、前記ステッ
プSS40においてコーナリングフラグFcがセットされた御
は上記ステップSS30における判断が肯定されるので、ス
テップSS32が実行された車速Vnを前回のサイクルにおい
て採用された車速Vn-1に固定する。すなわち、車速Vnの
更新を阻止するのである。これにより、車速検出異常時
には車両10の旋回走行中において後輪舵角制御に用いら
れる車速Vnの変化が防止され、運転者の意に反した後輪
舵角変化が解消される。
前記ステップSS7において車輪のスピンが検出された場
合には、ステップSS33が実行されることにより、仮車速
Vn′が次式(5)から決定され、その後ステップSS17以
下が実行される。このように仮車速Vn′を異常値を除い
た最小値とすることにより、車輪のスピンなどにより高
く検出されやすい状態下で実際の車速に接近させる。
Vn′=min*〔(v1+v2)/2,v0〕 ・・・・(5) 但し、min*は〔 〕中の値から異常値を除いた後の最
小値を示すものである。
前記ステップSS8において車輪のロックが検出された場
合には、ステップSS34が実行されて仮車速Vn′が次式
(6)から決定され、この後ステップSS35において再度
車輪のロックが判定される。このように仮車速Vn′を異
常値を除いた最大値とすることにより、車輪のロックな
どにより低く検出されやすい状態下で実際の車速に接近
させる。
Vn′=max*〔(v1+v2)/2,v0〕 ・・・・(6) 但し、上記max*は〔 〕中の値から異常値を除いた後
の最大値を示すものである。
ステップSS35における判断は、ステップSS8の場合と異
なり、採用した仮車速の変化率(Vn′−Vn-1)が予め定
められた一定値βを超えたか否かによって判断され
る。この判断が肯定されると本当の車輪のロックと判定
されて、ステップSS36によりロックフラグFLがセットさ
れた後前記ステップSS22以下が実行される。しかし、上
記ステップSS35における判断が否定されると、ステップ
SS37においてコーナリングフラグFcの内容が判断され
る。車両10のコーナリングである場合にはステップSS38
においてロックフラグFLの内容が判断され、車輪のロッ
ク中でない場合には前記ステップSS17以下が実行される
が、車輪のロック中である場合にはステップSS36により
ロックフラグFLがセットされる。また、ステップSS37に
おける判断が否定されると、ステップSS39が実行されて
ロックフラグFLがリセットされた後、前記ステップSS17
以下が実行される。
このように、ステップSS35の判断が否定されたとき、す
なわち車輪のロックが解消された状態でも、車両10のコ
ーナリング中ではロックフラグFLがリセットされないの
で、車速Vnはロック中と同様に決定され、これに基づい
て後輪舵角が制御されるようになっている。このため、
車両10のコーナリング中では、車速検出異常時と同様に
車速Vnが前回のサイクルにおける値Vn-1に固定されて、
運転者の意に反した後輪舵角の変化が防止されている。
前記ステップSS5において車両10がコーナリング中であ
ると判断された場合には、ステップSS40が実行されるこ
とによりコーナリングフラグFcがセットされるととも
に、前記ステップSS7と同様のステップSS41が実行され
て車輪のスピンが判断されるとともに、前記ステップSS
8と同様のステップSS42が実行されて車輪のロックが判
断される。車輪のスピンおよびロックがいずれも生じて
いない場合にはステップSS43において次式(7)にした
がって仮車速Vn′が決定された後、前記ステップSS17以
下が実行される。
Vn′=〔v0+(V1+V2)/2〕/2 ・・・・(7) 上式から明らかなようにステップSS43では各車速データ
の平均値が仮車速として求められるのである。しかし、
ステップSS41において車輪のスピンと判断された場合に
はステップSS44が実行されて前記ステップSS33と同様の
式にしたがって仮車速Vn′が求められた後、前記ステッ
プSS17以下が実行される。また、車輪のロックと判断さ
れた場合にはステップSS45が実行されて前記ステップSS
34と同様の式にしたがって仮車速Vn′が求められた後、
前記ステップSS35以下が実行される。
上述のように、本実施例によれば、フラグFTaのセット
状態、すなわち車速検出の異常状態であって車両10のコ
ーナリング中には、後輪操舵のための車速Vnが更新され
ず固定されるので、運転者の予期しない後輪の舵角変化
が防止される。
また、本実施例によれば、車輪のロックを示すロックフ
ラグFLが車両10のコーナリング中にはリセットされない
ので、実際の車輪のロックに伴う車速Vnの変更が阻止さ
れ、この点においても予期しない後輪の舵角変化が防止
される。さらに、車両10がコーナリングから直進走行へ
と移行した後の走行においては、後輪の操舵動作が広範
囲の車両速度に適用が可能な一定の係数Kにより運動が
制御されることから、低速走行時に車速検出異常が発生
すると中速以上の車速で再び旋回走行を行うときには逆
相状態が維持されることにより安定性が低下したり、ま
た、中速以上での走行時に車速検出異常が発生すると低
速で再び旋回走行を行うときには同相状態が維持される
ことにより小回り性や回頭性が低下するといったことが
なくなるので、運転者の予期しない後輪の舵角変更が防
止されることにより、車両の運転性が損なわれない利点
がある。
なお、本実施例の車両10は後輪駆動方式であるが、前輪
駆動方式であっても本発明が適用される。この場合に
は、回転センサ60および62が後輪16、18の回転速度が検
出するために設けられる。
第3の実施例 更に、本発明の他の実施例を説明する。
本実施例においては、第13図および第14図に示すよう
に、車両10には、回転センサ28に替えて各左右の後輪1
6、18の回転速度をそれぞれ検出するための回転センサ6
4および66が更に設けられており、それら回転センサ64
および66から信号PV3およびPV4がI/Oポート36へ供給さ
れる。
本実施例の演算装置34では、第15図、第16図、第17図、
および第18図に示すフローチャートにしたがって車速Vn
が決定され、かつその車速Vnにて後輪舵角が制御され
る。なお、本実施例のフローチャートのステップ構成は
前記第9乃至12図に示すフローチャートと同様であり、
一部のステップの内容が異なるのみであるので、以下そ
の異なるステップについて説明する。
ステップST3では、信号PV1、PV2、PV3、およびPV4に対
応した車速データv1(n・Δt)、v2(n・Δt)、v3
(n・Δt)、およびv4(n・Δt)が前記ステップSS
3の場合と同様にそれぞれ算出され、車両10の低速走行
を検出するためのステップST4においてはそれら算出さ
れた各車速の平均値(=1/4Σvi)予め定められた一定
の値Vaよりも大きいか否かが判断される。
ステップST7およびST41における車輪のスピンの判断
は、駆動輪(本実施例では車輪16、18)の回転速度に基
づく車速v3およびv4の平均値の変化率〔=b(n・Δ
t)−b{(n−1)・Δt}、但しb=1/2(v3
v4)〕が予め定められた一定の値αを超えたことをも
って行われる。なお、車両10が前輪駆動方式である場合
には、車速v1およびv2の平均値の変化率〔=a(n・Δ
t)−a{(n−1)・Δt}、但しa=1/2(v1
v2)〕が予め定められた一定の値αを超えたことをも
って行われる。また、車両10が4輪駆動方式の場合に
は、4種類の車速viの平均値の変化率〔=1/4・Σvi
(n・Δt)−1/4・Σvi{(n−1)・Δt}、但し
iは添字であって1乃至4の整数〕が予め定められた一
定の値αを超えたことをもって行われる。
また、ステップST8およびST42の車輪のロックの判断
は、4種類の車速viの平均値の変化率〔=1/4・Σvi
(n・Δt)−1/4・Σvi{(n−1)・Δt}〕が予
め定められた一定の値βを超えたことをもって行われ
る。
仮車速Vn′の決定は以下のように行われる。先ず、車両
10が直進走行中であって車輪が正常に回転している状態
では、ステップST9に示すように、算出された4種類の
車速vi、すなわちv1、v2、v3、およびv4のうちの中間の
2値の平均値とする。また、車両10が直進中であって車
輪のスピン状態では、ステップST33に示されるように、
4類の車速v1、v2、v3、およびv4のうちの異常値を除い
たものの最小値を採る。また、車両10が直進中であって
車輪のロック状態では、ステップST34に示されるよう
に、4種類の車速v1、v2、v3、およびv4のうちの異常値
を除いたものの最大値を採る。しかし、車両10がコーナ
リング中であって車輪が正常に回転している状態では、
ステップST43に示すように、左へ旋回する状態(δf<
0)では、e〔=1/2(v1+v4)〕、e′〔=f×v1/
v2、但しf=1/2(v2+v3)〕、e″〔f×v3/v4〕のう
ち異常値を除いたものの上記の順の最初のものを優先的
に採る。しかし、右へ旋回する状態(δf>0)では、
f〔=1/2(v2+v3)〕、f′〔=e×v2/v1〕、f″
〔=e×v4/v3〕のうち異常値を除いたものの上記の順
の最初のものを優先的に採る。また、車両10がコーナリ
ング中であって車輪のスピン状態では、ステップST44に
示されるように、前記の値e、f、a、bの内の異常値
を除いたものの最小値が採られる。また、車両10がコー
ナリング中であって車輪のロック状態では、ステップST
45に示されるように、前記の値e、f、a、bの内の異
常値を除いたものの最大値が採られる。
ステップST9において仮車速Vn′が決定された後には、
ステップST10が実行されてレジスタiの内容が0にクリ
アされるとともに、ステップST11が実行されそのレジス
タiの内容に1が加算される。そして、ステップST12に
おいてレジスタiの内容が4に到達したか否かが判断さ
れる。当初は到達しないので前記ステップSS13と同様の
ステップST13が実行されて車速v1が上記仮車速Vn′に対
して予め定められた一定の割合を超えたか否かによって
車速検出が異常となったかが逐次判断される。その後ス
テップST14、ST11、ST12を経て次の車速v2について再び
判断される。各車速viについての判断が終了するとレジ
スタiの内容が4に到達するので、ステップST15以下が
実行される。しかし、上記ステップST13において車速検
出が異常と判断された場合には、前記実施例と同様にそ
の持続時間が20秒を超えるかがステップST27によって判
断され、超えた場合に異常値の対応する回転センサなど
の故障であるのでフラグFTaをセットするとともに、前
述の実施例と同様の異常時の対応をする。
このように、本実施例においても、車両10のコーナリン
グ中において車速検出の異常が生じた場合には、ステッ
プST32が実行されることにより後輪舵角制御のための車
速Vnが前回のサイクルの値Vn-1に固定されて新たな値に
更新されることが阻止されるので、運転者の予期しない
後輪舵角の変化が防止される。また、ステップST8また
はST42において後輪ロックが検出された場合には、車両
10のコーナリングが完了するまでコーナリングフラグFc
のリセットを阻止するので、この点においても運転者の
予期しない後輪舵角の変化が防止されるのである。さら
に、車両10がコーナリングから直進走行へと移行した後
の走行においては、後輪の操舵動作が広範囲の車両速度
に適用が可能な一定の係数Kにより運動が制御されるこ
とから、低速走行時に車速検出異常が発生すると中速以
上の車速で再び旋回走行を行うときには逆相状態が維持
されることにより安定性が低下したり、また、中速以上
での走行時に車速検出異常が発生すると低速で再び旋回
走行を行うときには同相状態が維持されることにより小
回り性や回頭性が低下するといったことがなくなるの
で、運転者の予期しない後輪の舵角変更が防止されるこ
とにより、車両の運転性が損なわれない利点がある。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用される車両の要部を説明する図で
ある。第2図は第1図の車両に備えられる回転センサの
取り付け部分を示す図である。第3図は第1図の車両に
備えられる電子制御回路の構成を示す図である。第4図
および第5図は第3図の電子制御回路の作動を説明する
ためのフローチャートである。第6図は第1図の車両の
後輪の舵角を制御するために第3図の電子制御回路にお
いて予め記憶された関係を示す図である。第7図および
第8図は本発明の他の実施例における第1図および第3
図に相当する図である。第9図、第10図、第11図、第12
図は、第7図および第8図に示す実施例の作動を説明す
るためのフローチャートである。第13図および第14図は
本発明の他の実施例における第1図および第3図に相当
する図である。第15図、第16図、第17図、第18図は、第
13図および第14図に示す実施例の作動を説明するための
フローチャートである。 10:車両
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 109:00 113:00 127:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車速を求めるために前輪および後輪のいず
    れかの回転を検出する車速センサを備え、予め定められ
    た関係から前記車速に基づいて走行中の運動を制御する
    形式の車両の車速決定方法であって、 前記車速センサにより検出された車輪の回転速度に基づ
    いて前記車速を逐次求めて該車速を更新することによ
    り、運動制御のための前記車速を決定する車速決定工程
    と、 前記車両の旋回走行を検出する旋回走行検出工程と、 前記車速センサの異常などの継続的な車速検出異常を判
    定する車速検出異常判定工程と、 前記車両の旋回走行が検出され且つ前記車速検出異常が
    判定されたときには、前記車速決定工程における車速の
    更新を停止させて運動制御のための前記車速を固定する
    車速固定工程と、 前記車両の旋回走行が検出されず且つ前記車速検出異常
    が判定されたときには、広範囲な車速において前記運動
    制御に適用可能な予め設定された値を、該運動制御のた
    めの前記車速として設定する車速設定工程と を含むことを特徴とする車両の車速決定方法。
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JPS59114369U (ja) * 1983-01-25 1984-08-02 日産自動車株式会社 パワ−ステアリングの操舵力制御装置
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JPH0741843B2 (ja) * 1985-05-16 1995-05-10 光洋精工株式会社 動力舵取装置における車速応答制御方法

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