JPH0739223Y2 - コンデンサ - Google Patents
コンデンサInfo
- Publication number
- JPH0739223Y2 JPH0739223Y2 JP8897890U JP8897890U JPH0739223Y2 JP H0739223 Y2 JPH0739223 Y2 JP H0739223Y2 JP 8897890 U JP8897890 U JP 8897890U JP 8897890 U JP8897890 U JP 8897890U JP H0739223 Y2 JPH0739223 Y2 JP H0739223Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- capacitor
- film
- impregnated
- metallized
- comparative example
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、金属化フイルムを使用したコンデンサに関
する。
する。
(従来の技術) ポリプロピレンフイルム(以下単にPPフイルムとい
う。)に金属を蒸着した金属化フイルムを使用し、これ
に鉱物油などの絶縁油を含浸させた構成のコンデンサは
よく知られている。
う。)に金属を蒸着した金属化フイルムを使用し、これ
に鉱物油などの絶縁油を含浸させた構成のコンデンサは
よく知られている。
(考案が解決しようとする課題) しかしこのような構成のコンデンサによると、長期安定
性に欠けるとともに、初期部分放電特性が悪いといった
欠点がある。
性に欠けるとともに、初期部分放電特性が悪いといった
欠点がある。
すなわちPPフイルムは従来使用されてきた絶縁油に対し
て膨潤しやすく、この膨潤によって金属が剥離、変質し
てしまい、容量が減少してしまう傾向がある。これが長
期安定性に欠ける原因となる。
て膨潤しやすく、この膨潤によって金属が剥離、変質し
てしまい、容量が減少してしまう傾向がある。これが長
期安定性に欠ける原因となる。
またこの種コンデンサでは、最終製作工程で熱処理を行
なうが、そのときフイルムの層間に入っていた絶縁油
が、膨潤したPPフイルムに染み込むことによって、層間
に絶縁油が減少してしまい、これが初期部分放電特性を
悪くしている原因と考えられている。
なうが、そのときフイルムの層間に入っていた絶縁油
が、膨潤したPPフイルムに染み込むことによって、層間
に絶縁油が減少してしまい、これが初期部分放電特性を
悪くしている原因と考えられている。
この考案は、PPフイルムを使用する金属化フイルムによ
ってコンデンサを構成するにあたり、その長期安定性な
らびに部分放電特性を改善することを目的とする。
ってコンデンサを構成するにあたり、その長期安定性な
らびに部分放電特性を改善することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この考案は、金属を蒸着した粗面化PPフイルムからなる
金属化フイルムによって構成されたコンデンサ素子に、
一般式CnF2n+2で表わされるフロロカーボンの液を含
浸剤として含浸してなることを特徴とする。
金属化フイルムによって構成されたコンデンサ素子に、
一般式CnF2n+2で表わされるフロロカーボンの液を含
浸剤として含浸してなることを特徴とする。
(作用) 前記フロロカーボンは従来使用されてきた他の絶縁油よ
りも、PPフイルムに対して膨潤特性が低い。そのためPP
フイルムの膨潤による特性劣化を改善することができる
ようになる。
りも、PPフイルムに対して膨潤特性が低い。そのためPP
フイルムの膨潤による特性劣化を改善することができる
ようになる。
(実施例) この考案の実施例を第1図以降の各図によって説明す
る。1は表面が粗面化されたPPフイルム、2はその粗面
化された表面に蒸着によって形成された金属膜で、これ
によって金属化フイルム3が構成される。この蒸着金属
としては、Al,Znまたはこれらを混合したものが利用で
きる。
る。1は表面が粗面化されたPPフイルム、2はその粗面
化された表面に蒸着によって形成された金属膜で、これ
によって金属化フイルム3が構成される。この蒸着金属
としては、Al,Znまたはこれらを混合したものが利用で
きる。
この金属化フイルム3の複数枚を重ね合わせて巻回し、
その端面にたとえばZnによるメタリコンリード付けてコ
ンデンサ素子とする。これにフロロカーボン液からなる
含浸剤を含浸してコンデンサを構成する。
その端面にたとえばZnによるメタリコンリード付けてコ
ンデンサ素子とする。これにフロロカーボン液からなる
含浸剤を含浸してコンデンサを構成する。
ここに使用するフロロカーボンとしては、沸点が80℃以
上のもの、具体的にはパーフロロアルカン系(CnF2n+
2)であれば、nが7以上のものが好ましい。
上のもの、具体的にはパーフロロアルカン系(CnF2n+
2)であれば、nが7以上のものが好ましい。
その理由は第2図に示すように、nが7以上のものはそ
の沸点が80℃以下となるからである。沸点がこれより低
いものにおいては、コンデンサ使用時に内部で気泡が発
生し、絶縁特性が低下する恐れがあるからである。
の沸点が80℃以下となるからである。沸点がこれより低
いものにおいては、コンデンサ使用時に内部で気泡が発
生し、絶縁特性が低下する恐れがあるからである。
なお第2図にはフロロカーボン液の、各nに対する部分
放電開始電圧特性も併示してある。
放電開始電圧特性も併示してある。
次にこの考案によるコンデンサの特性を、従来のコンデ
ンサと比較して説明する。この考案によるコンデンサと
して、厚さ10μm、幅100mmの粗面化PPフイルムの粗面
側に、Alを幅95mmにわたって蒸着して金属化フイルム3
を構成し、その2枚を巻回してコンデンサ素子とした。
ンサと比較して説明する。この考案によるコンデンサと
して、厚さ10μm、幅100mmの粗面化PPフイルムの粗面
側に、Alを幅95mmにわたって蒸着して金属化フイルム3
を構成し、その2枚を巻回してコンデンサ素子とした。
そしてその両端にZnでメタリコンし、リード線を引出し
てから、電圧処理、乾燥処理を行なってから、C10F22の
フロロカーボン液を含浸し、最終熱処理(70℃,20hr)
を行なった。
てから、電圧処理、乾燥処理を行なってから、C10F22の
フロロカーボン液を含浸し、最終熱処理(70℃,20hr)
を行なった。
比較のために同じコンデンサ素子に、鉱物油を含浸させ
たもの(以下比較例1という。)、アルキルベンゼンを
含浸させたもの(以下比較例2という。)、ポリブテン
を含浸させたもの(以下比較例3という。)、アルキル
ナフタレンを含浸させたもの(以下比較例4とい
う。)、アルキルジフェニルエタンを含浸させたもの
(以下比較例5という。)、シリコーン油を含浸させた
もの(以下比較例6という。)を製作して比較した。
たもの(以下比較例1という。)、アルキルベンゼンを
含浸させたもの(以下比較例2という。)、ポリブテン
を含浸させたもの(以下比較例3という。)、アルキル
ナフタレンを含浸させたもの(以下比較例4とい
う。)、アルキルジフェニルエタンを含浸させたもの
(以下比較例5という。)、シリコーン油を含浸させた
もの(以下比較例6という。)を製作して比較した。
それぞれの供試品についての含浸後および最終熱処理後
の部分放電開始電圧を次表に示し、更に60℃、100V/μ
mの加熱課電による容量変化を第3図に示す。
の部分放電開始電圧を次表に示し、更に60℃、100V/μ
mの加熱課電による容量変化を第3図に示す。
これらの結果より、比較例1〜6のものは、いずれもこ
の考案による実施例のものに比較して、熱処理後におけ
るコンデンサ初期部分放電開始電圧は低いし、また加熱
課電による容量の低下も著しいことが判明する。
の考案による実施例のものに比較して、熱処理後におけ
るコンデンサ初期部分放電開始電圧は低いし、また加熱
課電による容量の低下も著しいことが判明する。
なお比較例6のものと実施例のものとは、他の比較例の
ものよりも容量比、部分放電特性のいずれもが安定して
いる。これは次表に示すPPフイルムの膨潤特性から理解
されるように、各絶縁油の膨潤特性の差によるものと考
えられる。
ものよりも容量比、部分放電特性のいずれもが安定して
いる。これは次表に示すPPフイルムの膨潤特性から理解
されるように、各絶縁油の膨潤特性の差によるものと考
えられる。
また長時間加熱課電された容量特性ならびに部分放電特
性において、比較例6のものが実施例のものより若干劣
っているが、これは含浸性の差によるものと考えられ
る。
性において、比較例6のものが実施例のものより若干劣
っているが、これは含浸性の差によるものと考えられ
る。
すなわち比較例6で絶縁油として使用したシリコーン油
の粘度が、50cst(at25℃)であるのに対し、実施例で
使用したフロロカーボン液の粘度が、2.4cst(at25℃)
であり、このような粘度の差が含浸性の優劣の差となっ
て表われたものと考えられる。
の粘度が、50cst(at25℃)であるのに対し、実施例で
使用したフロロカーボン液の粘度が、2.4cst(at25℃)
であり、このような粘度の差が含浸性の優劣の差となっ
て表われたものと考えられる。
またフロロカーボンは難然性の液体であるため、これを
含浸剤として使用したコンデンサは、防災性に優れたも
のとなる。
含浸剤として使用したコンデンサは、防災性に優れたも
のとなる。
(考案の効果) 以上詳述したようにこの考案によれば、部分放電特性な
らびに長期安定性に優れたコンデンサが得られる効果を
奏する。
らびに長期安定性に優れたコンデンサが得られる効果を
奏する。
第1図はこの考案の実施例を示す拡大断面図、第2図は
この考案で使用するフロロカーボンの沸点特性ならびに
部分放電開始電圧特性を示す図、第3図はコンデンサの
加熱課電時間に対する容量比を示す特性図である。 1……PPフイルム、2……金属膜、3……金属化フイル
ム、
この考案で使用するフロロカーボンの沸点特性ならびに
部分放電開始電圧特性を示す図、第3図はコンデンサの
加熱課電時間に対する容量比を示す特性図である。 1……PPフイルム、2……金属膜、3……金属化フイル
ム、
Claims (1)
- 【請求項1】金属を粗面化された表面に蒸着した粗面化
ポリプロピレンフイルムによって金属化フイルムを構成
し、前記金属化フイルムの複数枚を巻回して構成したコ
ンデンサ素子に、一般式CnF2n+2で表わされるフロロ
カーボンの液を含浸剤として含浸してなるコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8897890U JPH0739223Y2 (ja) | 1990-08-24 | 1990-08-24 | コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8897890U JPH0739223Y2 (ja) | 1990-08-24 | 1990-08-24 | コンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0446531U JPH0446531U (ja) | 1992-04-21 |
JPH0739223Y2 true JPH0739223Y2 (ja) | 1995-09-06 |
Family
ID=31822641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8897890U Expired - Lifetime JPH0739223Y2 (ja) | 1990-08-24 | 1990-08-24 | コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0739223Y2 (ja) |
-
1990
- 1990-08-24 JP JP8897890U patent/JPH0739223Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0446531U (ja) | 1992-04-21 |
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