JPH073853U - 横形ダイカストマシンの給湯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶湯をプランジャスリーブから金型キャビテ
ィに給湯するとき、空気およびガスの巻き込みを極力減
少させ、製品中に気泡の残ることを無くして強度と気密
性の高い製品が得られる横形ダイカストマシンの給湯装
置を提供する。 【構成】 キャビティに連通する側を上昇するように傾
斜させたプランジャスリーブと、同プランジャスリーブ
の最底部に接続して溶湯をほぼ満つるように注入させる
電磁ポンプあるいは空加圧ポンプもしくはピストンポン
プとからなり、射出プランジャを前進させて前記溶湯を
キャビティに給湯するようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は横形ダイカストマシンの給湯装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の電磁ポンプあるいは空加圧ポンプもしくはピストンポンプによって給湯 する一般的な横形ダイカストマシンにおいては、プランジャスリーブは固定金型 に水平に取付けられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このため溶湯をプランジャスリーブに注入したときプランジャスリーブの上方に 空気と塗形材等からのガスが残留した。この状態で射出プランジャを前進させて 金型のキャビティに溶湯を給湯すると、空気等は鋳造製品中に巻き込まれ気泡と なって強度および気密性を低下させ良質な製品が得られなかった。

【０００４】 本考案はこのような欠点を除去したもので、その目的は溶湯をプランジャスリ ーブから金型キャビティに給湯するとき、空気およびガスの巻き込みを極力減少 させて、製品中に気泡の残ることを無くし、もっと強度と気密性の高い製品を得 られるようにした横形ダイカストマシンの給湯装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る横形ダイカストマシンの給湯装置は、キャビティに連通する側を 上昇するように傾斜させたプランジャスリーブと、同プランジャスリーブの最底 部に接続して溶湯をほぼ満つるように注入させる電磁ポンプあるいは空加圧ポン プもしくはピストンポンプとからなり、射出プランジャを前進させて前記溶湯を キャビティに給湯するようにしたものとする。

【０００６】

【作用】 電磁ポンプあるいは空加圧ポンプもしくはピストンポンプを作動して、これに 接続したプランジャスリーブの最底部から溶湯がほぼ満つるように注入される。 次いで射出プランジャを前進させることにより、製品中に気泡が残ること無く、 前記溶湯がキャビティに給湯される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を用いて詳細に説明する。ベース１１に固 着された固定ダイプレート１２に取付けた固定金型１３と、この固定金型１３に 対向する移動金型１４は移動ダイプレート１５に取付けられ、移動ダイプレート １５は固定ダイプレート１２とハウジング（図示せず）との間に張り渡されたタ イバー１６により、支持かつ案内されてベース１１上を摺動する。固定ダイプレ ート１２の近傍には内部に溶湯２１を貯えた保温炉２２が設置されており、保温 炉２２の比較的下方でかつ側面に突出した出湯管２３の外周には電磁ポンプ２４ が設けられ、出湯管２３の一端はノズル２５を介してプランジャスリーブ２６の 最底部に接続されている。プランジャスリーブ２６は先端（図において左方）が 水平線に対し３゜ないし５゜の範囲で上昇した傾斜状で固定ダイプレート１２に 取付けられ、その先端は両金型１４および１３の湯道２７および２８を通ってキ ャビティ２９に連通し、キャビティ２９は両金型１３および１４の薄い隙間によ り外気に連通している。なお３０は射出プランジャである。

【０００８】 前述の説明では固定ダイプレート１２および移動ダイプレート１５等はプラン ジャスリーブ２６に対し直角に構成され垂直状態ではないが、これらは垂直状態 に構成してもよい。

【０００９】 次に前述した実施例の動作を説明する。両金型１３および１４を図示のように 密着させた後、電磁ポンプ２４を動作させれば、溶湯２１は出湯管２３とノズル ２５を通って、プランジャスリーブ２６へその最底部から注入される。このとき プランジャスリーブ２６は先端が上昇した傾斜になっているため、空気等は湯道 ２７および２８とキャビティ２９を通って外方に抜けプランジャスリーブ２６内 に留ることはない。次いでプランジャスリーブ２６に溶湯２１がほぼ満ちた状態 にして電磁ポンプ２４を停止すると共に、射出プランジャ３０を前進させれば溶 湯２１はキャビティ２９に給湯される。

【００１０】 またプランジャスリーブ２６への溶湯２１の注入は電磁ポンプ２４による場合 について説明したが、このほか保温炉２２の上面にフタ（図示せず）を設け溶湯 ２１上面に圧力空気を作用させる空圧加圧ポンプ、或いは通常のシリンダとピス トン（何れも図示せず）のピストンポンプも適用可能である。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に係る横形ダイカストマシンの給湯装置は、以上説明したようにプラン ジャスリーブはキャビティに連通する側を上昇するように傾斜させて固定ダイプ レートに取付け、その最底部から溶湯をプランジャスリーブに満つるように注入 し、この注入時プランジャスリーブ内の空気と塗形材等から発するガスは、プラ ンジャスリーブの先端が上昇するように傾斜させているため空気等は湯道からキ ャビティを通って外部に逃げると共に、さらにプランジャスリーブ内には溶湯が ほぼ満ちていることから射出プランジャの前進時における空気の巻き込みがほと んど無くなった。従って気泡は無く強度と密度の高い良質な鋳造製品が得られる 利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１３ 固定金型 １４ 移動金型 ２１ 溶湯 ２２ 保温炉 ２４ 電磁ポンプ ２６ プランジャスリーブ ２９ キャビティ ３０ 射出プランジャ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビティに連通する側を上昇するよう
   に傾斜させたプランジャスリーブと、同プランジャスリ
   ーブの最底部に接続して溶湯をほぼ満つるように注入さ
   せる電磁ポンプあるいは空加圧ポンプもしくはピストン
   ポンプとからなり、射出プランジャを前進させて前記溶
   湯をキャビティに給湯するようにした横形ダイカストマ
   シンの給湯装置。