JPH0738105U - タイツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 股上縫合線を形成する編地の形態安定化を図
ったタイツを提供することである。 【構成】 股上縫合線３、５を囲むように身頃地６（襠
４を含む）に、浮き編目７、７ａを設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、タイツに関する。

【０００２】

【従来の技術】

タイツは、図４及び図５に示すように、両脚部１１、１１とパンティ部１２と が連なったものであり、パンティ部１２は筒形身頃地の片側を切開して左右のも のを突合わせ前股上縫合線１３と、襠１４を取付ける略Ｕ字形後股上縫合線１５ とによって縫製されている。

【０００３】 パンティ部１２を形成する身頃地１６は、図６に示すように、表面にあらわれ る地編糸Ａに、裏面にあらわれる弾性糸Ｂを添えて編成した添え糸編（通称プレ ーティング編み）の平編地である。

【０００４】 ところが、各股上縫合線の部分においては、身頃地と同じ平編であるため、伸 びやすく裁断時にカット縁の編目が流れて寸法誤差が発生すると共に、着用時に 大きな外力が作用すると弾性糸のみが編目から横方向に位置ずれ（所謂スリップ イン）し、生地厚が薄くなり班が発生する等の問題点があった。

【０００５】

【考案の課題】

そこで、この考案の課題は、股上縫合線部分の形態を安定せしめ、裁断縫製寸 法の正確さを図り、かつスリップインによる班が発生しないようなタイツを提供 することである。

【０００６】

【課題の解決手段】

上記の課題を解決するために、この考案においては、股上縫合線を囲むように 身頃地に、浮き編目（所謂フロート編み）を設けたのである。

【０００７】

【作用】

前記浮き編目は、一方の糸（地編糸）でループをつくり、他方の糸（弾性糸） はループをつくらないため、弾性糸のループ数が減少して伸びが抑制され、股上 縫合線を形成する編地の形態が安定化する。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【０００９】 図１及び図２に示すように、この考案のタイツは、表面にあらわれるアクリル ・ナイロン・毛混紡糸等からなる地編糸にポリウレタン等の弾性糸を添えて編成 した添え糸編（所謂ブレーティング編み）からなり、左右の脚部１、１の上端に パンティ部２が、直線状前股上縫合線３と、襠４を取付ける略Ｕ字形後股上縫合 線５とによって縫製されている。

【００１０】 編立工程において、前股上縫合線３及び後股上縫合線５に沿うように、平編で ある身頃地６に小幅帯状の浮き編目（フロート編み）７が設けられ、さらに、こ の浮き編目７に連続して、脚部１とパンティ部２との境目に環状の浮き編目７ａ が編成されている。この浮き編目７、７ａの要所を裁断し、左右のものを突合わ せ縫合してパンティ部２が縫製され、各股上縫合線がこの浮き編目で囲まれるよ うになる。

【００１１】 パンティ部２の上縁には、環状ウエストバンド８が縫製されている。各縫合線 は平３本針ミシンで縫製されており、編目の流れや弾性糸即ち裏糸のスリップイ ン等が防止できる。

【００１２】 襠４は、身頃地の不足する部分を補う編地であり、別に編立てた全面浮き編の 編地から裁断されている。なお、この襠４は、中央部を平編とし縫い代となる周 縁を小幅の浮き編とすることもできる。

【００１３】 前記浮き編目７、７ａは図３に示すように、地編糸Ａで平編のループをつくり 、弾性糸Ｂでは１コースおきにループをつくらずここがメッシュとなり、メッシ ュを順次移動せしめて、所謂スパイラルメッシュを形成している。

【００１４】 この浮き編目７、７ａは、弾性糸Ｂのループ数が半減しており、伸びが経緯方 向に抑制され全体的に形態が安定する。このため、裁断時にカット縁の編目の乱 れや流れが少なく裁断寸法が正確となると共に、縫製作業が高能率化し、かつ着 用時には縫合線に直接かかる外力が斜めに分散できるようになりスリップインを 防止することができる。

【００１５】 前記タイツは、エレクトロニクス柄出選針機構を備えた自動丸編くつ下編機に よって、筒形脚部１、パンティ部２となる身頃地６、浮き編目７、７ａ等を連続 して容易に編成することができ、また、浮き編地や襠に裁断マークを編み込むこ ともできる。裁断マークを設けておくと、裁断縫製の作業性が向上する。

【００１６】 さらに、前記タイツは、ウエストバンド８となる部分を浮き編目に編成すると 、この部分の裁断作業が容易になり、股上及び股下の寸法規格が著しく安定する 利点が生じる。また、脚部１とパンティ部２との境目に設けた環状浮き編目７ａ は、靴下止め即ちガーターの役目を兼ねる。

【００１７】 なお、前記浮き編目は、上述のように、１目飛びのメッシュが斜交するスパイ ラル柄に編成するほか、編糸の種類や用途に対応して、飛び目数、メッシュの配 列等柄模様を適宜選択することができる。また、凹凸効果で模様をあらわすリン クス柄に編成してもよい。

【００１８】 この考案に係るタイツは、脚部とパンティ部とが連なり身体に密着する、例え ばボディ・タイツとよばれるもの等各種形式のものに適用される。また襠の存在 しないタイツにも適用されることは勿論である。

【００１９】

【考案の効果】

この考案によれば、以上のように、編立時において、股上縫合線を囲むように 、平編の身頃地（襠を含む）に、伸びを抑える浮き編目を設けたので、裁断縫製 作業が容易となり寸法を安定化し品質向上を図ることができると共に、着用時に 縫合線付近のスリップインによる班等のトラブルを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のタイツのパンティ部の一例を示す正
面図

【図２】同上の背面図

【図３】同上の浮き編目の組織図

【図４】従来のタイツの一例を示す全体正面図

【図５】同上のパンティ部の背面図

【図６】同上の身頃地の組織図

【符号の説明】

１、１１ 脚部 ２、１２ パンティ部 ３、１３ 前股上縫合線 ４、１４ 襠 ５、１５ 後股上縫合線 ６、１６ 身頃地 ７、７ａ 浮き編目 ８ ウエストバンド Ａ 地編糸 Ｂ 弾性糸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】股上縫合線を囲むように身頃地に、浮き編
   目を設けたタイツ。