JPH0737520B2 - 含フッ素ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

含フッ素ポリカーボネートの製造方法

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JPH0737520B2
JPH0737520B2 JP62239456A JP23945687A JPH0737520B2 JP H0737520 B2 JPH0737520 B2 JP H0737520B2 JP 62239456 A JP62239456 A JP 62239456A JP 23945687 A JP23945687 A JP 23945687A JP H0737520 B2 JPH0737520 B2 JP H0737520B2
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康男 三枝
茂夫 中村
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Central Glass Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は4,4′−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフ
ェニル基を構成単位にもつことを特徴とする含フッ素ポ
リカーボネートの製造方法に関する。
本発明に係る含フッ素ポリカーボネートは高い透明性、
強靱な製膜性とその高い柔軟性、高い耐熱性と比較的高
いガラス転移温度を有し、なおかつ特に優れた電気絶縁
性、比較的低い屈折率、低摩擦非粘着性を示し、エンジ
ニアリングプラスチック、ポリマーブレンド、コーティ
ング材料、絶縁材料、光学材料、選択透過膜などの各種
工業用機能性材料として有用である。
[従来の技術] 従来よりポリカーボネートは透明性、耐衝撃性等に優れ
た樹脂として広く使用されており、一般的にはホスゲン
法、エステル交換法により製造されている。これらの方
法は次に示すような種々の問題点を有している。
ホスゲン法 ホスゲンは気体であり、取扱に難があるとともに、毒性
が高い。
エステル交換法 過酷な反応条件(200℃以上)で、低圧が必要であるほ
かジオール成分の化学修飾が必要である。また分子量も
低い。
一方、のホスゲン法でのホスゲンのかわりにホスゲン
の2量体であるトリクロロメチル=クロロホルメートを
用いる方法も提案されている。
しかし、含フッ素のポリカーボネートに応用した例はな
い。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、従来公知のポリカーボネートについて屈
折率を低下させること、耐加水分解性の向上、クラック
発生の抑制、耐薬品性の向上および成形性の改良をおこ
なうとともに有利な製造法を開発すべく鋭意検討の末、
本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、一般式(I) (式中、RはRが1種の場合はヘキサフルオロイソプロ
ピリデン基、Rが2種の場合はその中の1種としてヘキ
サフルオロイソプロピリデン基、他の1種としてイソプ
ロピリデン基、nは正の整数を示す)で表わされる含フ
ッ素ポリカーボネートの製造方法であり、一般式(II) (式中、Rはヘキサフルオロイソプロピリデン基または
イソプロピリデン基である)で表わされるジオールの1
種(一般式(II)のRがヘキサフルオロイソプロピリデ
ン基である)、または2種と、トリクロロメチル=クロ
ロホルメート(III) を有機溶媒−水系混合溶媒中で反応させることを特徴と
する含フッ素ポリカーボネートの製造方法である。
本発明に係る含フッ素ポリカーボネートは前記方法によ
り繊維状、または直接溶媒キャスト法によりフィルム状
として得られ、比較的高いガラス転移温度、高い分解温
度を有することからこれらの溶液より容易に透明なフィ
ルム等の成形品を得ることができ、その工業的価値は高
い。本発明において用いる一般式(II)で示されるジオ
ールとしてはRがヘキサフルオロイソプロピリデン基で
あるジオールを単独で使用することもできるし、あるい
はRがイソプロピリデン基であるジオールを混合して使
用し、フッ素含量の異なる二元共重合体を得ることもで
きる。ジオールを混合して使用する場合、その仕込組成
比を変えることにより含フッ素ポリカーボネートはフッ
素含量の低下とともに本発明のポリカーボネートの特徴
である耐熱性、非粘着性は低下する。
本発明においては有機溶媒−水系混合溶媒中で反応をお
こなうことが必須であり、用いる有機溶媒としては、ト
リクロロメチル=クロロホルメートに対する良溶媒であ
って、しかも反応主生成物の4,4′−ヘキサフルオロイ
ソプロピリデンジフェニル基を構成単位に持つ含フッ素
ポリカーボネートに対する良溶媒であればよく、例えば
クロロホルム、塩化メチレン等の塩素化炭化水素が挙げ
られる。本発明の製造法についてさらに詳細に説明する
と、前記一般式(II)で示されるジオールと、水酸化ア
ルカリ、さらに相間移動触媒を溶解した塩素化炭化水素
−水2相系混合溶液に、室温下、強く撹拌してトリクロ
ロメチル=クロロホルメートの塩素化炭化水素溶液を滴
下することにより容易に製造できる。本発明で使用する
水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リ等があり、また相間移動触媒としては、テトラメチル
アンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロ
ミドをそれぞれ例示することができる。
本発明で使用するトリクロロメチル=クロロホルメー
ト、水酸化アルカリ、相間移動触媒の使用量は通常ジオ
ールに対しそれぞれ100〜150モル%、300〜1000モル
%、5〜100モル%含むことになる量が使用される。反
応を経済的に進行させ、かつフィルム形成能を有する重
合度の含フッ素ポリカーボネートを得るためには、それ
ぞれ150モル%、300〜600モル%、60モル%前後を選択
することが好ましい。反応時間は各化合物の濃度により
影響されるが、いかなる場合にも最高の重合度の意味す
る最大粘度が得られるまで反応系を撹拌するのがよく、
多くの場合1時間までの範囲で選択することができる。
また反応温度は特に限定されないが、使用する溶媒の種
類によっても制限されるが0〜50℃の範囲が選択され、
一般的には、室温下でおこなわれる。
以上のような重合条件のもとで、ジオールとトリクロロ
メチル=クロロホルメートの反応を進行させることによ
り、最大粘度0.54dl/g(N,N−ジメチルホルムアミド中3
0℃、0.5g/dlの濃度で測定)の含フッ素ポリカーボネー
トを製造することができる。このようにして得られた含
フッ素ポリカーボネートは、フッ素含量に依存して115
〜175℃の範囲にガラス転移温度を有し、また500℃にお
ける空気中での重量残存率は32〜55%を示した。またこ
の含フッ素ポリカーボネートは、塩素化炭化水素、ベン
ゼン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、ジメチルスルホキシド、m−クレゾール等の
溶剤のすべてに可溶であり、透明なフィルムをホットプ
レス法および溶媒キャスト法により得ることができる。
さらに空気界面での平衡接触角は25℃で90〜92度、臨界
表面張力は21〜24dyn/cmと極めて高い非粘着性を有する
ものである。
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 1.68g(5ミリモル)の4,4′−ヘキサフルオロイソプロ
ピリデンジフェノール(AF)、1.01g(3.15ミリモル)
のテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)および1.
14g(28.5ミリモル)の水酸化ナトリウムを30mlの水に
溶解し、30mlの1,2−ジクロロエタン(DCE)を加えて室
温で強く撹拌した。これに、0.9ml(7.5ミリモル)のト
リクロロメチル=クロロホルメートのDCE溶液7.5mlを10
分間で添加した後、さらに撹拌を1時間続けた。有機相
を分取し、水洗した後、多量のメタノールに投入して白
色繊維状のポリカーボネートの沈殿を得た(収率84
%)。
還元粘度:0.35dl/g(N,N−ジメチルホルムアミド中30
℃、0.5g/dlの濃度で測定) 赤外吸収スペクトル:1780cm-1(KBr法で測定) 元素分析: C H 計算値(%) 53.05 2.23 実測値(%) 53.02 2.03 ガラス転移温度(Tg):163℃(示差走査熱量計(DSC)
による)、融点は観察されなかった 5%重量減少温度(DT5):空気中436℃(熱重量測定
(TG)による) 10%重量減少温度(DT10):空気中448℃(TGによる) 500℃における重量残存率(Rw):空気中55%(TGによ
る) 水の平衡接触角(θw):92゜(空気中25℃) 臨界表面張力(γc):21.0dyn/cm(Zismann法) 屈折率(n):1.426(20℃) 弾性率(E):1.1×109N/m2 数平均分子量(Mn):5200(ゲルパーミエイションクロ
マトグラフィー(GPC)法による) 実施例2〜6、参考例1 実施例1と同様の操作により、4,4′−ヘキサフルオロ
イソプロピリデンジフェノール(AFと略す)、4,4′−
イソプロピリデンジフェノール(Aと略す)およびトリ
クロロメチル=クロロホルメートの仕込組成比を変化さ
せて、AF−A二元共重合体またはA単独重合体を合成し
た。結果を実施例1の結果とともに第1表に示した。
[発明の効果] 本発明は前記の一般式(I)で示される4,4′−ヘキサ
フルオロイソプロピリデンジフェニル基を構成単位に持
つ含フッ素ポリカーボネートの有利な製造法を提供する
ものである。本発明に係る含フッ素ポリカーボネートは
各種有機溶媒に可溶であって、成形容易である。さらに
比較的高いガラス転移温度を有するものであり、しかも
ポリカーボネート特有の高い透明性、機械的強度、自己
消火性、優れた耐熱性を有するものであって加熱成形が
可能である。さらに従来のポリカーボネートに比較し
て、本発明に係る含フッ素ポリカーボネートは優れた表
面特性、電気絶縁性、耐寒性を有するとともに、高温で
の耐加水分解性、アルカリ、アミン、芳香族炭化水素、
ケトン、エステルなどに対する耐薬品分解性、成形時の
内部応力、集中繰り返し応力、熱応力などによるクラッ
クの発生を抑制することができるなど工業材料としての
価値が大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、RはRが1種の場合はヘキサフルオロイソプロ
    ピリデン基、Rが2種の場合はその中の1種としてヘキ
    サフルオロイソプロピリデン基、他の1種としてイソプ
    ロピリデン基、nは正の整数を示す)で表される含フッ
    素ポリカーボネートの製造方法であって、 一般式(II) (式中、Rはヘキサフルオロイソプロピリデン基または
    イソプロピリデン基を示す)で表されるジオールの1種
    (一般式(II)のRがヘキサフルオロイソプロピリデン
    基であるジオール)、または2種と、トリクロロメチル
    =クロロホルメート(III) を有機溶媒−水系混合溶媒中で反応させることを特徴と
    する含フッ素ポリカーボネートの製造方法。
JP62239456A 1987-09-24 1987-09-24 含フッ素ポリカーボネートの製造方法 Expired - Lifetime JPH0737520B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3061637D1 (en) * 1979-10-22 1983-02-17 Mobay Chemical Corp Thermoplastic aromatic copolycarbonates, process for their preparation from 2,2-bis(4-hydroxyphenyl)-1,1,1,3,3,3-hexafluor propane and their use

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